2019-09-10 BPLL #37 https://bpstudy.connpass.com/event/143999/
最近、「豚コレラ」という言葉を時々ニュースで聞くが、それが農家や農政に重大な危機であることがあまり知られてないのではないかと思う。 この危機を知ってもらいたい。
- 中神肇
- 日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)獣医学科卒
- 平成4年獣医師免許取得
- 牛飼いの息子(長男)
- 農林水産行政 → 家畜を殖やす。農産物(肉、卵牛乳)の増産
- 公衆衛生 → 保健所
ペットの治療は、人間の医者の世界でいうと美容整形みたいなもの
- Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%9A%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%A9
- 2018年8月末(発覚したのは9月)から、ここ1年ほど日本中で猛威を振るっている(特に、岐阜と愛知)
- 我が故郷、愛知県田原市でも! http://www.city.tahara.aichi.jp/kankou/nogyou/1005073/1006112.html
- 家畜の法定伝染病
- 発症したら届出が必要
- 家畜の届出伝染病というのもある
- アフリカ豚コレラとはまったく別物
- 人には感染しない
- 感染豚の肉を食べても問題ない
- 豚同士の感染もあるが、山に人が入らず野生のイノシシが感染しているらしい
- 環境省がイノシシに対策費 https://www.agrinews.co.jp/p48669.html
- 長野県でイノシシ猟禁止区域を設けない (2019-09-09) https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190909/KT190909FSI090003000.php
- 苦肉の策として、愛知と岐阜で、イノシシにエサ型ワクチンを与えている
- 最近、地域を限定してワクチンを接種するようにするか・・・という案が出ている
- 豚コレラワクチンは存在し、感染してない豚に打てば発症しないが、打てない(現状打ってはいけない)
- ワクチンを打つと、非感染であっても、感染豚と区別がつかないので非清浄国とされ清浄国への輸出ができなくなる
- 発見次第、同じ畜舎にいる非感染な家畜も含めて殺処分が基本
- 周辺農家の家畜(ニワトリならたまご)の移動禁止、肉になってても禁止 = 出荷できない
口蹄疫(牛)
- かなりやばいやつ
- 私が卒業した頃(1992年)今後、日本で発症するような病気ではないと思っていた
- 2010年に発症 https://ja.wikipedia.org/wiki/2010%E5%B9%B4%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%8F%A3%E8%B9%84%E7%96%AB%E3%81%AE%E6%B5%81%E8%A1%8C
高病原性鳥インフルエンザ
- 2004 年発症、浅田農産会長夫妻が自殺
- その後散発している
- 2006 年、愛鶏園の獣医が検査妨害 https://aiki117.at.webry.info/200603/article_7.html (こっそり輸入ワクチンを打ったらしい)
- 渡り鳥が感染源となる可能性があるので、防疫体制として鶏舎に雀ほどの鳥も入れないように、といわれる
- 殺処分を行った県の職員の抗体化が上がったらしく、人獣共通伝染病としての危険性もある
- 過去、何度か発生した世界的なインフルエンザの感染(スペイン風邪など)は、鳥由来のインフルエンザが変異したものとの説もある
法定伝染病が発症すると、殺処分に対して、すこしの金銭的補償はあるが、同じ施設で飼えなくなってしまうので経済的に厳しい。また、同業者に迷惑をかけてしまう(近隣の業者の出荷禁止措置。感染拡大)