ピッケル本の愛称で長く親しまれてきた、英語圏で出版された最初のRuby書籍『Programming Ruby: A Pragmatic Programmer's Guide』の最新の版である『Programming Ruby 3.3 (5th Edition)』の翻訳プロジェクトを支援くださる方・企業を募集します(準備中)。
ピッケル本こと『Programming Ruby』は、Dave ThomasとAndy Huntによって書かれ、2000年11月に出版された、英語圏で最初のRuby書籍になります。
『Programming Ruby』はアメリカでRubyコミュニティがまつもとさんを呼んで集まるきっかけにもなった、Rubyコミュニティにとって大切な書籍です。
一番最初のカンファレンスですと、デイブ・トーマスとアンディ・ハントの『プログラミングRuby』、ピッケル本と呼ばれている本が出た時に、それを見て感銘を受けた人たちが、「じゃあ、みんなで集まりましょう」「遠くだけど、みんなの参加費を集めて、まつもとの航空券を買って、まつもとを呼んで話そう」みたいな会を開きました。それ以来、毎年、Ruby Conferenceというものがアメリカで開かれています。
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表紙にピッケルが描かれていたため、『ピッケル本』という愛称でコミュニティに長く親しまれてきました。
日本では、2001年に『プログラミングRuby: 達人プログラマーガイド』として1st edition が翻訳された後、3rd editonまで訳書が出版されましたが、現在は手に取れない状況が続いています。
Amazon.co.jp: プログラミングRuby 1.9 −言語編− : Dave Thomas, Chad Fowler, Andy Hun, まつもと ゆきひろ, 田和 勝: 本
そんなピッケル本のRuby 3対応版である『Programming Ruby 3.3 (5th Edition)』が、2024年にThe Pragmatic Bookshelfから新たに刊行されました。メインの執筆者は、Dave ThomasやAndy Huntから引き継いで、Noel Rappinが務められています。
国内のRuby関連書籍の刊行数が少なくなってきている現在、そして、技術書籍の翻訳書の出版という形態もこの先長く続くかどうかの約束のない今だからこそ、ピッケル本の最新版を日本語の紙書籍という形で出版しておきたいと考え、島田(@snoozer05)の方で本プロジェクトを進めています。
『プログラミングRuby 1.9』までの訳者である田村さんにもご了承をいただき、過去の訳文を活かす形で最新の版との差分を確認しながら翻訳する作業を島田の方で進めています。現在は、全体の1/6くらいまで翻訳を進めている状況です。
また、まつもとさんにも応援をいただいており、これまでのピッケル本と同様、訳書が刊行される際には前書きを寄せていただくこととなっています。
出版にあたっては『プログラミングRuby 1.9』までの出版元であるオーム社さんにお願いできる見込みですが、過去の販売実績などから費用面で課題がある状況です(具体的には翻訳の仕事に対していただけるお金はほとんどない状況です)。
こうした状況から、主旨に賛同し書籍スポンサーになってくださる個人や企業の方々を募集したいと考えています。
具体的な支援の設計はこれからなのですが、返礼については、費用を支援くださったスポンサーの方のお名前を謝辞に載せる・刊行後に書籍をお届けするといった内容を考えています。
また、今後は査読レビューに協力いただける方なども募集したいと考えています。
このプロジェクトやご支援に興味を持っていただけましたら、RubyKaigiの会期中、会場で声をかけていただけると幸いです(ささださんの本屋さんのお手伝いをしていることが多いと思います)。
最新のピッケル本の翻訳本出版に、どうかお力をお貸しいただけると幸いです。
Rubyist。株式会社えにしテック代表取締役。一般社団法人日本Rubyの会理事。携わったRuby関連の書籍『Ruby on Railsパフォーマンスアポクリファ』『Rubyのしくみ』『なるほどUnixプロセス』『Ruby逆引きレシピ』。