Skip to content

Instantly share code, notes, and snippets.

@tamaina
Last active March 23, 2022 18:16
Show Gist options
  • Star 0 You must be signed in to star a gist
  • Fork 0 You must be signed in to fork a gist
  • Save tamaina/2731f8c38727d360e63825ae6f979c60 to your computer and use it in GitHub Desktop.
Save tamaina/2731f8c38727d360e63825ae6f979c60 to your computer and use it in GitHub Desktop.
zerenshiki

親愛なる日本国民の皆様、ウクライナ大統領として、日本の国会において史上初のオンライン演説をする機会をいただき、大変光栄に思います。ウクライナと東京は8千㌔離れています。飛行機では15時間ほどです。しかし、自由を追求する心、生きたいと願う心、平和を希求する心、そういった私たちの心の距離はどうでしょうか。

2月24日、私には距離がまったくないように思いました。貴方方はすぐ助けに来てくださいました。心より感謝を申し上げます。ロシアが我が国の平和を破壊した時、私たちはすぐ、世界の本当の姿に気づかされました。それは、世界が、本当に戦争に反対し、本当に自由を守り、本当にグローバルな安全保障を支持し、本当に一つ一つの社会の調和に基づく発展を支持していることに気づかされました。そして、日本は、アジアにおいて、こうした価値観を共有する国々のリーダーであると気づきました。日本は、ロシアが始めたこの残虐な戦争を止めるために、ウクライナとヨーロッパの平和のために、すぐ行動を起こしてくださいました。これは、この地球に住む一人一人の人間にとって重要なことです。なぜなら、ウクライナが平和でなければ、誰一人、未来に希望を持つことができないからです。

皆様はチェルノブイリ原子力発電所をご存じでしょう。原発事故の影響で、地球の至るところで放射能の拡散が確認されました。周辺の半径30㌔は未だ立ち入り禁止区域になっています。周辺の森には使用済み核燃料や放射能に汚染された破片や機材が遺されたままになっています。

2月24日、放射能をまき散らしながら、ロシア軍の装甲車はやってきました。ロシア軍は武力によって原発を制圧したのです!想像してください。事故が起きた原発、破壊された原子炉を覆うシェルター、現在も稼働する核廃棄物貯蔵施設……ロシアはこのような場所をも戦場に変えたのです!そしてロシアは、立ち入り禁止区域を、我が国へ更なる攻撃を与えるために利用しています。彼らがどれほど原発を破壊したのか、どれほどの放射能を世界中に拡散したのか、判明するまでには何年もの研究が必要になることでしょう。

皆様、わが国にはまだ稼働している原発が4か所あります。原子炉の数は15基です。それがロシアからの攻撃の脅威に晒されています。既にロシアは、ヨーロッパ最大の原発であるサボロージェ原発を砲撃しました!危険物を取り扱う施設を含め、何百もの工場が破壊されました。ガス・石油パイプライン、炭鉱なども、常に砲撃の脅威に晒されています。

先日ロシア軍は化学工場を攻撃しました。大量のアンモニアが漏出してしまいました。そして私たちは、ロシア軍がサリンを使った攻撃を準備しているという報告を受けています。ロシアはシリアで実際にサリンを使用しています。そして、今、世界中で話題になっているのは「ロシアが核兵器を使用するのではないか」ということです。世界中のすべての国、すべての人が不安に思っています。

我が国の英雄的な軍は、28日間にわたり国を守るために戦い続けています。28日間、最も面積が広い国の全面侵攻に耐えています。彼らの領土は最大かもしれませんが、可能性や影響力、軍事力はそうでもありませんでした。モラルは世界最小でしょう。

ロシアはウクライナの平和な街に、1000発を超えるミサイルと、数えきれないほどの砲弾を撃ってきました。ロシア軍は我が国の数十の都市を破壊し、その一部は完全に燃え尽きました。不法占領下の地域では、多くの人々が、殺された親戚、友人、隣人の葬式を上げることができていません。壊された家の庭や道路の脇に、遺体をただ埋めることしかできていないのです。

この戦争で数千人のウクライナ人が殺されました。121人の子供が殺されました。9百万人のウクライナ人は、ロシア軍から逃げるために、自分の家と故郷から避難することを迫られました。我が国の北部、東部、南部からどんどん人が消えていきます。ロシアは私たちの海まで奪い、海上封鎖を行いました。その行動は、侵略を企むかもしれない別の国に対し、海上封鎖による自由主義国家への圧力のかけ方の見本を見せることとなってしまいました。

皆様、今は、ウクライナとパートナー国家との平和の連帯こそ、世界の安全が、崩壊し、完全に破壊されないことを保証できます。この連帯こそ、あらゆる民族の自由、人々の生命、社会の多様性を守ることができます。領土、私たち自身、私たちの子供たち、孫たちの、平和な生活を守ることができます。

国際機関は全く機能しませんでした。国連も安保理も無力でした。根本的な改革が必要です。「正義感のワクチン」が必要です。議論をするだけでなく、問題を解決でき、影響力を行使できる国際機関が必要なのです。

ロシアのウクライナ侵略のせいで世界が不安定化してしまいました。世界には多くの新しい危機が迫っています。誰もが未来を不安に思うようになりました。特に、資源と食料を輸入に頼っている国は、市場の混乱で大きな影響を受けているでしょう。かつてないほどの食糧危機、環境危機が迫っています。

この混乱する情勢で何よりも大切なのは、この世界にあるすべての侵略者、そして侵略者になりうる国に対し、「戦争を起こすと割に合わない、耐えられない強い罰を受ける」ということを確信させられるかどうかです。「平和を破壊するべきではない」というアピールが大切なのです。責任ある国家が世界平和を守るために団結するのは、ごく自然で完全に正しいことです。

私は、この歴史的な瞬間に、強い、原則的な立場を取り、ウクライナに具体的に支援してくださっている貴国に感謝いたします。貴方方は、平和を取り戻すため、アジアにおいて誰よりも早く、ロシアへの制裁を始めてくださいました。そして、この制裁を継続し、アジアにおいて他のパートナーとの団結を深め、同じように対応していただくよう呼び掛けることを、是非ともお願い申し上げます。状況を安定化させるために、無差別で残虐な、津波のような侵略を、止めていただきたいのです。

ロシアとの貿易の停止が必要です。侵略者であるロシア軍が資金を得ることのないように、ロシアから企業を撤退させることが必要です。我が国、ロシア軍から防衛する人々、戦士たちに、より多くの支援が必要です。そして今の時点から復興について考える必要があります。ロシアによって破壊された都市、人気(ひとけ)のない地域に人を戻す方法を考える必要があります。自分が住んでいた故郷、生まれ育った故郷、自分が本当の家のように思っていた故郷に人が帰れるようにする必要があります。私は、貴方方が、この故郷に帰りたいという気持ちをわかっていただけると確信しています。

そして平和が揺らいだときに強固に機能する、新しい安全保障の枠組みを作る必要があります。既存の国際機関の下で、そのような枠組みを作ることができるとは思えません。どのような暴力に対してでも、事前にそれを防げるようなシステムを準備しておく必要があります。このような安全保障の枠組みを作るには、日本のリーダーシップが必要です。世界中の人々が明日に希望を持てるように、いいえ、そもそも、「明日が来る」という確信を持てるように、これを貴方方に提案させていただきます。平和な明日のために。私たちのために。未来の人々のために。

皆様、日本国民の皆様、私たちが団結できれば、想像を遥かに上回るたくさんの偉業を、成し遂げることができると思います。

私は、日本の素晴らしい発展の歴史を学びました。日本の、復興する力、調和を守る力、命を大切に思う気持ち、環境を大切にする気持ちを学びました。そのルーツは貴方方の文化にあります。ウクライナ人は日本文化が本当に大好きです。2019年、私が大統領になって半年も経たない頃です、私の妻は目が不自由な子供たちのためのプロジェクトに参加し、オーディオブックを作りました。その内容は、日本の伝統的な物語をウクライナ語で語ったものでした。私たちにも子供にも、わかりやすく響く話だったからです。

これはウクライナ人が、日本の偉大な文化遺産に対して感心した、ほんの一つの例です。物理的な距離があるにも関わらず、その価値観はとても近いように思います。本当は私たちの間に距離はないのではないかと思います。なぜなら、心に籠る温もりが一緒だから。

協力強化と対ロシア制裁強化により、私たちは必ず平和を取り戻すことができます。そして必ず我が国を再建します。国際機関の改革も必ずできます。その決定的な時にも、日本が平和の連帯の一員として共にあることを信じています。

ジャークユ!ありがとうございます!ウクライナに栄光あれ!日本に栄光あれ!

Sign up for free to join this conversation on GitHub. Already have an account? Sign in to comment