全体で統一されていればどちらでもよい。
「である調(常体)」の語尾は簡潔で説得力を持っている。
「ですます調(敬体)」は、柔らかく丁寧な印象を与える。
文字数に差が出るので、文字数制限内でよりPRしたければ常体を使うという手もある。
統一しなければならないのは文体に限らず、名詞や動詞においても同じことが言える。
- 私/わたし
- 行った/行なった
- 好き/すき
はじめに結論を書いたほうが、話が読み手に伝わりやすい。
起承転結よりも、結起承転(+結)くらいがよい。
数多のESの中で、数字は目につく。
ただ「頑張りました」と書くよりも、「やる前は(数字)だったのが、やった後では(数字)になった」と事前と事後を数字で比較すると分かりやすい。
「なんとなく伝わるだろう」は伝わらない。
文の途中で主語が変わる場合、主語は省略しない。
文が長くなって含まれる動詞の数が増えてくると、書き手自身がそれらを管理しきれなくなる。その結果、必要な主語が落ちてしまう傾向にある。
つい使ってしまいがちだが、略語にも注意する。
- 学祭 -> 大学祭
- バイト -> アルバイト
1つの文に多くの事柄を盛り込みすぎると、論点が不明瞭になる。
どこかで切り離し、接続する必要がある。
目安としては、1文40字以内にするとよいと言われている。
一息で読ませる文量を多くしすぎたり、少なくしすぎたりしないように、読点を上手く使う。
実際に口にしたとき、無意識に区切るあたりが丁度いい。
たくさんの事柄を並列するときは、2つくらいなら読点でもよいが、中黒も使うと効果的。
- Before: 野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール
- After: 野球・サッカー・バスケットボール・バレーボール・ハンドボール
「私の強みは…が私の強みです」や、「私の強みは…な経験をしました」という文にならないようにする。1文書いたら読み返す癖をつける。
また、体言止めも使わない。
「思う」には言葉の印象を弱める効果があるが、それは稚拙な印象を与えるとも言える。
「この経験を活かせる職場で働きたいと思います」よりは、「この経験を活かせる職場で働きたいです」のほうがアピールになる。
「考える」や「感じる」、「確信する」などに置き換えるのもよい。
- 順接・因果(そこで、ゆえに、であるので)
- 逆説(しかし、ところが、であるが)
- 補足・理由説明(つまり、なぜなら、ただし)
- 並列・付加(そして、また、さらに)
- 対比・選択(または、それとも、いっぽう)
- 話題転換(ところで、それでは、次に)
時々「なので」を文頭に持ってきて文章を書き始める人がいるが、「なので」は接続詞なので注意する。
これに限らず、口語は避け、文語を使用するようにする。
- NG: 「だから、そんな、みたいな、だが、でも、いろんな」
- OK: 「それゆえ、そのような、のような、であるが、しかしながら、色々な」
「で」や「の」を繰り返した文は文意が伝わりにくくなるため、できる限り変化させて使う。
- NG: 「大学1年生の頃の一般教養の講義の中で…」
- OK: 「大学1年生の頃、一般教養の講義にて…」
「など」を使うときは、複数挙げる。
ひとつしかないなら、別な助詞に置き換える。
- NG: 私は東京都などに住んだことがある。
- OK: 私は東京都や神奈川県などに住んだことがある。
- OK: 私は東京都に住んだことがある。
「が」で接続できる文を敢えて句点で区切り、「しかし」に置き換えると読み手にインパクトを与えられる。多用は禁物。
- Before: 〜したが、~になった。
- After: ~した。しかし、~になった。
よく「〜たり」という並立助詞を繰り返さずに使う人がいるが、これは誤り。
短い文では気付きやすいようだが、長い文になると見逃す人がいるので注意。
- NG: 「休日は昼寝をしたり、外出して過ごしました」
- OK: 「休日は昼寝をしたり、外出したりして過ごしました」
修飾語は、修飾したい語の直前に置く。
形容詞(「小さい」「赤い」など)や副詞(「とても」「いきなり」など)、形容動詞(「きれいだ」「静かだ」など)の位置に気をつける。
例えば「難しい学生向けの問題集」は、「難しい学生」なのか「難しい問題集」なのか分かりにくい。
句読点で切ることで、読みやすくなるというテクニックも使うとよい。
年齢層が上の人は厳しく見る傾向が強いため、できるだけ避けたほうが無難。
将来的には動詞の活用形のひとつとして「ら抜き言葉」が確立することも考えられるが、ここでは深くは触れない。
書き上げたら、誤字脱字がないか、誤変換がないか、上記のようなミスがないか読み返す。
同音異義語にも注意する。
- 以外/意外
- 務める/努める(勉める・力める)/勤める
前項を否定する内容になってしまうが、自分で書いた文章を自分で校閲しても、誤字脱字や日本語の誤用を見つけられる可能性は極めて低い。
自分が気付いていない悪癖を指摘してもらえるかもしれないので、可能なら誰かに読んでもらうべき。
無理・難しい・読まれたくない場合は、時間を置いて読み直すのも有効。