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国	政策の概要
オーストラリア	① 遺伝子組み換え研究の現状 　遺伝子組み換え及び遺伝子治療の研究は、厚生省が管理する医療研究未来基金（MRFF）の事業が中心になっている。 ② 遺伝子組み換え技術の政策目標 オーストラリア政府重要技術政策調整局は、遺伝子組み換えやゲノム解読を含む遺伝子技術を「今後10年のオーストラリアの国益に大きな影響を持つ見込みがある」９の最優先重要医療技術の一つに指定している。 ③ 予算 MRFFのサブプログラムである未来遺伝子医療事業は、2017年度から2018年度の遺伝子研究予算において、10年間で5億ドルの投資を行っている。その他、防衛省の次世代技術基金（NGTF）も未来の遺伝子研究に資金を投じている。
インド	① 遺伝子組み換え研究の現状 　科学技術省傘下のバイオテクノロジー庁が、遺伝子組み換え政策策定の中心。遺伝子上の欠陥及びインド人のゲノム解析研究に注力している。その他複数の省庁及び研究機関が、農業・生物双方の遺伝子組み換え技術の研究事業を実施している。 　ただ国民が遺伝子組み換え食品を忌避する傾向にあること、遺伝子操作の倫理上の問題から、ガイドラインを策定しており、研究や政策の推進についてはやや抑制的。 ② 遺伝子組み換え技術の政策目標 インドの最新の国家バイオテクノロジー戦略（2021-2025）は、2025年までにバイオテクノロジー産業を1500億ドルにまで成長させるよう数値目標を設定し、インドを先端的なバイオ経済国かつ「世界のバイオ生産ハブ」にすることを目標としている。 ③ 予算 医療研究に配分されている予算と混在しており、遺伝子組み換え研究単体の予算は不明確。
日本	① 遺伝子組み換え研究の現状 　2000 年代にバイオ戦略を策定し、政府予算の強化などを通じて研究開発を進めてきたが、研究が個別ラボでの分散型・縦割り型を踏襲しており、世界的な存在感が低下している。2018年1⽉現在、バイオベンチャーは1.6兆円規模。 ② 遺伝子組み換え技術の政策目標 2019年バイオ経済戦略により、バイオ製薬、再生医療、細胞治療及び遺伝子治療関連産業を8370億ドル（92兆円）相当に成長させることを目標としている。 ③ 予算 　バイオ戦略に基づき2019年度予算で、データ連携の実証・検討、バイオ製造実証に向けた技術開発に約62億円されているが、遺伝子組み換え単体の予算は不明。
アメリカ	① 遺伝子組み換え研究の現状 　アメリカ国立衛生研究所（NIH）と国家ヒトゲノム研究所（NHGRI）が中心。NHGRIは、人の機能に関するヒトゲノム部分を特定する一環として、ヒトゲノムのENCODE（DNAの目録）を作成する初の事業を実施しており、これまでに900近い論文を発表している。 ② 遺伝子組み換え技術の政策目標 2020年戦略ビジョンにおいて、国家ヒトゲノム研究所（NHGRI）が「ゲノム技術を最前線に前進させる中心的な先導役を担う責任を負う」としている。 ③ 予算 　NHGRIには、ゲノム科学、遺伝子治療、ゲノム解析及び社会の監督に関する研究のため、毎年度約5億ドルの予算が計上されている。
中国	① 遺伝子組み換え研究の現状 　具体的な研究状況は不明。 ② 遺伝子組み換え技術の政策目標 中国のバイオテクノロジー戦略は、国家中長期科学技術発展計画（2006年から2020年）、第13次バイオテクノロジーイノベーション特別5か年計画、バイオテクノロジー産業発展第13次5か年計画、第14次５か年計画及び2035年までの長期目標に列挙されている。第14次５か年計画では、遺伝子技術及びバイオテクノロジーを、７つの最新科学技術分野の一つとして列挙している。 ③ 予算 遺伝子組み換えに特化した研究開発予算には、2020年の幹細胞及び幹細胞変異の研究に2億4000万元（3758万ドル）、2016年から2020年の遺伝子組み換え食品及び動物性食品の安全戦評価に3777.21万元（591万ドル）など。