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@K-atc
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リバースエンジニアリングの法的問題

リバースエンジニアリングの法的問題

アメリカで動きがあったので、そのついでに国内動向を少し調査

The Register と@heatwave_p2p( ツイート1ツイート2 ) によると、アメリカのDMCA(デジタルミレニアム著作権法)の見直しにより、以下のアクセスコントロール回避が解禁されたとのこと

  • 教育、ドキュメンタリーのための録画・ストリーミングビデオの使用
  • アクセシビリティ確保のための電子テキスト媒体の使用
  • 相互互換性、不要ソフト削除のための電話・タブレットの脱獄
  • 自動車ソフトウェアにアクセスすること
  • サポートされていないゲームをアクセシブルにすること
  • 3Dプリンタの制御をバイパスすること
  • 患者が個人の医療用デバイスのデータにアクセスすること

セキュリティ研究のためのリバースエンジニアリング

国内では2008年に文化庁のWGが、キュリティ研究のためのリバースエンジニアリングの合法化の是非を議論したが、意見をまとめただけにすぎず、結論が出ていない([リバース・エンジニアリングに係る法的課題についての論点](http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hosei/h20_07/shiryo_1.html])

平成28年度中に文化庁は「将来の社会の変化に対応できる柔軟な権利制限規定等の在り方に関する検討」において「セキュリティ目的のリバースエンジニアリングを含む新産業創出等の観点を含め,将来の社会の変化に対応できる適切な柔軟性を確保した著作権法(昭和45年法律第48号)上の権利制限規定等の在り方について,権利の保護とのバランスに留意しつつ検討を行い,結論を得る」としている([「知的財産推進計画2016」等で示されている今後の検討課題](http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h28_01/pdf/sanko_4.pdf)

今年の2月に動きあり(以下に続く)

著作権法における権利制限規定の柔軟性が及ぼす効果と影響等に関する調査研究報告書

リバースエンジニアリングと著作権法における権利制限規定

明文規定なし。但し、利用の開発に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合には30条の4[68]が、一定の場合(プログラム著作物を情報解析するものと評価できる態様の場合)には、47条の7が適用されると解釈される余地はある[69]。

[68] 池村(2013)122頁は、同条において想定される具体例としてリバースエンジニアリングについて言及していないが、条文上は、「技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合」コンピュータプログラムを試験の用に供するリバースエンジニアリングは、同条において許容されると解釈する余地はある> ように思われる。

[69] 池村(2010)117頁は、「リバース・エンジニアリングは、通常、プログラムに係る指令の意味内容そのものを吟味する目的で行われるものであり(この点、脆弱性発見のためのリバース・エンジニアリングにせよ、革新的プログラム開発のためのリバース・エンジニアリングにせよ、権利侵害発見のためのリバース> ・エンジニアリングにせよ同様である)、「統計的な解析」が行われておらず、本条の適用となるものではないものと解される。」として、47条の7は原則としてリバース・エンジニアリングに適用されないとするが、「もっとも、プログラム> 著作物を情報解析するものと評価できる態様であれば、本条の対象となる場合もあり得よう。」として、例外的に同条が適用される場合があることを指摘する

→明文規定は無いものの、別の法規定により著作権法における権利制限を回避できる。現行法でも池村の解釈を根拠に特定目的のリバースエンジニアリングは正当化できる

↓(明文化されてない領域があるのは問題だね。では、)著作権法における権利制限をどうしていけばよいのか?

著作権法における権利制限規定の柔軟性が及ぼす効果と影響等について(検討結果報告)

利用目的、利用主体、対象著作物、利用態様等を限定せず、著作物の種類及び用途並びにその利用の目的及び態様などの考慮要素を示した上で、「公正か否か」などの抽象的な基準によって権利制限の適否が判断されることとなる規定形式

→「この規定形式では明確性には疑義があると考えられる。」

↓そこで、「我が国において最も望ましい「柔軟性のある権利制限規定」の整備については、明確性と柔軟性の適切なバランスを備えた複数の規定の組合せによる「多層的」な対応を行うことが適当である」

新たな時代のニーズに的確に対応した権利制限規定の在り方等に関する報告書(案)

著作物の本来的利用には該当せず、権利者の利益を通常害さないと評価できる行為類型[第1層]

著作物の表現の享受を目的としない、情報通信設備のバックエンドなどで行われる利用がこれに該当する。この類型は、対象となる行為の範囲が明確であり、かつ、類型的に権利者の利益を通常害しないものと評価でき、公益に関する政策判断や政治的判断を要する事項に関するものではない。このため、行為類型を適切な範囲で抽象的に類型化を行い、柔軟性の高い規定を整備することが望ましい。

著作権法改正

ソフト解析を合法化、著作権法改正案提出へ 政府、サイバー攻撃対策を強化(1/2ページ) - 産経ニュース (2018/1/31)

著作権法の改正案では、用途を具体的に限定せず、セキュリティー対策など広範な目的で解析や複製ができるように条文を見直す。「ソフトウエアの解析や複製の必要な範囲は広がっており、権利者のビジネスに影響がない範囲であれば解析や複製ができるように柔軟な表現の条文を盛り込む」(政府関係者)方向だ。具体的な表現は今後詰める。

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