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Episode 7: Self-orgnising spaghetti monster, の Show notes です。(エビ)

Self-organising spaghetti monster

Summary

染色体を分配する紡錘体の構造の安定性を解析した論文を紹介しました。

Starring

エビ、イシ

Show notes

  • 「ついに DARK を観終えた」 ... Episode 1 で触れた、Netflix オリジナルドラマ DARK についての話。4 周したイシも最終回は未視聴だった。
  • 「自分専用の Wiki をつくる」 ... そのうち話すかもしれません。
  • Light level geolocator ... 本編ではジオロケーターと言及
  • ドキュメント 72 時間 ... NHK 制作のドキュメンタリー番組
  • Hoencamp, Dudchenko, Elbatsh, Brahmachari, et al. Science (2021) ... エビが誤ってイシに紹介すると伝えた論文。残念ながらオープンアクセスではない。著者らは真核生物の系統樹に属する多様な生物種を用いて、間期の核内の染色体配置を Hi-C 法で解析した。その結果、大きく 2 つのタイプ (染色体テリトリーRabl 配向性) の染色体配置に分類可能であることを発見した。さらに、Rabl 配向性をとる生物種では染色体の凝縮に関わるコンデンシン II 複合体の構成因子をコードする遺伝子が欠損している場合が多く、実際に染色体テリトリー型の生物種でコンデンシン II 複合体の構成因子をノックアウトすると染色体配置が Rabl 配向性様に変換されることを示した。Figure 1 が密教の曼荼羅 みたいでアーティスティック (科学論文の Figure として良いのかはわからない)。
  • Long et al. Journal of Cell Biology (2020) ... 今回紹介した論文。フリーアクセス。エビが論文を読んだ当時は気がつかなかったが、本論文は Jounral of Cell Biology 誌の Editors' picks 2021 に選出されていた。
  • Sophie Dumont Lab
  • 紡錘体 ... 染色体を分配する巨大な分子装置。
  • 微小管結合タンパク質 ... 微小管に結合して、微小管のダイナミクス (重合や脱重合 etc) を制御する。
  • 動原体微小管 (Kinetochore microtubules) ... 動原体に結合する微小管。
  • Kinetochore fibres (K-fibres) ... 上記の動原体微小管などが複数集まって形成される微小管の束。紡錘体の極と動原体をつなぐ。分裂期に K-fibres に特異的に局在するタンパク質が報告されており、興味深い。
  • ブカティーニ ... 中が空洞の細長いパスタ。ざっくりと微小管の直径はブカティーニの直径の 10 万分の 1 のサイズ。
  • 「THE CELL」... Molecular Biology of THE CELL のこと。手元にあった第 6 版は約 1,600 ページある。細胞分子生物学の「鈍器」。
  • Mitchison and Kirschner. Nature (1984) ... Tim Mitchison と Marc Kirschner による、微小管の動的不安定性 (dynamic instability) を報告した論文。
  • Timothy J. Mitchison Lab
  • Tim Mitchison (Harvard) Part 1: Self-organization of microtubule assemblies ... Tim Mitchison 本人が出現する動画。
  • 化合物遺伝学 (chemical genetics)
  • Dumont and Mitchison. Current Biology (2009) ... Sophie Dumont と Tim Mitchison による紡錘体内の力と紡錘体の長さ (構造) についての総説論文。
  • 紡錘体の構造が大事 ... 紡錘体の構造は紡錘体の機能に重要であることがわかっており、したがって紡錘体の構造異常は染色体の分配異常とそれに伴う異数性や細胞死、がん化につながると考えられている。
  • Researchat.fm さんの kinetoplasmid 回
  • Akiyoshi, Sarangapani, Powers et al. Nature (2010) ... 出芽酵母の動原体を試験管系で再構成した論文。動原体にかかる張力そのものによって動原体と微小管の結合が安定化する機構があることを示唆した (動原体に 5 pN 程度の力を加えると動原体と微小管の結合時間が最も長くなる)。本編では昆虫細胞で発現させたと述べたが、これはエビの間違いで正しくは出芽酵母からでした。
  • ポイントセントロメア ... 出芽酵母のセントロメア領域 (動原体が形成される染色体上の場所) に含まれる DNA は 120 bp 程度で、単一の微小管と結合する。一方で、同じ酵母でも分裂酵母のセントロメア領域の長さは 40000 ~ 100000 bp (40k ~ 100k bp) で、3 本の微小管が結合するようである。ヒトではさらに大きく、セントロメア領域の長さは 0.2 ~ 7 Mbp にもなり、数十本の微小管が結合する。
  • Photoactivation ... 特殊な構造の不活性型蛍光タンパク質に強い光 (レーザー) を照射して活性型に変化させること。例、PA-GFP (GFP T203H) (Patterson and Lippincott-Schwartz. Science (2003)) や Dendra2 (Chudakov. et al. Nature Protocols (2006))
  • Photobleach ... 蛍光タンパク質に強い光 (レーザー) を照射して光褪色させること。
  • 「熱い自説」... Episode 6 「ずっと俺のターン!」 参照。
  • Walther Flemming ... ドイツの細胞学者 (1843-1905)。当時 Flemming は技術的な限界により紡錘体を詳細に観察することができなかった。しかしながら Flemming のスケッチには紡錘体構造 (たくさんの繊維からできた構造) を示すイラストがはっきりと残されていた。この Flemming の紡錘体のスケッチは、1899 年に出版された Alfred Fischer による本などの影響で固定細胞の染色によるアーティファクトだと考えられるようになった。しかし、後述の Shinya Inoué が 1950 年代に偏光顕微鏡を用いて生細胞の紡錘体および紡錘体を構成する繊維状の構造 (=後の微小管) を撮影することに成功し、長年にわたる論争に終止符を打った。
  • Shinya Inoué ... アメリカの生物学者 (1921-2019)。ライブセルイメージングの開祖。息子と共に、今日でも現場で使われる画像解析のソフトである Metamorph を開発した。Inoué らは紡錘体を観察した研究の後に、重水や圧力を用いて分裂期を阻害し、それらストレスに対する紡錘体の応答を観察した。一連の実験は微小管がダイナミックにターンオーバーを繰り返すことを示唆し、細胞生物学者は (1) 重合によって生じる push する力 (2) ATPase モータータンパク質のスライディングによって生じる力、の 2 種類の力を細胞骨格が生み出すと考えるようになった。実際にこの仮説が提唱された後、筋収縮に関わるミオシンなど (Haxley. Science (1969)) が発見されていく。これらのモータータンパク質は真核生物でのみ見られるので、原核生物では細胞骨格 (ParM など) の重合によって生じる push の力によってゲノムが分配される。
  • Microscopy: Polarized Light and its Interaction with Material (Shinya Inoue) ... Inoué 本人が出演する動画。
  • Mitchison. Cell (2020) ... Shinya Inoué に対する Tim Mitchison の追悼文。この追悼文によると、化学固定して得られた観察像に対して Inoué は生涯を通じて懐疑的だったらしい。

Editorial notes

  • 紡錘体に対する愛が溢れてしまった (エビ)
  • ぼくは最近フジッリが好きです (イシ)
  • 収録日: 2021.07.03
  • 編集: エビ
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