ex-mixi Advent Calendar 2017の5日目です。 技術エントリではありません。あしからず。
mixiを辞めたあとも渋谷あたりで平凡なサラリーマン(エンジニア)をしておりましたが、 なんの因果か、昨年双子を授かりまして4人の子の父となりました。
2017年12月の時点での状況はこんな感じ。
- 長女 (5歳) 幼稚園年中
- 次女 (3歳) 一時あずかり枠で無理くり保育園にみてもらってる
- 長男 (1歳) 双子の兄 自宅警備
- 次男 (1歳) 双子の弟 自宅警備
子供4人ぐらい余裕でしょという方もおられると思うんですが、 僕は今でもなんだか毎日ものすごく疲れるし大変です。 双子が産まれた時点で長女はまだ3歳だったので、その当時に比べるとずいぶん落ちついてきた感じはしますが、 ここ1年半は本当に生きていくのが精一杯という感じでした。
そんなわけで、しがないエンジニアが父として精一杯生きるために、 やってきたことを記録しておきたいと思います。
同じような境遇の方たちの励みとなれば幸いです。
2015年の秋ごろに3人目の妊娠がわかって、2回目の検診でお腹の子が双子だと告げられました。 僕なんかは能天気な父ちゃんなので正直ラッキーだなぐらいにしか思わなかったのですが、 一方の妻は絶句して取り乱してしまいました。
現在進行形で小さいお子さんを育てている方は想像できるかもしれません。 双子の出産予定日のあたりではまだ長女3歳、次女2歳という状況でした。 親元を離れて東京で生活している夫婦は自分たち以外に頼れる人がいません。 しかも旦那はエンジニアで完全な夜型なので、 夕御飯どきに帰ってきて食事の介助や入浴を手伝うなどということはしません。 妻一人で双子を含む4人の子の世話をしていかなければならないのです。
双子ということが発覚して、妻が常に不安な表情で暮らすようになったので だんだんと事の重大さに気付きました。
このままでは家庭の危機だと認識した僕は、 とりあえず妻の実家にころがり込むしかないと考えるようになりました。
となると、仕事どうするよ、というのが目下の課題となるわけですが、 そこは上司に正直に話すことにしました。
僕: 「双子が産まれるので、妻の実家からリモートワークさせてほしいです。」
上司: 「OK」
というわけで、無事に妻の実家からリモートワークできることになりました。 さようなら東京。
(実際はもっと真面目に交渉しました。)
出産の少し前から妻の実家に引っ越し、居候生活が始まりました。が、双子の 出産ということもあって妻が早々に入院してしまいます。 (双子は切迫早産になりやすいのです。)
このころ次女はちょうど2歳を向かえ、イヤイヤ期に突入していました。 イヤイヤ期って言葉からしても大変そうですが、この次女のイヤイヤ期はなかなかのものでした。 とにかくすぐ泣くのです。そうなると家の中がしょっちゅううるさくなります。 田舎とはいえ、夜などは特に近所迷惑が気になります。
何をしても大声が響きわたるので周囲はだんだんとストレスを抱えてきます。 慣れない居候生活ということもあって、心身の疲労もたまり、寝かしつけとともに 自分も寝落ちするという毎日でした。
出産が無事に終わり妻が実家に戻ってからは、双子の泣き声も加わりました。
子供が泣くなんてあたり前のことなのですが、 イヤイヤ期の子供 + 双子の乳児の破壊力はなかなかのものです。 出産直後の妻は精神面でも不安定なので、妻への気遣いも疎かにはできません。
イヤイヤ期も乳児の泣き声も基本的には耐えるしかないわけですが、 振り返ってみると、こういう状況に耐えられたのは妻と話す時間を意識的に確保し、 妻との連帯感みたいなものができていたからかなと思います。
子どもができると基本的に日中は子どもの世話で両親ともが忙しくなるので、 夫婦の会話というのは事務的なもの以外は意識しない限りどんどん減っていきます。 寝かしつけを終えてからが話をするチャンスなわけですが、この時期は妻は常に寝不足なので 子供と一緒に寝てしまうことも少なくありません。 実家暮らしだと特に、純粋に二人だけで話し合える時間は意外と少ないものです。
が、それでもチャンスはおとずれます。 夫婦だけで話ができる時間だなと思ったら、 その貴重な時間にいろいろなことを話すようにしました。
なぜ子供が泣くのか、泣いているときにどう対応してあげるのがいいのか、 実家の両親へはどう配慮するか、妻の寝不足解消のために少しでもしてあげられることはないか、 などなど二人だけの時間でしか話せないことがたくさんあります。
どのトピックにも決定的な解決策というのはありませんが、それでも話をすると夫婦の結束が 強まります。なんとなく精神的な下支えができ、子供へ対応にも余裕が生まれてきます。 結局のところ育児は夫婦のチームワークなのです。
双子がハイハイを始めて、つかまり立ちをするようになるとあっちこっち動きまわって いろんなものを触るので部屋を整理してものを無くさないとやってられません。 実家だとこの点あまり無理を言うわけにもいかないので、 思いきって実家の近所に小さなアパートを借りることにしました。
義父母の助けが減ってしまうのは痛かったのですが、いつまでも頼りっぱなし というわけにはいかないので思いきって実家を出たのです。
当然のことながらそれまで以上に父の仕事が増えました。 当時の1日の流れはこんな感じ。
07:30 起床 (寝すぎて妻に怒られる)
07:30 - 08:30 家族で朝食を食べて自分の身支度をしつつ幼稚園保育園に行く準備をさせる
08:30 - 09:10 保育園、幼稚園にそれぞれ送っていく
09:10 - 13:00 自分の部屋でリモートで仕事する
13:00 - 14:00 自分の昼食べつつ、双子に食べさせるのを手伝う。上の子が早お迎えのときはこの時点で迎えにいく。
14:00 - 16:50 仕事
16:50 - 18:00 保育園、幼稚園に迎えにいき、戻ってきたら奥さんが食事の準備をしている間子供全員の面倒を見る
18:00 - 19:00 夕食
19:00 - 21:00 食後の片づけをし、子供4人をお風呂に入れて、寝る準備をさせ、絵本の読み聞かせ
21:00 - 22:30 奥さんに寝かしつけをお願いして、自分はまた仕事
22:30 - 25:00 家の雑用やらしながら自由時間
25:00 就寝
朝家を出るまでと、夕食前から子供たちの就寝までの時間はまさに戦争状態です。 上の子ふたりは、そこそこ一人でも遊べるし、年が近いので二人で仲良く遊んでいる時間も長いのですが、 ランダムに父ちゃんに絡んでくるし、しょっちゅう揉めて仲裁を求めてきます。 双子はそこらじゅうのものを手にしては口にもっていくので気が抜けません。 これらのことが同時多発的に起こるのでパニック状態になります。
当初は何をしてもうまくいかず、収拾がつかない状況になるので、 イライラがたまって子供たちに怒鳴り散らすみたいなことがしょっちゅうでした。 しかしそうなると妻がさっそうと助けにきてくれて、あれよあれよと場を治めていきます。
最初は母ちゃんにしかできない芸当だと眺めていたのですが、 母ちゃんも家事をやらないことには家がどんどん乱れていきます。 ずっと子供の面倒を見ているわけにはいかないのです。 一方で自分もずっとイライラしっぱなしではどんどん家の雰囲気が悪くなっていきます。 一番ひどい時は1時間に一回ぐらい子供を怒鳴りつけていました。
こういった状況を改善していくためには、 父ちゃんが母ちゃんとまったく同じことができるようになる必要があったのです。
最初はとにかく妻をよく観察するところからです。 子供にどういう態度で接するのか、どんな言葉をかけるのか、 どんな順序で物事を進めるのか。
同じことをしているように見えるのに、自分がやったときと子供の反応が違うのはなぜか じっくり考えます。
分からないことは直接聞きます。
自分の子育て方針と違うんだけどなぁということも起きますが、 そこはまたじっくり話しをするしかありません。
こうしているうちにだんだんと自分がイライラする回数も減っていき、 少しずつ平和な時間を長く保てるようになってきました。
子供が成長しただけという可能性もありますが。
ある程度自分でも育児や家のことができるようになってくると、 今度は仕事のほうが気になってきます。
ちょっと余裕のある時に仕事のことを考えて、 隙間時間でなんとかを仕事したいと考えるようになります。
しかし、子供の行動は本当に予測ができません。 突然ケンカをはじめて泣き出すことはしょうっちゅうです。 そうなると泣きやませても、しばらくは父にべったり状態になります。
仕事をしたり勉強したりしようとしても、子供が起きている限り、 いつでもどこでも割り込みを受けます。 エンジニアにとって割り込みがいかにダメージが大きいのか、 エンジニアの方ならわかると思います。
が、親のイライラは家族にとってはそれ以上のダメージなのです。
21時には仕事に戻りたいなと思っても、 なかなか寝る準備をしなかったり、全然かたづけをしたがらなっかたりということも 毎日のように起きます。
こちらがしっかりした計画をたてると、だいたいその通りには物事がすすみません。 油断していると親のイライラは無限に発生してしまうのです。
習慣付けをして子供の行動が規則的になるように促していくのは、 基本的な対策として有効ですが、それでも完璧に規則正しい生活というのは無理です。
こういった類の親のイライラを取り除くためには、考え方の転換が必要だと思います。
僕がリモートワークをするか悩んでいた時期に、同僚から紹介してもらった記事があります。
思い返してみると、この記事の内容にだいぶ心を救われたところがあります。
子供の成長はあっという間です。 僕の妻はよく冗談で子供が大きくなってほしくないというようなことを言いますが、 ほんとうにそう思うぐらい子供の成長は速く、気付けばいろいろなことを一人でできるようになっています。
そういったことに気づくたびに、あれができなかったころの子供にはもう会えないんだなぁと いう寂しさが込み上げてきます。
人生の中で、自分の子供との触れあえる時間は思っている以上に短かいです。 仕事に割り込まれるとか、予定通りにことが進まなかったとかいうことは、 相対的にみれば些末なことです。
子供のために費やせる時間ほど貴重なものはないのです。
苦労話し風に書いてきましたが、実際は僕はかなり恵まれた環境で子育てを させてもらっています。本当に幸運なことだと思っています。
会社は制度上リモートワークをサポートしていないにも関わらず、 さらには僕の自分勝手な都合であるにも関わらず、リモートワークを許可してくれました。
直属の上司、役員の方たち、それを成すために尽力していただいた、 人事・労務の方たちには本当に感謝しかありません。ありがとうございます。
また、僕の仕事のパフォーマンスが落ちている中でも優しくサポートしてくれる 同僚達にも本当に頭があがりません。いつもありがとうございます。
義父母のサポートなしでは、僕たち家族がここまで生きてくることはできなかったかもしれません。 これからも引き続き頼りにしてばかりになると思いますが、よろしくお願いします。 いつもありがとうございます。
何より、強くたくましく、いつも育児のお手本を見せてくれる妻に感謝します。 ありがとう。
とりとめなくなってしまいましたが、4人の子供を育てる上でなんとなく思ってきたことを書きました。 なんだかんだ言っても子供はめちゃくちゃかわいくて、毎晩寝顔を見るたびに幸せを感じます。 この先また何かくじけそうになったら、これを書いたときの気持ちを思い出そうと思います。
ex-mixi Advent Calendar 2017、明日はwirohaさんです。