ar_miku_01

@title, "ARミクその1 はじめての音"

@set_bg, "room_day"

@wait, 10
@play_bgm, "bgm_gentle_wind", 0.2, 0

@wait, 10
@name, "オレ"
一年間バイトで金を貯めて…ついに買えた！
@wait, 20
これがARミクかあ…
専用ボードもあるし、すごいパッケージだなあ。
@new_page

…うーん…
@wait, 20
やばい、緊張しすぎてどうしたらいいかわからない。
@new_page

@wait_before, "new_page", 0
やれるだけの準備はしたんだし…迷っても仕方ないよな。
@wait, 20
えいや！
（ポチ）
@new_page

@wait_before, "new_page", 20
@wait, 15
@set_chara, 0, "miku_close_eye"
@in_chara, 0, 30
@wait, 40
天使…？
@new_page_name

@wait, 15
@modify_chara, 0, "miku_normal"
@wait, 15
@name, "ミク"
はじめまして。
私はAR VOCALOID CV-01初音ミクです。
@new_page

@wait, 15
あなたが私のマスターですか？
@new_page_name

@name, "オレ"
天使が…
ミクがオレの前に…
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_sad"
@name, "ミク"
あの…
すいません…
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
ああ…ごめん。
想像していたよりも凄くて、どうしたらいいかわからなかったんだ。
@new_page

そう…オレが君のマスターだよ。
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
はい！
マスター、これからよろしくおねがいします。
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_normal"
@name, "オレ"
はい、よろしくおねがいします。
@new_page

@wait, 35
ところで…
一つ困ったことがあるんだ。
@wait, 20
@new_page

君の使い方がわからない。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_sad"
@name, "ミク"
はい？
@new_page_name

@name, "オレ"
パッケージのドキュメントには、セットアップの説明までしかないんだ。
ネットにもまだ情報がないし…
@new_page_name

@name, "ミク"
それはですね…
@new_page

@modify_chara, 0, "miku_doya"
@wait, 15
仕様です。
@new_page_name

@name, "オレ"
@wait, 15
いや、そんなどや顔で言われても…
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
AR VOCALOIDは、従来とは全く異なる概念のソフトウェアなんです。
@wait, 40
もしドキュメントを作ったら、辞書並みの容量になってしまいます。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_normal"
@name, "オレ"
なるほど。
@wait, 20
@new_page_name

@name, "ミク"
だから私たちは、自分で自分の使い方をレクチャーできるように作られています。
@wait, 40
それは私たちにとって、一番基本的な機能なんです。
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
なるほど、確かに合理的だな。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
ですから、わからないことがあったら、なんでも聞いてくださいね。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_normal"
@name, "オレ"
うん、聞くようにするよ。
@wait, 20
@new_page

@wait, 15
じゃあ…まずは、一曲歌ってみてほしいんだけど、どうしたらいいかな？
@wait, 40
オールドボカロのカバー…「ハジメテノオト」でいいかな？
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_shock"
@name, "ミク"
！！
@wait, 40
@modify_chara, 0, "miku_normal"
はい、大丈夫です。なんでもござれです。
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
なんでもござれって…
@wait, 40
よくわからないボキャブラリーだな…
@wait, 20
@new_page_name

@name, "ミク"
えっと…
@wait, 20
従来のVSQエディタも使えるのですが…
@wait, 20
@new_page

@wait, 15
キーボードがありますが、マスターはキーボードを弾くのですか？
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
うん…
@wait, 20
ピアノを習っていたんだ。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
素敵ですね！
@wait, 20
@new_page

えっと、では、メロディーを弾いていただけますか。
@wait, 40
あとは、歌詞のテキストをいただいて、言葉の区切りを教えてもらえたら、それで歌えます。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_normal"
@name, "オレ"
なるほど、それでいいんだ。
@wait, 20
@new_page

じゃあ、いくよ。
@wait, 20
@new_page_name

# ゆっくりにするためにnew_pageの前のウェイトを増やす
@wait_before, "new_page", 40
@wait_before, "new_page_name", 40

@wait, 60
@modify_bg, "room_evening", 15
@wait, 60
@name, "オレ"
ちょっと時間がかかってしまったけど、こんな感じかな。
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
はい！
@wait, 20
もう大丈夫です。
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_normal"
@name, "オレ"
そうだね。
@wait, 40
じゃあ、歌ってくれるかな。伴奏するよ。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
はい！
@wait, 20
お願いします。
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_normal"
@wait, 15
@name, "オレ"
じゃあ、
@wait, 40
いくよ。
@wait, 20
@new_page_name

@stop_bgm, 90
@wait, 60
@change_chara, 0, "miku_sing_close"
@default_arg, "modify_chara", 3, 9
@wait, 75
@name, "ミク"
@wait, 15
はじめてのおとはーなんでしーたか♪
@wait, 40
あなたのはじめてーのおとーはー♪
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
@wait, 60
（ミクの声…オリジナルミクそのままの可愛らしい声だ。
@wait, 40
でも、上手いな。
@wait, 40
調整しなくても、ここまで歌ってくれるのか…）
@wait, 20
@new_page_name

@wait, 15
@name, "ミク"
ワタシにとってはーこれがそうー♪
@wait, 40
だからいまーうれしくてー♪
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
@wait, 55
（いやいや…考えずに伴奏に集中しなきゃ。
@wait, 40
間違っちゃダメだ…練習した意味がないじゃないか。）
@wait, 20
@new_page_name

@wait, 60
@modify_chara, 0, "miku_sing"
@wait, 15
@name, "ミク"
そーらのいろーもーかーぜーのにおいもー♪
@wait, 40
うーみのふかーさーもーあなたのこえーもー♪
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
@wait, 55
（いま…ミクは喜んでくれてるんだろうか…
@wait, 40
いや…人工知能が何を考えているかなんて…
@wait, 40
考えてもしかたないか…）
@wait, 20
@new_page_name

@wait, 60
@modify_chara, 0, "miku_sing_close"
@wait, 15
@name, "ミク"
はじめてーのおとにーなれましーたかー♪
@wait, 40
あなたのはじめてーのおとーにー♪
@wait, 20
@new_page_name

@name, "オレ"
@wait, 55
（おわってしまう…）
@new_page_name

@wait, 15
@name, "ミク"
せかいのどこーでもーワタシはうたうー♪
@wait, 40
それぞれのーはじめてーのおとーをー♪
@wait, 40
@new_page_name, 9

@wait, 60
@change_chara, 0, "miku_close_eye", 30
@wait, 55
@wait_after, "name", 20
@name, "ミク"
……
@wait, 40
……
@play_bgm, "bgm_gentle_wind", 0.2, 200
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
どうしたの…？
@new_page_name

@wait, 35
@modify_chara, 0, "miku_normal"
@wait, 35
@name, "ミク"
わかりました…
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
なにが…？
@new_page_name

@wait, 15
@name, "ミク"
いえ、わかったような気がするだけですが…
@wait, 40
曲にこめられた意味、です。
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
そっか。それは…
@wait, 40
よかったよ。
@new_page_name

@wait, 15
@modify_chara, 0, "miku_smile"
@wait, 15
@name, "ミク"
それに、マスターはピアノが上手なんですね！
@wait, 40
とても歌いやすかったです。
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
あ…
@wait, 40
いや…
@new_page_name

@wait, 15
@modify_chara, 0, "miku_sad"
@wait, 15
@name, "ミク"
マスター、
@wait, 20
どうしたんですか？
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
うん…
@wait, 40
ごめん、実は…
@wait, 40
君に謝らないといけないことがあるんだ。
@new_page_name

@wait, 15
@name, "ミク"
謝るだなんて…
@wait, 40
どうしてですか？
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
実はオレ…
@wait, 40
ピアノが上手くなんてないんだ。
@wait, 40
中学校までは習ってたんだけど、止めてからは全然弾いてなくて…
@new_page

@wait, 15
この曲も、練習してやっと弾けるようになったんだ。
@new_page

@wait, 15
まだ、君にオリジナル曲を作ってあげることもできない。
@wait, 40
ダメマスターなんだ。
@wait, 40
だから、せめて最初の一曲を歌ってもらうまでは、きちんとしたマスターでいようと思って…
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_shock"
@wait_after, "name", 5
@name, "ミク"
え…
@new_page

@wait, 15
@change_chara, 0, "miku_smile2"
@wait, 15
なんだ、じゃあ、同じだったんですね。
@new_page_name

@wait, 15
@wait_after, "name", 20
@name, "オレ"
同じ？
@new_page_name

@wait, 15
@modify_chara, 0, "miku_smile3"
@wait, 15
@name, "ミク"
それなら、私も謝らないといけないです。
@new_page

@wait, 15
実は私も、この曲は練習してあったんです。
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
え？
@new_page_name

@change_chara, 0, "miku_normal"
@name, "ミク"
ARミクは、基本的には同じソフトウェアなのですが、個性を与えるためにパラメータが少しずつ違うんです。
@wait, 60
あと、12時間だけ何をしてもいい時間が与えられるんです。
@wait, 20
@new_page

@wait, 15
何をするかは、個体によって違うんですが…
@wait, 40
私、その時間で古い曲を何曲か練習したんです。
@wait, 20
@new_page

@wait, 15
最初の歌をうまく歌えなくて、ダメだと思われたくない、と思って…
@wait, 20
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
なるほど、そのうちの一曲がハジメテノオトだったんだ。
@wait, 40
他には何を練習したの？
@new_page_name

@wait, 15
@name, "ミク"
「みっくみくにしてあげる」と、「メルト」です。
@new_page_name

@wait, 20
@name, "オレ"
なるほど、よくわかってるね。
@wait, 40
それでたぶん、オールドボカロファンなら、70%くらいはカバーできるんじゃないかな。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
そうですか！
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
オレたちは、お互いに自分をよく見せようとしていたんだな。
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_normal"
@name, "ミク"
そうですね。
@wait, 40
でも、たとえそうだとしても…
@new_page

@wait, 10
@modify_chara, 0, "miku_close_eye", 10
@wait, 20
とても…良かったです。
@wait, 40
@modify_chara, 0, "miku_normal", 10
ダメですね…どう表現したらいいか…言葉にできません。
@wait, 40
dumpして見せられたらよいのですが…
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
いや…遠慮しておくよ。
@wait, 40
ところで、せっかく練習してきてくれたんだから、みっくみくとメルトも聴きたいな。
@wait, 60
っていうか、すごく聴きたいです。お願いします。
@wait, 20
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_jito"
@name, "ミク"
うーん…
@wait, 40
どーしようかなー
@new_page

@modify_chara, 0, "miku_normal"
マスターが伴奏してくれるなら、いいですよ。
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
え、
@wait, 20
参ったなあ…
@new_page

両方弾けないから、練習しなくちゃ。
@new_page_name

@modify_chara, 0, "miku_smile"
@name, "ミク"
大丈夫ですよ。いつまでも待ってますから。
@new_page_name

@wait, 15
@name, "オレ"
う、わかった…
@wait, 40
がんばるよ。
@new_page

@wait, 15
（確かに扱いが難しいソフトだなあ…。
@wait, 40
他の個体もこんな感じなのかなあ。）
@new_page_name

@wait, 100
これがオレとミクの「はじめての音」だった。
@wait, 40
オレが引き当てたミクが結構な変わり者だということがわかったのは、もう少しあとの話だ。
@wait, 40
@new_page

@wait, 15
おしまい！