コンピュータを使わない音楽では普通、作曲する段階と演奏する段階とは分かれており(即興演奏の場合は違いますけど)、楽譜に書かれている部分と演奏家に任される(解釈)部分があります。 一方、コンピュータでの作曲では演奏家(timidityとか)に任される部分はかなり少なく、例えばdominoだったらトリルとかアルペジオとかも一々打ち込まなくてはなりません。 トリルやアルペジオは勝手にやってくれる作曲ソフトもあるんでしょうけど、それでもその部分を変更したくなったときなどは結局一々消したりする事になります。 他にも、強弱を数値で細かく指定しなきゃいけなくて不便な事があります(これも後から変えようとすると面倒)。 普通の楽譜ならこういうのは専用の記号があってすぐに書けるものですし、他にも、伴奏で通奏低音の記号を書くだけとかコードネームを書くだけとかもできるでしょう。
これは文書の話で言うような「構造と体裁の分離」がされているか否かという事だと思います。 つまり、楽譜が構造で演奏が体裁という事です。 web文書ではcssを使うので見た目はすぐ変えられますし、LaTeXでもマクロがあるので数式の表し方とかを一括で扱えます―― それみたいに、プログラミング言語で曲を書くようにすればトリル・アルペジオ・強弱・…他 楽譜でもできなかったような事も抽象化する事ができるでしょう。
楽譜をそのまま書けるようなコンピュータ作曲ソフトもありますが、それに比べても、自分で記法を作り易いので柔軟性があるとか、(普段使う作曲環境としても)利点は多いでしょう。
テキストで音楽を書くための言語は幾つかあり(プログラミング言語に限らず挙げます)、
- MML
- テキスト音楽「サクラ」で使える
- ストトン
- これもサクラで使える
- Max
- PMML
- Takt
などがあります。