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@azrsjp
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究極初心者がとりあえず聴けるレベルの曲を作れるようになるまで

究極初心者がとりあえず聴けるレベルの曲を作れるようになるまで

@azrsjp です。これは,DTM Advent Calendar 2015の19日目の記事です。

はじめに

本記事はDTM究極初心者が「こういうことをしたらとりあえず前よりは聞ける曲が完成させられるレベルになれた」という思い出話を綴ります。あくまで思い出話です。思い出話。今現在DTMに興味があるけど,何をしたらいいかわからない,__センスがないのでは…__と悩んでる方に,センスがなくても,まぁ形にはなるということを示し,希望を持って頂くために書きます。

この記事を読んで幸せになる人物像は以下のような方(昔の僕)

  • DTMでオリジナル曲を作りたい
  • DTMによる曲がどういう風にできているか大体の想像はつく(DAWというソフトがあり,ピアノロールで打ち込んで曲を表現する等)
  • 音楽,楽器経験は義務教育のみ
  • PCはそれなりに触れる
  • 多少の投資は惜しまないくらいの覚悟はある

曲が作りたかった僕が最初にやったこと

機材の調達

時期はちょっと巻き戻って2009年。僕はまずいきなり,初心者におすすめのシーケンサや,スターターセット的な商品をさがしました。以前に無料のシーケンサやサウンドフォントと呼ばれるちょっと良い音のする音源をDLして遊んでいましたが,形から入りたい僕は2chのDTM板や初心者向け記事を読みあさり,音楽製作に必要な機材についてある程度の知識をつけました。それらの記事では,初心者向けアドバイスとして以下のようなことが繰り返し書かれていることに気がつきました。

  • 楽器が弾けなくてもMIDIキーボードは持っていた方が捗る
  • オーディオI/Fは持っていた方が良いが,打ち込み完結であれば必須ではない
  • 人気のあるDAWソフトを買うべき。トラブルシューティングがしやすく,しかも安定している。しかしいきなり高価な上位版を選んで失敗してしまうリスクを避けるなら,MIDIキーボードにバンドルされているような簡易版エディションで十分

なるほど。。。。 当時は有料打ち込みソフトといえば既にDAWが主流で,WindowsではSonarとCubaseが人気を二分していました。僕はこれらアドバイスに従い,EDIROL PC-50という49鍵のMIDIキーボードを購入することにしました。このキーボードにはSonar 6LEというDAWソフトの簡易版が付属していることが購入の決め手になりました。また,念のためBASIC MASTER SONAR 6 LEという教則本も一緒に手に入れました。

PC-50

最近のMIDIキーボードやオーディオI/FにはDAWの簡易版が付属していることが多いので,オマケに注目して選ぶのもアリかと思います。しかし…

機材選びの失敗と成功

MIDIキーボードが到着し,曲を作ろうと意気揚々とSonar 6LEをPCにインストールしました。しかしここで問題が発生します。

音がでない

PCに多少自信があった僕でしたが,Sonar 6LEでどうやって音をだしたらよいか,よくわかりませんでした。設定項目の多さと,音源の立ち上げ手順の複雑さ(?),初めて目の当たりにするDAWのごちゃごちゃした画面も相まって「何をしたらいいかわからない」というのが最初の印象です。本とネットに頼りながら,解決しましたが,ここがDTM最初の壁となっているという話も良く聞きます。

MIDIの打ち込みがめちゃくちゃめんどい

苦痛でした。ようやく音が出せる段階までたどりつきましたが,「楽器ができないマウスポチポチ打ち込みマン」であり,「試行錯誤を重ねないとどんなメロディがなるかも分からない音楽素人」の僕は,MIDIの打ち込みが面倒くさいというのは曲を完成させる上でかなりの障壁になります。このような方は,DAW選びにおいて「MIDIの打ち込みが得意」という条件は絶対にはずせません。多分,挫折します。

MIDI打ち込みが得意なDAWを探す旅に出た

Sonarがうまく使えないから他のソフトにするのは何とも情けないというか,ダメなやつの思考パターンですが,この行動が僕のDTM人生を変えることになります。

またまた2chで情報を漁りました。以下のような情報がみつかります。

373 :名無しサンプリング@48kHz:2007/02/13(火) 01:34:33 ID:5b0JP2w5
激烈にFLお勧め。
Sonar→Cubase→Nuendoと渡り歩いてきたけど、ハッキリ言って感動した。
VSTiは殆ど使えるし、必要なときだけ読み込むから軽い。
操作性も抜群だと思う。
何よりブラウザのおかげでアイデアに詰まるという事が無い。
楽しい楽しい。
高音質のシンセとサンプルが大量に組み込んであるし、
FLだけで曲が作れるというのは財布にも優しい。

FL…なるほど。

63 :名無しサンプリング@48kHz:2008/03/27(木) 02:20:02 ID:LJ8WY3EV
FLはとにかくいじってて楽しい。
久しぶりに使ってみたらピアノロールの楽さに驚いたわ。
FLをマウスのみで使う
そのポチポチ感は異常な手軽さだな。

打ち込みが得意らしい。

72 :名無しサンプリング@48kHz:2008/03/27(木) 07:51:14 ID:rtWACFVU FLのベロシティ調節はメチャ楽だよ。 調節したいノートにマウスポインタ合わせてAlt+マウスホイール。 マジでFLのピアノロールは最強の使いやすさ。

ピアノロール最強とか買うしかないじゃない。

ということで体験版を触り,ピアノロール周りのUIに感動して即ご購入しました。DL販売で,25,000円くらいしました。

FLStudio

究極初心者がスタートラインに立つ日が来た

FLStudioのピアノロールの操作生は神レベルです。なぜ,他のDAWがこうしないのか,疑問に思うレベルの操作性の良さ。 また,音を出すまでの敷居もかなり低い印象です。こうして究極初心者のモチベーションは回復し,スタートラインに立つことができたのでした。 ちなみに後で分かったことなのですが,安いものでもいいのでASIOというサウンドドライバに対応したオーディオI/Fを買っておいた方が音の遅延がなくストレスなく打ち込めて気持ちがよいです。(必須ではない)

曲が作りたかった僕の悩み

機材を揃えたからといって作曲能力が上がる訳ではない

当たり前ですね。機材の悩みから解放された僕は「曲ができない」という次なる悩みに悩まされていました。

音楽知識がない

コード進行ってなに?スケールってなに?という状態でした。ただ,思ったように闇雲に打ち込む日々をすごします。

音感が劣っている

目立つ音の耳コピはかろうじてできるレベルでしたが,裏でピロピロなってるような(アルペジオ)音の聞き取りはできません。 また自分が打ち込んでいるメロディと和音が不協和音になっているのか,イマイチ分からないというのが本音です。

理想が高すぎる

僕がオリジナル曲を作ろうと思ったきかっけは,ボーカロイドの大ブレイクがきっかけです。同じようなアマチュアの人でもすごい人がいるのは当たり前なのですが,手の届きそうなところにいる人がかっこいい曲が作れるのになんで自分の曲は…と気にしてしまい,手がすすまなくなります。こんなことを気にしていては一向に曲が完成しないのです。

上記のような悩みを抱えつつ,メロディの断片を作っては消すという日々を過ごしていた僕ですが,ある日2chで気になるスレをみつけました。

究極初心者の俺に最も簡単に作曲できる方法を教えてくれ

ニコニコ生まれ2ch育ち 曲できないヤツはだいたい友達

究極初心者の俺に最も簡単に作曲できる方法を教え

おそらくですが,このスレに出会っていなかったら趣味は耳コピ程度で終わっていたと思います。多少なりともオリジナル曲を作れるようになったのは,このスレのおかげといっても良いでしょう。 僕はこのスレに2ヶ月間はりつき,ちょっとした音楽理論(コード進行)を教えてもらいました。多少口の悪そうなアドバイスも馬鹿には出来ません。

ちなみに音楽理論はスレを観ながら理解していった記憶があるので,時間のある方は過去ログを覗いてみると良いでしょう。(後で書籍も何冊か買いましたが。)

以下,何個か印象に残ったレスを紹介します。

1 :名無しサンプリング@48kHz:2009/10/02(金) 13:38:18 ID:/CL13hms
てくれ
使用ソフトはSONAR6LE
ただし音の鳴らし方が最近やっとわかったレベル
スケールってのは分かるけどコードってのがわからん
ゲーム音楽を耳コピしてみようと思ったけど、音楽を聴いて、
あれ、これからどうしたらいいんだろうでとまったレベル

お前等頼むよ…

お前は僕か。

13 :名無しサンプリング@48kHz:2009/10/02(金) 18:40:54 ID:sy8MDIDs
>>1
編曲じゃなくて作曲でいいんだよね?
じゃあ、このコード進行にあうようなメロディを作ってみよう!
http://up.cool-sound.net/src/cool8103.mid

聞けば分かるけどものすごく基本的なカノン進行だから、やりやすいと思う

ハモリとか余計な事を考えずに、ノリで歌うような感覚で、
これに無難なメロを付けられるようになったら作曲初心者は卒業だよ

これ,コード進行が自分で組み立てられないときにやりましたが,一気にそれっぽいメロディが浮かびます。 メロディが浮かばなくても,コードをなぞるようにしながら試行錯誤して打ち込むと,とりあえずは聞ける旋律ができあがります。作曲初心者に取ってとりあえずでも聞けるレベルのアウトプットというのは何とも嬉しいものなのです。一気にモチベーションがあがりました。

36 :名無しサンプリング@48kHz:2009/10/02(金) 22:27:54 ID:7pKH5Skn
たしかに、すでにある伴奏にメロディのっけるほうがイメージわきやすいかもね。
極端な話、シングルCD(今はシングルっていわないのか?w年がばれるなwww)のボーカルなしの曲とかで、
自分でメロディつくって歌ってみるとか、ね。これも立派な作曲だよ。
ただ、それだと曲が長いので、まずは4小節~8小節くらいのループの上に、
メロディつけるのがお勧め!!

これも,良い練習になりました。

493 :名無しサンプリング@48kHz:2009/10/15(木) 00:29:50 ID:Fk2qU7ur
FLがいいとかなんとかきくな。
なんか挫折した人でもFLでバリバリやれてるらしい
俺はCubaseだが

道具にこだわるのも大事っちゃ大事だがね。

わかる。

710 :名無しサンプリング@48kHz:2009/10/25(日) 18:44:55 ID:Yx7EBCUB
あとは、そういう曲(ポップス/ロック)の場合、
メロディも大事なんだけど、コードがもっと大事になってきます。
同じメロディでもコードの付け方で曲が全然違って聞こえます。

コードの付け方って初心者にはかなりレベルが高いので、
(たぶん最初はダイアトニックしか使えず、バリエーションが作れません)
コードの上にメロディのせるほうをオススメしてます。

よいメロディを作れるようになる方法は、
たくさんの音楽を聴くことだと思いますよ。

最初の頃はコードばかりにこだわり,今よりももっとつまらない曲を作っていたと思います。でも,コードは偉大です。前述のとおり,音楽になりやすいアウトプットが生み出せるからです。

836 :名無しサンプリング@48kHz:2009/12/02(水) 14:58:43 ID:eSjTLXOr
ここはどっちかというと理論派な方が多いので、
理論後付で曲を作り始めた自分のやり方を。

鍵盤で触れる環境なら弾けなくてもいいので左手でベース音だけ、
右手でメロディを弾いてみる。
気持ちよい流れができたらそれをMIDI録音する。
(音の長さめちゃくちゃでもいいので、録音)
クォンタイズや手動でノートの長さをイメージしたものに近くなるように調整する。

こんな感じでメロディとベースの流れだけ作って、
後から曲のイメージにあうようなコードをつけていってみる。
このときノンダイアニックコードが含まれてもきにしない。
できたらベースのフレーズやリズム隊を作る。
上物や他のコード楽器を乗せる。

こういう作り方もあるので煮詰まったときの別のアプローチとしてドゾー

鍵盤が弾けない僕でもできたキーボード活用法。今でもこの作り方は良くやります。

オリジナル曲ができたの巻 2010

とある春の日

現存する最古のオリジナル曲です。 スレにも投下した記憶があります。今聞くと所々合っていない部分もアリ,大変お聞き苦しいのですが,ありのままの成果を晒しておきます。 ちなみに記憶が正しければ,この曲は米倉千尋さん10 years afterという曲のコード進行をどこかのサイトでみつけ,それにオリジナルメロディを乗せて作った覚えがあります。 やはりコード進行ごり押し制作。

オリジナル曲ができたの巻 2015

KonaSnow

現在の様子です。5年分の上達は正直うーん…ってところですが,ま,多少はね…?


曲を作るための音楽理論

さて,今度は僕が究極初心者に教える番です。まともな曲は作れていませんが,"知っていること"は惜しみなく出してゆきます。以下,真面目にちょっとした音楽理論を紹介していきますが,ちょっとしたことでも記事の分量的に結構ボリューミーです。 間違った情報は載せないように努めますが,あまり信用しないでください。

音階

基本

本章では,「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」という並びの,Cメジャースケールという白い鍵盤だけを使った音階で話を進めていきます。ドから始まり,1オクターブ上のドに着地する馴染みのある音階です。

最初に,ドレミファソラシドに代わる別の表記(アルファベット表記)を頭に叩き込んでください。音楽理論を語る際には以下の表記が使われることが多いので,覚えていないとついていけなくなります。。

ドレミ表記 ファ
アルファベット表記 C D E F G A B C

余談

感のいい人なら,例えばレ(D)から始まる音階,Dメジャースケールの存在にも気付くと思います。実際,あります。ですが,その場合には黒い鍵盤を含んでしまうため,今は考えないこととしましょう。Cメジャースケールは黒い鍵盤を使わずに済む音階なので,学習用に採用されやすい音階なのです。その慣習にならってここでもとりあえずCメジャースケールで学習していきましょう。

和音(コード)を覚えよう

和音(コード)とは

一度に複数の音が鳴ればそれが和音になります,それだけです。世に出ている多くの曲はボーカルの後ろでごちゃごちゃ賑やかに鳴っていますね,これも和音と捉えることができます。和音は「コード」とも言います。どちらかと言えば,コードという呼び方の方がよく使われます。

Cメジャースケールのコード

Cメジャースケールに属する和音ですから,当然黒い鍵盤を使わない和音になります。以下の図に載ってるものが,Cメジャースケールで使える和音です。

コード C Dm Em F G Am Bm
読み方 Cメジャーコード Dマイナーコード Eマイナーコード Fメジャーコード Gメジャーコード Aマイナーコード Bマイナー(-5)

コードの命名規則

まず,上の図に載ってる各コードの一番下の音を見てください。Cメジャーコードの場合,一番低い音はCですし,Dマイナーコードの一番低い音はDの音ですね。そうです,コードの記号は一番低い音(ベース音)によって決まります。

メジャーコード/マイナーコード

疑問に思った人もいると思いますが,コードによって小文字の「m」が付いているものと付いてないものがありますね。「m」が付いていないコードを「メジャーコード」,付いているものを「マイナーコード」といいます。「m」は「マイナー」の略です。メジャーは何も付きません。なので,何も付いていなければメジャーだと思ってください。

では,どうやって「メジャーコード」と「マイナーコード」を見分けるのでしょうか。答えは上の図に書いてあります。音の積み上げ方に注目してみてください。一番低い音(ベース音)から4つ飛ばし,3つ飛ばしと積みあがっているコードが「メジャー」,一番低い音から3つ飛ばし,4つ飛ばしの順に積みあがっているコードが「マイナー」です。例外として3つ飛ばし,3つ飛ばしで詰みあがってるコードが一つあります。「Bm(-5)」です。これはBから音を積み上げていくとき,「メジャー」の積み方や「マイナー」の積み方をしてしまうと,黒い鍵盤を含んでしまう為,仕方なくこのような音の積み方になっていると思っておいて差支えないです。「Bm(-5)」は特殊なコードですのでそんなに使いません。

和音を覚える際のヒント

メジャーコード,マイナーコードの音の積み上げ方のルールさえ覚えておけば,各コードの構成音を全部覚えておく必要はないことに気付くと思います。例えば,コードGを打ち込もうとしたとき「Gのコードの構成音は確か…G,B,Dだな」というように思い出すより,「Gはメジャーコードだから音を4つ,3つ間隔に積み上げていこう」と思い出せば具体的な構成音を覚えていなくても視覚的に打ち込めるはずです。

コードの役割を覚えよう

Cメジャースケールにおけるコードの名前と,各コードの構成音を覚えてもらいました。今度は各コードが担っている音楽的役割を覚えてもらいます。役割は以下に挙げる「トニック」,「サブドミナント」,「ドミナント」の3種類しかないので暗記しましょう。

トニック

その音階で最も基本となる和音(1番目の和音)がこの「トニック」に属します。Cメジャースケールの場合は,その音階名にもなっている「C」のコードがトニックとして働きます。トニックは最も安定している和音ですので,どの和音にも進めます。

サブドミナント

音階の4番目の和音が,基本的なサブドミナントコードです。Cメジャースケールで4番目の和音はFでしたね。トニックとドミナントの中間的存在として位置づけられる役割が,サブドミナントです。これに属する和音は若干不安定で,トニックにもドミナントにも進めます。

ドミナント

音階の5番目の和音が,基本的なドミナントコードです。Cメジャースケールで5番目の和音はGです。ドミナントは不安定な和音なので,最も安定しているトニックのコードに進もうとします。

コード進行を作ってみよう

上の説明で,Cメジャースケールにおいて,Cが「トニック」,Fが「サブドミナント」,Gが「ドミナント」という役割を持っていることが分かりました。

更に…

役割 進める和音
トニック(C) トニック,サブドミナント,ドミナントへ進むことが可能
サブドミナント(F) トニック,ドミナントへ進むことが可能
ドミナント(G) トニックに進むことが可能

という規則も学びました。この規則を参考にしながらコード進行を組み立てていけば,音楽的に破たんすることなく曲の流れを考えることができます。それでは,この規則に則って,適当にコード進行を考えていきましょう。

C-F-G-C(Ⅰ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ)

これはトニック→サブドミナント→ドミナント→トニックという最も基本的なコード進行です。上の表の規則にもうまく当てはまっています。鳴らしてみると,「単純」,「ダサい」という印象を持つかもしれません。まぁ本当に基本的なコード進行なので仕方ありません。後々やってくアレンジの方でどうにでもなるので心配なく。

C-C-G-C(Ⅰ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅰ)

トニック→トニック→ドミナント→トニックの流れです。面白みのない流れですね。でも理論には当てはまっています。ではちょっと面白い流れを作ってみましょう。

C-G-F-C(Ⅰ-Ⅴ-Ⅳ-Ⅰ)

これはトニック→ドミナント→サブドミナント→トニックという流れです。一つ目の例と若干違っています。一般的な音楽理論によると,ドミナントの次はトニックが来なければならないようですが,この例ではG-F(ドミナント→サブドミナント)という流れができています。理論的には禁則を犯していますが,必ず守らなければならないモノでもないのでこれはこれでアリです。作っている本人が良いと思えばそれで良いのだと思います。(ですが,初心者のうちは音楽理論に従っておいた方が無難でしょう。)

F-C-G-C(Ⅳ-Ⅰ-Ⅴ-Ⅰ)

いきなりサブドミナントから始まるパターンです。不安定な和音からスタートしているので,聴く人によっては少々突拍子のない音楽に聞こえてしまうかもしれません。このコード進行も悪くはありませんが,初心者には扱い辛いと思います。曲の流れは,安定な和音(トニック)から始まり,安定な和音(トニック)で終わるのが一般的です。(これも絶対の決まりではないのですが)

代理コードでコード進行にバリエーションを増やそう

さて,お気づきかと思いますが,まだC,F,Gにしか音楽的役割を与えていませんでした。「DmやAmはどうなるんだ!」という声が聞こえてきそうですが,安心してください,残りの和音たちも「トニック」,「サブドミナント」,「ドミナント」としての機能を持っています。では「Dm」,「Em」,「Am」を仲間に加えてみましょう。(Bm(-5)は変な和音構成なので仲間外れ)大雑把に纏めると,以下のようにな役割分担になります。

役割 和音
トニック C,Am(Cの代理),Em(Cの代理)
サブドミナント F,Dm(Fの代理)
ドミナント G,Em(Gの代理)

代理和音は,同じ役割の和音の代わりとして働きます。今までC-F-G-Cとしていたところを,C-Dm-G-Cと変更することが可能になります。どちらもトニック→サブドミナント→ドミナント→トニックですので,理論的にもおかしくないですね。

一つ注意してほしい和音があります。「Em」です。これは「トニック」としても「ドミナント」としても使える特殊な性質をもった和音なのです。前後の和音(文脈)によって役割が変化するので,どちらとして機能しているのか見極めるのが難しいかもしれません。最初のうちは使用しない方が無難ですが,音楽的に面白みを出すためには必要です。使用する場合はコードの流れを聴くなど,自分の耳を頼りにしてください。

補足:代理和音として機能する理由

同じ役割を持っているからには,もとのコードと代理コード同士,何かしらの共通点がありそうですね。その共通点が何なのかをちょっと示しておこうと思います。以下の図をみてください。

コードを構成する3音のうち,2音が共通していますね。構成音が共通しているということは,響きが似ているということです。「響きが似ている=同じ役割として使える」という図式(考え方)により,AmやDmなどの代理和音としての利用可能性が導かれているのです。「Em」はCとGのどちらとも構成音が似ています(下の方の図)。だからCの「トニック」としての性格と,Gの「ドミナント」としての性格両方を持ち合わせているのです。

既存曲をアナライズしてみよう

ひぐらしのyou

終始,Am(トニック代理)→F(サブドミナント)→G(ドミナント)→C(トニック)を繰り返した単純なものです。(本当は黒鍵を使うスケールの曲なのですが,Cメジャースケールに移調して考えています。)

実は

TMNetworkの有名曲,GetWildもサビでAm→F→G→Cというコード進行を用いています。FL Studioでこのコードを打ち込んだ後,メロディを乗せてみるとうまく調和していることが確認できると思います。このように理論を知っていれば,既存曲がどういったコード進行なのか参考にすることができますし,自分の曲に応用できるようになるかもしれません。

音楽理論まとめ

今まで紹介してきたことを大雑把にまとめると以下の図が出来上がります。これはCメジャースケールにおいて有効な表です。

注意:代理和音から本来の和音には進めません。その逆はOKです。以下に纏めておきます。

× 代理→基本のコード 例)
Dm(サブドミナント代理)→F(基本のサブドミナント)
Am(トニック代理)→C(基本のトニック)
基本のコード→代理 例)
F(基本のサブドミナント)→Dm(サブドミナント代理)
C(基本のトニック)→Am(トニック代理)
代理→違う役割の基本のコード 例)
Am(トニック代理)→F(基本のサブドミナント)

ながながと書きましたが,音楽理論の解説はここでおしまいです。Markdownのデフォルトフォーマットだと見づらいな…。

advent calendarのまとめ

思い出に浸るだけの記事にしようと思いましたが,音楽理論についてしっていることを初心者向けに掲載してみました。これからDTMをはじめようとしている方や初心者DTMerさんがこの記事を読んで少しでも得られるものがあると幸いです。

DTMをはじめると失うものもありますが,それはまた別の機会に…。

最後に,本記事でとりあげた内容はDTMのほんの一端です。とりあえずメロディが出来たら次は…アレンジとミックスに悩んでください。また,すこしDTMに慣れてくるとよりリアルな音のする音源や,良い音で処理できるエフェクタがほしくなったりするでしょう。色々と底なし沼な部分も,これからどんどん目の当たりにするわけですが,そこも含めてエンジョイしていただければ幸いです。(悪い顔)

付録

参考になりそうなサイト

僕が購入した書籍

@Hidari-eYe
Copy link

とても参考になりました。先が見えない道がすこし明るくなった気がします。

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