日本酒の定義
米、米麹及び水を原料として発酵させたもの
or米、米麹及び水清酒かすその他の政令で定める物品を原料として発酵させてこしたもの
- 主原料を3倍に水増しした三倍酒は法律で禁止されている
- アルコール度数は22%未満と酒税法で決められている
日本酒の主原料(米・米麹)の比率
米や米麹のみでできた酒と、何らかの添加物を足した酒がある。
種類 | 米・米麹 | 添加物 |
---|---|---|
純米酒 | 100% | 0% |
吟醸酒・本醸造酒 | 90%以上 | 10%以下 |
普通種 | 50%以上 | 50%以下 |
日本酒の分類
特定名称種の条件
名称 | 原料 | 精米歩合 | 麹米の割合 | 香味などの要件 | |
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吟醸酒系 | 吟醸酒 | 米、米麹、醸造アルコール | 60%以下 | 15%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
大吟醸酒 | 50%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 | |||
純米酒系 | 純米酒 | 米、米麹 | 規定なし | 香味、色沢が良好 | |
純米吟醸酒 | 60%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 | |||
純米大吟醸酒 | 50%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 | |||
特別純米酒 | 60%以下または特別な醸造方法 | 香味、色沢が特に良好 | |||
本醸造酒系 | 本醸造酒 | 米、米麹、醸造アルコール | 70%以下 | 香味、色沢が良好 | |
特別本醸造酒 | 70%以下または特別な醸造方法 | 香味、色沢が特に良好 |
特定名称酒の条件は精米歩合と醸造アルコールの添加割合だけでなく、3等以上に格付けされた玄米を精米して使用すること、麹米の使用割合が15%以上であることという条件も満たさなければならない。
ラベルからわかること
- 純米酒
- 米の味がしっかりとした濃厚な酒であることが多い。
- 醸造アルコールで風味や香りを調整した酒
- さっぱりとしていることが多い
- 精米歩合の低い米で作った酒ほどすっきりとした味わいになる
- 米の外側にはタンパク質やミネラルの多くが付着しているが、それらは旨味のもとであり、雑味のもとにもなる。米を削ればクリアな酒になる
味を予想する3つの手がかり
- 精米歩合
- 数値が高い -> 米の味がしっかりとした濃い味わい
- 数値が高い -> すっきりとした軽い味わい
- 米の品種
- 酒米の種類によって、出来上がる酒の味も違う
- 造り
- 火入れの有無
- ろ過の有無
- 酵母の仕込み方
- 発酵方法
用語
- あらばしり
- もろみを絞ったときに最初に出てくる酒のこと。少量しか取れず希少価値が高い
- 中取り
- あらばしりの次に取れる酒のこと。中汲み、中垂れと呼ぶこともある
- 生一本
- 単一の醸造所で造られた純米酒。純粋で混じりけがないことを意味している
- 樽酒
- 杉樽に入れて貯蔵し、杉の香りをつけた酒。
- 発砲清酒
- 炭酸ガスを含む酒。
- 金賞受賞酒
- 「全国新酒鑑評会」で金賞を受賞した酒
- 古酒
- 製造後1年以上経った酒。
- ひやおろし
- 春に出来上がり1度火入れをした日本酒を、一夏寝かせて秋に出荷するもの
- 原酒
- 加水していない日本酒
- 生酒
- 一切火入れしていない酒。酵素や微生物が生きているので冷蔵貯蔵が必須
- 無ろ過生原酒
- ろ過を行わず、加熱処理も加水も行っていない酒
日本酒作りの四季
四季醸造とは、冬だけでなく一年を通して酒造りを行うこと。酒造りは秋から冬にかけて行われるのが一般的。 酒造りの世界の一年は「酒造年度」と呼ばれ、毎年7月1日から翌年6月30日で区切られている。
- 新春から春
- 日本酒の仕込みを行いながら、その酒造年度の新米で造られた「新酒」を売り出し始める。3月末頃になると、その年の酒造りが終了となる。
- 春から初夏
- できあがった酒を保存し、最適な状態になるまで寝かせておく。
- 夏
- 「生酒」が売り出される。
- 秋
- 寒造りで製造した酒が出荷に最適な状態になる。この一夏寝かせた酒を「ひやおろし」と呼ぶ。新酒特有の粗さが消え、丸みを帯びた熟成した味になる
- 冬
- 本格k的な酒造シーズンの始まり。酒造は1年でもっとも忙しい時期になる。
日本酒の味を示す基準
- 日本酒度
- 日本酒の水に対する比重のこと
- 水より軽ければプラス、重ければマイナス
- 酒中の糖が多ければ比重が重くなることから、マイナスであるほど甘口、プラスであるほど辛口となる
- 酸度
- リンゴ酸、クエン酸、コハク酸など、日本酒に含まれる酸の量を表す
- 酸は単にすっぱさを与えるだけでなく、味を引き締める効果や、旨味としての役割がある
- 酸度が高いと辛く感じ、低いと甘く感じる
- アミノ酸度
- 旨味成分となる
- アミノ酸が多いほどコクのある酒になるが、多すぎると雑味がでることもある
これはあくまで傾向で、酒の味は 糖の量だけでなく、酸味やアミノ酸、香り、などのバランス で決まる。
日本酒のタイプ
タイプ | 特徴 | 主な香り | 主な酒のタイプ | 香りが立つ温度帯 |
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熟酒 | 味も香りも強い | ドライフルーツ、スパイス | 古酒、秘蔵酒、長期熟成酒 | 25~30、35度 |
醇酒 | 味は濃いが香りは控えめ | 米 | 純米酒(特に生酛、山廃)など | 15 |
薫酒 | 味は軽やかで香りが強め | フルーツ、ハーブ | 純米吟醸酒、大吟醸 | 10度前後 |
爽酒 | 味も香りも控えめ | レモン、ライム | 生酒、生詰酒、低アルコール酒 | 5~10度 |
きれいな酒とは?
雑味がなくさっぱりした酒のこと。精米歩合が低い米で造る酒ほどきれいな酒になり、高い米で造った酒は旨味が強くなる。
燗にして美味しい酒とは?
一般的に、香りが高い酒は冷やして、コクのある酒は燗にして飲むとおいしくなる。温度をあげることで甘味や旨味が増し、酸味がまろやかになる。