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@chesterlaw
Created September 4, 2020 14:16
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Evangelion Script Eps 1-5
時に、西暦2015年
「本日は12時30分、東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターへ非難してください。繰り返しお伝えいたします。本日は12時30分、東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターへ・・・・・・・」
ミサト:よりによってこんな時に見失うだなんて・・・まいったわねぇ
「特別非常宣言発令のため現在全ての普通回線は不通となっております。」
シンジ:だめか。やっぱり来るんじゃなかった。待ち合わせは無理か。
シンジ:しょうがないシェルターに行こう。
シンジ:うわっ!
「正体不明の移動物体は以前本署に対し進行中。」
「目標を映像で確認。主モニターにまわします。」
冬月:15年ぶりだね。
ゲンドウ:ああ間違いない。使徒だ。
兵士:目標に全段命中・・・うわぁ!
シンジ:うわっ!
ミサト:ごめん、お待たせ
「目標は依然健在。現在も第3新東京都市に向かい進行中。」
「航空隊の戦力では足止めできません。」
陸軍指揮官A:総力戦だ!厚木と入間も全部上げろ!
陸軍指揮官B:出し惜しみは無しだ!なんとしても目標を潰せ!
陸軍指揮官B:なぜだ?直撃のはずだ!
陸軍指揮官A:戦車大隊は壊滅・・・誘導兵器も砲爆撃もまるで効果無しか
陸軍指揮官B:駄目だ!!!この程度の火力では埒があかん!
冬月:やはりATフィールドか?
ゲンドウ:あぁ。使途に対し通常兵器では役に立たんよ。
陸軍指揮官A:わかりました。予定通り発動します。
ミサト:ちょっとまさか?N2地雷を使うわけ?
ミサト:伏せて!!!!!
陸軍指揮官B:やったっ!!!!!!!
陸軍指揮官A:残念ながら君達の出番は無かったようだな。
「衝撃波来ます。」
ミサト:大丈夫だった~?
シンジ:えぇ、口の中がシャリシャリしますけど。
ミサト:そいつは結構。じゃあ、行くわよ。
ミサト:せーのっ!
ミサト:はぁ・・・どうもありがとう。助かったわ。
シンジ:いえ、僕の方こそ。葛城さん。
ミサト:ミサトでいいわよ。改めてよろしくね、碇シンジ君。
シンジ:はい。
陸軍指揮官C:その後の目標は?
「電波障害のため確認できません。」
陸軍指揮官B:あの爆発だ。蹴りはついている。
「センサー回復します。」
「爆心地にエネルギー反応!」
陸軍指揮官B:何だと!!!
「映像回復します。」
陸軍指揮官A,B,C:おお・・・
陸軍指揮官A:われわれの切り札が・・・
陸軍指揮官C:なんて事だ・・・
陸軍指揮官C:化け物め・・
ミサト:ええ、心配ご無用。彼は最優先で保護してるわよ。だからカートレインを用意しておいて。直通のやつ。そう、迎えに行くのは私が言い出したことですもの、ちゃーんと責任持つわよ。じゃ。
ミサト:(しっかしもーサイテー。せっかくレストアしたばっかだったのに・・・早くもベッコベコ。ローンがあと33回、プラス修理費かぁ・・・おまけに一張羅の服も台無し・・・)
シンジ:あの、ミサトさん?
ミサト:(せっかく気合入れてきたのに・・・トホホ)
シンジ:あの、ミサトさん
ミサト:ん、何ぃ?
シンジ:いいんですか?こんなことして?
ミサト:あぁ、いいのいいの。今は非常時だし。車動かなきゃしょうがないでしょ~。それに私、こう見えても国際公務員だしね。万事オッケーよ。
シンジ:説得力に欠けるいいわけですね。
ミサト:つまんないの。かわいい顔して意外と落ち着いてるのね。
シンジ:・・・そうですか。
ミサト:アレ?怒った?ごめんごめん。男のこだもんねぇ~
シンジ:ミサトさんこそ年に割に子供っぽい人ですね。
ミサト:・・・
冬月:予想通り自己修復中か。
ゲンドウ:そうでなければ単独兵器として役に立たんよ。
冬月:ほぉ、大した物だ。機能増幅まで可能なのか。
ゲンドウ:おまけに知恵もついたようだ。
冬月:再度進行は時間の問題だな。
「ゲートが閉まりますご注意ください。発射いたします。」
シンジ:特務機関ネルフ・・・
ミサト:そう、国連直属の非公開組織。
シンジ:父のいるところですね。
ミサト:まあねぇ~。お父さんの仕事知ってる?
シンジ:・・・人類を守る大事な仕事だと先生からは聞いてます。
陸軍指揮官C:今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せてもらおう。
ゲンドウ:了解です。
陸軍指揮官A:碇君、われわれの所有兵器では目標に対し有効な手段がないことは認めよう。
陸軍指揮官C:だが君なら勝てるのかね?
ゲンドウ:そのためのネルフです。
陸軍指揮官C:・・・期待してるよ。
オペレータ女:目標は未だ変化無し。
日向:現在、迎撃システム稼働率7.5%。
冬月:国連軍もお手上げか。どうするつもりだ?
ゲンドウ:初号機を起動させる。
冬月:初号機をか?パイロットがいないぞ。
ゲンドウ:問題ない。もう一人の予備が届く。
シンジ:これから父のところへ行くんですか?
ミサト:そうね、そうなるわね。
シンジ:父さん・・・
ミサト:あ、そうだ。お父さんからID貰ってない?
シンジ:あっ、はい、どうぞ。
ミサト:ありがと。じゃあこれ読んどいてね。
シンジ:ネルフ?父さんの仕事・・・何かするんですか、僕が?
ミサト:・・・
シンジ:そうですね、用もないのに父が僕に手紙くれるわけないですよね・・・
ミサト:そっか。苦手なのねお父さんが。あたしと同じね。
シンジ:えっ?
シンジ:あっすごい!本当にジオフロントだ。
ミサト:そう、これが私たちの秘密基地ネルフ本部。世界再建の要、人類の砦となる所よ。
「NEON GENESIS EVANGELION EPISODE:1 ANGEL ATTACK」
ミサト:おっかしいなぁ・・・確かこの道のはずよねぇ。
「セントラルドグマの閉鎖通路は現状を維持。B-26ブロックは順次開放してください。」
ミサト:これだからスカート履き辛いのよねぇ、ここ・・・しっかしリツコはどこ行っちゃったのかしら?ごめんね、まだ慣れてなくて。
シンジ:さっき通りましたよ、ここ。
ミサト:・・・でも大丈夫。システムは利用するために有るものね。
「技術局1課E計画担当の赤木リツコ博士赤木リツコ博士。至急作戦部第1課葛城ミサト一尉までご連絡ください。」
リツコ:あきれた・・・また迷ったのね。
ミサト:あらっリツコ・・・
リツコ:何やってたの葛城一尉?人出も無ければ時間も無いのよ。
ミサト:ヘヘッ、ゴメン。
リツコ:ふぅ・・・。例の男の子ね。
ミサト:そう。マルドゥックの報告書によるサードチルドレン。
リツコ:よろしくね。
シンジ:はい・・・。
ミサト:これまた父親そっくりなのよ、可愛げの無い所とかねぇ。
ゲンドウ:では後を頼む。
冬月:3年ぶりの対面、か。
日向:副指令、目標が再び移動を始めました。
冬月:よし。総員第一種戦闘配置。
「繰り返す。総員第一種先頭配置。対地迎撃戦用意。」
ミサト:ですって。
リツコ:これは一大事ね。
ミサト:で、初号機はどうなの?
リツコ:B型装備のまま現在冷却中。
ミサト:それ本当に動くの?まだ一度も動いた事無いんでしょ。
リツコ:起動確率は0.000000001%。オーナインシステムとはよく言ったものだわ。
ミサト:それって動かないって事ぉ?
リツコ:あら失礼ね。ゼロではなくってよ。
ミサト:数字の上ではね。まっ、どの道動きませんでしたではもう済まされないわ。
シンジ:あっ、真っ暗ですよ?
シンジ:ハッ!顔・・・巨大ロボット・・・
リツコ:探しても載ってないわよ。
シンジ:へっ?
リツコ:人の作り出した究極の人型汎用決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン、その初号機。建造は極秘裏に行われた。我々人類の最後の切り札よ。
シンジ:これも父の仕事ですか。
ゲンドウ:そうだ。久しぶりだな。
シンジ:父さん・・・
ゲンドウ:出撃。
ミサト:出撃?零号機は凍結中でしょ?まさか初号機を使うつもりなの?
リツコ:他に道は無いわ。
ミサト:ちょっと、レイはまだ動かせないでしょ?パイロットがいないわよ。
リツコ:さっき届いたわ。
ミサト:マジなの?
リツコ:碇シンジ君、
シンジ:ハイ・・・
リツコ:あなたが乗るのよ。
シンジ:ヘッ?
ミサト:でも、綾波レイでさえエヴァにシンクロするのに7ヶ月もかかったんでしょ?今着たばかりのこの子にはとても無理よ!
リツコ:座っていればいいわ。それ以上は望みません。
ミサト:しかし・・・
リツコ:今は使徒殲滅が最優先事項です。そのためには誰で有れエヴァとわずかでもシンクロ可能と思われる人間を乗せるしか方法は無いわ。分かっているはずよ?葛城一尉。
ミサト:・・・そうね
シンジ:父さんなぜ呼んだの?
ゲンドウ:お前の考えているとおりだ。
シンジ:じゃあ僕がこれに乗ってさっきのと戦えって言うの?
ゲンドウ:そうだ。
シンジ::嫌だよそんなのっ!何を今更なんだよ!父さんは僕が要らないんじゃ
なかったの?
ゲンドウ:必要だから呼んだまでだ。
シンジ:なぜ僕なの・・・
ゲンドウ:他の人間には無理だからな。
シンジ:無理だよそんなの・・・見た事も聴いたことも無いのにできるわけないよ!
ゲンドウ:説明を受けろ。
シンジ:そんな・・・できっこないよ、こんなの載れるわけ無いよ!
ゲンドウ:載るなら早くしろ。でなければ帰れ!
ゲンドウ:奴め、ここに気づいたか・・・
リツコ:シンジ君時間が無いわ。
ミサト:載りなさい。
シンジ:やだよ・・・せっかく来たのに・・・こんなの無いよ!
ミサト:シンジ君、何のためにここに来たの?駄目よ逃げちゃ!お父さんから、何よりも自分から。
シンジ:分かってるよ、でもできるわけ無いよ!!!
ゲンドウ:冬月、レイを起こしてくれ。
冬月:使えるかね?
ゲンドウ:死んでいるわけではない。
冬月:・・・分かった。
ゲンドウ:レイ、予備が使えなくなった。もう一度だ。
レイ:はい。
リツコ:初号機のシステムをレイに書き直して。再起動。
「了解、全作業を中断。再起動にはいります。」
シンジ:やっぱり僕は要らない人間なんだ・・・
シンジ:あっ・・・
レイ:キャッ!
ミサト:危ない!
シンジ:うわぁ!
「エヴァが動いた!」「どういうことだ?」
「右腕の拘束具を引きちぎっています。」
リツコ:まさか?ありえないわ。エントリープラグも挿入していないのよ。動くはず無いわ。
ミサト:インターフェースも無しに反応している、というより守ったの・・・彼を?・・・行ける!
シンジ:(にげちゃだめだ・・にげちゃだめだ・・にげちゃだめだ・・にげちゃだめだ・・にげちゃだめだ・・っ)
シンジ:やります。僕が乗ります。
「冷却終了。右腕の再固定完了。ケージ無い全てドッキング位置」
マヤ:停止信号プラグ排出終了
「了解。エントリープラグ挿入。」
「プラグ固定終了。第一次接続開始。」
マヤ:エントリープラグ注水。
シンジ:え?なんですかこれ?
リツコ:大丈夫。肺がLCLで満たされれば直接血液に酸素を取り込んでくれます。すぐに慣れるわ。
シンジ:ぶはぁ・・・気持ちわるい・・・
ミサト:我慢なさい!男の子でしょ!
シンジ:うぅ・・・
「主電源接続。全回路動力伝達。」
リツコ:了解。
マヤ:第2時コンタクトに入ります。A10神経接続異常なし。
リツコ:思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス。初期コンタクト全て異常なし。
マヤ:双方向回線開きます。シンクロ率、41.3%。
リツコ:すごいわね。
マヤ:ハーモニクス、全て正常値。暴走ありません。
リツコ:行けるわ。
ミサト:発信準備!
「発信準備。
「第一ロックボルト外せ。」
「解除確認。アンビリカルブリッジ移動開始。」
「第二ロックボルト外せ。」
「第一拘束具除去。おなじく第二拘束具を除去。」
「1番から15番までの安全装置を解除。」
「内部電源充電完了。」
「内部電源用コンセント異常なし。」
マヤ:了解。エヴァ初号機射出口へ。
マヤ:進路クリアー、オールグリーン。
リツコ:発信準備完了。
ミサト:了解。構いませんね?
ゲンドウ:もちろんだ。使徒を倒さぬ限り我々に未来は無い。
冬月:碇、本当にこれでいいんだな?
ゲンドウ:・・・
ミサト:発進!!!
ミサト:・・・シンジ君、死なないでよ。
次回予告
エヴァは使徒に勝つ。だがそれは全ての始まりに過ぎなかった。父との空間から逃げ出し一人でいいと言い切るシンジをミサトは自分で救おうと決心する。だがそれは大人の傲慢な思い込みに過ぎなかった。シンジはその夜、自らの心を閉じる。次回「見知らぬ、天井」さぁ~て、この次もサービスしちゃうわよ♪
ミサト:いいわね、シンジ君。
シンジ:あっ、はい。
ミサト:最終安全装置解除。エヴァンゲリオン初号機リフトオフ。
リツコ:シンジ君、今は歩く事だけ考えて。
シンジ:(歩く・・・)
リツコ:歩いた!
シンジ:歩く・・・
ミサト:シンジ君、しっかりして!早く、早く起き上がるのよ!
シンジ:グァァァッッ
ミサト:シンジ君落ち着いて。あなたの腕じゃないのよ。
リツコ:エヴァの防御システムは?
マヤ:シグナル作動しません。
日向:フィールド無展開。
リツコ:駄目か!
マヤ:左腕損傷!
日向:回路断線!
ミサト:シンジ君よけてっ!
シンジ:ウゥッ!
マヤ:頭蓋先負に亀裂発生。
リツコ:装甲がもう持たない。
A:頭部破損、損害不明。
マヤ:制御信号が次々と断線していきます。
日向:パイロット反応ありません。
ミサト:シンジ君!!!
「一、二、三、四、五、六、七、手足の運動、一、二、三、四、五、六、七、八、二、二、三、四、腕を回す運動、外回り、内回り、五、六、七、八、二、二、」
シンジ:知らない天井だ・・・
第弐話 見知らぬ、天井
「こっちだ、こっちだ」
ゼーレA:使徒再来か。あまりに唐突だな。
ゼーレB:15年前と同じだよ。災いは何の前触れもなく訪れるものだ。
ゼーレC:幸いとも言える。我々の先行投資が無駄にならなかった点においてはな。
ゼーレD:そいつはまだ分からんよ。役に立たなければ無駄と同じだ。
ゼーレB:左様。いまや周知の事実となってしまった使徒の処置、情報操作、ネルフの運用は全て適切かつ迅速に処理してもらわんと困るよ。
ゲンドウ:その件に関してはすでに対処済みです。ご安心を。
「昨日の特別非常事態宣言に対する政府発表が今朝第2新・・・」
「今回の事件には・・・」「在日国連軍の・・・」
ミサト:発表はシナリオb-22かぁ。またも事実は闇の中ね。
リツコ:広報部は喜んでたわよ。やっと仕事が出来たって。
ミサト:家も御気楽なもんね~。
リツコ:どうかしら?ホントはみんな怖いんじゃない?
ミサト:・・・あったりまえでしょ。
ゼーレD:ま、そのとおりだな。
ゼーレA:しかし碇君、ネルフとエヴァもう少し上手く使えんのかね?
ゼーレB:零号機に引き続き君らが初陣で壊した初号機の修理代、国が一つ傾くよ。
ゼーレC:聞けばあのおもちゃは君の息子に与えたそうじゃないか。
ゼーレD:人、時間、そして金。親子揃っていくら使ったら気が済むのかね?
ゼーレC:それに君の仕事はこれだけではあるまい。人類補完計画、これこそが君の急務だ。
ゼーレB:左様。その計画こそがこの絶望的状況下に置ける唯一の希望なのだ。我々のね。
キール:いずれにせよ使徒再来に置ける計画スケジュールの遅延は認められん。予算に付いては一考しよう。
ゼーレD:では、後は委員会の仕事だ。
ゼーレB:碇君、ご苦労だったな。
キール:碇、後戻りは出来んぞ。
ゲンドウ:分かっている。人間には時間がないのだ。
ミサト:やっぱクーラーは人類の至宝。まさに科学の勝利ね。
リツコ:シンジ君が気づいたそうよ。
ミサト:で、容態はどうなの?
リツコ:外傷は無し。少し記憶に混乱が見られるそうだけど。
ミサト:まさか精神汚染じゃ?
リツコ:その心配は無いそうよ。
ミサト:そう・・・そうよね。いっきなりアレだったもんね。
リツコ:無理もないわ。脳神経にかなりの負担がかかったもの。
ミサト:ココロ、の間違いじゃないの?
「オーライオーライ」「そのままー」
ミサト:エヴァとこの町が完全に稼動すれば行けるかもしれない。
リツコ:使徒に勝つつもり?相変わらず楽天的ね。
ミサト:あら、希望的観測は人が生きていくための必需品よ。
リツコ:そうね。あなたのそういうところ、助かるわ。
ミサト:じゃ。
「第一内科のウガイ先生、ウガイ先生。至急第一外科のアズマ先生までご連絡ください。」「B事件の医療会議は予定通り行われます。担当者は第二会議室へ集まってください。」
「ポン」
リツコ:よろしいのですね、同居ではなくて?
冬月:碇たちにとってはお互いにいない生活が当たり前なのだよ。
リツコ:むしろ一緒にいる方が不自然ですか・・・
ミサト:一人でですか?
黒服男:そうだ。彼の個室はこの先の第6ブロックになる。問題は無かろう。
シンジ:はい。
ミサト:それでいいの?
シンジ:いいんです、一人のほうが。どこでも同じですから。
リツコ:何ですって?
ミサト:だから~シンジ君は私の所で引き取る事にしたから。上の許可も取ったし。心配しなくても子供に手出したりしないわよ~。
リツコ:当たり前じゃないの!全く何考えてるのあなたって人は!いっつもそんな事ばっかり言ってるんだから・・・」
ミサト:相変わらず冗談通じない奴・・・
ミサト:さーて、今夜はパーとやらなきゃね♪
シンジ:何をですか?
ミサト:もちろん新たなる同居人の歓迎会よ。
「やっぱり引っ越されますの?」「ええ、まさか本当にここが戦場になるなんて思っても見ませんでしたから。」「ですよねー。家も主人は私と子供だけでも疎開しろって。」「疎開ね・・・いくら要塞都市だからって言ったって何一つ当てに出来ませんもんね。」「昨日の事件、思い出しただけでもぞっとしますわ。」「本当に。」
ミサト:すまないけどチョッち寄り道するわよ。
シンジ:何処へですか?
ミサト:フフッ、イ・イ・ト・コ・ロ。
シンジ:なんだか寂しい町ですね。
ミサト:時間だわ。
シンジ:凄い、ビルが生えてく!
ミサト:これが使徒迎撃戦用要塞都市第3新東京市、私たちの町よ。そして・・・あなたが守った町。
「NEON GENESIS EVANGELION EPISODE:2 THE BEAST」
ミサト:シンジ君の荷物はもう届いてると思うわ。実は私も先日この町に引っ越してきたばっかりでね~。さっ、入って。
シンジ:あっ、あの・・・おじゃまします。
ミサト:シンジ君、ここはあなたの家なのよ。
シンジ:た、ただいま・・・
ミサト:お帰りなさい。
ミサト:ま~ちょっち散らかってるけど気にしないでね~
シンジ:これが・・・ちょっち?
ミサト:あ~ゴメン、食べ物冷蔵庫に入れておいて。
シンジ:あ、はい・・・
シンジ:氷、ツマミ、ビールばっかし。一体どんな生活してるんだ?
シンジ:あの、あっちの冷蔵庫は?
ミサト:あぁ、そっちはいいの。まだ寝てると思うから。
シンジ:寝てる?
「チン」
ミサト:いっただっきまーす。
シンジ:いただきます。
ミサト:ぷっっはぁぁぁ、くぅぅぅぅ。やっぱ人生このときのために生きてるようなものよね~。ん、食べないの?結構美味いわよ、インスタントだけど。
シンジ:いえ、あの、こういう食事慣れてないんで・・・
ミサト:だめよ!好き嫌いしちゃあ!
シンジ:うっ、いや、あの、違うんです。あの・・・
ミサト:楽しいでしょ。
シンジ:え?
ミサト:こうして他の人と食事取ると。
シンジ:・・・はい。
ミサト:じゃあ次ぎ行くわよ。じゃんけんポン、ポン、ポン、ポン、ポン!あ~悪いわね~
シンジ君。よし、公平に決めた生活当番もこれでオールオッケーね。
シンジ:はい・・・
ミサト:さて、今日からここはあなたの家なんだからな~んにも遠慮なんて要らないのよ。
シンジ:は・・・はい・・・
ミサト:も~はいはいはいはいって辛気臭いわね~。おっとこの子でしょ?シャキっとしなさいシャキっと!
シンジ:はい・・・
ミサト:まぁいいわ。嫌な事は風呂に入ってパーと洗い流しちゃいなさい。風呂は命の洗濯よ。
シンジ:うわぁぁぁぁぁぁ!!!ミミミミミサトさん!
ミサト:何?
シンジ:ああぁ、あぁぁ・・・あれっっっ?
ミサト:あぁ、彼?新種の温泉ペンギンよ。
ペンペン:クワッ!
シンジ:あぁ、あれ・・・
ミサト:名前はペンペン。もう一人の同居人。それより前隠したら?
シンジ:エッ・・・うわっ!!!
ミサト:ちとわざとらしくはしゃぎ過ぎたかしら?・・・見透かされてるのはこっちかもね。
シンジ:葛城ミサトさん・・・悪い人じゃないんだ。
ミサト:(風呂は命の洗濯よ)
シンジ:今日は嫌な事を思い出すほうが多いよな。父さんと、綾波レイか。
リツコ:レイの様子はいかがでしたか?午後行かれたのでしょ、病院に。
ゲンドウ:後二十日もすれば動ける。それまでは凍結中の零号機の再起動を取り付ける予定だ。
リツコ:辛いでしょうね、あの子達。
ゲンドウ:エヴァを動かせる人間は他にいない。生きてる限りそうしてもらう。
リツコ:子供たちの意思に関係なく、ということですか。
ミサト:そう、あんな目にあってるのよ。また載ってくれるかどうか・・・
リツコ:彼のメンテナンスもあなたの仕事でしょ?
ミサト:怖いのよ、どう触れたらいいか分からなくって。
リツコ:もう泣き言?自分から引き取るって大見得切ったんじゃない。
ミサト:うっさい!
ミサト:あの時、私はシンジ君を自分の道具としてみていた。リツコと同じか。あの使徒を倒したというのに・・・嬉しくないのね。
ジンジ:知らない天井、当たり前か。この町で知ってるとこなんて何処にも無いもんな。
ミサト:(ここはあなたの家なのよ。)
シンジ:なんでココにいるんだろ。
シゲル:頭部破損。損害不明。
「活動維持に問題発生。」
ミサト:状況は?
マヤ:シンクログラフ反転。パルスが逆流しています。
リツコ:回路遮断。せき止めて!
マヤ:駄目です。信号拒絶、受信しません。
ミサト:シンジ君は?
日向:モニター反応なし。生死不明。
シゲル:初号機、完全に沈黙。
リツコ:ミサト!
ミサト:くっ、ここまでね・・・作戦中止、パイロット保護を最優先。プラグを強制射出して!
マヤ:駄目です、完全に制御不能です!
ミサト:何ですって?
「エヴァ、再起動。」
マヤ:そんな、動けるはず有りません!
ミサト:まさか?
リツコ:暴走?
冬月:勝ったな。
リツコ:ATフィールド!
ミサト:駄目だわ!ATフィールドがある限り・・・
リツコ:使徒には接触できない。
シゲル:左腕復元!
ミサト:凄い!
マヤ:初号機もATフィールドを展開、位相空間を中和していきます。
リツコ:いえ、侵食してるんだわ。
ミサト:あのATフィールドをいとも簡単に・・・
ミサト:自爆する気!?
ミサト:エヴァは?
リツコ:アレがエヴァの・・・
ミサト:本当の姿・・・
シゲル:回路接続。
マヤ:グラフ正常位置。
日向:パイロットの生存を確認。
リツコ:機体回収班急いで。
ミサト:パイロット保護を最優先に。
シンジ:ハッ・・・
シンジ:うわぁぁぁぁ!!!
ミサト:シンジ君、開けるわよ。一つ言い忘れてたけどあなたは人に誉められる立派な事をしたのよ。胸を張っていいわ。お休みシンジ君・・・頑張ってね。
次回予告
エヴァの訓練、学校、道化と新たな生活を状況に流されるままただ繰り返すだけのシンジに友達が生まれるはずも無かった。だが、エヴァのパイロットである事がばれ一転してクラスの人気者にされる。戸惑うシンジ。その彼を冷たく見つめる男の子がいた。次回「鳴らない、電話。」さ~て、この次もサービスしちゃうわよ!
リツコ:おはようシンジ君、調子はどう?
シンジ:慣れました。悪くないと思います。
リツコ:それは結構。エヴァの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、回収スポット、全部頭に入ってるわね?
シンジ:多分。
リツコ:では、もう一度おさらいするわ。通常エヴァは有線からの電力供給で稼動しています。非常時に体内電池に切り替えると蓄電容量の関係でフルで一分、ゲインを利用してもせいぜい5分しか稼動できないの。これが私達の科学の限界ってわけ。お分かりね?
シンジ:はい。
リツコ:では昨日の続き、インダクションモード始めるわよ。
リツコ:目標をセンターに入れて。スイッチオン。
リツコ;落ち着いて、目標をセンターに。
シンジ:スイッチ・・・
リツコ:次。
マヤ:しかし、よく乗る気になってくれましたね。シンジ君。
リツコ;人の言う事におとなしく従う、それがあの子の処世術じゃないの?
シンジ:目標をセンターに入れてスイッチ・・・目標をセンターに入れてスイッチ・・・目標をセンターに入れてスイッチ・・・目標をセンターに入れてスイッチ・・・目標をセンターに入れて
「第参話 鳴らない、電話」
「ではスタジオから松崎の篠原ナオコさん?」
「はい。おはようございます!篠原です。本日はなんと西伊豆の松崎へダイビングに来てるんですよ・・・」
シンジ:ねぇミサトさん、もう朝なんですけど・・・
ミサト:ウウン・・・さっきまで当直だったの・・・今日は夕方までに出頭すればいいの・・・だから寝かせて~
シンジ:じゃあ、僕・・・
ミサト;今日木曜日だっけ?燃えるごみお願いね~
シンジ:ハイ
ミサト:学校の方はもう慣れた?
シンジ:ええ。
ミサト:そう、行ってらっしゃい。
シンジ:行ってきます。
ミサト:ンンン・・・ハイ、もしもし、何だリツコか・・・
リツコ:どう、彼氏とは上手く行ってる?
ミサト:彼?ああ、シンジ君ね。転校して2週間相変わらずよ。未だに誰からも電話掛かってこないのよね。
リツコ:電話?
ミサト:必須アイテムだから随分前に携帯渡したんだけどね、自分で使ったり誰からもかかってきた様子ないのよ。あいつ、ひょっとして友達いないんじゃないかしら?
リツコ:シンジ君てどうも友達を作るのに不向きな性格かもしれないわね。ヤマアラシのジレンマの話って知ってる?
ミサト:ヤマアラシ?あのトゲトゲの?
リツコ:ヤマアラシの場合、相手に自分の温もりを伝えたいと思っても身を寄せれば寄せるほど体中のとげでお互いを傷つけてしまう。人間にも同じことが言えるわ。今のシンジ君は心のどこかで痛みに怯えて臆病になってるんでしょうね。
ミサト:ま、そのうち気付くわよ。大人になるって事は近づいたり離れたりを繰り返してお互いがあんまり傷つかずにすむ距離を見つけ出す、って事に・・・
ケンスケ:ギューン、ドドドドドォーン。・・・何、委員長?
ヒカリ:昨日のプリント届けてくれた?
ケンスケ:エッ、アァ・・・いや、なんかトウジの家留守みたいでさ。
ヒカリ:相田君、鈴原と仲良いんでしょ?2週間も休んで心配じゃないの?
ケンスケ:大怪我でもしたのかなぁ。
ヒカリ:えぇ、例のロボット事件で?TVじゃ一人もいなかったって・・・
ケンスケ:まさか。鷹ノ巣山の爆心地見たろ?入間や小松だけじゃなくて三沢や九州の部隊まで出動してんだよ?絶対十人や二十人じゃすまないよ。死人だって・・・トウジ?
ヒカリ:鈴原・・・
トウジ:なんや、随分減ったみたいやな。
ケンスケ:疎開だよ、疎開。みんな転校しちゃったよ。街中であれだけ派手に戦争されちゃあね。
トウジ:よろこんどんのはお前だけやろなぁ。生のドンパチ見れるよってに。
ケンスケ:まぁね。トウジはどうしてたの、こんなに休んじゃってさ?こないだの騒ぎで巻き添えでも食ったの?
トウジ:妹の奴がな。妹の奴が瓦礫の下敷きになってもうて命は助かったけどずっと入院しとんのや。家ンとこおとんもおジンも研究所勤めやろ。今職場を離れるわけにはいかんしな。俺がおらんとあいつ病院で一人になってまうからな。
トウジ:しっかし、あのロボットのパイロットはホンマにヘボやな!無茶苦茶腹立つわ!味方が暴れてどないするっちゅうんじゃ!
ケンスケ:それなんだけど聞いた、転校生のうわさ?
トウジ:転校生?
ケンスケ:ほら、あいつ。トウジが休んでる間に転入してきた奴なんだけどあの事件の後にだよ。変だと思わない?
ヒカリ:起立!
教員:あー、このように人類はその最大の試練を迎えたのであります。二十世紀最後の年、宇宙より飛来した大質量の隕石が南極に衝突。氷の大陸を一瞬にして融解させたのであります。海洋の水位は上昇し、地軸も曲がり生物の存在をも脅かす異常気象が世界中を襲いました。そして数千種の生物とともに人類の半分が永遠に失われたのであります。これが世に言うセカンドインパクトであります。経済の崩壊、民族紛争、内戦、その後生き残った人々もありったけの地獄を見ました。
「:碇君が あのロボットのパイロットというのはホント? Y/N」
教員:だが、あれから15年。わずか15年で我々はここまで復興を遂げる事が出来たのです。
「:ホントなんでしょ?」
「:Y/N」
教員:それは私たち人類の優秀性もさることながら皆さんのお父さんお母さんの血と汗と涙と努力の賜物といえるで有りましょう。
「YES」
生徒達:えーー!!!
教員:その頃私は根府川に住んでましてね、今はもう海の・・・
ヒカリ:ちょっともう、みんな!まだ授業中でしょ!席についてください!
生徒女:あー、またそうやってすぐ仕切る~
生徒男:いいじゃんいいじゃん。
ヒカリ:良くない!
生徒女:ねぇねぇ、どうやって選ばれたの?
生徒女:テストとか有ったの?
生徒女:怖くなかった?
生徒女:操縦席ってどんなの?
シンジ:いや、あの、その、そういうの秘密で・・・
生徒女:あのロボットなんて名前なの?
シンジ:よく分かんないけどみんながエヴァとか初号機って・・・
生徒男:エッ、必殺技は?
シンジ:何とかナイフって言って振動が・・・超音波みたいに・・・
生徒女:でも凄いわ。学校の誇りよね~
教師:で、ありますから・・・あぁ、では今日はこれまで。
ヒカリ:起立、礼!・・・ちょっとみんな最後くらいちゃんと
シンジ:ウッ!
トウジ:すまんなぁ転校生。ワシはお前を殴らないかん。殴っとかな気がすまへんのや。
ケンスケ:悪いね。こないだの騒ぎであいつの妹さん怪我しちゃってさ。まっ、そういう事だから。
シンジ:・・・僕だって乗りたくて乗ってるわけじゃないのに。
レイ:非常召集。先行くから。
「ただいま東海地方を中心とした関東中部の全域に特別非常事態宣言が発令されました。速やかに指定のシェルターへ避難して下さい。繰り返しお伝えいたします。・・・」
「NEON GENESIS EVANGELION EPISODE:3 A transfer」
シゲル:目標を光学で捕捉。領海内に進入しました。
冬月:総員第一種戦闘配置
「了解、滞空迎撃戦用意。」
日向:第三新東京市、戦闘形態に移行します。
マヤ:中央ブロック収容開始。
マヤ:中央ブロック及び第1から第7管区まで間で収容完了。
シゲル:政府及び関係各省への通達終了。
「現在対空迎撃システム稼働率48%。」
ミサト:非戦闘員、及び民間人は?
シゲル:すでに退避完了との報告が入っています。
「小中学生は各クラス、住民の方々は各ブロック毎にお集まりください。」
ケンスケ:ええぃ、まただ!
トウジ:また文字だけなんか?
ケンスケ:報道管制ってやつだよ。僕ら民間人には見せてくれないんだ。こんなビックイベントだって言うのに。
ミサト:碇指令の居ぬ間に第4の使徒襲来、意外と早かったわね。
日向:前は15年のブランク、今回はたったの3週間ですからね。
ミサト:こっちの都合はお構いなしか。女性に嫌われるタイプね。
冬月:税金の無駄遣いだな。
シゲル:委員会から再びエヴァンゲリオンの出動要請が来ています。
ミサト:五月蝿い奴等ね、言われなくても出撃させるわよ。
「エントリースタートしました。」
マヤ:LCL電化
「圧着ロック解除」
シンジ:父さんもいないのに何でまた乗ってんだろ?
シンジ:人に殴られてまで・・・
ケンスケ:ねぇ、ちょっと二人で話があるんだけど。
トウジ:何や?
ケンスケ:ちょっと、な。
トウジ:しゃあないなぁ。
トウジ:委員長。
ヒカリ:何?
トウジ:ワシ等二人、便所や。
ヒカリ:もう、ちゃんと済ませときなさいよ。
トウジ:で、なんや?
ケンスケ:死ぬまでに一度だけでも見たいんだよ。
トウジ:上のドンパチか?
ケンスケ:今度何時また敵が来てくれるか分かんないし。
トウジ:ケンスケ・・・お前なぁ。
ケンスケ:このときを逃してはあるいは永久に、なぁ頼むよ。ロック外すの手伝ってくれ。
トウジ:外に出たら死んでまうで?
ケンスケ:ここに居たって分かんないよ。どうせ死ぬなら見てからがいい。
トウジ:アホ。何のためにネルフがおるんじゃ。
ケンスケ:そのネルフの決戦兵器ってなんなんだよ?あの転校生のロボットだよ。この前もあいつが俺達を守ったんだ。それをあんなふうに殴ったりして、それも二度も。
トウジ:・・・
ケンスケ:あいつがロボットに乗らないなんて言い出したら俺達死ぬぞ。トウジにはあいつの戦いを見守る義務があるんじゃないのか?
トウジ:・・・しゃあないなぁ。お前ホンマ自分の欲望に素直なやっちゃなぁ。
ケンスケ:エヘヘ。
ミサト:シンジ君、出撃いいわね。
シンジ:ハイ。
リツコ:良くって。敵のATフィールドを中和しつつパレットの一斉射撃。練習どうり大丈夫ね?
シンジ:ハイ。
ミサト:発進!
ケンスケ:凄い!これぞ苦労の甲斐も有ったと言うもの!おっ、待ってました。
ケンスケ:出た!
シンジ:目標をセンターに入れてスイッチ・・・
マヤ:ATフィールド展開
シンジ:目標をセンターに入れてスイッチ・・・
ミサト:作戦どおりいいわね、シンジ君。
シンジ:ハイ。
ミサト:馬鹿!爆煙で敵が見えない!
シンジ:アッ!
トウジ:何や、もうやられとるで?
ケンスケ:大丈夫。
ミサト:予備のライフルを出すわ、受け取って。
ミサト:シンジ君、シンジ君?
ケンスケ:あっちゃ~。やっぱ殴られたのが効いてるのかな?
トウジ:う、五月蝿いわい!
シンジ:ハッ・・・
シゲル:アンビリカルケーブル断線。
日向:エヴァ、内臓電源に切り替わりました。
マヤ:活動限界まで後4分53秒。
シンジ:ウワッ!
ケンスケ:こっちに来る!
ケンスケ、トウジ:うわぁぁぁぁぁぁ!!!
ミサト:シンジ君、大丈夫、シンジ君?・・・ダメージは?
日向:問題無し、行けます。
シンジ:アゥッ・・・ハッ!
ミサト:シンジ君のクラスメイト?
リツコ:何故こんな所に?
トウジ:なんで戦わんのや?
ケンスケ:僕らがここに居るから・・・自由に動けないんだ。
マヤ:初号機活動限界まで後3分28秒
ミサト:シンジ君、そこの二人を操縦席へ!
ミサト:二人を回収した後一次退却。出直すわよ。
リツコ:許可の無い民間人をエントリープラグに入れられると思ってるの?
ミサト:私が許可します。
リツコ:越権行為よ!葛城一尉。
マヤ:初号機活動限界まで後3分。
ミサト:エヴァは現行命令でホールド、その間にエントリープラグ排出。急いで!
ミサト:そこの二人、乗って。早く!
トウジ:なんや、水やないか
ケンズケ:カメラ・・・カメラが・・・ゲフッ、ゲフッ・・・あっ
マヤ:神経系統に異常発生。
リツコ:異物を二つもプラグに挿入したからよ。神経パルスにノイズが混じってるわ。
ミサト:今よ、後退して!
ミサト:回収ルートは34番、山の東側に後退して。
トウジ:転校生、逃げろ言うとるで!転校生!
シンジ:逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ
日向:プログレッシブナイフ装備
ミサト:シンジ君、命令を聞きなさい。退却よ!シンジ君!
シンジ:うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ミサト:あのバカッ!
シンジ:うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
マヤ:初号機活動限界まで後30秒、28、27、26、25
マヤ:14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1
マヤ:エヴァ初号機活動停止。
日向:目標は完全に沈黙しました。
シンジ:ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ク、クッ・・・
トウジ:今日でもう三日か。
ケンスケ:俺達がコッテリと叱られてから?
トウジ:あいつが学校に来んようになってからや。
ケンスケ:あいつって?
トウジ:転校生や転校生。あれからどないしとんやろ?
ケンスケ:心配なの?
トウジ:別に心配ちゅうわけや・・・
ケンスケ:トウジは不器用な癖に強情だからね。あの後別れ際に謝っておけば三日も悶々としなくてすんだのに。ほら、転校生の電話番号。心配だったらかけてみたら?
次回予告
鬱陶しい雨の中、自分の心を克服できないシンジは遂にミサトからも逃げ出す。14歳の子供にそれは無理もなかった。目的を持たず彷徨う事しか知らないシンジを組織は連れ戻す。そこに優しい言葉はなかった。二人の少年を除いて。次回「雨、逃げ出した後」さーて、この次もサービスしちゃうわよ♪
ミサト:んんん・・・はぁ。
ミサト:あいつ今日もズル休みするつもりかしら?
ミサト:シンジ君起きなさい。いつまで学校休む気?もう五日目よ。初号機はもう完全に直ってる
のよ。パイロットのあなたがそんな事でどうするの。シンジ君?
ミサト:家出か・・・無理も無いわね。
「ピンポーン」
ミサト:シンジ君?
トウジ:ハッ・・・ええと・・・
ケンスケ:碇君と同じクラスの相田と鈴原と申します。
ミサト:相田君と鈴原君・・・
ケンスケ:はい・・・
トウジ:はい!僕が鈴原です。
ミサト:あ、もしかして初号機のエントリープラグに入った?
ケンスケ:ええ・・・
トウジ:はい!その節はとんだご迷惑おかけしました。
ケンスケ:実は・・・
トウジ:実は!あれから碇君がずっと休んでいらっしゃるので気になって見に
よらせてもうたんですが?
ミサト:ううん、シンジ君はね今ネルフの訓練施設に居るの。
トウジ:あぁ、そうですか。
ケンスケ:あっ、これ机に溜まってたプリント。碇君に。
ミサト:わざわざ悪いわね。ありがと。
トウジ:ほな、僕らこれで失礼します。
ケンスケ:碇君によろしくお伝えください。
ミサト:えぇ、伝えるわ。じゃ。
ケンスケ:これは予想外な展開だ。
トウジ:偉いべっぴんさんやったなぁ。
ミサト:シンジのバカァ!!!
ミサト:・・・・・・バカ
「次は瀬能峠、長尾方面です。お出口右側に変わります。」
「本日は第3新東京市第七環状線をご利用いただき真にありがとうございます。
この電車は当駅にて回送電車となります。どちらさまもお忘れ物の無いように御降車ください。」
シンジ:帰らなきゃ・・・
「お兄さん、ちょっとそこのお兄さんお兄さん。よってこうよ。安いんだから・・・」
「はい、安いよ安いよ。お買い得ピチピチギャルが出血サービス。
超疲れたあなたを極楽へとご案内・・・」
「キャーー」
「本当に探知できなかったんですか?」
「そうだ。直径数十ミリの物体が光速の何十倍という速度で南極に激突したのだ。
我々の科学では予知も防ぐ事も出来なかったんだ。」
「ねぇ、外は地獄よ!これじゃ何のための科学なの?」
「現在地軸変化による大気流動は3%に減少しました。」
「じゃああの見通しは落ち着いたのかしら?」
「駄目です。津波が来ます。」
『もっと強く・・・』
「秒速230mで接近中!」
「先生、脱出しましょう!」
『ウッ・・・』
「私にはここにとどまる義務がある。」
『ウッ・・・アァ・・・』
「先生!そう言うことは簡単です、しかしあなたには世界の地獄を見つめる義務・・・」
ミサト:バカ・・・
ミサト:14歳だもんね。人類の存亡を背負わせるのはやっぱ酷よね。
リツコ:でも私たちはエヴァの操縦を14歳の子供達に委ねざるを得ないのよ。
ミサト:分かってる。
リツコ:で、シンジ君から連絡は・・・無いの?
ミサト:無いわ。彼もう戻らないかもしれない。
リツコ:どうするつもり?
ミサト:別に。戻らないならその方がいいかも。
リツコ:何故?
ミサト:こないだの戦闘の後でさ・・・
ミサト:どうして私の命令を無視したの?
シンジ:ごめんなさい。
ミサト:あなたの作戦責任者は私でしょ?
シンジ:ハイ。
ミサト:あなたには私の命令に従う義務があるの。分かるわね?
シンジ:ハイ。
ミサト:今後こういう事の無いように。
シンジ:ハイ。
ミサト:あんた本当に分かってるんでしょうね?
シンジ:ハイ。
ミサト:あんたね、なんでも適当にハイハイ言ってりゃいいってもんじゃないわよ!
シンジ:分かってますよ、ちゃんと。もういいじゃないですか。勝ったんだから。
ミサト:・・・そうやって表面だけ人に合わせていれば楽でしょうけどね
そんな気持ちでエヴァに乗ってたら死ぬわよ!
シンジ:いいですよ、そんなの。
ミサト:いい覚悟だわ、と言いたい所だけど誉められると思ったら大間違いよ。碇シンジ君。
シンジ:誉められるも何もどうせ僕しか乗れないんでしょ?乗りますよ。
リツコ:なるほどね。
ミサト:あの子にとってエヴァに乗る事が苦痛でしかないのならもう乗らないほうがいいわ。
絶対死ぬもの。
リツコ:でもパイロットは必要よ。
ケンスケ:ダッダッダッダッドゥーン・・・「小隊長殿!」『行け・・・相田・・・行くんだ』
「しかし自分は小隊長殿をおいては進めません!」『馬鹿もん!』「アアッ!」
ケンスケ:よっと・・・ん、転校生?
ケンスケ:碇!
「NEON GENESIS EVANGELION EPISODE:4 Hedgehog's Dilemma」
ケンスケ:トウジのやつさ、反省してた。妹に説教されたらしいよ。「私たちの命を救って
くれたのはあのロボットなのよ!」って。小学校低学年に説教されるなっての、ホント。なぁ?
ケンスケ:夜は良いよな。あの五月蝿い蝉が鳴かないから。
小さい頃は静かで良かったけど毎年増えてる。
シンジ:生態系が戻ってるってミサトさんが言ってた。
ケンスケ:ふぅん、ミサトさんねぇ。全く羨ましいよ、あんな奇麗なお姉さんと住んでて
エヴァンゲリオンを操縦できて。あぁ、一度でいいから思のままにエヴァンゲリオンを操ってみたい!
シンジ:やめたほうがいいよ。お母さんが心配するから。
ケンスケ:あぁ、それなら大丈夫。俺そういうの居ないから。
ケンスケ:碇と一緒だよ。
ケンスケ:飯食うだろ?
シンジ:うん。
シンジ:いつもこんな事してるの?
ケンスケ:ん?ううん・・・まぁな。
シンジ:ゲリラ戦になったときのための訓練?
ケンスケ:こんなおもちゃで何ができるんだよ。好きでやってるだけさ。
黒服男:碇シンジ君だね?
シンジ:はい。
黒服男:ネルフ保安諜報部のものだ。保安条例第8項の適応により君を本部まで連行する。いいね?
シンジ:はい。
トウジ:そんでお前黙ってみてただけっちゅうんかい?
ケンスケ:んなこと言ったって向こうはネルフ保安諜報部。プロなんだよ。
トウジ:それがどないしたんや。お前それでもマタンキ付いとんのか?
生徒女A:やだぁ~
生徒女B:変態!
ケンスケ:勝てない喧嘩する奴は馬鹿なの。マタンキは関係無いの。
ミサト:暫らくね。
シンジ:はい。
ミサト:この二日間ほっつき歩いて気が晴れたかしら?
シンジ:別に。
ミサト:エヴァのスタンバイできてるわ。乗る?乗らないの?
シンジ:叱らないんですね。家出の事。
シンジ:当然ですよね。ミサトさんは他人なんだから。
シンジ:もし僕が乗らないって言ったら初号機はどうするんですか?
ミサト:レイが乗るでしょうね。乗らないの?
シンジ:そんなことできるわけ無いじゃないですか。彼女に全部押し付けるだなんて。
大丈夫ですよ。乗りますよ。
ミサト:乗りたくないの。
シンジ:そりゃそうでしょ。第一僕には向いてませんよ、そういうの。
だけど綾波やミサトさんやリツコさん・・・
ミサト:いいかげんにしなさいよ!人のことなんか関係無いでしょ!嫌ならここから出て行きなさい。
エヴァや私達の事は全部忘れてもとの生活に戻りなさい!
あんたみたいな気持ちで乗られるのは迷惑よ!
リツコ:サードチルドレンは明日第3新東京を離れます。
ゲンドウ:では、初号機のデータはレイに書き換えろ。
リツコ:しかし・・・
ゲンドウ:零号機の再起動実験の結果の如何によらず初号機での実験に移る。
ゲンドウ:マルドゥック機関の報告によるとフォースチルドレンはまだ見つかっていない。
リツコ:パイロットの補充は効かないと言う事ですか。
シンジ:あの、ミサトさんはどこですか?一言お別れを・・・・
黒服男:君はもうすでにネルフの人間ではない。どのような事も教えられない。
ケンスケ:碇!
トウジ:忘れ物や。
シンジ:あっ・・・
シンジ:あの、ちょっといいですか?
シンジ:あの・・・ありがとう。
ケンスケ:トウジ喋れよ。ホラッ!
トウジ:碇、二発もどついたりして悪かった。ワシの事もどついてくれ。
シンジ:そんなことできないよ。
トウジ:頼む。せやないとワシの気がすまん。
ケンスケ:こういう恥ずかしい奴なんだよ。まっ、それで丸く収まるんなら殴ったら?
シンジ:でも・・・
トウジ:早う、時間無いんやろ?
シンジ:じゃ、一発だけ。
トウジ:ヨシ!来んかい!
シンジ:ンッ
トウジ:待ったぁ!!!
トウジ:手加減無しや。
シンジ:うん・・・フンッ!
ケンスケ:イタタタタ。
シンジ:どうしてここが?
ケンスケ:勘って奴だよ。ここんとこ何十人って同級生を見送ってきたんだ。
トウジ:碇がおらんのやったらいずれわしらもこの町を出ていかんならんんようになるやろ。
せやけどわしら何も言われへん。エヴァの中で苦しむ碇の姿見てるからな。碇の奴ごやごちゃ
抜かす奴がおってみぃ、ワシがパチキかましたる!
トウジ:そない辛気臭い顔すんなや。
ケンスケ:元気でな。
トウジ:ガンバレや。
シンジ:あのっ・・・
黒服男:時間だ。
黒服男:オィ、コラッ・・・
シンジ:殴られなきゃならないのは僕だ!僕は卑怯で臆病でずるくて弱虫で・・・
黒服男:これ以上手を焼かせるな。
リツコ:行っちゃったわね。これでよかったの?
ミサト:ヤマアラシのジレンマか。身を寄せるほど傷つける・・・こういう事か。
あの子、ああいう言い方でしか自分の気持ちを伝えられないんだわ。
「二番線に厚木行き特急リニアが参ります。危ないですから黄色い線の内側までお下がりください」
「二番線の電車は4時20分発厚木行き政府専用特別列車です。一般の方は柵の内側には入れません。
なお許可の無い方の御乗車は硬く禁じられております。くれぐれもご注意ください。」
ミサト:(頑張ってね)
ケンスケ:おい、あれ?
トウジ:あの時のべっぴんさんや。
ミサト:フゥ。・・・ハァッ。
ミサト:・・・?
シンジ:・・・!
「まもなく4番線に強羅行き各駅停車が参ります。危ないですから黄色い線の内側までお下がりください。
小さいお子様をお連れの方は特にご注意ください」
「4番線の列車は4時32分発強羅行き折り返しの各駅停車です。ご利用の皆様はご乗車になってお待ちください。
はい、まもなく電車入ります。黄色い線の内側まで下がってください。」
シンジ:たっ、ただいま。
ミサト:おかえりなさい。
次回予告
他人との接点を最小限に留め生きていく少女綾波レイ。その彼女が唯一心を開いている人物は碇指令だった。
自分よりも父親に近い少女にシンジは戸惑う。心の収束を待たずして第五使徒の放つ光がエヴァ初号機の
胸を焼く。シンジの絶叫がミサトに響く。次回「レイ、心の向こうに」
「ネルフ本部・第2実験場」
「22日前」
ゲンドウ:起動開始。
リツコ:主電源全回路接続。
マヤ:主電源接続完了。起動用システム作動開始。
マヤ:稼動電圧後臨界点まであと0.5、0.2、突破。
リツコ:起動システム第2段階に移行。
「パイロット接合に入ります」
「システムフェーズ2スタート」
「シナプス挿入。接合開始」
「パルス送信」
「全回路正常」
「初期コンタクト異常なし。」
「左右上腕筋まで動力伝達」
「オールナーブリンク問題無し」
マヤ:チェック2550までリストクリア。
リツコ:第3接続準備。
マヤ:2580までクリア。絶対境界線まであと0.9、0.7、0.5,0.4、0.3、パルス逆流!
「第3ステージに異常発生」
「中枢神経素子にも拒絶が始まっています」
リツコ:コンタクト停止。6番までの回路開いて。
マヤ:駄目です!信号が届きません。
マヤ:零号機制御不能。
ゲンドウ:実験中止。電源を落とせ。
リツコ:ハイ!
リツコ:零号機、予備電源に切り替わりました。
「完全停止まで後35秒」
リツコ:危険です、下がってください!
マヤ:オートエジェクション作動します。
ゲンドウ:いかん!
「完全停止まで後10秒」
リツコ:特殊ベークライト急いで!
「8、7、6」
ゲンドウ:レイ!
「5、4、3、2、1、0」
ゲンドウ:グワッ・・・ッ・・・クッ・・・・
ゲンドウ:レイ、大丈夫かっ?
ゲンドウ:レイッ?
ゲンドウ:そうか・・・
「第五話 レイ、心の向こうに」
リツコ:綾波レイ14歳。マルドゥックの報告書によって選ばれた最初の被験者、ファーストチルドレン。エヴァンゲリオン試作零号機専属操縦者。過去の経歴は白紙、全て抹消済み。
ミサト:で、先の実験の事故原因はどうだったの?
リツコ:未だ不明。ただし推定では操縦者の精神的不安定が第一原因と考えられるわ。
ミサト:精神的に不安定、あのレイが?
リツコ:えぇ。彼女にしては信じられないくらい乱れたのよ。
ミサト:何があったの?
リツコ:分からないわ。でもまさか・・・
ミサト:なんか心当たり有るの?
リツコ:いえ、そんなはずは無いわ。
「B3ブロックの解体終了」
「全データを技術局1課分析班に提出してください」
シンジ:これが僕達の敵なのか・・・
リツコ:なるほどね、コア以外は殆ど原形を留めているわ。本当理想的なサンプルありがたいわ!
ミサト:で、何かわかったわけ?
ミサト:何これ?
リツコ:解析不明を示すコードナンバー。
ミサト:つまり訳分かんないってこと?
リツコ:そう。使徒は粒子と波両方の性質を備える光のようなもので構成されているのよ。
ミサト:で、動力源は有ったんでしょ?
リツコ:らしきものはね。でもその作動原理がまだサッパリなのよ。
ミサト:まだまだ未知の世界が広がってるわけね。
リツコ:とかくこの世は謎だらけよ。例えばほら、この使徒独自の固有波形パターン。
ミサト:どれどれ?
ミサト:これって!
リツコ:そう、構成素材に違いは有っても信号の配置と座標は人間の遺伝子と酷似しているわ。99.89%ね。
ミサト:99.89%って・・・
リツコ:改めて私達の知恵の浅はかさって物を思い知らしてくれるわ。
冬月:これがコアか。残りはどうだ?
研究員:それが劣化が激しく資料としては問題が多すぎます。
ゲンドウ:構わん、他は全て破棄だ。
研究員:ハイ
ミサト:どしたの?
シンジ;アッ、いえ・・・別に。
ミサト:あのねー、そういう顔して「別にっ」て言われてもねぇ気にかけてください心配してくださいって言われてるようなもんなんですけどねぇ?
シンジ:あの・・・父さん手に火傷してるみたいなんだけど・・・
ミサト:火傷?
シンジ:どうしたのかなぁ、って思って。
ミサト:火傷って、知ってる?
リツコ:あなたがまだここに来る前起動実験中に零号機暴走して、聞いてるでしょ?
シンジ:はい。
リツコ:その時パイロットが中に閉じ込められたの。
シンジ:パイロットって綾波ですよね。
リツコ:碇指令が彼女を助け出したの。加熱したハッチを無理やりこじ開けてね。
シンジ:父さんが?
リツコ:手のひらの火傷はその時のものよ。
「行け行け行け行けー!」
「行けヒデコー!」「負けんなー」
「させるかー」「ったぁ!」
「次決めてくぞー!」「オー」
トウジ:みんなええ乳しとんなぁ・・・
女生徒:なんか鈴原って目つきヤラシー。
トウジ:おっ、先生。
シンジ:えっ?
トウジ:何熱心な目で見てんねん?
シンジ:いや、別に・・・
ケンスケ:綾波か、ひょっとして?
シンジ:ち、違うよ!
ケンスケ:まったまたー、あーやーしーいーな。
トウジ:綾波の胸、綾波の太もも、綾波のふくらはぎ
シンジ:だからそんなんじゃないって・・・
ケンスケ:だったら何見てたんだよ?
トウジ:ワシの目は誤魔化されへん。
シンジ:ンンッ・・・どうしてアイツいつも一人なんだろって思ってさ。
トウジ:あぁ?
ケンスケ:ハァ?
トウジ:まぁそない言うたら一年の時転校してきてからずっと友達居てないなぁ。
ケンスケ:なんとなく近寄りがたいんだよ。
トウジ:ほんまは性格悪いんとちゃうか?
ケンスケ:エヴァのパイロット同士だろ、シンジが一番良く知ってるんじゃないの?
トウジ:そらそうや。
シンジ:殆ど口聞かないから・・・
「エヴァ初号機は第3次冷却に入ります。第6ケージ内はフェーズ3までの各システムを落としてください」
「先のハーモニクス及びシンクロテストは異常なし。数値目標を全てクリア」
「了解。結果報告はバルタザールへ」
「了解」
「エントリープラグのパーソナルデータはオールレンジにてメルキオールへコピー。データ送ります」
「メルキオール了解。回路接続」
「第3時冷却スタートします」
「CBL循環を開始」
「廃液は第2浄水システムへ」
「各タンパク壁の状態は良好。各部問題無し」
「零号機の再起動実験までマイナス1500分です」
リツコ:何よこれ?
ミサト:カレーよ。
リツコ:相変わらずインスタントな食事ねぇ。
ミサト:御呼ばれされといて文句をいわない。
シンジ:ミサトさんは?
ミサト:あ、私はねぇ・・・ヘヘぇ、ジャーン! ここに入れちゃって、ドヴァーッと。
シンジ:本気ですか・・・?
ミサト:やーねー。いけるのよ。
シンジ:じゃあ・・・
ミサト:最初っからカレー味のカップ麺じゃねこの味は出ないのよ。ふふ~ん、いっただっきま~す。ス~プとお湯を少なめにしとくのがコツよ~。
リツコ、シンジ:ンッ!
リツコ:これ作ったのミサトね。
シンジ:ハイ・・・
ミサト:分かる?
リツコ:味でね。
リツコ:(レトルトを原料に良くここまで・・・)
リツコ:今度呼んで頂けるときはシンジ君が当番の時にしていただけるかしら?
ペンペン:クワッ?
シンジ:ん?
リツコ:シンジ君、やっぱり引越しなさい。ガサツな同居人の影響で一生台無しにする事無いわよ。
シンジ:もう慣れましたから。
ミサト:そうよリツコ。人間の環境適応能力を侮ってはいけないわ。大体引っ越すったって、あら? シンちゃんもう一本お願い。
シンジ:ハイ
ミサト;手続き面倒よ。シンジ君本チャンのセキュリティカード貰ったばっかりなんだもの。
リツコ:あっ、忘れるとこだったわ。シンジ君頼みがあるの。
シンジ:何ですか?
リツコ:綾波レイの更新カード渡しそびれたままになってて、悪いんだけど本部に行く前に彼女のところに届けてもらえないかしら?
シンジ:ハイ
ミサト:どうしちゃったの、レイの写真をジーと見ちゃったりして?
シンジ:アッ、ア、いや、その・・・
ミサト:ひょっとしてシンちゃん?
シンジ:違うよ!
ミサト:またまた照れちゃったりしてさ。レイの家に行くオフィシャルな口実が出来てチャンスじゃない?
シンジ:からかわないでよ、もう!
ミサト:ウフフフフッ、直ぐムキになってからかいがいのある奴。
リツコ:ミサトと同じね。
ミサト:ガァ・・・
シンジ:僕はただ同じエヴァのパイロットなのに綾波のこと良く分からなくって・・・
リツコ:いい子よとても。あなたのお父さんに似てとても不器用だけど。
シンジ:不器用って何がですか?
リツコ:生きることが。
NEON GENESIS EVANGELION EPISODE:5 ReiⅠ
シンジ:ごめんください・・・
シンジ:ごめんください碇だけど・・・綾波、入るよ?
シンジ:綾波のかな?
シンジ:?
シンジ:いや、あの・・・
シンジ:僕は別に・・・
シンジ:ぐっ・・・うわっ
レイ:どいてくれる?
シンジ:あっ!あの・・・
レイ:何?
シンジ:いえ・・・僕は・・・その・・・
シンジ:僕は・・・たっ、頼まれて・・・つまり・・・何だっけ、カード、カード新しくなったから届けてくれ・・・だから・・・だから別にそんなつもりは・・・
シンジ:リツコさんが渡すの忘れたからって・・・ホントなんだ、それでチャイム鳴らしても誰も出ないし・・・鍵は開いてたんだ・・・その・・・
シンジ:・・・?
「セントラルドグマは現在改装中です。技術班は第4直通ゲートを利用してください」
シンジ:これ綾波の新しいやつ。リツコさんに頼まれて
シンジ:さっきはごめん。
レイ:何が?
シンジ:・・・・・・・。
シンジ:・・・あの、今日これから再起動の実験だよね。あっ、こんは上手くいくと良いね。
シンジ:・・・ねぇ、綾波は怖くないの?またあの零号機に乗るのが。
レイ:どうして?
シンジ:前の実験で大怪我したんだって聞いたから平気なのかなって思って。
レイ:あなた碇指令の子供でしょ。
シンジ:うん。
レイ:信じられないの?お父さんの仕事が。
シンジ:当たり前だよ、あんな父親なんて!
シンジ:・・・ッ・・・あの・・・
ゲンドウ:(大丈夫か、レイ?)
リツコ:(その時パイロットが中に閉じ込められてね、碇指令が彼女を助け出したの。加熱したハッチを無理やりこじ開けてね。手のひらの火傷はその時のものよ)
ゲンドウ:レイ、聞こえるか?
レイ:ハイ
ゲンドウ:これより零号機の再起動実験を行う。第一次接続開始。
リツコ:主電源コンタクト。
マヤ:稼動電圧臨界点を突破。
リツコ:了解、フォーマットフェーズ2に以降。
「パイロット零号機と接続開始」
「回線開きます」
「パルス及びハーモニクス正常」
「シンクロ問題無し」
「オールナーブリンク終了、中枢神経素子に異常なし」
「再計算、誤差修正なし」
「チェック2590までリストクリア。絶対境界線まで後2.5、1.7、1.2、1.0、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、突破。ボーダーラインクリア」
マヤ:零号機起動しました。
レイ:了解、引き続き連動試験に入ります。
冬月:碇、未確認飛行物体が接近中だ。恐らく第五の使徒だな。
ゲンドウ:テスト中断。総員第一種警戒態勢。
冬月:零号機はこのまま使わないのか?
ゲンドウ:まだ戦闘には耐えん。初号機は?
リツコ:380秒で準備できます。
ゲンドウ:出撃だ。
リツコ:はい。
ゲンドウ:レイ、再起動は成功した。戻れ。
シゲル:目標は遠野沢上空を通過。
日向:初号機発進準備に入ります。第一ロックボルト外せ。
シンジ:解除確認。
日向:了解。第二拘束具外せ。
「了解」
シゲル:目標は芦ノ湖上空へ侵入。
日向:エヴァ初号機発進準備良し。
ミサト:発進!
シゲル:目標内部に高エネルギー反応!
ミサト:何ですって!?
シゲル:円周部を加速、収束していきます。
リツコ:まさか!?
ミサト:駄目、避けて!
シンジ:えっ?
シンジ:アアアアァァァァッッッッ、グアアアァァァァ!!!
ミサト:シンジ君!!
次回予告
シンジは助かった。だがその傷は彼に甘えた言葉を吐かす。突き放すレイ。一方ミサとは使徒に対し一点突破の超長距離射撃を試みる。シンジの願いと日本中のエネルギーが果たして使徒を貫けるのか?零号機が溶けていく。次回「決戦、第三新東京市」
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