SICP-173
Euclid
SICP-173の個室に、定期的に数学及びコンピューターの書籍を提供してください。また書籍を提供するさい、軍事用の耳栓を着用するようにしてください。SICP-173とコミュニケーションを取るさい、何らかの二次的な記憶媒体を利用するようにしてください。もしSICP-173を対面して会話した場合、速やかに精神鑑定を行ったのち、クラスA の記憶処置を行ってください。
SICP-173は、一見すると真面目そうなプログラマの人物です。また、実施した知能テストの記録によると、標準以上の知性があることも確認されていますが、文章解読の点においては、基礎的な説明を読まずに、自分の先見的な理解で済ませようとする傾向にあることが確認されました。
SICP-173の能力が初めて確認されたのは、とある技術者向け会合で、著名な████氏がSICP-173と談話をした後、突然支離滅裂なコンピューターに関する理論を表明し始めましたことがきっかけです。当初、██氏が精神的な疾患に侵されたのではないかという疑惑が持たれましたが、その会合でSICP-173と談話した人に共通の理論構成が確認されたことから、SICP-173の能力であることが判明しました。
SICP-173の能力は、接触した人物に対してSICP-173自身のコンピューターサイエンス的な知識を信じて疑わせない点にあります。現在、SICP-173の能力下に影響された主張を裏付けるような根拠、及び学説を確認することはできません。また、それらの主張を構成する語法及び用法に関しても、統一された用語とは言い難く、多くの場合はSICP-173の能力下に影響を受けた人物から初めて聞く単語が多いことがわかっています。それらの単語を確認することを何度か試したところ、既に説明済である等によって、曖昧にされることが多く、明確な意味は不明のままになっています。また、それらの主張に関しては、多くの権威的な学説に対する挑戦という特徴が見られます。
SICP-173が影響を及ぼす分野は、計算論や意味論など、プログラミング分野に関連することが確認されています。また、ハードウェアなど、理論的な側面が強い傾向にあるものも多少含むことがわかっています。また、それらについて重複した言い回しを好むことも確認されています。
SICP-173の能力のため、二次的な記憶媒体を通じてコミュニケーションを行うことを試みたところ、当初は切実でおとなしい人物に見えますが、SICP-173の主張の根拠や、あるいは間違いを指摘すると激昂し始めることが確認され、誹謗中傷である等の罵倒を繰り返し、議論になりえないことが確認されています。これは能力下に反映された人物も同様の兆候が見られました。詳細は付随の会話記録を参照してください。
SICP-173の能力に触れることで日常生活に壊滅的な影響が及ぶことは一切ないため、オブジェクトクラスはEuclidが指定されています、しかし、コンピューターサイエンスに対して壊滅的な遅れや、影響下にある人物達の壊滅的なノイズを懸念するという██博士の主張により、Keterに格上げされることが議論されています。