MSYS2 とは、Windows 上で POSIX シェル環境を実現するものだ。
32bit Windows 用と 64bit Windows 用の２つがあり、64bit の Windows には両方ともインストールし、実行することができるが、そうする意味はあまりなく、
64bit の MSYS2 だけインストールすればいい。32bit Windows 自体がもう時代遅れなので、MSYS2 でも 32bit バージョンはもう提供されていないようだ。MSYS2 の 64bit は
通常、C:\msys64 にインストールされる。
MinGW とは、Minimalist GNU for Windows のことであり、MinGW-w64 は、 さらにその 64 bit 向けのフォーク版である。 GNU 開発環境を Windows 上で利用可能にする。各種 Linux や MacOS、そして MSYS2 用の toolchain や パッケージが用意されている。MSYS2 にインストールすれば、MSY2 による Windows 上の POSIX シェル環境から MinGW-w64 を利用できるようになる。
MinGW-w64 には、64bit Windows のためのバイナリを生成する x86_64 と 32bit Windows のためのバイナリを生成する i686 があり、それぞれのパッケージをまとめた
toolchain が MSYS2 用のパッケージとして用意されている。
https://packages.msys2.org/groups/mingw-w64-x86_64-toolchain
https://packages.msys2.org/groups/mingw-w64-i686-toolchain
この２つを MSYS2(64bit) にインストールすると、デフォルトでそれぞれ、c:\msys64\mingw64, c:\msys64\mingw32 へとインストールされる。これら toolchain に
入っていないパッケージをインストールするには、個別にパッケージをインストールせねばならない。たとえば、cppcheck などだ。
https://packages.msys2.org/package/mingw-w64-x86_64-cppcheck
https://packages.msys2.org/package/mingw-w64-i686-cppcheck
MSYS2(64bit) へインストール済の MinGW-w64 の開発環境を起動するには、Windows のプログラムメニューから、32bit あるいは 64bit の MinGW シェルを起動すればよい。 これらを使わずにコマンドプロンプトから開発環境を起動するには、64bit 用 MinGW-w64 なら、
set PATH=C:\msys64\mingw64\bin;C:\msys64\usr\local\bin;C:\msys64\usr\bin;C:\msys64\bin;%PATH%
set MSYSTEM=MINGW64
bashを実行し、32bit 用の MinGW-w64 を実行するには、
set PATH=C:\msys64\mingw32\bin;C:\msys64\usr\local\bin;C:\msys64\usr\bin;C:\msys64\bin;%PATH%
set MSYSTEM=MINGW32
bashを実行する。