こんにちは@funwarioisiiです。最近は部屋の改造にハマっています。
この記事は岩手県立大学 Advent Calendar 2020の14日目です。
コロナで卒業式が消えた2020年の卒業生である私と2年前に卒業した同期の@chilitreatが、唸りながら本を読んだ話(以降、読み会)について書いていきます。
ちょうど我々2人とも、自社サービスを開発するWebエンジニアというポジションで働いており、ユーザーの行動変容が成果に結びつく業務に従事していました。 具体的には、レビューの投稿数の向上であったり、サービス内の回遊率の向上であったり、有料会員への転換率であったりを眺めながら日々暮らしています。
これらの指標を動かすというのは、サービス開発1年目の私にとって非常に困難な道程に見えました。(何年経っても難しいという謙虚なご意見があるのも存じています。)
そこで私は本に頼ることにしました。ちょうど「行動を変えるデザイン」という書籍が出版され、上長のお墨付きだったこともあり、これを読むことにしました。
実際に一人で読み始めてみると、4章あたりからは、言わんとすることはわかるものの、何となく納得しにくい状態でした。 頼ったはずの本から吸収できそうにないので、なんとなく気になるという話をしていた友人と一緒に読んでみることにしました。 一人ではできないことも、仲間とならできると天海春香も言っています。
これが非常にうまくいったので、
- 「うまくいった」とは
- 何故うまくいったのか
についてと、「どういう議論をしたか」について少し紹介します。 「行動を変えるデザイン」の内容や、その議論については今回のメインで触れる内容ではありません。
私が最初に一人で読み始めた時に到達したかったのは
- 「行動を変えるデザイン」の完全理解
- 完全理解からの業務への反映で成果アゲアゲ
ぐらいでしょうか、残念ながらこれらは両方未達です。 一人で読み切るのを4章あたりから諦めた自分には、これらの目標は非常に到達が難しそうでした。 chilitreat氏を迎えて、再び読み始めたときの目標は
- とりあえず最後まで読み切る
- 気が向けば議論する
ぐらいです。 「一緒に読むぞ!」といった手前、裏切れない気持ち駆動で読み始めました。
実際には
- ちゃんと最後まで読み切った
- それぞれの章について2人で議論した程度には理解できている
- 読後に読んだ内容に関連する話題が共有される
など、思った以上の成果が得られました。「うまくいった」と言って良いのではないでしょうか。 実際に業務へ活かせるかはこれからの自分たちのやっていき次第ですね。
今回「何故うまくいったのか」を考える前に、この読み会の進め方を紹介します。
- 前日〜5日前程度に次やる日を決める
- 時間の決定に厳密なルールは設けていませんでした
- 開始時に大体30分でここまで読み切るを決めて、読む
- 一章まるまるは厳しくて大体10ページ程度、きりが良さそうなところ
- 読んだところを適当にかいつまみながら、読んだ範囲の論理展開などについて話す
- 雑談する
- 最近は忘年会の話題がホット
これを繰り返していました。
では、前節の①〜③と合わせて、何故うまくいったのかを考えてみます
- 「裏切れない気持ち」に頼る
- やることに肩肘張らない
我々はかなり飽き性なので、私は飽きないようにすることにかなり気を配っていました。 読もうと思って読み切らないのは、自分自身の一貫性のなさから自己不信につながり、影を落とすものです。 さらにネガティブな気持ちをエンハンスメントする形で、前述の裏切れない気持ち駆動で読み始めました。
また、スタートダッシュで疲れて途中から億劫にならないようにペース配分が必要です。 これは勘でなんとかするしかないのですが、日付の変更しやすさや、雑談という楽しみに支えられた用に思えます。 肩肘張らずにやれたのも完走できた理由でしょう。
- 30分という長すぎない時間を共有する
- 読み始めて30分後くらいに議論することがわかっている
ポモドーロテクニックなどもあるように、集中できるのなんて大体30分くらいです。 長すぎず、また意味のあるまとまりを読むのに十分な時間を確保していました。
また、読後にすぐ議論できることがわかっているのも良かったと思います。 読んでいる途中で引っ掛かりを感じたところをメモしたりしました。 全く頭に入ってこないようなら、ちょっと解説を求めるということができました。 これにより後の議論がやりやすくなるので、気軽に聞けるのは良かったです。
- 普段からよくチャットする仲だった
普段からSlackでRSSなどで各社のテックブログやポッドキャストを購読していて、それに関して(茶々を入れたり)議論していました。 今回の読書を介して、新たに「これがCREATEファネルを通過してきた」「これチートじゃん」のようなコミュニケーションが出来るようになりました。
あまりコミュニケーションを取らない仲だと、難しいのかなと思います。
この読み会でやっていた議論について少し説明します。 話題はおおよそ
- 理解・論理展開の確認
- 自分の経験との比較
例えば分析の話で、「ABテストができない時は事前事後分析をやってみよう」といった話がありました。 そこで、クリスマスキャンペーンとして何らか施策を12月初旬にやったときの事前-事後分析について考えてみました。 まずキャンペーンはABテストにするのが難しく、さらにその効果はすごく測りにくい(キャンペーンの効果なのかクリスマス需要によるものなのかわからない)ので、簡単な効果測定が出来ないはずです。 これを「どう分析するか」に関しての結論は残念ながら得られませんでしたが、ここに適用するのは難しい/あるいは間違っているんじゃないか?といった考えを共有し、お互い確認することはできました。
おおよそこういった流れの議論を重ねました。 読んだ章とその理解に関する点検が多くを占めていたと思います。
たかだか一冊読み切ったばかりで舞い上がっており、みっともない話ですが、せっかくなので「とりあえず最後まで読み切る読書会」のプラクティスとしてまとめてみます。
- 普段からコミュニケーション量が多い人とする
- 章や節など、30分で読み切れる程度を1回分とする
- 2人がベストで3人が限度とする
プラクティスの効きは、「時間変更の容易性」と「コンテキストの揃えやすさ」です。 雑にやる部分をうまくプラクティスとして抽出できていない感は否めません。
ということで、11月くらいからまったり進めていた読書会についての紹介でした。 人と読書を進めるというのは中々難しいものですが、今回はなかなか楽しく実りある形で進められたような気がします! 思い返せば大学でやった、輪読もこれに近かった気がします。 みなさんの読書会経験談などがあればお聞かせください。
気を許して話せる友人がいると、色々なチャレンジができて嬉しいです。
岩手県立大学に行ってよかった!岩手県立大学最高!
それでは御機嫌よう メリークリスマス