このgistは 神絵師 Advent Calendar 2016 6日目の記事です。
突発で参加でしたため、私はあまりこのアドカレの趣旨を把握していないが、どうやら神絵師になるためにがんばるアドカレらしい。
以下はこれを描くまでに至るメイキングの話を淡々担々麺な感じで話していきたい。つらい。いや、からい。辛い。
物事を話す時、神絵師はすぐ「こう、なんとなく、ふわっとすると雰囲気が良くなるよ!w」などと長嶋茂雄もびっくりのポエムを言い出すが、
私は神絵師ではないので、随所具体的に話していくつもり。多分。
絵は構図が99割を占めると言われています。神絵師が言ってた、間違いない。(出典はない)
例えば、私の過去絵を置くけど、以下の2種類切り取り方では絵の意味が大きく変わる。
最初のこの画像では、「可愛らしい魔女っ子コリスちゃんと、ハロウィンらしい夜の景色」を表現する事ができる。
(※因みにコリスちゃんが登場する政剣マニフェスティアはDMMで配信中の無料オンラインゲームです。神ゲーです。早く総理になるダス。)
一方で次の画像では、ひたすらに「おっぱい」である。
おっぱいなのだ、それ以上の意味はない、おっぱいである。
こんな風に、ちょっとした切り取り方だけで主眼となる対象が大きく変わる。
何でもかんでも情報をキャンバスにぶち込めば良いってものではないし、逆に情報を絞りすぎてもいけない。
適切に、伝えたいメッセージが伝わる構図を考えていくのが必要なのだ。構図は絵の99割を占める。
では、今回伝えたいメッセージは何かを考えてみる。
今回のイラストは、このやりとりをした時の私の気持ちを描いた。
それ以外の情報は伝えるつもりは無いので、「みりあもやるー!」に特化する構図ということになる。
そういうわけでみりあちゃんで画像検索。
この子の身体的特徴として、「腕や脚を曲げずにピンとすることが多い」というのを知る。
青丸で囲っているのが、腕をピンとしている画像である。同じイラストの2枚目以降は青丸を省略している。
通常の2次元キャラのイラストでは、女の子がこんなにも頻繁にピンとすることは珍しい。
まっすぐな心の持ち主であるみりあちゃんの性格がこういう所に表現されているのだろうか。と妄想する。
みりあちゃんのもう一つの特徴として、超高確率で口を開けている。「ワ」の字である。
そういうわけで、この2点は抑えておけば、みりあちゃんらしさが出るだろうと結論付ける。
「みりあもやるー!!」という発言は行動を伴っており、今回のイラストは「静」ではなく「動」のイラストになる。
一般的に、イラストに動きを付ける方法としては2つある。
- 髪の毛や服やおっぱいなどを大きく揺らす
- あおりやふかん、パースなどを効かせた技巧的な方法で、動きの強い部分をドアップで描けるように仕向ける
(今回は扱わないが、逆に「静」のイラストにしたい場合、上記の表現を極限までに排除すれば、静かになってくれる。)
みりあちゃんには、長い髪の毛も、豊満なおっぱいもない。
服もシンプルな服装を好み、ヒラヒラとした服はあまり着ないので、揺らすというアプローチでの動きの表現は難しいキャラだと言える。
そこで、あおりふかんを積極的に取り入れることで動きを表現することにした。
「みりあもやるー!!」を妄想すると、みりあちゃんが元気そうに跳ねながら手を挙げる様子が脳内に浮かんだ。
正直これしかないと思った。もっと跳ねて欲しい、性欲が抑えられない。
余談だが、あおりふかんは以下のサイトが大変に役に立つ。
今回は、(身体にはふかんを入れているが、)顔は正面を向く図となってしまったためこのサイトの図は使用しなかったが、
別件でイラストを描く時に、顔にあおりふかんが入る時はいつもお世話になっている。
アニメキャラに特化したデフォルメが描いてあるのが大変良い。他のサイトには、めっちゃリアリティある顔の図しか置いてないからな。
構図と呼ばれる、絵の99割を占める部分の話をしたので、後の話は一瞬で進む。
たまたまデレステのSSRのみりあちゃんとポーズが被ってしまった。
しかしこの絵に至るまでの構図の考え方が全く違う。切り取る範囲も全然違う。故に別の絵として独立することが出来るはずである。
下書き自体は10分ぐらいでサラサラと仕上げる。構図をしっかり練っていれば、形にする作業は一瞬である。
その他特筆すべきことはあまりないが、強いて言うなら服はこの画像を参考にした。採用理由はなんとなく可愛かったので。
後世使っていきたいめっちゃ大事な絵(Twitterのアイコンやヘッダーに使用する、など。)は、線画も丁寧に行う必要がある。
しかし、アドカレのようなちょっとしたイラストであれば、線画はそこまで丁寧にする必要はない。
というのも、ペン入れっていう作業は、何処までも、何処までも綺麗にすることが出来て、綺麗にするほど時間がかかってしまう。
1枚の絵に時間を掛けすぎないというのも良い絵を作るポイントである。
一番最初に見据えた「構図という大局」が、「些末な線の美しさ」によって霞んでくるからだ。これは時間が経つほど顕著になる。
線にゴミがたくさんあったり、線が複数引かれていたり。そんなものでも良い。大体で良いのだ。
構図が完成していたら線はおまけ。塗りのほうが幾分重要である。
下書きの段階よりは線を綺麗にする。でもプロみたいなウルトラ細くて綺麗な線は求めなくていい。
「輪郭を捉える」以上の役割は、本来線画にはいらないのだ。突き詰めてしまえばね。
(あっ、でも手の周りは少しだけ気合を入れました。一番視点を集中させたい部分なので。)
線画が終わった時点で12/05の21:00頃。デレラジがニコ生で放送し始めたので聴きながら塗り。
「良い塗り」と言われてもピンと来ない人が多いと思う。ここで、「良い塗り」の三大評価原則を挙げておく。
突き詰めれば、これが出来るようになるようにするのが、神絵師になるための目標だ。目標を明確にすることは大事なことである。
- 彩度の低い自然な色合いから、彩度の高いパッキリとした色合いまで、全てを伸び伸びと使用して、豊かな表現となっているかどうか
- 硬い表現には境界をパッキリと割り、柔らかい表現にはぼかしを入れて境界を曖昧に出来ているかどうか
- 同系色だけではなく、対比色を随所に散りばめ、色相としてのコントラストがしっかり機能しているかどうか
要約すると「様々な面において対比がちゃんと出来ている塗りは良い塗り」ということである。
実際に自分が好きな神絵師のイラストを何枚か見て欲しい。おそらくそれらすべてのイラストはコントラストが美しいはずだ。
言葉でいうのは簡単だが、実際にやると難しい。でも、普段からコントラストを意識して塗るだけで、神絵師に近づきやすくなる。
…と思いながら私は塗っている。頑張れ、私。
仕上げは絵の価値を上げるバイアスなのだが、バイアスだけだとペラい絵にしかならないので、適度に抑える必要がある。
今風のイラストに掛ける仕上げエフェクトとしての特徴として、色相コントラストを増やすエフェクトを多用するというのがある。
先程塗った絵に、以下のような「赤 - 透明 - 青」という、色相コントラストグラデーションを、「スクリーンレイヤー」で合成すると以下のようになる。
これを合成すると…?
お分かりいただけるだろうか? 特に左側の髪の毛に注目していただきたいのだが、「ありえん色の深みが深い😇」ことになる。 こういう感じで、随所にコントラストを増やすのが「仕上げ」の主な仕事だ。
そして仕上げが終わると完成だ。文字を付けたら冒頭にアップロードした画像に仕上がる。
みりあちゃんはかわいいぞ。
次はまた @hid_alma1026 さんにバトンを返します!