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Reasons

1. 導入

  • 理由抂念を原始抂念ずする

    • あるこずの理由になるずいうのを説明しようずするずそのこずのためになる〔counts in favor of〕ずいう抂念に行き着かざるをえないが「なんでそれがためになるのか」ず考えたら「それに理由を提䟛するこずによっお」ず蚀うしかないので
    • 傟向性説ずか衚出説ずかあるけど十分ずは思えないこの話は11節でやる
    • 䞀般的説明がうたくいくかどうかさえ疑わしいのだけどそれがどうであろうずこれから蚀うこずずは䞡立する
      • あずの章でやる䟡倀(2ç« )ずか道埳性〔morality〕(3ç« )ずかに぀いおの䞻匵はどれも我々の通垞の理由芳念や合理性芳念に぀いおの特定の説明を揺るがすものにはなっおいない
  • 本章の目的はそうした説明がどういうものでなければならないかを明らかにし理由抂念に特に問題があるわけではないずいう䞻匵を支持するこずにある

  • さらに理由に぀いおの問題があるずすればそれはどんな皮類の理由にも共通するものだずいうこずも瀺したい

    • 実践的理由に特有の問題ずか行為の理由に特有の問題ずかはない
      • 〔たずえば〕ある行為が道埳的に過っおいるぞず刀定するずきに我々が応じおいるたぐいの理由を説明するずきに必芁なのは道埳的過ちずいう芳念のほうであっお行為の理由のほうではない
  • 本章でやるこず

    • よくある圢匏の反省の䞭心的な芁玠ずしお理由を䜍眮づける
    • どんな皮類の理由を考えるずきのも共通の構造的特城があるこずに泚目する
      • 信念の理由行為の理由恐怖や埌悔や尊敬ずいった態床の理由どれにも共通
    • 理由は欲求ず特に密接な関係があり欲求に䟝存しおいるず考えられるこずさえあるがこの関係に぀いおも論じるじ぀は欲求は理由の認識ずは区別でき実践的思考においおふ぀う考えられおいるほどたいした圹割を果たしおいない
      • 「ある欲求を持぀」は「なにかを理由ず芋なす」ず区別できるので行為の正圓化や行為の説明にはほずんどなんの圹割も果たしおいない
  1. 刀断可感な態床

  • いた考えおいる意味の理由を理解するにあたっお重芁な区別どんな意図ある䞻䜓ずも぀ながりのないできごずに察しおこの意味での理由を芁求するのはおかしい
    • 「なぜその火山は噎火しそうなのだろう」ず問うずき求めおいるのは説明であっお火山にずっおの噎火する理由ではない
  • 「なぜその火山は噎火しそうだずあなたは考えおいるのか」ず問うたずきにも少なくずも2぀の問いがある
    • 「そう考える理由はなにか」〔what reason there is for believing that P〕これがいた考えおいるや぀基本的な芏範的理由〔standard normative sense〕ず呌ぶ
      • 信念以倖にも意図や恐怖などの態床に぀いおも䜿える
      • よい〔good〕理由ずも蚀える話題になっおいるものに぀いおほんずうにためになっおいるような事柄〔a consideration〕
    • 「あなたがそう考えたのはなぜか」〔what a given person's reason for beliveing it was〕これは実効的理由〔operative reson〕ず呌ぶ
      • 正圓化の理由信念の堎合これは基本的な芏範的理由が行う説明ず密接に関係しおはいるがべ぀ものである
      • これも基本的な芏範的理由ではあるが副次的なものある個人がなにを最初の意味での理由ずしお捉えたのかずいう問い
  • 理由をすべお芏範的意味でずらえるず蚀うず合理的行為者はこの意味の理由に぀いお刀断できその刀断にしたがっお動けるひずのこずだずいう前提をずったように芋えるかもしれないこれは〔理由の倖圚䞻矩・内圚䞻矩の察立に぀いおの〕論点先取に芋えるだろうがしかしこの論点に぀いおの珟代の論争でほんずうに問題になっおいるのはここではない
    • そもそもこれに論争の䜙地があるずいうのはなぜかを芋お取るのが難しい理由に぀いおの懐疑論は非垞に困難な立堎のように思える
      • 行為の理由に぀いおだけ懐疑論が正しいずいうのはばかげおいるず思われるこれが額面どおりに正しいずいう立堎をずるならそれが正しいず蚀うこずをやめないずいけなくなるのだから
    • ヒュヌムはそう思っおいたかもしれないがこんにちの「ヒュヌム䞻矩者」はそうではないず思われる
      • B. Williams: ひずがΊする理由を持぀のはΊするこずがそい぀の持っおいる目的を前進させるずきであるず蚀っおいる理由があるぞずいう䞻匵は忠告ずしお働くずいうのを匷調しおいる
      • これはたったく芏範的な意味だWilliamsらの蚀う「倖的」理由ずいうのは明瞭さのこずでも珟実のこずでもなく行為の説明においおその皮の理由がどういう圹割を果たすのかこの意味の理由をひずびずが実際に持぀のはい぀かずいうこずに぀いおの論争なのだ
  • 基本的な芏範的意味での理由が芁求される範囲はかなり広い意図的行為者ず独立した状態や生起〔occurrences〕をのぞくず合理的行為者のずる態床はすべおここに入る
    • ただし空腹や疲劎や動揺のような単なる感芚〔feelings〕はのぞくこういう状態には基本的な芏範的意味での理由はない理由に぀いおの刀断ぞ圱響するこずはあっおも理由に぀いおの刀断に䟝存するこずはない
    • これらは刀断可感な態床〔judgemnt-sensitvie attitudes〕の集たりであるこれは明らかに埪環的な定矩だが無害な埪環だず思う
    • 理想的に合理的なひずであれば十分な理由があるず刀断したずきには぀ねにずり十分な理由がないず刀断したずきには぀ねに捚おるであろうような態床のこず
  • 刀断可感態床をなんであれずるずいうこずは特定のしかたで考えたり反応したりする耇雑な傟向性の集合を䌎う
    • たずえばPず信じおいれば疑問に付されたずきにPに説埗力を感じる傟向にあるだろうしPを確蚀する甚意もありほかの掚論の前提ずしお䜿う甚意もありPず沿わない䞻匵ぞの反蚌ず考える傟向もあるだろう
    • Aしようず意図しおいるひずは単にある様匏〔course〕での行為に傟いおいるだけではなくおその意図を実行する方法を探す傟向もあるだろうし䞍敎合な様匏が提案されたらこの意図を䞀芋したずころの反論ずしお考えるだろう
    • ある態床が特定の皮類の刀断に可感であるべき耇合的な傟向性の䞀郚である堎合にはその態床は刀断可感である〔p. 21蚳に自信なし〕ただし刀断可感な態床をずるずいうのは特定のしかたで刀断する傟向があるずいうだけでなく無反省な思考のパタヌンをずる傟向も含む
      • 信じおいる呜題のこずを䞀定の期間考えたり意図した行為のこずを䞀定の期間考えたりする傟向もあるのだ
  • 行為は態床ではないのだから基本的な芏範的理由を䞎えるこずはできないのでは
    • それは芋かけ䞊のこずでしかない行為に芏範的理由を䞎えるこずができるのはその行為が意図的でありしたがっお刀断可感的態床の衚出であるかぎりにおいおである〔意図するずいう態床がある〕
    • なにかしようず意図するためにはなにかをするこずの理由がないずいけないのだから意図する理由は掟生的なものでしかないずいう指摘があるかもしれないがこの察立は真正のものではないなにかをする理由ずはほずんど぀ねになにかを意図的にする理由のこずであるから「行為の慰留」は「意図の理由」ず別にならない
    • できごずを行為に返るのは刀断可感的態床ずの぀ながりなのである
  • 刀断可感ずいう考えを䜿うず我々はどの態床に「責任がある」のかを考えるのに圹立぀それがたずえ遞択や決定の産物でなくおもその状態を保っおいるこずは「自分のせい」になる
    • その態床は真正に垰属ができるしそれを擁護するよう芁求されるのも圓然である
    • 自分の倖にある事実に䟝存するこずはあるが我々の力や自由に制限があるからずいっおここで芋おいるような態床に責任が軜くなるこずにはならない
  • 刀断可感的態床はべ぀の意味でも「自分のせい」ずなるこずがあるずいうのは理由のなかにはその態床を支持はするが必須にはしないようなものもあるので
    • あるこずをする十分な理由があるずきでもほかのこずをかわりにしお䞍合理にならない堎合がある
    • だが詳しくは6章で論じるがこの远加の「自由」がなくおもひずはある行為に責任があるず適切に蚀うこずができる責任があるずいうのは芁求する理由〔demainding reasons〕の適切さの問題であっお刀断可感的態床かどうかだけが問題になる
      • だから行為だけでなく意図や信念などの態床に぀いおも責任があるこずになるのである
      • ある態床に぀いお自分に責任があるずわかったずきどれぐらい぀らいかは堎合により異なるこれはその態床がたずかったこずになる基準に぀いお我々がどれぐらい気にかける理由があるかによっお異なるだけであっお責任抂念の基本は同じ
  1. 合理性

  • いたやった刀断可感的態床の話はある皮の合理性の抂念に近いずころたで来おいる
    • 合理的生物の抂念ずなにをするのが合理的でなにをするのが非合理的かの抂念ずである
  • 非合理性の芳念はもっず狭く理解されるべきであるず論じるするず結論ずしおいく぀かのテヌれはどんな理由があるのかずいう実質的䞻匵ずしおではなく合理性に぀いおの䞻匵ずしお理解すべきだずいうこずになる
  • たず合理的生物ずは掚論を行う生物である認識し評䟡し理由によっお動き、刀断可感的態床を持぀
    • ここたで理論的掚論〔theoretical reasoning〕ず実践的掚論ずのあいだに区別をしおこなかったが合理的生物は䞡方ができるものだ
    • 目的ある行為ができおもある目的がその行為に適切な理由を䞎えおいるかどうかを問うたりその問いに答えたりできないず合理的生物ではないうちのネコはだめだ
  • だからずいっお意図的行為はすべお行為の時点での意識的な反省のもずでの〔conscious reflective〕刀断に基づいおいおその理由は行為するに倀するものになっおいるずいうわけではない適切さを刀断するずすぐに刀断可感的態床が倉わるずいうこずでもない
    • 刀断も反省もなしで刀断可感的態床が倉わるこずもあるがもっず䞀般的な意味では理由の適切さの刀断は行為者に責任がある
  • 䞀般的な意味1合理的生物がこの態床には保蚌がある〔warranted〕ず意識的な反省のもずで刀断するずきには䞀般的にはその態床をずるにいたる意図を倉えそれが将来のフルマむニ珟れる
  • 䞀般的な意味2ある態床に決定的に反する理由があるず刀断したら䞀般的にはその態床をやめるだろう前提ずしおも䜿わなくなるだうし意図を実珟しようずも思わなくなる
  • 䞀般的な意味3合理的生物はたしかにしょっちゅう信念や意図などの態床を批刀性的に圢成するがそれが圢成されるかどうかは理由の適切さに぀いおの䞀般的な刀断に制玄されおいるこずがふ぀うである
    • うわさだけの蚌拠は信念の圢成にはふさわしくないず思っおいるひずがうわさだけの蚌拠に基づいお無意識に信念を圢成しおしたうこずはふ぀うはない
  • ある理由が適切であるずいう刀断ずそのひずの思想〔thoguhts〕や行動ずのあいだには埌者が刀断を䞊曞きしないかぎりふ぀う違いがある
    • 䞊曞きをする可胜性があるこずも䞊曞きされる可胜性があるこずも刀断および刀断可感的態床の特城である
      • 欲求は実践的な意味で衝突しうる理由に぀いおの刀断も衝突しうる空腹が食事のために起き䞊がる理由を䞎えおいるが疲劎はもっず暪になっおいる理由を䞎えるなどしかしもっず深い意味で刀断が衝突するこずがあるそれは同䞀の問題に぀いお矛盟する䞻匵を匕き起こし合理的には同時に持おないような態床を匕き起こす堎合である
      • これは「倖的」䞖界に぀いおの刀断だけにかぎらない
      • ある事柄が6時に起きるよい理由を構成しおいながらそうしないよい理由も構成しおいるず同時に刀断するこずはできない前者から埌者に移行した堎合には環境の倉化や新情報などによっお刀断の䞊曞きが起こったのである
  1. 非合理性を狭く解釈する

¯

Scanlon, T. : What We owe to each other

5 The Structure of Contractualism pp. 189-247

1. Introduction

  • 「ある行為が正しい iff. その行為が他人に察しお正圓化できる」ずいうだけならべ぀に契玄説をずっおなくおも認めるだろう

    • 功利䞻矩でも認められる
    • ちがいは行為を正しくしおいるのはなにかずいうこず功利䞻矩の堎合最良の垰結をもたらすこずが行為を正しくしおいる正圓化可胜性は最良の垰結をもたらすこずの垰結ずしお出おくるにすぎない
  • Scanlonは正圓化可胜性を2ずおりの圢で基瀎におく

    • 正䞍正の道埳の芏範的な基瀎になる
    • 正䞍正の道埳の内容にもっずも䞀般的な特城付けを䞎える
  • 契玄説によるず正䞍正に぀いお我々が考えるずきに刀定しようずしおいるのはこの原理っお適切に動機づけられおいさえすればだれも理にかなったしかたでは华䞋できない原理かな ずいうこず

    • ずいうわけで正圓化可胜性ずいう抂念ず理にかなった华䞋〔reasonable rejection〕ずいう抂念に぀いおそれぞれ説明が必芁になる
  • 既存の契玄説 * Gauthie: 合理性〔rationality〕ずは自分の目的を達成するのに貢献するこずを遞ぶこず * このずきそい぀の目的はだれもが同意できるずいう意味で合理的なよい理由があるこずを瀺せるものであるべきずされる * Hare: 合理的〔rational〕行為ずは圓人のその時点での遞奜をなるべく倚く充足するような行為 * このずきそい぀の遞奜は論理的誀りがなく事実によっお修正を受けたものに限定される * 道埳原理を普遍的指什ずみおいるのでほかの可胜䞖界で同じ立堎に眮かれたひずがちがう遞奜を持っおいおも圓おはたらないずダメ * Kant: 普遍法則であるかのように埓うこずを圓人が合理的に意志したようなそんな原理に照らしたうえで蚱容される => ある行為が道埳的に蚱容可胜 * Rawls: 正矩の原理ずいうのは 無知のノェヌル状況のもずでその原理を受け入れるのが合理的であるような原理

  • 既存の契玄説はどれも共通点がある

    • 合理的にみおすべき・遞ぶべき・意志すべきこずはなにかずいう問いに答えるず道埳の䞭身がわかるずいうもの
    • たたそれに答える際には他人の利害を考慮に入れるこずを芁求しおいる
    • Gauthier: 他人がなにをする理由を持っおいるかを我々は考慮しなくおはならないなぜなら我々は協調しお取り決めをするこずから䟿益を埗ようずしおいるのであるが他人にずっおはそのひずたちの利益を増進させないようなこずだったらそれをやろうずいう蚈画に同意するこずなど合理的ではないから
    • Hare, Rawls: 問題になっおいる合理的遞択ずは関連のある他人の運呜を倉えおしたうずいう圢で定矩される
      • Hare: 他人の遞奜に぀いおの情報や動機を远加するこずで達成されるそれによっお〔 then〕自分がその他人の地䜍にあったらどう扱っおほしいかずいう私たち自身の遞奜を圢成する
      • Rawls: 情報を枛らすこずで達成される無知のノェヌル互いに無関係な圓事者〔parties〕でもその圓事者やその圓事者を代衚するひずが自分たちのためにできるこずず同様のこずをしたい〔the desire 
 to do as well as  〕ずいうある皮の動機に泚目する
      • 圓事者たちが契玄しあえばもっずも利益がないひずびずや文化的・宗教的なマむノリティの利益が守られるこずになるなぜならそういうマむノリティが自分たちに含たれるずいうこずをだれもが知るこずになるからである
  • こういうノァヌゞョンの契玄説にもずづくず正圓䞍圓に぀いおの考えは他人が理由をもっお拒吊できないようなそんな原理を探すずいう目的この目的を共有しおいるかぎりは拒吊できないような原理を探すずいう特別な皮類の動機によっお構成されおいる〔←動機づけ䞻匵〕ずいうこずになる

    • この目的は他人の芖点を考慮すべき盎接的な理由を䞎えおくれる我々が実際に他人であるからずかほかの可胜䞖界でその他人の地䜍を占めるからずかではなくお他人も我々ず同じように受け入れる理由を持぀原理を探すために考慮しないずいけないのである
    • 4章で指摘したように道埳的嗜奜の結論が芁求するしかたで行動しようずいうふうに我々を導く理由はその結論にたどり぀く過皋を圢成しおいる理由ず匷い連続性を持っおいる
    • Scanlonの立堎が既存の䌌た立堎ずちがうのは
      • この動機づけ䞻匵〔motivational claim〕を䜿っおいるずころず
      • 合理性〔rationality〕の芳念ではなく理にかなっおいるこず〔reasonableness〕の芳念のほうに蚎えおいるずころ

2. Reasonableness

  • 合理性ではなく理にかなっおいるこずずいうのは疑問の䜙地があるず思えるかもしれない

    • どうしお「だれも理にかなったしかたでは拒吊できない原理」なのか「だれも合理的には拒吊できない原理」ではだめなのか
    • 「理にかなった」版の定匏化のほうがわかりにくく思えるのになんでそっちで条項〔rider〕を付け足したのだろう
  • 1章で論じたように「合理性」にはいろんな意味があるが最近では「最倧に合理的な圓為」は「その行為者の目暙を満たすのに最倧に貢献するこず」を意味するず捉えるのがいちばん広たっおいる * でもこれたで述べおきたようにこの抂念把握は誀解だずScanlonは考えおいるがこの誀解はおなじみのものだがこのこずこそ䞍適圓な語の甚法が思い浮かべさせおしたいがちなものだ〔ここの文はかなり難しいI belive X, but X is so familiar that it is what A do.のように読もうず思ったのだがwhat any 
 use 
 is likely to call to mindだずするず「それこそたさに䜿甚が思い浮かべそうなこず」ずなっおしたっおおかしいis likely to be called to mindならただわかる〕

  • 「理にかなった」も確立された意味を持っおいおこちらのほうがScanlonが道埳的思考の基瀎に据えたものに近い

    • あるひずにずっおなにをやるのが理にかなったこずかに぀いおの䞻匵は
      • これこれの情報矀ず関連があるずされおいるこれこれの範囲の理由を前提しおいお
      • 次に来る䞻匵はそういう理由がじっさいに支持しおいるものに぀いおの䞻匵だ〔泚61ç« 3節も参照〕
    • 正䞍正の契玄䞻矩的な分析で最初で最重芁な前提ずは原理を探そうずいう目的しかもこの目的を共有しおいたら合理的には拒吊できないような原理を探そうずいう目的である
      • この目的からほかの理由が぀いおくる
        • たずえばどの原理を受け入れるか決めるずき他人の利益に重きを眮かないずいうのは理にかなっおいない
        • ここからこれこれの状況でどうしお「他人の利益を勘定に入れる」こずを芁求されるのかずいうもっずややこしいさらなる問題も出おくる

〔正䞍正の分析の契玄説は ver. 合理的だずうたくいかない〕

  • この意味でのなにをやるのが理にかなったこずかずなにをやるのが合理的なこずかずのちがいは甚語的な〔technical〕ものではなく日垞蚀語におなじみの区別である〔泚7 Sibley 1953を芋よ〕

    • 氎利暩に぀いお亀枉しおいるずしようこのあたりの氎をすでに支配しおいる地䞻がいるずする
      • この地䞻はケチではないが短気で自分の地䜍の正統性を疑われるのを奜たない
      • この状況でみなが最小限の氎の取り分をもらう資栌があるず䞻匵したりそれを保蚌しおくれない割り圓お原理はどれも拒吊したりするのは理にかなっおいなくはない
      • しかし合理的ずは限らない地䞻を怒らせお最悪の割圓量にされおしたうかもしれないので
      • 地䞻のほうでも最小氎利暩の保蚌原理を芁求されたら断るのは理にかなっおいないがそれが合理的かはべ぀の問題で地䞻の目暙によっおちがう
  • このおなじみの区別に぀いおもなにが端的に合理的なのかだけでなく特定の目暙のもずでなにが合理的なのかずのちがいに泚意するこずで反察できるかもしれない

    • 理にかなっおいるこずの芳念は曖昧で合理性ずいう考えはもっずはっきりしおいおよくわかっおいる
    • じゃあどうしお合理的な拒吊ができない原理じゃなくお理にかなった拒吊ができない原理のほうで正を定矩しようずするのか
  • 第1の理由そのように定匏化すれば原理に基づき぀぀理想的な目的に持っおいくにはどうするのがいちばんかずいう戊略の問題ずしお理解できそうだから〔泚8Miller 1992Scanlonは文献名を単数で曞いおいるが耇数圢 Moral Differencesが正しい〕

    • そのように解釈するずこの問題をなにをするのが合理的かずいう他人がなにをするだろうかによっお倉わるこずに事実に照らしお確定的な答えがあるずいうこずはありそうもない
      • この原理にしたがえばだれもがもっずよい状態になりたすずいう単䞀の原理があったらその原理を遞ぶのはだれにずっおも合理的なこずになるので「どの原理が目暙共有者合理的拒吊䞍可的か」問題には確定的な答えがあるこずになるだろう
      • でももっずふ぀うの状況ではどの原理がほかの原理より利益になるかずいうのを遞ばないずいけない抜象的に芋お確定的な答えはない
  • 状況の詳现が明らかになれば確定的になるかもしれない個人の心理孊ずか遞択肢ずかぜんぶ特定したらね

    • 氎利暩の䟋では地䞻も含めた党員が合理的拒吊䞍可的な原理を探すずいう目暙を共有しおいたずしおも自分の奜みの条項を拒吊する理由はだれも持たないたたずいうこずが真だった
    • 合理的合意を目暙ずするこずを远加しおもほずんど倉わらない地䞻は地䞻が遞んだ原理を近隣䜏民にのたせるのが合理的であるずいう立堎にいるので〔぀たり合意にいたらないずいうこずか〕
    • この堎合確定的な答えには道埳的重倧さがほずんど぀いおこない
      • 完党情報ず同意が䞍可胜な点のせいで党員が最䜎限受け入れられる地䜍に぀けられおしたうこずず〔 full information and a no-agreement point〕が道埳的に問題含みなのでそういう特城をこの䟋から倖しちゃおうずいうこずをやるずたた答えが確定的にならなくなる
      • おなじみの戊略ずしおは問題になっおいる同意にもっず条件を課しお道埳的に関係があり぀぀確定的であるこずを保持しようずするものがある
      • この戊略を採甚した説に反論するのではなくそれずScanlonの戊略がどうちがうかをここでは瀺したい

〔正䞍正の分析の契玄説 ver. 理にかなった〕

  • Scanlonの契玄説ではある行為の正䞍正を決定するのになんらかの道埳原理からの〔その行為ぞの〕反察が理にかなっおいるかどうかずいう実質的刀断を芁求する

    • 氎利暩ケヌス近隣䜏民にずっお地䞻が提案するよりもよい条項を芁求するのは非理にかなっおいないわけではないこれは芁求䞻匵の利点〔merits〕に぀いおの実質的刀断を反映しおいるのだ
      • この刀断はなにが近隣䜏民の利益をもっずも増やしそうかずいうこずに぀いおの刀断ではない
      • この刀断はなにが実際の状況や理想化された状況で合意を生みそうかずいうこずに぀いおの刀断ではない
      • この刀断はこの原理は盞互理解ず盞互順応ずの基瀎を提䟛するのにふさわしいかずいうこずに぀いおの刀断である
  • Scanlonの分析が適切ならばこれこれがこの意味で理にかなったこずだずいうのは正䞍正の日垞的な考えの根拠ずなり指導するものである぀たり道埳的内容がある

    • しかしこれだず道埳的内容が道埳的理論の構成芁玠ずしお入っおくるこずになるがこれは埪環しおいる理にかなったこずずいう最初から道埳芁玠が入っおいるものに基づいおいるではないかずいうわけだ
    • 合理性合理的遞択のなされる理想的状況の構造的特城ずいう考えに関する立堎のほうがもっずいいのでは
    • この反論に答えるたえにScanlonの契玄説をもっず现かく説明しよう
      • 理にかなった察抗事由に぀いおの刀断に「道埳的内容がある」ずいうのはどういうこずか明らかにするず埪環による批刀の匷匱やそれに応答する方法もはっきりするから

〔正䞍正の分析の契玄説 ver. 理にかなったのどこに理にかなっおいるこずが出おくるか〕

  • さらにそのたえにある行為が䞍正であるかどうかを決定する過皋で理にかなっおいるこずの芳念がどう出おくるかに぀いおもっず蚀っおおきたい

  • 契玄説状況CでXするのが䞍正かどうかを決めるにはその状況でどう振る舞うかを決める原理それぞれに぀いお考える状況CでXするこずを蚱す原理がどれも理にかなったしかたで拒吊できるずいうずき状況CでXするのは䞍正

    • ある原理が理にかなったしかたで拒吊できるかどうか決めるにはあるひず〔other〕がXをするこずを蚱された堎合にほかのひず〔some〕が背負うこずはなにかに぀いおの考えをたず圢成しないずいけない〔need first to form an idea  〕 蚱可からの反論ず呌がう〔泚94章6章を参照〕
    • 次にこの蚱可からの反論が問題の原理を理にかなったしかたで拒吊する基瀎付けになるかどうかを決めたいのでその状況でXするこずを犁じる原理がどういうふうに他人に重荷を背負わせるのかを考える必芁がある〔We then need 
 to consider  〕〔曞いおないけどこれを犁止からの反論ず呌んでいる〕
      • ここで蚱可からの反論ず比べお犁止からの反論が重倧でないものでそのため状況CでXするのを蚱可する原理はどれも拒吊するのが理にかなったこずだずしよう
      • 契玄説的な定匏化ではこれはその行為が䞍正だずいうこずを意味する
      • 逆に状況CでXするこずを蚱すなんらかの原理があっおそれが理にかなったしかたで拒吊できないならばXするこずは䞍正ではない理にかなったしかたで拒吊䞍可的であるこずを他人に正圓化できるのだから
  • 状況CでXするこずを蚱可する原理すべおが理にかなったしかたで拒吊された堎合〔この状況ではXするのが䞍正〕状況CでXするのを蚱さないような理にかなったしかたで拒吊䞍可的原理があるにちがいないように思える

    • これが真なのは理にかなったしかたで拒吊の問題は盞察的な本性を備えおいるせいだず考えるひずもいるだろう
    • 蚱可からの反論のほうが犁止からの反論に盞察的に匷力なので状況CでXするこずを蚱す原理はぜんぶ理にかなったしかたで拒吊可胜だずいうずきには犁止からの反論が蚱可からの反論に盞察的に匷力なので状況CでXするこずを犁じる原理はぜんぶ理にかなったしかたで拒吊可胜的だずいうこずはない
  • ずころがこれが䞡立しおしたうように思えるケヌスがある〔泚10Nagel 1995〕

    • 䟋沈没する船から2人が泳いで逃げる片方が氎面にラむフゞャケットを芋぀けたもう片方は力ずくでそれを奪い取っおよいか
    • 蚱可する原理はすべお理にかなったしかたで拒吊可胜的だが犁止する原理も理にかなったしかたで拒吊可胜的ないず溺れ死ぬので
    • 䞀般化するずこれは理にかなったしかたで拒吊にはしきい倀があるずいうこず
      • この堎合は奪い取るのを蚱可するのも犁止するのもしきい倀を超えないケヌスずいうのがScanlonの蚺断
      • やらないず死ぬようなこずを犁止するような原理はすべお理にかなったしかたで拒吊可胜ずいうこずではない
      • べ぀の原理をずったずき他人にどれぐらいのコストを負わせるかにだけでなくそのコストをどうしお負わせるかによっおも拒吊の理にかない床合いはちがっおくる
    • このこずはこの章で論じる䞀般的事実぀たりある原理に察するあるひずの反察の匷匱はその原理を受け入れたずきにそい぀の厚生がどう倉わるかだけによっお決たるのではないずいうこずを反映しおいる
    • 難砎船ケヌスでは〔犁止原理ず蚱可原理ずの〕2぀の原理のどちらでも2人に課すコストは倉わらない片方は死ぬのだが片方はラむフゞャケットをずったたぶんがんばっお芋぀けた〕おかげでいたリスクがないんだぞずいう反論の匷匱にはちがいがある〔犁止からの反論のほうが匷くなる〕
  • 理にかなったしかたで拒吊のしきい倀ずいう䞀般的考えが䞍適切だったずしおも平等に釣り合っおいる匷い反論〔objections that are evenly balanced〕がただある

    • 䟋泳いで逃げる2人のうち片方が匷い同時にラむフゞャケットにたどり぀いたたがいに力ずくで取り合っおよいか 
    • 蚱可原理は理にかなったしかたで拒吊可胜犁止原理も理にかなったしかたで拒吊可胜
    • 蚱可原理のほうには少なくずも2人のあいだに察称性があるこずを理解し決断的解決が必芁であるこずを理解するずいう矎点がある
    • 蚱可原理の拒吊はもっずよい代替案があるずきのみ理にかなったしかたでなるだろう順番に䜿う原理ずか溺れちゃうだろうけど〔片方発芋ケヌスずちがっお同時到着筋肉匷匱ケヌスだず蚱可原理が拒吊できない〕
    • 同様に力ずく犁止原理が理にかなったしかたで拒吊できないのはこの状態を解決するのに拒吊䞍可的な方法があるずきだけ〔だから犁止原理は拒吊できる〕
  • だから犁止からの苊難ず蚱可からの苊難ずが事実䞊いっしょになるずいうこずから犁止原理も蚱可原理も理にかなったしかたで拒吊可胜だずいうこずは出おこない

    • どちらの反論も察称的であるずいう事実こそが拒吊䞍可的原理を芋぀ける方法を瀺しおくれるずいうこずもある

3. Principles

〔pp. 197-199〕

  • 「だれも理にかなったしかたで拒吊䞍可な1぀以䞊の原理がその行為を犁止する堎合その行為は䞍正」に出おくる「原理」に぀いお説明する

    • この「原理」が正䞍正に぀いお考えるずきどういう圹割を果たすかも説明する
    • 行為功利䞻矩ず芏則功利䞻矩ずのあいだの論争でおなじみのなぜ個別の行為じゃなくお原理を行為の正圓化に䜿うのかずいうこずを問うわけではない
      • 他人に行為を正圓化する = 他人が持ちうる反論すべおに察抗するのにじゅうぶんな理由が行為を支持しおいるぞず䞻匵する
      • だから行為を正圓化するずいうこずはこの理由はこの状況での行為にじゅうぶんだぞずいう原理を擁護するずいうこず
      • ただし正圓化においお蚎えるべきは圓該の行為の垰結だけなのかほかのこずも入るのかずいう点にはあずで戻っおくるこれは原理がどういう圢匏をずるべきかの問い
  • 理由原理でずらえるず日垞的な正䞍正の刀断の䞭心的特城にそぐう

    • 正䞍正の刀断はふ぀う理由぀きほかの評䟡的刀断ずはかなりちがう
      • 矎しい醜いおもしろいなどの堎合我々はそれを「芋おずる」
      • 刀断が先に来おそのあず説明が来る
    • 「ただ䞍正だず思ったんだ」ずいう反応は虫の知らせおいどの地䜍しかなく説明を䞎えないかぎり刀断を差し控えるような圧力が働く
  • ナヌモアや芋目麗しさの刀断の基準は集団に盞察的だず考えられる泚12この盞察性に぀いお詳しくは8章で

    • しかもその基準を特定するこずはほずんど䞍可胜
    • 正䞍正に぀いおはある行為に぀いおどんな反論があるかずいう考え〔぀たり原理〕をわかっおおかないず䞻匵できない
  • だが道埳刀断が意識的に原理を参照するこずを䌎うずいうのは受け入れがたく思えるかもしれない

    • マコヌミックの䟋法的に暩利があろうずも隣人の眺望をだいなしにするような建築をするのは䞍正だ
    • ここで隣人の利害を十分に考慮しおいなかったずいうのが道埳的反察事由になっおいるわけだがそれを支える原理を定匏化するなどずいうこずはありそうにない
  • 原理に぀いおはもっず広くずらえおほしい

    • さたざたな問いに答えるために「適甚」できる芏則ずいうのだず狭すぎる
    • 行為の理由の状態に぀いおの䞀般的䞻匵をここでは原理ず呌んでいる
  • 人間の生呜を奪うこずに぀いおの道埳原理の䟋

    • なんじ殺すなかれずいう単玔な芏則では枈たない
    • 理由を䜿うほうがはっきりする
      • だれかの死に぀ながるこずが予芋できる行為であるずいう事実はそれに反察する決定的理由になるのがふ぀うなど
  • 玄束を守るこずに぀いおも同様

  • いちばん身近な道埳原理でも刀断に蚎えるこずなく適甚できる芏則ずいうものではない

    • 「通垞は」のような䜆し曞きが぀く
    • 事䟋はいろいろあるので我々の刀断が収束するこずを芏則の適甚ずしお説明するのは難しい
    • 収束できるのは共有されおいる感芚に蚎えおいるから衚珟の自由の擁護の䟋
      • 衚珟の自由の芁点はなにか
      • どういう効果が望たれおいるものか
      • なぜ怜閲の制限が必芁なのか
      • それによっおなにを促進しようずしおいるのか

〔pp. 199-201〕

  • 「通垞は」のような䜆し曞き぀きの原理から十分な正圓化だずいう刀断に至るのを競合的な考慮点の「バランスをずる」こずずずらえるのは誀解を招く

    • このプロセスは察立する利害の重芁さ〔seriousness〕を比范したり重み付けしたりするだけのものではないから
      • 玄束の䟋玄束の芁点を理解しおさえいれば玄束を砎る理由のなかには玄束を無内容〔pointless〕にしないかぎり蚱可されないものもあるし反察に玄束が耐えがたいほどの犠牲を求めるものであるべきではないずきには蚱可される期埅もある〔〕
  • 匕き぀づき玄束の䟋玄束をしたひずにずっお玄束時点で玄束のコストが予芋できたかどうかずいう事実は忠実さの原理に責任を負う利益のせいで〔玄束に〕関連する〔are made relevant by〕

    • これらの事実は条件を提䟛するだろうかずいうのを決めるずきそれ〔that〕はコストの玄束を砎る理由ずしおの力を倉えるのであっおそのコストずバランスをずるべき远加の関心ずしおの力を倉えるのではない
      • 〔「玄束を守らないこずの理由ずなるコストの力を買えるような条件をこの事実は提䟛するだろうかずいうのを決めるずき」がwhen節に芋えるのだがそれだず䞻節がないこずになる  〕
    • 〔ある芁玠が玄束を砎る理由になるか考えるずき利益の勘案以倖にも予芋できたこずかどうかのような芁玠が正䞍正に関係しおくるので利益の勘案だけでは説明できない〕

〔pp. 201-202〕

  • あるひずが道埳的に䞍正なしかたで行為しおいるず刀断するずき私たちはそい぀を以䞋のようにずらえおいる

    • 道埳的に蚱可されない理由にもずづいお行為しおいる
    • ある理由にその理由に぀いお道埳的に蚱可されおいるよりももっず重みを぀けおいる
    • 反察理由の重みや関連性をずらえそこねおいる
  • ある理由が道埳的に十分であるずわかるのに䜿える芏則はないかもしれないが我々はそういう刀断をしおいる

    • なぜそれが目䞋の行為に぀いお道埳的制玄ずなるべきなのか蚱可するほうの原理はなぜ「理にかなったしかたで拒吊可胜」なのかの理解を䜿っお
    • その制玄がどういう構造をずるかの理解を぀かっお〔泚14この構造の耇雑さは堎合によっお倉わりうる〕
    • ぀たり道埳原理の理解が刀断を導き刀断が道埳原理の理解を衚珟するのである
  • 劥圓な道埳原理は無限にある

    • 原理のなかみを理解するずきず同様に〔共有されおいる感芚によっお〕我々はどんな原理があるかを知るこずができる
    • 明瀺的に教わるこずもあるが反省によっおわかるものもあるしある状況にさらされおはじめお劥圓だずわかるようなものもある
  • 玄束を砎るのは䞍正だずいうのはだれでも明瀺的に教わるこずだが7章で論じるずおり他人の期埅に倧しお䞍正にふるたったこずになるのは玄束を砎ったずきだけではない

    • 䞍正な䟋はほかにもあるこれらは玄束を砎るのが䞍正であるずわかるのず同じしかたで䞍正であるずわかる
      • 自分が他人に圢成するようにしむけおしたう期埅に぀いお泚意をおこたる
      • 他人の期埅が誀解であるこずを譊告しそこねるすべおが䞍正ではないが倚くは䞍正
      • そう期埅させれば自分が埗するずきに他人に芋せかけの期埅をさせるすべおが䞍正ではないが倚くは䞍正〔虚停の発衚をしお融資を぀のるみたいな䟋だず思う〕

4. Standpoints (pp. 202-206)

  • 芳点〔standpoint〕の怜蚎をしよう

    • 理にかなったしかたで拒吊䞍可的な原理を探そう埓おうず思ったら他人の利害぀たり珟時点の自分の芳点〔standpoint〕以倖の芳点を勘定に入れるこずになる
  • 契玄説による定匏に「他人」は2回出おくる

    • 行為を正圓化する盞手ずしおの他人
      • 問題の行為の圱響を被る特定の個人
      • もっず広くもっず抜象的な芖点をずる必芁もある
        • もっず広く問題の行為の垰結だけでなく行為の䞀般的な実行・䞍実行の垰結やその他の含意も勘定に入れる必芁がある
    • 原理を理にかなったしかたで拒吊できるかできないかする他人
  • 問題の行為の垰結だけじゃない䞀般的な垰結

    • その皮の行為の実行が䞀般に広たったらどうなるか
    • そのクラスの行為を䞀般的に蚱可・犁止したらどうなるか
      • 人生蚭蚈ずかにも圱響するね
      • 〔As agents, if we know that we must stand ready to perform actions of a certain kind should they be required, or that we cannot count on being able to perform acts of another kind should we want to, because they are forbidden, these things have important effects on our planning and on the organization of our lives whether or not any occasions of the relevant sort ever actually present themselves.〕
        • 砂挠地域の食糧歓埅係だったら買いもののずきずか考えるこず増えるでしょ
        • 自由にコピヌする資栌はない蚘事が講矩に有甚だずわかったら〔それを収録した〕アン゜ロゞヌを発泚する理由がある〔even though this may prove to have been unnecessaryの含意はよくわからないアン゜ロ党䜓は䞍必芁 文党䜓はコピヌの䞀般的な犁止がべ぀の行為の理由になるずいう䟋〕
      • 行為をするほうだけでなく行為に圱響されるほうにも䞀般的な蚱可・犁止は圱響する
        • プラむノァシヌ芁求原理が䞀般的に受け入れられおいるから個々の䟵害が起きないこずが保蚌される
  • 原理の受け入れにはこうした圱響以倖の含意もある

    • 他人ずの関係や自分じしんい぀いおの芋方にも圱響するので
      • 吊定的な䟋4章の䟋〔たぶん「盞互認知の関係」のあたり〕他人ずの関係に参入するのを原理が劚げる
      • 肯定的な䟋プラむノァシヌ芁求他人が自制しおくれるおかげで監芖から自由になるこずができ他人ず同等の独立したひずずしおいろいろな関係に参入できる
        • これが理由にならなかったら他人ずの関係はおろか自己に぀いおの立堎も倧きく倉わる
      • 肯定的な䟋2身䜓暩〔泚15はMillぞの蚀及正䞍正を理由や道埳感情から説明するなど垰結䞻矩っぜくないずころがsurprisingだがMill研究者ずしおはsurprisingではない〕
      • 〔ルヌルが行為を制玄するこずの垰結だけでなくルヌルの内容も我々に圱響を䞎える〕
  • 原理が䞀般的に受け入れられたずきの垰結を考えようず思ったら特定の個々人の目的や遞奜やその他の特城に蚎えるこずはできないので共通しお䜿える情報に頌るほかない

    • これを総称的理由〔generic reasons〕に぀いおの情報ず呌ぶこずにする
  • 総称的理由の具䜓䟋

    • 我々はみなひずには身䜓が傷぀くのを避ける匷い理由があるず考えおいる自分自身の蚈画や友人や家族にずりわけ泚意を払おうず望む理由も兞型的には持っおいる
    • これらをだめにするような原理は拒吊する理由がある
  • 総称的理由ずは

    • ひずがその状況にあるこずで持぀ず考えられる
    • 総称的な語〔general terms〕や目暙・ケむパビリティ・条件で特城付けるこずができる
    • 倧倚数のひずが持぀理由だけに限定されない
      • 少数掟に䞍利な圱響がある原理は理にかなったしかたで拒吊可胜これは特定の個人に垰属される特城にではなく特定の䞀般的特城に蚎えおいるので
  • 総称的理由がある原理を理にかなったしかたで拒吊する土台になるかどうかは巻き蟌たれる他人にずっおのコスト〔語順がよくわからないthe costs this wolud involve for others〕や代替案によっおちがう

    • 特定のしかたで行為するこずぞの䞀般的蚱可の原理が拒吊されたら代替案の1぀めは䞀般的犁止の原理
      • これはありうる行為者の芖点からするず非垞に高く぀くので拒吊されるかも
    • 特定のしかたで行為するこずぞの䞀般的蚱可の原理が拒吊されたら代替案の2぀めは蚱可に制限を぀けるもの
  • 原理をきめ现かくせよずいう圧力はあるが反察に原理をきめ现かくしたらもっず䞍確実になり〔create more uncertainty〕情報がたくさん必芁になるからよせずいう圧力もある

    • 䟋玄束を守ろう〔fidelity〕の原理予芋力が個々人によっお違うので自発性の芁請から受け取れる保護の䟡倀はひずによっおちがう
      • ずいうこずはこの原理を望たない垰結に陥っおしたいがちな〔予芋力の䜎い〕ひずの立堎から拒吊しおもっず狭い原理にすべきだろうか
      • それはダメだず論じるにはここで原理を狭めるず玄束に理にかなわない重荷この同意は道埳的拘束力がある玄束かそれずもただの同意なのかを調べるために性栌はどうか匱みはないかを確蚌しないずいけなくなるを課しおしたうぞず䞻匵する必芁がある
  • 道埳的論争をする際には総称的芖点ずいう構想が持ち蟌たれるし我々の䞀般的な人生経隓を反映した芖点ず関連した理由も持ち蟌たれる〔we bring toが匷調構文のように芋えるのだがよくわからない〕〔泚16で玄束の話は具䜓的には6章でするこずを予告しおいる〕

    • 〔その蚌拠に〕道埳的バむアスでいちばんよくあるのは〔泚17はMacKinnonのようなフェミニズム的著述家ぞの蚀及〕
      • 自分のでない芖点から考えそこねるこずや
      • それに関連した理由を過小評䟡するこずや
      • そういう理由の匷制力をもたらす原理を受け入れるコストを過倧評䟡するこず
  • 〔ずころで〕こういうバむアスを是正する方法を提䟛するこずが道埳理論の重芁な圹割だずよく蚀われる

    • たしかに行為を他人に正圓化できるようにせよずいう圧力はこの皮のバむアスを明らかにしお克服する助けになる
    • だがこの過皋ずいうのは我々の盎芳的道埳カテゎリヌをじょじょに修正しおいくずいうものなのでバむアスを根本的に正すずいうこずが可胜かどうかは疑わしい〔泚18はHabermasぞの蚀及〕

5. Generality and Fairness (pp. 206-213)

  • 〔前節で説明したのは道埳的正圓化のプロセスでした〕この道埳的正圓化のプロセスは䞀般的な契玄説的枠組みに動機づけられおおり道埳盎芳にもそぐう

    • さらに道埳的に無関係な考慮点に぀いおの盎芳2぀を説明できる
  • もし特定の個人の芖点からだけ道埳原理を評䟡するずしたら〔ものごずの〕尀床を勘定に入れるのはしぜんだ - 盞互扶助〔mutual aid〕原理の䟋カントの第4の䟋もらうより䞎えるほうが倚くなりそうだず予芋できるひずたちは盞互扶助に矩務矩務を負わないずいう原理を拒吊する理由がより少なくなるか - こういうのを排陀したかったら無知のノェヌル的ななんかが必芁だずいうこずなのか

  • 排陀するしかたは3぀あるその1無知のノェヌル

    • 〔個々人で䟿益がいろいろちがうずいうこずを考慮に入れないやりかた〕
    • 幞運にも盞互扶助に頌らなくおよさそうなひずもそうでないひずの窮状を重く考慮する
  • 排陀するしかたその2

    • 盞互扶助原理が自分に課す正味のコスト〔net cost〕ず保護を自分より必芁ずしそうなひずにずっおの正味のコストや正味の䟿益ずを比范するこずは倚くの堎合 幞運なほうのひずにずっお䞍芁䞀般的には䞍必芁にこずが耇雑になるだけ
    • 原理の理にかなったしかたで拒吊できるかどうかを決めるのに必芁なのは以䞋を順番に考慮するこず
      • a: 必芁があるならば扶助を埗られるずいうこずが〔自分にずっお〕どれくらい重芁か
      • b: 矩務づけられおいるならば扶助を䞎えるずいうこずが〔自分に〕もたらす䞍䟿の皋床
      • c: この原理が芁請するような圢で扶助を䞎えるずいうポリシヌに立぀こずの総称的コスト
      • d: 他人がこのポリシヌを備えるこずの総称的利益
  • aにおける芁求の皋床ず同様bやcにおいお課せられるものも少なくずも倧たかには原理それじたいによっお特定される

    • ぀たり原理を理解したひずは課される重荷が最倧限どれくらいになるかも理解する
    • 最倧限に重荷を課されたひずでも理にかなったしかたで拒吊䞍可的な原理なら問題は解決する〔぀たり幞運なほうのひずでも拒吊できなくなる〕
    • 〔これがその3個々人で䟿益がいろいろちがうので最倧限重荷を課されたひずだけを考慮に入れるやりかたその1のRawlsの無知のノェヌルずのちがいはよくわからない〕
  • 盞互扶助の原理は適切だず信じおいるひずの倚くは盞互扶助の原理がこの拒絶䞍可テストを通るず信じおいる

    • だが理論的には利益が埗られるひずにだけ犠牲を芁求する原理もあるかもしれない〔泚19はたぶんないずいう議論〕
    • もしあるなら盞互扶助の原理からはこういう幞運なほうのひずを排陀しないずいけないだろう
    • だがここ䞀郚の人を䟋倖ずするケヌスで問題になっおいるのは
      • 特定のひずが利益を埗られるこずの尀床ではなく
      • 原理から利益を埗るひずに課される重荷の尀床であった
    • 他の条件が等しければずいう条件を擁護する議論においおは受け入れ可胜な原理はすべおこのこずが起きがちであるぐらいきめ现かくなくおはいけないずいうこずが䞻匵されおいるのである
      • 〔受け入れ可胜な原則ならその原則に重荷を課されるひずはみんな利益を埗られおそうでないひずはちゃんず排陀できるぐらい现かい原則にしないずいけない〕
  • ここで䞻匵したのは原理が理にかなったしかたで拒吊可胜かどうかは重荷偎・䟿益偎のどっちに入るかに぀いおの尀床は抜きにしお重荷がどれだけ重たいか䟿益がどれだけ倚いかで刀定しないずいけないずいうこず

    • 確率で割匕しないずするず以䞋の2぀が区別できない

      • わずかな確率で他人に危害をくわえるリスクのある掻動に埓事する人々にその掻動を蚱可する原則を拒絶する理由
      • 確実に同皋床の危害をくわえる掻動を蚱可する原則を拒絶する理由
    • もし確率を考慮するずしたらやりかたは2぀ある〔しかし䞡方ダメ〕

      • 確率考慮法1党員が自分が利益損害をえる尀床を勘定に入れるこずを蚱す〔カネモチが盞互扶助から出おいっおしたうのでダメ〕
  • 確率考慮法2人口に占める割合を重荷が課せられる尀床ずする〔個人に課せられる重荷の話になるので〕

    • しかしこれをやるず少数掟のなかからランダムに1人遞んで危害を加えるような原理を拒吊する䜙地がなくなる
    • 〔臓噚クゞ〕
  • これがたずいのはなぜか

    • 確率が䞍満を瞮小しおしたうからだず䞀芋したずころ思えるがそうではない
    • 確率は行為者が加害しないようにするためにどれぐらいの配慮〔care〕が必芁になるかの指暙ずなるから䜿うものだ
    • 〔確率を考慮に入れるのが悪いのではなく考慮に入れるやりかたがたずいのだず蚀いたい〕
    • 航空事故で地䞊のひずを死なせおしたうこずがたたに起きるにもかかわらず航空機を䜿うケヌスのように確率的に副䜜甚が起きるケヌスでは確率でひずを遞んで医療実隓に䟛するケヌスずは違う反応をしおいるこれを説明したい
      • コストずしお考えるべきなのは加わる危害の倧小ではなく危害を避けるのに必芁なコストだ
      • 「理にかなった譊戒」によっお芁求される配慮の氎準を決めるべきだこれを䞊回る芁求をするのは制限が匷すぎお理にかなったしかたで拒吊できおしたう
        • 異垞なケヌスを陀けばこれで我々の反応を反映できおいるず思う
  • これたで候補ずなる原理は総称的な圢にしおあったではその圢で曞けない原理はどうやっお排陀するのか

    • 我々それぞれの個人的芳点から重芁ずなる理由の倚くは我々ず他人たちずの区別に䟝存しおいる
    • 重荷の免陀や特別な利益を自分たちだけに䞎える原理がいちばん奜たれる
      • しかもこれは他人たちにコストを課さないものもある
      • 協調枠組みはほずんどがそう利益を自発的に受け入れた者に利益を提䟛するめに担圓ぶんをやるこずを芁求するずいう原理があったずきその原理から1人の人物が陀倖されおいるずきにはだれも䞍利益を被らない
        • 〔働かないや぀が1人ぐらいいおも枠組みはも぀ので〕
  • こういうのが道埳的に排陀されるずいうのは盎芳にそぐうがどうやっお排陀するかの筋道は説によっおちがう

    • ロヌルズ原初状態で遞ばれる正矩の原理は総称的であるそうしないむンセンティノがないので
      • ずはいえ固有名を正矩の原理に含めないずいうのはいいずしお確定蚘述をどう匟くかが問題
      • Rawlsは八癟長の〔rigged〕確定蚘述を排陀するず蚀っおいるが原初状態でどれが八癟長なのか刀断するには哲孊的困難がある
  • Hare道埳の抂念に固有名のぞくずいうのが入っおいる

    • ただし八癟長の刀定はむりずも蚀っおいる普遍呜什〔universal imperative〕ずしお受け入れる理由がある原理はどれかずいうのを芋るこずでのみどの蚘述が道埳原理かを刀定するこずができる
    • Scanlon自身はRawlsず同じく圢匏的基瀎によっお固有名・確定蚘述を排陀できるず考えおいるだがどんな基瀎で排陀するかがRawlsずはちがう
  • 3章でほずんどの「原理」は特定の芏則ずか道埳的論争の「定理」や結論のような蚀語的定匏化ずかず同䞀芖するこずはできないず述べたのを思いだしおほしい

    • だから目䞋の問題は定匏化の論理圢匏に぀いおのものではなくお道埳的論争に珟れる理由の皮類にはどういうものがあるかずいうもの
  • 固有名は特定の個人を遞び出す方法を提䟛する装眮だ

    • こういう装眮に頌った原理を支持する理由は特定のひずを気に入る理由たたは気に入らない理由になっおいるだろう
    • 〔確定〕蚘述の堎合個人を遞び出すにしおも偶然的で䞍正確だ
    • 〔いずれにしろ〕この個人は気に入るずか気に入らないずかいう信念だけを理由にしお道埳的議論に入っおきた蚘述だずその蚘述は「八癟長だ」ず盎芳的に感じる
    • 〔固有名でも確定蚘述でも〕どちらの堎合でも問題はある原理が特定個人を揎助したり危害を加えたりするずいう事実が根拠になるのかずいうこず
      • その原理を遞ぶこずの根拠になるのかどうか
      • そういう䜜甚のない代替の芏則を理にかなったしかたで拒吊する根拠になるのかどうか
    • Scanlonの答えならないむしろその芏則じたいを理にかなったしかたで拒吊する根拠になるではなぜそうなのか
  • 我々は自分だけは他人に察する揎助や危害を避ける配慮を免陀されるずいうのを奜むかもしれない

    • だが1人だけを芁求から䟋倖ずする原理が劥圓でない理由のはほずんどの堎合あきらかだ
    • 原理が行為者䞀般に課す重荷があるずいうだけでは揎助の䞀般的芁求を〔私が〕拒吊するには䞍十分ずいうのは仮定から導ける
      • ほかのひずたちも免陀を望む理由を持っおおり拒吊しようずする私の堎合だけ特別なこずはないもないから
      • 私だけが特別に぀らい重荷を負わされおるんじゃないんだから自分だけ芁求を免れようずするのを認める理由はほかのひずたちにはない
    • 〔これは原理が必ず総称的な圢であるず論点先取しおいるだけでは〕
  • しかしながら1人もしくは少数に免陀を䞎えるが他人に重荷を課すわけではないずいうケヌスがあっおそっちがもっず問題である

    • 䟋協調枠組みの堎合のただ乗りの誘惑を考えるず協調枠組みを安定させるように調敎する原理Rawlsの公平の原理などからも䟿益があるのでそういう原理を拒吊するのは理にかなっおいない
      • だがたいおいの堎合そこたで調敎する必芁はない
        • 投祚倧倚数が行けばよく少数掟が行かなくおも問題にならない
        • 芝生に入る倧倚数が入らなければよい
        • 干ば぀時の〔取氎〕制限倧倚数が取り過ぎなければよい
  • 公平な枠組みのもずで他人の参加から利益を受けるず決めたならばだれでも芁求も満たすべきだずいう芁求をするRawlsの公平の原理のような原理に぀いお我々は远加条項を入れたくなる理由を持぀〔reason to want〕

    • 远加条項もし党員の参加が必芁でないなら自分は芁求から免れるずいう条項〔rider〕
    • これは条項に個人の特定が入っおいる䞍偏原理に個人iを優遇する〔"i-favoring"〕条項を远加する
    • だが嫉劬を無芖すればべ぀の個人jを優遇する条項の远加もだれも優遇しない䞭立的なポリシヌもちがいはない〔j条項の远加が個人iに重荷を課すようなケヌスではないので〕
    • するず〔党員ぶん同じ免陀条項が远加されるだけで䞭立的な堎合ず比べおなにも悪くなっおいないので〕他人を優遇する免陀であるずいうかどで原理を拒吊する理由はだれにもなくなる
  • だが恣意的に1人の人物だけを他人より優遇する理由を我々は持っおおりか぀そういうポリシヌは䞍公正だずScanlonは考える

    • それぞれの人物に぀いお自分だけを優遇する原理を奜む理由があるそれらのうち1぀の原理が拘束力を持ったずしおそれを支持する理由がほかにない堎合を考える
      • その人物が優遇されるこずを望む理由だけが正圓化なしに他人のより䞊回っおいるこずになる
      • 原理1぀を遞ぶのが恣意的だずいうのはこのこずによっおである
      • さらにその原理を拒吊可胜にもしおいる
    • この反論は固有名を本質的に䜿っおいる原理や「八癟長」的な蚘述に䟝存しおいる原理に圓おはたる
  • もちろん恣意的でないしかたで1人の人物に奜意的な原理ずいうのもありうる

    • これは「八癟長」で優遇されるひずを遞んでいるわけではない重荷を公平に分け合うずいう理由があるので
      • 特定の人物の䟿益願望に応答しお他人の同様の䞻匵を無芖しおいるわけではない
    • 特定の蚘述を満たすひずに倧きな䟿益を䞎える〔require〕こずを目的ずした協調枠組みもありうる
    • 党員が貢献しなくおも事足りるずきには貢献から解攟されるひずを公平なメカニズムで決めるずいう枠組みもありうる
    • 〔重荷を公平に分け合うずいうこずであれば圓たったや぀に重荷を党郚茉せするのも公平なのでは→臓噚くじは公平ではあるけどべ぀の理由でだめずいうこずかも〕

6. Reasonable Rejection

〔pp. 213-218〕

  • 〔この節の流れ合理的拒吊可胜性をなにに基づいお決めるか〕

    • 〔暩利に基づいお決めるなら契玄説は䞍芁になっおしたうずいうわけではない〕
    • 〔犏利に基づいお決めるしかないわけではない〕
      • 〔犏利に基づいお決めればうたくいくずいうのはよくある誀解これは誀解する事情がちゃんずある〕
        • 〔理論ぞの2皮類の埪環批刀に䞀芋うたく答えおいるように芋えるからでも実際はダメ〕
      • 〔契玄説は犏利に基づかなくおも理論ぞの2皮類の埪環批刀に応答できる〕
  • ある原理が理にかなったしかたで拒吊可胜かどうかを決めるにはいく぀もの芳点から怜蚎しないずいけない

    • 䞻な受益者の芳点この原理には匷い総称的理由が䞻匵できる〔there 
 be reasons to insist on the principle〕これより取り分が枛る原則は拒吊する総称的理由もある
    • その原理に制玄される行為者やべ぀の原理の受益者の芳点〔制玄されたり取り分が枛ったりするので〕拒吊する理由がある
    • どんな考慮点なら総称的理由ず呌ぶに倀するのか
    • 総称的理由どうしが察立したらどう評䟡したらいいのか
  • 暩利性ずいう前芳念〔prior notion〕に蚎えお答えるのだずするず契玄説の枠組みは䞍芁になる

    • だから契玄説のテストを適甚するずきには暩利や資栌〔entitlement〕の䞻匵はやめそういう䞻匵のないケヌスに泚目しないずいけないように思えるかもしれない
    • これはある原理に䞎する総称的理由や反察する総称的理由の盞察的な匷さはいろいろな立堎のひずの犏利にもたらす原理の効果や効果の䞍圚の関数になっおいるべきだずいうこずだず思えるかもしれない
    • この堎合問題になるのは犏利ずいう芳念をどう理解するかそしおこの意味での犏利が理由の匷さずどうかかわるかずいうこずになる
      • 遅れをずったひずの犏利が最䜎氎準になるずいうのが最匷の反察事由になるのか
      • 栌差が最倧になっおしたうこずが最匷の反察事由になるのか
      • それずももっずいろんな芁玠が入る などなど
  • 契玄説は暩利性ずいう前芳念をたったく䜿わないず考えるのは魅力的だが誀解

    • 問題ずなっおいる原理じたいが前提する資栌に䟝拠しお決めるのがたずい埪環になるからずいっお正も資栌も想定しないで「理にかなったしかたで拒吊可胜性」を評䟡しないずいけないわけではないむしろそんなこずは䞍可胜
    • さたざたな立堎の個人の厚生にもたらす含意を基瀎に原理を評䟡したのずほが倉わらないケヌスであっおもほかの道埳䞻匵を前提しおその原理を理解する文脈を䜜っおやらないずいけない
  • 䟋必芁に応じお互いを助ける矩務を定矩する原理

    • 厚生を考慮するのが優勢なケヌスに思えるが暩利の枠組みなしではこの原則を理解できない
    • 必芁ずされる資源を䜿う暩利が揎助者にある〔よそから盗んで揎助にたわしたらだめ〕ずかほかの競合する矩務から自由であるずかでないず行為者はだれかを助ける立堎に立おない
      • 揎助される偎であるこずずいうのも同様に暩利がかかわるこずだ
    • 原理のスコヌプ芁求される行為の範囲を理解するには暩利の枠組みを前提する必芁がある
      • 契玄説もほかのほずんどのたずもな立堎ず同様に道埳的正圓化に぀いおの党䜓論を䌎う
  • 契玄説は犏利だけが問題になるような正圓化の「根本氎準」があるずいう考えに基づいおいない楓理が理にかなったしかたで拒吊の基瀎の構成芁玠ずなるずしおも根本氎準があるずいうのは誀解

    • 誀解1犏利の喪倱で苊しむ可胜性が道埳的議論においお力を持぀ずいうのは実質ある道埳的䞻匵である〔ないずいうのが誀解〕 - ほかの道埳的考慮点よりも優越した地䜍をこの䞻匵に䞎えるこずになるので
    • 誀解2ほかの道埳的考慮点が出おこないケヌスかどうかを決めるのは特定の道埳枠組みである〔枠組み䞭立的だずいうのが誀解〕 - 犏利の埗倱が優越するこずもあるし責任に぀いおの問い自分の倱敗で起きたずいうこずが揎助しおくれずいう䞻匵を匱めるかどうかなどが出おこないこずもある - でもどれがそのケヌスなのかは道埳的前提なしでは決たらない
  • 理にかなったしかたで拒吊を蚈るのに犏利を基瀎ずしお䜿わないかぎり契玄説はたずい埪環論法になっおしたうず思えるかもしれない

    • だがそうなっおしたうのは道埳䞻匵のなかで犏利䞻匵だけが特別にさらなる正圓化を必芁ずせずほかの道埳䞻匵が説明するこずの基瀎ずしお犏利だけが適切であるずいうずきだけ
    • よくある芋方なのでなぜこの立堎が受容可胜に芋えるのかずいうのは説明する䟡倀があるこずだ

〔なんで犏利を基瀎にした立堎が特別に魅力的に芋えるのかの錯誀理論〕

  • この芳点からのこの総称的理由はもしくは原理を拒吊するのに関連するかもしくは決定的でさえあるずいう䞻匵に反論する方法は2方向ある
    • 方向1問題の考慮点がそもそも総称的理由になっおいるかどうかを疑問に付す
      • 同じ立堎のひずならだれでも気にかけるべき理由がある考慮点なのかどうか
        • 〔総称的理由だず称されおいる考慮点をcare aboutする理由ずなっおいる぀たり理由の理由になっおいる次のパラグラフの䟋を参照〕
    • 方向2契玄説が蚘述するような盞互的正圓化によっお重みが䞎えられおいる理由なのかどうかを疑問に付す

〔pp. 215-216〕

  • この2぀の反論方法は「埪環」ずいう批刀が2ずおりあるのず察応しおいる

    • この原理は䞍公正だから拒吊するのが理にかなっおいるずいう䞻匵を考えよう
      • 批刀1問題の状況にあるひずは䞍公正さそれじたいに反察する理由を持っおいるず前提しおいるじゃないか
        • 犏利が枛らない堎合にも䞍公正さを気にしないずいけないのはなぜか
      • 批刀2「䞍公正さ」を基瀎にした反論が道埳的効力を持぀ず前提しおいるじゃないか
        • だれかがこの反論をする〔raise〕理由を持っおいたずしお疑問を受け入れる理由を持぀こずになるのは盞互的正圓化を考慮しおいるや぀〔Scanlon掟〕だけ〔ほかのひずは䞍公正さを基瀎にした反論に道埳的効力を認めないかもしれない〕
  • 埪環からの批刀が犏利を考慮する堎合だけは無効になるず考えるのはなぜか

    • 第1の批刀の堎合
      • 苊痛や怪我を避けお䟿益を埗たいず望む匷い理由が個人には兞型的にあるずいうのはたしかだ〔これが犏利が基瀎に芋える事情の1぀〕

      • でもそれだけがひずの望みではない具䜓的な䞍利益だけが原理を拒吊する理由になるのはなぜか〔ずいう問いは残っおいる〕

      • 〔いっぜう契玄説はどうか〕あるこずが契玄説的でない基準に蚎えるず䞍正であるずいう事実を䜿っお原理を拒吊する理由を䞎えおいるならたしかに埪環だ

      • でも契玄説的でない基準か犏利喪倱かずいうだけが反察事由〔の候補〕ではない

      • ひずに぀いお恣意的に優遇䞻匵をする原理はだめなぜならそれは䞍公平〔unfair〕だからずいう理由もある

        • これはそういう原理が䞍正だずかその原理が蚱可する慣習が䞍正だずかいう考えに䟝存した理由ではない
  • 犏利1本に還元せず異なる道埳芳念を統䞀された道埳枠組みで扱える点がほかの説にはない契玄説の重芁な匷みだ

    • これをうたくやるには個々のケヌスでそういう芳念を取り蟌んだ原則を䞻匵する理由をひずはなぜ持぀のか逆にそういう芳念を取り蟌んでない原則はなぜ合理的拒吊可胜なのかを説明しないずいけない
    • 公正さがないずだめずいうケヌスに぀いおはさっきやりたした
    • 遞択の道埳的効力責任に぀いおもあずでやりたす
  • 埪環からの批刀が犏利を考慮する堎合だけは無効になるず考えるのはなぜか 第2の批刀の堎合はどうか

    • 犏利の効果から出るや぀以倖の総称的理由もあるずいう䞻匵をしたずするずこれは単に実質ある道埳的䞻匵であっおたずい埪環になっおいるずいうのがこの批刀の䞭身
      • 〔ifの䞭身もややこしいがこれはgeneric reasons not arising  を relevant objections to a principleずしおcountするずいうこず次のthis can onlyはif節党䜓を指す〕
    • 犏利以倖の総称的理由などないずいう䞻匵だず第1の批刀ず同じこずなので第2の批刀は犏利以倖の総称的理由もあるけどそれは道埳的に重芁ではないずいう批刀ずしおずらえるこずにしよう
  • 第2の批刀ぞのScanlonの応答

    • この考慮点はある原則を拒吊するための関連する理由や決定的理由を構成するなあずいう刀断はどんな考慮点に぀いおの刀断であろうず道埳内容を備えた刀断〔a judgement with moral content〕である
      • だが「よい人生ずはどんなものか」に基づく理由が問題になっおいる堎合だずこのこずは芋過ごされがち
      • 犏利は1人の理性的個人の芋地から単玔に取り出しおこられるwell-definedな芳念ではない3章で論じたように個人の犏利の境界がどこたでかは䞍可避的にあいたい境界を決めるにも実質ある道埳的遞択が必芁だ
  • 埪環を免れおいないのは「犏利説的契玄説」だけではないずした堎合でも「犏利説的契玄説」は提案された原則を拒吊するのにこれは理由になるかなずいうのを査定する基準が犏利の特定の抂念把握だけだずいう䞻匵になるこれは正䞍正の本性に぀いおのずおも匷い䞻匵だ

    • 契玄説の構造はどれも同様だず思われるかもしれない
      • 原則の理にかなったしかたでの拒吊に䜿える基瀎を特定する
      • 基瀎どうしの盞察的な匷匱を決める方法を特定する
  • しかしScanlonの契玄説はこの構造をずらないべ぀の目的がある

    • 道埳のこの郚分〔原則の合理的拒吊〕の䞻題ずなるこずがらずその芏範的基瀎ずに統䞀された説明を䞎えるこず

    • 明らかな実質的含意もある責任の道埳の䞭心抂念ずしお「理にかなったしかたで拒吊䞍可を基瀎にした他人ぞの正圓化可胜性」をずるので排陀される考慮点があるし他人をすべお関連するもの〔definitely relevant〕ずしお扱うこずになる

      • この含意はこれ以降の節で詳しく芋る
    • だがこれですべお説明されたずいうわけではない

      • たずえ犏利説的契玄説をずったずしおも状況を特定したずきにどの犏利枛少が原則の合理的拒吊の基瀎になるのかに぀いお我々の刀断に頌らないずいけない
      • これはScanlonの契玄説でも同じでどの考慮点が基瀎になるのかに぀いお刀断しないずいけない〔 , we must exercise judgement  〕
    • 基瀎に぀いおもっず狭めた契玄説もありうるしかぎられた道埳領域ではそれは目指しおよいず思うがいた提出しようずしおいる氎準の䞀般的な理論ずしおは芋蟌みがないずも思う

    • いた提出しようずしおいる氎準ずは぀たり「道埳」の党領域ではないにせよお互いさたであるこずずいう倧きな郚分をたかなう説明であるこの問い〔どの考慮点が基瀎になるのかの問い〕にはこの説の内実をもっず説明しおから10節で戻っおくるこずにしよう

7. Impersonal Values

  • 合理的拒吊可胜な原則の必芁条件は以䞋のいずれかを満たすこず

    • 自分の実践的思考の䞀郚ずしおその原則を入れるのを拒吊するよい理由がふ぀うある
    • 他人はそれを正圓化に䜿うずしおもその考慮点を基瀎ず考えるのを拒吊するよい理由がふ぀うある
    • 理にかなったしかたでの拒吊に際し以䞋は満たさなくおよい
      • その原則が蚱諟しおしたう行為の 垰結が理にかなったしかたでの拒吊の理由になっおいる
      • その原則が蚱諟しおしたうある行為が䞀般的に実行されるこずの垰結が合理的拒吊の理由になっおいる
    • よい理由があるほかの䟡倀を認識〔recognize〕できなくしおしたうずいうのも拒吊の基瀎になる
      • 䟋友人もよそものも厳密な意味で䞭立的に扱えずいう原則は友愛の䟡倀や態床ず盞容れないから受け入れられない〔この堎合にどっちが拒吊されるかは決たらないず思うのだが友愛は契玄説からもっず盎接的に出おくるず蚀えるかもしれない〕
  • 理にかなったしかたでの拒吊に際しその原則を受け入れたずきや他人にその原則を受け入れさせたずきにその犏利にどういう圱響があるかに基づいた理由である必芁もないず論じたたずえば公平さに぀いお論じたずき正圓化なしで他人に特暩的な道埳的地䜍を䞎えるずいうだけでそういう原理を拒吊する〔公平さのある原理でなければダメずする〕のに十分だず䞻匵した

    • しかし犏利じゃないずしおも個人的䟡倀ず呌びうるものではあるかもしれないだっお特定の立堎にある個人の地䜍やそこからの䞻匵に基づいおいるから
    • では䞍偏的な基瀎によっお原理が拒吊されるずいうこずはあるのだろうか
  • ないずいかんように思える

    • 倚くのひずがグランドキャニオンずかを壊しおはいけない理由をそれはそれじたいに䟡倀があっお保護し尊重すべきだからだず考えおいお壊すこずが個人の利益や䞻匵ず矛盟するからだずは考えおいない
    • この皮の䞍偏的理由ずいうのがあるずしたらこれを原理理にかなったしかたで拒吊の基瀎ずしお考えおいけない理由はなにかあるか
    • グランドキャニオンの䟡倀がそれを保護したいず私が思う理由ずなっおいるのだずするうずそれがグランドキャニオンの䟡倀を無芖しおダムを䜜るこずを蚱諟する原理を拒吊する理由にならないわけがあるか
  • この問いに答えるうえではいた特城づけようずしおいる道埳はどの郚分なのかが重芁になる

    • 答えたいのはあるカテゎリヌの道埳抂念぀たり「お互いさたであるこず」の芁請である
    • 原理拒吊理由はほかの個人に負っおいるこずを考慮するずいう特定の圢匏ず察応しおいる䞍偏的理由はこの圢匏にならない
    • 察象じたいの䟡倀から来おいるのであっお他人ずの関係に存するなにかから来おいるのではないから
  • 叀代遺跡を砎壊しおもだれかに䞍正を働いたこずにはならないからずいっおそうしない理由はなにもないずはならない

    • もっず広い意味で「䞍正」を䜿えばやはり砎壊は䞍正だ
    • 他人に負っおいるこずに基瀎がある理由ではないずいうだけ
  • ずいうわけで䞍偏的理由は理にかなったしかたでの原理拒吊の基瀎を提䟛しないが理にかなったしかたで拒吊のほかの基瀎を決定するのに重芁な圹割を果たしおいる

    • いろいろなしかたでそうなるがたずえば個人が䟡倀ある掻動に埓事できるようにするずいう利益に基づいたしかたがある
      • 䟋グランドキャニオンを壊したら蚪れお満喫できなくなっおしたう
      • これは個人的理由だが理由ずしおの効力は䞍偏的䟡倀に぀いおの刀断に郚分的に䟝存しおいる
  • 原理を拒吊する総称的理由はその原理から出おくる実践的掚論が自分の持っおいるほかの䟡倀ず衝突するずいうずころからも出おくる

    • するず䞍偏的理由を無芖するからずいうのは拒吊理由にならないだろうか
  • だが圓該の原理が䞍偏的理由を無芖するこずを蚱可〔permits〕するだけなのであればこの皮の基瀎で拒吊するこずはできない

    • 正䞍正の話ではないから
  • 圓該の原理が䞍偏的理由を䜿うこずを犁止したずするずこれは真正の察立になる

    • 䟋1自然物を壊そうずしおいたら止めろずいうのは他人干枉犁止原理の䟋倖になりうるが無芖される
    • 䟋2ひずの呜をなるべく助けろ原理はほかの皮の絶滅が唯䞀の手段でもそうしろずいう
    • 䟋3玄束守ろう原理は傷぀いた動物を苊しめお死なそうずしおいるずしおも守れずいう
    • 4章のおわりでやったように契玄説を「受蚗関係」で解釈した堎合動物の受蚗者が理にかなったしかたで拒吊するこずを考えるこずもできるだがこの解釈がなくおも動物の苊痛は䞍偏的に悪いこずから拒吊できるず考える
  • 特定の䞍偏的䟡倀を認識しおいるひずは受け入れられないような原理の䟋をあげた

    • このこずが原理拒吊理由ずしお通るかどうかは䞍偏的理由぀たりそれがほんずに䟡倀があるのかに䟝存しおいる〔泚23〕
  • だが原則拒吊する際に考えなければならないような理由だず蚀ったからずいっお䟋倖を蚭けない原則でもその理由で合理的拒吊可胜だず蚀ったこずにはならない

    • 総称的理由がどう競合するかによっお倉わる぀たり䞍偏的䟡倀に぀いおどういう結論を出すかで倉わる
    • 䟋3の堎合動物の苊痛ず人間の䞍䟿ずのどっちが責任に匷く圱響するかで倉わる
  • 䞍偏的䟡倀はそれじたいが原則拒吊理由にはならないがなにがお互いさたなのかをこれ抜きで決めるこずはできない

    • 2぀のカテゎリヌの䟡倀が察立したずきその察立を和らげはするがなくしおしたうわけではない

8. Priority for the Worst Off?

〔Let me  〕〔It is  〕〔The idea  〕〔The cases  〕〔This priciple  〕〔These principles  〕〔The two  〕〔We have〕

  • この原理を受け入れおもらわないず最悪の状況になるひずずいうのがいるずきそい぀の立堎から出た理由に特別な重み付けをするべきか

    • Rawlsの栌差原理ではそういうこずをやっおいる
    • 契玄説の掚理にはこういう重み付けをするずいう䞀般的な特城があるのだろうか
  • この特城はあるしかしそれは契玄説の特城ずいうより特定の原理を拒吊する特定の総称的理由に぀いおの事実を反映したものだ

    • 〔そういう原理があっおそこには重み付けが効いおいる〕
    • この圢をずらない道埳の論法も契玄説の重倧な䞀郚ではある保護や保蚌の圢をずる原理なんかはそうだ
  • 保護や保蚌ずいう圢をずる原理の堎合よりも財の分配に぀いおの原理の堎合のほうがこの重み付けは受け入れられやすくなる

    • 契玄説による正圓化の䞀般的な構造を芋るかわりにこの特別なケヌスで考えよう
  • 救難原理ダバい窮状をわずかな献身で救えるならばそうせよ

    • 理にかなったしかたで拒吊䞍可原理の1぀だ
    • 際限ない犠牲をほんの少しの前進のために芁求するこずがなければ
    • 〔再分配を動機づける原理になっおいる〕
  • もっず激しい献身を芁求する匷い原理もありうるが、もっずちがう状況に適甚される匱い原理もある

    • 助力の原理重倧な犠牲なしで揎助できるならそれがダバい窮状から救うのでなくおも揎助せよ
    • 助力の原理も理にかなったしかたで拒吊䞍可原理
    • 〔これも再分配を動機づける原理になっおいる〕
  • ずころが救難原理も助力の原理ももっずゆるく〔less narrowly〕線匕きしたら理にかなったしかたで拒吊可胜になる

    • 〔わりこみ原理〕決定するずきにはい぀も自分の利害ず他人の利害ずに同じ重み付けをせよ
    • このわりこみ原理が理にかなったしかたで拒吊可胜なのは適甚するたびにコストを比范しおのこずではない
    • この原理を受け入れたずきの䞀般的コストがだれにずっおも高すぎるずいう総称的理由から可胜になっおいる〔決定に際しお重み付けずいう仕事が぀ねに割り蟌んできお決定が難しくなっおしたうから〕
    • ぀たり理にかなったしかたで拒吊の可吊を考えるにあたっおきわめお䞍偏的な掚理をするず個々の決定を䞍偏的にやるこずは必須ではないずいうこずになる
  • もずの救難原理や助力の原理は個々の刀断にわりこみ原理ほど割り蟌んでくるこずはないので理にかなったしかたで拒吊䞍可だ

    • 〔ただし〕契玄説はそれだけではどのぐらいの氎準の献身を芁請するかを特に定めるものではない
    • 〔だからどのぐらい割り蟌んでくるかの刀断は必芁だが〕この刀断はどんな説でもなしですたすこずはできない
      • 〔救難原理は拒吊䞍可わりこみ原理は拒吊可胜でその線匕きを契玄説が提䟛できるわけではなく刀断が必芁だがそれは契玄説特有の欠点にはならない〕
  • 救難原理は助力の原理より匷い

    • 高い氎準の献身を芁求する
    • 2぀の原理が察立する堎合は救難原理が優先される
    • これは救難原理を匱めるこずを拒吊する総称的理由のほうが匷いずいうこずを反映しおいる
      • 〔救難原理の芁請よりも助力の原理の芁請を優先しお満たすずいうこずを拒吊する総称的理由のほうが効力がでかいずか〕
      • 〔たずえば自助原理みたいなや぀を考えるず助力の原理の芁請ずぶ぀かったずきは自助原理の芁請が勝぀が救難原理の芁請ずぶ぀かったずきは自助原理の芁請が負けるずいうこずもある〕

〔With these principles  〕〔Does contractualism  〕〔As I  〕

  • この掚理には最悪になるひずぞの重み付けが反映されおいるのか

    • これがわかりやすいのは2人のうちどちらか片方しか助けられないずき
    • Nagel: 珟時点の質ではなく人生党䜓の質で芋お悪いほうを助けなさい
  • 〔先に䟋を出しおおく〕

    • 〔Aいた助けるず1ヶ月苊したないがいずれにせよその埌5幎苊しむ〕
    • 〔Bいた助けるず2ヶ月苊したないがいずれにせよその埌苊したない〕
    • 〔どっちを助けるべきですか〕
  • 人生党䜓の犏利の質を無芖しお助けられたずきの犏利の差分で決めるずいう原理が犏利が䜎いほうの立堎からみお理にかなったしかたで拒吊可胜ならばNagelはたちがっおいる〔Nagelは人生党䜓を無芖しおもよいずいうケヌスがあるず蚀っおいるので〕

    • このこずは救難原理が助力の原理より匷いずいうこずから導けるず思えるかもしれない
    • たしかに救難原理の察象になる危機に瀕しおいるひずずいうのは人生党䜓でもやはり犏利氎準が䜎い
      • 溺れおいるひずはほっずいたら死ぬ〔人生党䜓の犏利が小さくなる〕
    • だが危機に瀕しおいるひずを助けるずいうのは助けたずきの犏利の差分ずいう点でもやはり倧きいこずが倚い
    • だからこれだけではNagelが正しいかどうかは決たらない
  • 違うmodesを考えるず皋床の問題かどうかははっきりするがそのずきに〔人生の犏利の〕氎準のちがいが道埳的効力を持぀かどうかははっきりしない

    • Bが腕1本倱うかAが手銖を骚折するかを遞ぶずきAの人生これたでうたくいっおいたずか逆にAの人生が䞍運にも挫折に芋舞われおきたずかいうこずが関係あるか

      • 〔差分が倧きいのでBを助けるこずを芁請する原理があったずきこれたでの人生ずいう初期状態を持ち出すこずでその原理を拒絶するのを基づけられるか〕
      • 〔この䟋では身䜓的危害ず目暙達成ずのあいだでmodeがそろっおない〕
    • Scanlonずしおはないず思える〔mode, aspectを揃えおいないから〕

  • 悪いほうのひずを優先せよずいうのは助かったこずで䞊がる犏利の偎面ず悪いほうのひずだずいうずきの悪さの偎面ずをそろえるずわかりやすい

    • 〔苊痛でそろえた䟋〕以䞋のどちらを助けるか遞ばないずいけない
      • Aいた助けるず1ヶ月苊したないがいずれにせよその埌5幎苊しむ
      • Bいた助けるず2ヶ月苊したないがいずれにせよその埌苊したない
    • Aの立堎からはBを助けるこずを指什するような原理を拒吊する総称的理由がある
    • これはじ぀はAのほうが差分も倧きいのだからあたりたえだずいうひずもいるかもしれないが未来の芋通しが暗いせいでAが自分に1ヶ月でも痛みがないこずを高く䟡倀づけるずしおもそれがBの2ヶ月の苊しみに倀するほどかどうかは疑わしい〔だからAのほうが差分が小さいずいうゞレンマ的前提のたたでよい〕
    • だからAが自分の苊痛に぀いおなにかしおくれずいう䞻匵を匷めおいるのはAのほうが状況が悪いずいうこずに他ならない
  • ずいうこずで犏利の氎準が悪いほうを優先するずいうずきNagelのいうように人生党䜓の質を芋るのは誀りで犏利の特定の偎面での氎準だけが関連する

    • 「他人の犏利を増倧させる矩務」ずかは党偎面を察象にしおいるが我々の匷い矩務はすべおもっず狭い圢をしおいる
  • これはRawlsの栌差原理ずのちがいでもある

    • 栌差原理はすべおの遞択に割り蟌んでくるものではない基本的な瀟䌚制床の正矩を評䟡するためのもの
    • 人生党䜓の質は個人の行為の原理よりもRawls的な正矩の原理にずっお重倧である
  • 栌差原理は平等な䟿益配分の原理だ問題はそこから離れるこずが正圓化されるか正圓化されるずしたらい぀か

    • 最悪なひずを優先するのは博愛䞻矩から来おいるのではなくお䟿益の配分が本来の平等より少ないから〔だからほんずうに優先ずいうわけではない〕
  • Nagelは平等の抂念から䞀般的な優先性が出おくるず考えおいたこれは悪いほうの窮状がそれほど悪いわけではなかったずしおも本人の責任なく差が倧きくなっおしたうのはたずいずいうもの

    • だがこれはRawlsのもっず特定された〔制床の評䟡だけに絞った〕平等や契玄説が䜿っおいるもっず䞀般的な〔個人にも適甚される〕合理的拒吊ずは異なる

9. Aggeregation

[All 
][These 
][The 
]

  • Parfit 1991Scanlonのモデルは「䞍満モデル」〔Complaint Model〕だろ その原理が適甚されたら困るずいう個人の総称的理由によっおのみ原理を拒吊しうる

    • ちょっずちがいたす
      • ある原理に反察するなら反察者は自分がそれに圱響を被るのでないずいけないずいうこずはないたずえば䞍公平な原理はその原理を受け入れるず自分の立堎が悪くなるのでないずしおも拒吊可胜
      • 犏利のような䟡倀が盎接的に圱響を受けるずいうこず以倖に背景にあるほかの原理ずの関係からも拒吊可胜
  • でもおおむねそれで合っおいお個人の総称的理由に着目するのが契玄説のいいずころ

  • 垰結説は単玔な構造ず䟡倀を犏利など単䞀のものに限定するのが魅力だが目指すのがその䟡倀の和の最倧化なのでぞんなこずを正圓化しおしたう

    • 小さな䟡倀をじゅうぶん倧量のひずにもたらすならば倧きな犠牲が正圓化されおしたう
    • 契玄説は個々人䞻矩をずるからこれを正圓化せず魅力がある

[These 
][Another 
][There 
]

  • でも契玄説のほうにもそれはそれで問題になる䟋がある
    • ちょうど同じだけの害を被るひずが䜕人かいるこのひずたちをふた぀の集団に分けお片方だけを助けられるずするこのずき人数が少ない集団を助けるこずを指瀺する原理が人数が倚い集団を助けるこずを指瀺する原理ず同じ重みになっおしたう
  • 解決案1個人の総称的理由だけでなく集団の総称的理由も認めるこずにしおは
    • だめ契玄説の魅力が枛っおしたう
  • 解決案2人数が圱響しないこずを認める
    • お互いさたであるこずの理由からはどちらの原理に埓うのも狭矩の䞍正にはならない呜をたいせ぀にずいうのはお互いさたずはべ぀の理由なのだ
    • ず決め぀けるのははやい
  • そもそも原理の拒吊をはかる䞍満の匷さがその原理の受け入れで圱響される犏利だけで決たるずいう䞍満モデルをScanlonはずっおおらず犏利以倖の芁因も認めおいる
    • なにが正しいかが考慮点合算に䟝存するこずもあるこれはなぜかの説明が芁因が倚様であるこずから提䟛されるかどうか考えよう

[As 
][What 
][This 
]

  • 前節では盞互扶助の原理などを芋たがここでは他人ぞの臎傷や臎死を避けるこずを矩務づけるが集団のうち倚いほうず少ないほうずどっちを救うかは奜きに決めおよいずいう原理〔奜きに決めよ原理〕を考えよう
  • 倚いほうの集団に属する個人から芋おこの原理に反察する理由はなんだろうか
    • この原理は私の呜を軜芖しおいるこの原理に埓う救呜者は私がいないずき倚いほうの集団の人数が1人ぶん少ないずきでもいるずきでも行動を倉えない奜きに決めるのだから
  • たしかに助けられるべきひずをそれぞれ同じぐらいの道埳的効力ずしお扱わないこの原理は理にかなったしかたで拒吊可胜だ
    • 2集団が同数のずきどちらを助けるかの理由は釣り合う片方の集団に1人加わった堎合加わったほうのひずの芁求にはこの釣り合いを砎る〔道埳的〕効力がある
    • 奜きに決めよ原理のほかコむン投げで決めよ原理もこれで理にかなったしかたで拒吊可胜だ
    • 〔人数に比䟋したくじで決めよ原理ならただ生きおいるこれはすぐあずに出おくる〕

[Consider, then, a 
][It would be 
][This argument is 
][As argued above, 
]

  • では倚いほうを助けよ原理を考えよう少ないほうの集団に属する個人から芋おこの原理に反察する理由はなんだろうか

    • べ぀の原理だず自分にいいこずがあるずいうのは理にかなったしかたで拒吊を提䟛できないほずんどの原理はそういうものだし代替原理ずなる奜きに決めよ原理はさっきの匷い反論にさらされる
  • 圓為を決めるに際しお人呜にそれぞれ等しい正の重みを䞎えるのでない原理は理にかなったしかたで拒吊可胜だ

    • 倚いほうを助けよ原理のほかに人数に比䟋したくじで決めよ原理(Broome 1984)もこの制玄を満たす
  • くじで決めよ原理は人数が倚い集団に属するひずが確実に助かるわけではない倚いほうを助けよ原理には負ける

    • ただしこれはくじずいう手続きが問題なのではないえり奜みよりはくじずいう原理はありうる
    • 問題はよい実質的な理由によっお原理が支持されおいるかどうか〔えり奜みよりはくじ原理には〕そういう理由がある
  • 倚いほうを助けよ原理は少ないほうの集団に属するひずの存圚も重みづけおいるそのうえで倚いほうを助けるこずは少ないほうの集団に属するひずに察しお䞍公正ではない

    • くじで決めよ原理も重みづけは反映されおいるだが重みづけを重み぀きくじの圢に倉える理由がない
    • 〔倚いほうを助けよ原理は少ないほうを無芖しおいるのではないからくじに反映される重みづけは倚いほうを助けよ原理にもあったものくじ原理にだけあるものではない〕

[I conclude that 
][Suppose that Jones 
]

  • 倚いほうを助けよ原理のここでの擁護は䞍満モデルずはちがうが契玄説の個々人䞻矩的な基瀎はただ残っおいる

    • これを入れたこずで受け入れがたい合算の問題が生じるこずはないず思うが以䞋の䟋で確認しよう
  • テレビ局がW杯の䞭継をやめないずゞョヌンズが腕を倱うケヌス芖聎者数に応じお䞭継をやめるかどうかを倉えるべきか

    • はやくやめるべき契玄説ならこれを説明できる
  • ゞョヌンズのようなひずを助けよず呜ずる原理を考えよう

    • 深刻な苊痛や臎傷からは楜しみを劚げる䞍䟿があっおもその人数に関係なく救え原理
    • 芖聎者が倚いほうを助けよ原理のずきのようにしおこれを理にかなったしかたで拒吊するこずはできないず思われる
    • 被る害がゞョヌンズず芖聎者ずで同じではないため釣り合いが成立しない

[It might be 
][It is important 
][This question is 
][The first question 
][My purpose here 
][The argument just 
]

  • これは行きすぎでは いたのず同じような〔芖聎者の〕䟿益を足し合わせお個々人ぞのもっず倧きなコストを埋め合わせるずいうこずがあるのでは

    • ゞョヌンズのような害を被る䜜業者が出るのがかなり確からしいずしおも芖聎者の楜しみのためにテレビ塔を建蚭するケヌス
    • さっきのケヌスずのちがいを説明できるか
  • 小さい䟿益を他人に䞎えるために倧きな害を䞎えたり助けを差し控えたりするのが意図的なのかそれずも偶然の事故なのかずいうこずに泚意するず我々の反応はよくわかる

    • さらに建蚭ケヌスが蚱されるかどうかは安党配慮がちゃんずされおいるかどうかや䜜業者がリスクを匕き受けるかどうかを遞べるかどうかにも䟝存する
    • だからこの堎合の問題は安党配慮が適切かどうかそれずももっずしっかりやらないずだめなのかずいうこずになる
  • この問題は2段階になっおいる

    • 第1段階どういう氎準の配慮が適切なのか
    • 第2段階その配慮が満たされおいるか
      • この第2段階は䟿益を埗るひずの人数ずは関係ない
  • 第1段階のほうは他人ぞの深刻な危害のリスクを䞎えおしたうこずやそれに䟝存しおしたうこずが䞖にたくさんあるので䞀般的な問題ずなっおいる

    • リスクを枛らす配慮が適切にされおいれば深刻な危害のリスクがあっおも蚈画を蚱容するずいう原理に぀いお考えよう
      • そういう配慮にもかかわらず倧けがしたひずの立堎からするずこの原理を拒吊する総称的理由は明らかだ
      • 他方で間接盎接に䟿益を受けるひずびずには厳栌すぎる配慮に抵抗する総称的理由があるだろう
  • この手の問題に぀いお䞀般に思われおいるこずは誀解かもしれないずいうのももっず高い氎準の配慮が芁請されたずきに支払わないずいけない犠牲が倧げさに考えられおいるので

    • ここでの芁点はこの議論がどういう圢匏をずるべきなのかにある
      • どういう結論が出るべきかずいう実質的な問いではない
      • 契玄説個人の人生のなかでの合算は認めるが別人の人生どうしの合算は認めない
    • ここでも必芁なのは個人の人生のなかでの合算だけだ小さい利益の合算をしないず第1段階の問題に答えを出せないずいうのは気のせいだ
    • 泚42契玄説でも別人の人生どうしの合算を認めるケヌス建蚭は蚱容できないわけではないが建蚭しないほうがマシずいうこずはありうるたた公共資源の利甚法ずしおよいかずいうのを考えるずきにも個人間合算は必芁だず論じるこずもできるだろう
  • 個人内合算を持ち出すのはアドホックな手段ではないこれたでにも述べおきたずおり原理を拒吊する総称的理由には特定のケヌスでその原理に埓ったずきの個人の費甚䟿益だけではなくその原理の䞀般的な圱響も含たれる

    • ここで問われおいる原理は1時間の極床な苊痛から1人を救うためならどれほど倚くの人間が䞍䟿するずしおもかたわないずいうもの
    • 問題はこの原理が䞀般的に受け入れられたずきにこの原理を理にかなったしかたで拒吊できるほど匷い個人内合算された垰結が生じうるかずいうこずだ
      • Scanlonずしおはありそうもないず考えるしこの原理に近いものに実際われわれは埓っおいおたいしたこずのない費甚〔の個人内合算〕でこういうこずが起きるのはじゅうぶんにたれなこずだず思える
      • もちろんこういう䞀般的救難に察しおそれぞれの支払う犠牲をはっきり理解したら犠牲が倧きすぎお拒絶するのもむりからぬこずだず結論づけるのかもしれない残酷ではあるが䞍正ではないのだずいうわけで
    • ポむントは契玄説の枠組みでも攟送ケヌスず建蚭ケヌスずが区別できるずいうこず
    • 泚43はこの原理ず救難原理ダバい窮状をわずかな献身で救えるならばそうせよずの関係に぀いお救難原理が理にかなったしかたで拒吊䞍可的であるこずの芁玠ずしおこちらの原理にかかるコストがあげられるず述べおいる

[I have argued 
][The second objection 
][This might be 
][Could such a 
][This is still 
]

  • ここたで契玄説が支持する原理は個人どうし被る害が同じなら人数が倚いほうを助けよずいうものではあっおも小さな害を被るおおぜいのひずをもっず深刻な負傷に盎面するが数は少ないほうよりも助けよずいうものではないず論じおきた

    • 前者では人数が道埳的に関係するのに埌者では関係ないずいうこずになるこのこずに぀いお少なくずも2぀の反論がありうる
    • 反論1ほんのちょっずだけ害の倧きさが違う堎合埌者だずいうこずになるのか
      • 回答前者ず埌者ずの区別を぀けるのは道埳的深刻さに぀いおの広いカテゎリヌのちがいだ
      • 苊痛が少し長匕くずか指を2本ではなく3本倱うずかはずおも深刻な喪倱ず䞭皋床の喪倱ずのちがいにはならない
  • 反論2前者の原理であたり受け入れられない垰結が出るこずもあるのでは

    • 溺れおいるひず1人を助けるためにビヌチにいるおおぜいのひずに海に入らないように譊告をしないケヌス海は汚染されおおりここで海に入るず死にはしないが深刻な危害を被る
    • Scanlonの立堎では䜕人が深刻な害を受けようが呜を救うほうが蚱容されるしそれが芁請されるこずにすらなっおしたう
  • もちろん1人の呜ず1人の党身麻痺ずを比べるず前者を助けなくおはいけないだが1人の呜ず倚数の党身麻痺ずを比べるず埌者を助けなくおはいけないかどうかはそれほど明らかではない

    • もし明らかだずいうのならそういう我々の盎芳的な道埳的思考は法則ケヌスのような害ずの「関係ある」関係によっお理解するのがよい
    • 䞀方の害が他方の害より深刻でないにしおも他方の害ず道埳的に「関係ある」おいどには深刻であるならば䞡グルヌプで危害を被るひずの数を説明に入れおどちらを助けるか決めるのが適切だ
      • 深刻でないだけでなく他方の深刻なほうの害ず関係もしおいないならば被る人数を考える必芁はない
  • ではこの区別を契玄説に組み蟌めるだろうか

    • 同率決着論法〔tie-breaking argument〕がありうる
      • 1人の呜を2人の呜より優先する原理を理にかなったしかたで拒吊するずきに䜿った論法ず同じ3人めが加わったのに行為が倉わらないずいうずころを突く
    • 1人の呜をもう1人の呜3人めの䞀生の麻痺より優先するずいう原理を理にかなったしかたで拒吊できる
  • 1人の呜に぀いお䜕人の四肢麻痺が加わろうがそれより優先しお助けよずいう原理は道埳的に関連ある喪倱を適切に考慮できおいないず論じるのは契玄説の枠組みでも可胜だ

[This rather long 
]

  • たずめ
    • 行為の正しさは害を被る人数で倉わるずいうおなじみの原理を支える根拠は根本のずころで道埳性にかかわるのは䟿益の総和の最倧化を産むものだずいう考えに蚎えおいる
      • 正䞍正に぀いおの契玄説ではこの根拠を拒吊する
    • 行為の正しさは個人の立堎からその原理が拒吊可胜かのみに䟝存する
      • 個々人の芁求〔claim〕を匷調するのはこの立堎の魅力だ
      • 総和だずおかしくなるケヌスを盎芳的に正しそうなやりかたで回避できる
    • 「芁求」をどう解釈するかでこの制限は匷くも匱くもなるが非垞に狭くずったずきでも同率決着論法によっお特殊なケヌスで行為の正䞍正に人数が関係するこずを説明できる
    • 〔個々人䞻矩に぀いお〕もう少しゆるい契玄説も排陀されおいないその堎合個人が自分の利益を考慮するこずおをどれだけ芁求できるかに぀いおの構造をもっず䞎えお合算原理をもっず広く適甚できるようにするこずになるだろう

10. Conclusion

  • この章で説明したこず

    • 契玄説における理にかなっおいるこず
    • 原理を拒吊可胜な立堎
    • そういう立堎からの総称的理由
      • 個人が抱くものだがそい぀の犏利にその原理が䞎える圱響に぀いおの䞻匵ずいう個人的理由〔personal reasons〕の圢でなくおもよい
      • 異なるひずにもたらされる䟿益の総和からの原理正圓化は排陀される
      • ただしいく぀かのケヌスでは契玄説でも考慮点の合算が道埳的に関係するこずを説明できる
    • たずもな道埳原理は総称的でなければならない
  • Scanlonの議論は「䞋向き」である

    • 理にかなったしかたで拒吊可胜・䞍可胜の基盀に぀いおの結論ずなる䞭心的な動機づけから出発しおいる議論
      • 䞍偏的理由のを拒吊したのや䟿益合算に盎接蚎えるのを拒吊したのはこれ
    • 「䞊向き」の芁玠もある理にかなったしかたで拒吊可胜なのが盎芳的に明らかなケヌスから始めおその拒吊の基盀をどんなものず理解するのがいちばんいいかを探った議論
      • ほかのケヌスでどんな垰結が出るかを考えたりもした
      • 〔8節の〕最悪の状況になるひずの優先性の問いに぀いおのものがそれ
  • 契玄説的理論ではなにが「理にかなっおいる」かに぀いおの盎芳的刀断に蚎えるのをやめお「䞊向き」の芁玠を捚おるべきだずいうこずはないだろうか

    • だっおこれは理論なのだから玔粋にテクニカルな掚理だけで理にかなったしかたで拒吊可胜・䞍可胜を決定できるように理にかなっおいるこずの芳念を盎芳に蚎えるこずなくはっきり特定すべきだずいうわけだ
      • Rawlsの原初状態論法がそうやっお構築した理論の䟋ずいうこずになるだろう
  • そのような拡匵ができるかどうかやっおみよう

    • この皮の䞀般的な拡匵が受け入れられない理由を瀺しRawlsの原初状態論法のような䟋からなにを孊ぶべきかを考えるそうするず理にかなっおいるこずに぀いおの盎芳的刀断に蚎えるこずず拡匵した契玄説的理論ずの関係がもっずはっきりするだろう

[One natural extension 
][It does not 
][Consider now how 
][But this description 
][With these assumptions 
]

  • 自然な拡匵の1぀は「厚生説的契玄説」だ

    • ある原理が理にかなったしかたで拒吊可胜であるずはその原理を受け入れるずべ぀の原理を受け入れたずきのそい぀や他のひずが味わえたはずの犏利に比べおそい぀が味わえる犏利が喪倱するずいうこずであるずする
  • これで正䞍正の道埳性にたずもな説明ができそうには思えない

    • 犏利の増倧が道埳的議論においお持぀正圓化の力がすべおの状況で安定しおいるわけではないからずいうのではなく〔道埳的議論においお持぀正圓化の力は〕明らかに道埳的特城を持ったほかの芁玠にも䟝存しおいるからだ
      • 考慮点1責任私の芁求が道埳的力を持぀かどうかは私の運呜がどれぐらい自分の行いのせいであるかに䟝存する
      • 考慮点2公平さ私の芁求が道埳的力を持぀かどうかは私に䟿益をもたらすはずの制床がどれがぐらい公平かに䟝存する
  • Rawlsの原初状態論法だずどうだろうか責任を説明できるだろうか

    • 正矩の原理を遞ぶのに行為の目的ずその行為が自分たちになすこずRawls蚀うずころの「瀟䌚的基本財」で決たるずだけを考えるので「テクニカル」なモデルずなるように思えるかもしれない
      • ぀たり原理の拒吊には特定の瀟䌚的地䜍を占めたずわかったずきに残る瀟䌚的善の氎準にどういう圱響を䞎えるかずいう圢で䞻匵しないずいけないずいうモデル
  • だがRawlsの議論では瀟䌚の各立堎の代衚者の「期埅」〔expectation「正圓な期埅」ずか「芋蟌み」ずかず蚳されるらしい〕に〔それぞれが代衚を務めおいる〕集団のこずを独占的に集玄しおしたっおいるこのこずのもっずもらしさには以䞋の〔2぀の〕前提が重芁だ

    • 第1に各立堎は「機䌚の公平な平等に開かれおいる」ず芋なされる
    • 第2に期埅の皋床ずしおの瀟䌚的基本財の遞択ずいうのは瀟䌚制床ず個人ずのあいだの「瀟䌚的な責任分担」ず同じこずである〔なにが瀟䌚的基本財ずしお瀟䌚制床のがわに分配責任があるものなのかを決めるずいうこずか〕
    • ぀たり瀟䌚の「基本構造」ずは法的・政治的・経枈的枠組みなのであっおこの枠組みが垂民の暩利や自由を定矩し各立堎の力や経枈的報酬を決定しおいるずいう考えだ
      • 瀟䌚がこれをちゃんずできおいお垂民が暩利・自由・経枈的報酬の機䌚に理にかなった䞍満を持たなければその枠組みは正圓だずいうわけだ
        • どういう目的を遞ぶかそれに成功するように機䌚や資源を䜿えるかどうかは個人の問題ずなる
  • するず単玔にできるだけたくさん瀟䌚的基本財を埗られる原理を遞ぶのはたっずうなこずだ

    • だがこの前提は瀟䌚制床はどう刀断されるべきか制床ず個人ずの関係的圹割〔relative roles〕はどういうものかに぀いおの実質ある刀断を衚しおしたっおいる
    • 関連するポむントが3぀ある
      • ポむント1瀟䌚制床の正矩に぀いおはよくおも正䞍正䞀般には圓おはたらない
        • 「基本的道埳財」の䞀芧を䜿っお「劎働の道埳的分担」に぀いおお互いさたなこずず圓人の責任であるこずず分けるなどずいうのはおかしい
        • 道埳ずはこういう財の䟛絊ではなくいろいろな圢態をずる
        • たずえば䞍正行為の責任玄束を砎るこずになっおしたった状況を䜜った責任リスクある行為に埓事した責任助けが必芁な䞍運にひずを陥れた責任
        • 意図知識情報の入手他行為可胜性や望たしさも責任の評䟡にかかわる
  • こういうさたざたな状況を自由や機䌚ずいうカテゎリヌの䞀芧によっお説明しお正䞍正に぀いおの問いすべおを理にかなったしかたで統䞀できるずは思えない

    • たずえば「非自発的」行為だず非難が免陀されるこれを説明するには「自発性」のさたざたな芁玠状況の知識他行為可胜性などのどれが道埳的に重芁なのかを調べる必芁がある
    • 道埳的に重芁な理由が特定できたずしおもそれが特定の原理を拒吊可胜にするかどうかを刀断しないずいけない
  • この察照性は道埳哲孊ず政治哲孊ずの察立ではなくお道埳に぀いおのあるいはお互いさたであるこずに぀いおの䞀般的な䞻匵ず特定の状況での正䞍正に぀いおの䞻匵ずのちがいである

    • Rawlsの原初状態論法は特定の圢匏の矩務に぀いおの議論になぞらえるこずはできるが理にかなったしかたで拒吊可胜性に぀いおの契玄説の䞀般的な考えずはちがう
  • ポむント2原初状態論法は「䞊向き」な議論ず比べおそんなに「テクニカル」なわけではない

    • 原初状態論法そのものが反省的均衡のなかで正矩に぀いおの刀断を説明できるずいうこずに蚎えお正圓化されおいるもので瀟䌚制床の正しい目的ずか制床ず個人ずの圹割分担ずかに぀いお実質のある刀断を反映しおいる
  • ぀たりもっず厳栌な契玄説を䜜るにも「䞊向きの」議論が必芁だずいうこずだ

    • 理にかなっおいるこずに぀いおもっずはっきり特定しお蚘述しようずするこずはできるしそうするこずでだれにも理にかなったしかたで拒吊䞍可な原理を芋぀ける過皋をもっず特定しようずするこずもできるやっおみないずどうなるかはわからないが
  • ポむント3道埳理論の目的は道埳の問いに盎芳的刀断に蚎えないで答えるこずではないたた契玄説のよさはいた論じたような厳栌なものを䜜れるかどうかに䟝存しおいるわけでもない

    • 確定的芏則の圢で述べるこずができお刀断にたいしお蚎えずに適甚できるような道埳原理は控えめに蚀っおも珍しい
    • 同様に盎芳的刀断に蚎えないで原理にたどり぀けるかどうかも疑わしい
    • しかしながら矩務の道埳性の本性に぀いおの理論的考察は我々の実質ある道埳的立堎に圱響するこずはある
      • 契玄説が提䟛するたぐいの道埳原理が正圓化されるかを決める過皋に぀いおの䞀般的な説明はいく぀かの原理のたずもさを脅かしたり高めたりしうる
      • 新しい原理の定匏化にたどり぀くこずもあるかもしれない
      • もっずありそうなのはおなじみの原理がなぜだれにも理にかなったしかたで拒吊できないのかの理由をはっきりさせお原理の内容ずその限界ずの理解を促すこずだ
  • 次の2぀の章でこのたぐいの探究を行う

    • 6章道埳原理においお責任ず遞択ずいう考えが持たなければならない圹割を説明できる総称的理由を探す
    • 7章忠実さや信頌に぀いおの矩務を支える総称的理由に぀いお考える

5章おわり

  • なにかをvaluingする->なにかを特定の理由であるず芋なす

    • 友人関係を䟡倀づける -> 友人関係を「どんどん増やすべきず考える」のではなく「忠実であるこずの理由ず芋なす」
    • ここではvariablenessを性質ず捉える必芁がないずいうのが利点捉えおもいい䞡立する
  • Mooreの堎合variablenessは性質の1぀であっお還元されない

    • か぀盎芳によっおそれがあるこずを刀定できる
    • Parfitもこれに近いが理由のほうを原始抂念ずする
  • Mooreは理想䞻矩的功利䞻矩ず呌ばれる快ではなく善を増やすこずを蚈量する

  • 叀兞的功利䞻矩ベンサムミルシゞりィック

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