MIPSのABIは変だという話をこないだのシステムプログラミング会でしたら、ややザワッとしたので、なにがおかしいのかというのをちょっとまとめてみました。まとめてみて思いましたが、やっぱりMIPSのELFファイルはちょっと変です。
これが僕は一番ひどいと思ったものです。
ファイルにマルチバイトの数値を保存するときはエンディアンというものが問題になります。たとえば0xBEEFという2バイトの数を保存するときは、1バイト目にBE、2バイト目にEFを書くか、逆順で書くかは、ただの決まり事でどっちでもいいわけですが、書く側と読む側で認識があっていないと困ります。世の中的にはリトルエンディアン(下位バイトから書く)のが主流ですがビッグエンディアンなシステムもあります。
それがですね、MIPSのELFヘッダのr_infoという64ビットのフィールドはリトルエンディアンでもビッグエンディアンでもない謎なエンコーディングになっています。具体的には下位32ビットが最初にリトルエンディアンで書かれていて、ビッグエンディアンでエンコードされた上位32ビットがそれに続くという構成になっています。つまりリトルエンディアンだとABCD EFGH、ビッグエンディアンだとHGFE DCBAとなるところが、MIPSのmixed endianだとEFGH DCBAというふうにファイルに書かれていることになります。