RubyInstaller 2.6.0-1 からridk use
コマンドが実装されました。まだ試験的な段階のようですが Windows 環境で複数バージョンの Ruby を簡単に切り替えて使用できるようになります。
ridk use
コマンドは幾つかのサブコマンドを持っています、この HELP コマンドもその中のひとつです。
>ridk use help
Usage:
ridk use [<option>]
Option:
Start interactive version selection
list Search and list installed ruby versions
update Save or update the found ruby versions to rubies.yml
<number> Change the active ruby version by index
/<regex>/ Change the active ruby version by regex
help Display this help and exit
切り替え可能なインストール済みの Ruby のリストを表示するコマンドです。
通常この情報はレジストリから取得されますが、既に設定ファイルを作成済みであればrubies.yml
から情報を取得します。
>ridk use list
1 - C:/Ruby24-x64 ruby 2.4.5p335 (2018-10-18 revision 65137) [x64-mingw32]
2 - C:/Ruby25-x64 ruby 2.5.3p105 (2018-10-18 revision 65156) [x64-mingw32]
3 - C:/Ruby26-x64 ruby 2.6.1p33 (2019-01-30 revision 66950) [x64-mingw32]
Rubyリストの設定ファイルrubies.yml
を作成、または更新するコマンドです。
このコマンドは RubyInstaller のインストール情報を元に切り替え対象の Ruby のリストを Windows のレジストリから取得し、Ruby PATH の設定ファイルとしてrubies.yml
に保存します。
初期状態ではこのファイルは存在せず、ridk use update
コマンドの実行によって作成されます。
>ridk use update
Update C:/Ruby26-x64/ridk_use/rubies.yml
rubies.yml
を確認。
>type C:\Ruby26-x64\ridk_use\rubies.yml
---
- C:/Ruby24-x64
- C:/Ruby25-x64
- C:/Ruby26-x64
rubies.yml
を編集することで Ruby リストの表示項目を制限することも可能のようです。
例えば- C:/Ruby24-x64
の行を削除すれば、Ruby リストの表示から除外されます。ridk use
コマンドを実行すると選択リストから削除されたことがわかります。
>ridk use list
1 - C:/Ruby25-x64 ruby 2.5.3p105 (2018-10-18 revision 65156) [x64-mingw32]
2 - C:/Ruby26-x64 ruby 2.6.1p33 (2019-01-30 revision 66950) [x64-mingw32]
このような使い方は、選択項目をシンプルにしたい場合などに使用できるかもしれません。
あまり良い方法ではありませんが、インストーラを使用せずに(PCの引っ越しなどで)ディレクトリを丸ごとコピーした Rubyの場合などは、対象の Ruby パスをrubies.yml
に追記すれば選択リストに加えることもできます。
指定した Ruby バージョンに切り替えます。
ridk use
コマンドは切り替え対象の Ruby のリストをレジストリから取得しますが、rubies.yml
があればこのファイルを優先します。
<number>
は省略可能です。その場合は表示されたリストから選択します。
>ridk use
1 - C:/Ruby24-x64 ruby 2.4.5p335 (2018-10-18 revision 65137) [x64-mingw32]
2 - C:/Ruby25-x64 ruby 2.5.3p105 (2018-10-18 revision 65156) [x64-mingw32]
3 - C:/Ruby26-x64 ruby 2.6.1p33 (2019-01-30 revision 66950) [x64-mingw32]
Select ruby version to enable: 2
Disable C:/Ruby26-x64
Enable C:/Ruby25-x64
リストの選択番号を、直接指定して切り替えることも可能です。
>ridk use 3
Disable C:/Ruby25-x64
Disable C:/Ruby26-x64
指定した正規表現文字列がインストールパス名にマッチする Ruby に切り替えます。
>ridk use /24-/
Disable C:/Ruby26-x64
Enable C:/Ruby24-x64
例えば、x64 Ruby-2.4 の場合のインストールパスはC:/Ruby24-x64
なので、次のように指定できます。
ridk use /24-/
x86 Ruby-2.4 の場合のインストールパスはC:/Ruby24
なので、次のように指定できます。
ridk use /24$/
RubyInstaller 2.6.0-1 から実装されたridk use
コマンドによって、Windows 環境の複数の Ruby バージョンを簡単に切り替え使用できるようになりました。
今のところは環境変数 PATH を書き換えるだけのシンプルな機能ですが、今後の進化に期待できそうです。