北沢タウンホール改修に合わせて落語会の存続が危うい。と聞いて、一泊二日足代も馬鹿にならないけど行ってきた。お初。 お三方の工夫が見られた落語会でした。
- 江戸の二人連れ、洛中自慢の男、宿屋のお婆(三河弁)が登場する萬橘師匠の祇園祭
- 祇園祭と江戸の祭り(三社祭だったっけ?)を演じるところ、江戸祭りの長い囃子を一息にしてのけるところが力強い萬橘落語の醍醐味。
- 江戸弁、上方なまり、そして三河弁を演じ分けが難しいと思うけど、違和感なく聴けた。僕がなまりに疎いせいもあるんだろうけど。
- サゲは、宿屋のお婆がでてきて...
- これから練られていくのがが楽しみの一席でした。
- 続いてのこしら師匠。アフタートークで明かされるけど高熱で大変な状態だったらしい。んだけど、そんなことを感じさせない。枕から全開。
- 「立川流は天狗連」という時事ネタなど振ってからの「千両みかん」
- こしら師匠の番頭は初っ端から軽い。そして明るい(というかそんなに悲壮感がない)。
- 談志師匠は奉公人から見る主人筋の理不尽さ。傲慢さ。奉公人と主人の間にある身分差(のようなもの)が重く、サゲへ繋がっていく重要な要因なんだけど、こしら師匠の番頭はあまり深刻さを感じさせない。そして「踏みとどまる」
- ここでこの演目を知っていれば、あれ?っとなるところで、新たな登場人物が現れて...
- 「こんな店に義理はない」(だったか、「恩はない」だったか。かなり記憶があやふや...)という番頭の一言はちょっとした衝撃でした。大旦那や若旦那からしてみれば使用人である番頭が自分たちに恩義を感じるのは当たり前。という態度が表面立っているんだけど、こしら師匠の番頭は恩義に縛られない。かと言って失踪することもない(いつでも失踪しそうな大胆さを感じさせながら)。
- 反逆者のテイストを漂わせた番頭よかった。
- お疲れ様でした。
- パワフルでした。サゲで終わらない馬るこさんの粗忽長屋。
- 馬るこさんの工夫はここからが本番なんだけど、ネタバレになっちゃうんだよな。。。それにしても馬るこさん、下ネタ好きだなw
- 以下ネタバレ。死んだはずの行き倒れが生き返るけど記憶を失っている。八五郎の熱心さに死んだのは自分と思い込んだ熊五郎が、今度は行き倒れを「お前は俺だ。そしてお前は死んだんだ」と説得する。その熱心さに行き倒れも納得しかける。
- デジャブのように粗忽振りが八五郎->熊五郎->行き倒れに伝染していく。粗忽のスパイラル。不可思議さが深まっていくような仕掛けを馬るこさんは仕込んでいた。そして「ちくわにきゅうり」(実際見た人だけのお楽しみ)。
- 最後は行き倒れの奥さんが現れて...一捻りあるサゲ。
- 馬るこさんの粗忽長屋のサゲは良く出来てて(一応)話に決着が付く。またこの演目を見るときには決着をつけないで不可思議さが更に深まっていくような終わり方も見てみたい。
立川仮面女子の改名はまだらしい