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1980年代のテスト技術がその後のSIerから失われた理由(富士通の場合)
2013年12月1日「システムテスト自動化カンファレンス」に参加したのだが、
https://sites.google.com/site/testautomationresearch/event#history
その「締め」の講演にあたる、辰巳 敬三さん講演の一節が
参加者の多くにどよめきを呼ぶような内容だった。
いわく、1980年代には、富士通内部でもテストの自動化のツールが整備されており、テストの自動化を行っていたというのでである。
僕らが今日仕事をしているSIerが
そのへんの流れを汲んだテストの自動化をしていないのはどういうわけなのだ?
手動テストを根性でやるしか能のないやりかたがデファクトスタンダードになっている理由は?
こういうことを聞く機会なんてそうそうあるもんじゃない。
懇親会の終わりのぎりぎりに、辰巳さん本人に聴いてみた。
*以下の内容は完全に僕の記憶と解釈をもとに書いているので、言葉尻で辰巳さんの揚げ足をとらないように。
 また、富士通株式会社の然るべき担当から取り下げの要請があれば、公開を止めます。
--
元々はメインフレームのOSを自分たちで作っていたから、それをテストするという動機が当然にあった。
それがすこしずつOSを作る部分が縮小するごとに、テストの部分も少なくなっていき、それらの技術者もいなくなったのだ。
オープン化の波が来た時に、まずは富士通は独自のUnixを作った。
しかしながら、普通のUnixとは違うということで市場に受け入れられず、
別のありもののUnixを載せて売るようになった。
*富士通のことだから、Sun OS/Solarisの動くSPARC機を出すようになった経緯、ということだと思う。
Windows NTにしても、当然に富士通からもWindows NT開発に人を出したり、その逆もあり、という状況ではあったのだけれど、
そのメリットとしては、次期版のリリースがいつごろになりそうか、というのがせいぜいわかる、という程度ぐらいになった。
そうなると、今度はそもそも問題があっても、直せないので、テストをするモチベーションは大きく失われ、
問題がある場合にそれらの問題を避けてどう使うか、というのがOS周りの品質部隊の仕事になってしまった。
さらには、ISOなどの規格に基づくプロセス改善などに品質管理の方向が向くようになったのもある。
--
以上の内容と、
このことと、「業務の部分をつくるやり方は今もそんなに変わっていない」ともおっしゃっていたこととあわせると、
富士通内部でテストの自動化などを行っていたのは「OSを作っていた部隊の中」に限られると見たほうが自然ではないか、と思う。
その後、OSを独自に作れない状況に徐々に傾いていくにつれ、テスターの仕事も失われ、人も技術も失われたのだ、という結論になる。
90年代以降のオープン化と多重下請け化の潮流の中でSIerの技術力が落ちたらしい、という一般論の部分も当然あるにせよ。
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