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@koba04
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#voyagebook

『Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち』

https://www.lambdanote.com/collections/engineers-in-voyage

以前に技術力評価会に外部評価者として参加させて頂いた縁もあり、本を頂いたので感想を書いてみます。

まず最初に思ったので、こんな本読んだことないなという点です。 企業が自社の技術について書いている本は過去にいくつか読んだことはありますが、そういった本は技術にフォーカスされているのに対して、この本は事業にフォーカスが当てられており、如何に事業をエンジニアリングで発展させていくかという点が中心になっています。まさに本のタイトルの通りですね。 技術力評価会といったエンジニアにとって特徴的な制度があるにも関わらずほとんど触れられていない点に少し驚きました。

エンジニアリングは事業のために行われるものであり、本書では様々なシステムや様々な状況の話が出てくるのですが、事業のためにという点が全ての共通点としてブレてない点に企業としての強さを感じました。この点については技術力評価会に参加している中でも感じたことだったので、本書を読んだ改めて納得した部分です。

十分な時間やリソースを確保できないながらも事業を発展させるために、技術的な視点だけだとベストとは言えない開発を行う必要があり、それを必要になったタイミングで如何に改善していくかというまさに現場な話が展開されていて、それがとても面白いです。

レガシーに立ち向かうための方法論を書いた書籍は色々とありますが、これはその実践編と位置付けられると感じました。 事業や開発チームの状況、その時のメンバーによって最適な答えは変わってくるように本書では様々なアプローチによる事例が紹介されています。一般的な本では語られないように泥臭い改善の話が多く、実際の現場ではそういったアプローチが大事になるのでとても貴重な事例だと感じました。 そういった意味では、レガシー改善やアーキテクチャの本で学んだことを実際にどう活かしていけばわからない人にとってはいいヒントとなる一冊だと思いました。

fluct の事例では、”技術的負債の返却には腕力が必要” という言葉が登場するのですが、これは非常によくわかるなぁと感じました。こういった過去の辛さを改善していく作業は、ついカッとなってやれる人がいると進んでいくことってあるなぁと振り返ってみても感じます。

一方、ECナビの事例では戦略的に改善していく事例が紹介されていて、これをコツコツやれるのはすごいと感じました。その中で複雑すぎるテーブルの関連性をツールを使って可視化したけど複雑すぎることがわかっただけで有効活用されなかったという話はあるあるで好きでした。複雑なシステムをツールなどを使って可視化してみたけど、どうすればいいのかわからずそこで満足して終わってしまうことはよくありますが、そこから別のアプローチで進めていったのはとてもいい事例だなと感じました。

また、コラムが充実していた点もよかったです。広告業界の仕組みについての丁寧な説明だけでなく、3rd Party Cookie の話や、リファクタリングと作り直しの違い、技術的負債とレガシーの話など、知識を補完してる内容になっていて勉強になりました。

ウェブアプリケーション開発はリリースしてからが本番だと言われますが、本書は事業の成長を止めないシステム開発というまさに本番の部分を取り扱った本だと感じました。

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