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区切り約物類の後ろの全角空白をめぐって小林敏先生から頂いたメール
イースト株式会社
 高瀬 拓史 様
   小林敏です
hiroshi takase さん wrote
> ご無沙汰しております。イーストの高瀬です。
こちらこそ,ご無沙汰しております.
> EPUB日本語拡張の折は大変お世話になりました。
> JIS X4051とJLREQに関してお尋ねしたいことがあります。
>
> 先日以下の記事が私の周りで話題になりました。
>
>  感嘆符・疑問符の後に全角空白(スペース)が必要になる理由と、Webメディアの表記ルールについて
>  http://liginc.co.jp/life/useful-info/127238
>
> この記事では感嘆符・疑問符の後に全角空白を挿入する由来をJLREQのベースとなったJIS
> X4051にあると述べています。しかしX4051を私が見る限りにそのような記述を見つけることはできませんでした。
>
> 文字のアキ量はX4051のP.43
> 表5に示されていると思いますが、区切り役物類に続く和字との空きはベタ組みになると読めます。規格票を通じてJLREQの「3.1.6
> 区切り約物及びハイフン類の配置方法」にある「区切り約物(cl-04)の後ろは全角アキとする」に相当する記述は見受けられません。
>
> http://www.w3.org/TR/jlreq/ja/#positioning_of_dividing_punctuation_marks
>
>
> 結論として、X4051には「区切り約物(cl-04)の後ろは全角アキとする」という規定はない、と理解してよろしいのでしょうか。その場合、JLREQにこの規定が加えられたことにはどのような背景があるのでしょうか。
>
> ご多忙のところ恐れ入りますがご教示頂ければ幸甚です。
おっしゃるように,“区切り約物(cl-04)の後ろは全角アキとする”
規定はないようです.
まず,話は,“?”と“!”に限ることにします.他の区切り約物(cl-0
も同様に考えてよいのですが,その使用例が少なく,また 例外的
な使い方なので,使用例の多い“?”と“!”に限定して考えていくこ
とにします.
最初に,JIS X 4051の規定について,考えてみます.
“?”と“!”には,文末の句点の代わりに使用する例と,文中に使用
する例があります.文中の使用とは,“これが実物(?)なの”とい
ったように,括弧をつけて使用したいような場合です.
JIS X 4051の規定は,この2つの使用例を考慮したこと,そして,
文末の句点の代わりの“?”と“!”の後ろを全角アキにするのは全角
の和字間隔を使用すれば解決できると考えたものと思われます(JIS
X 4051の第2次規格には私は関係していなかった).
また,句点や読点は,コンピュータ組版では,字幅二分ですが,そ
の後ろに二分のアキを保持しており,この二分のアキは行の調整処
理に使用されます.“?”と“!”も,これらと同様に考えて,“?”と
“!”の字幅を全角とし,その後ろに全角をアキ保持していてもよい
のですが,そうして処理をする処理系はないようですので,こうし
た事情も,“?”と“!”の後ろの全角アキを和字間隔で処理すると考
えたのでしょう.
ですので,“?”と“!”の後ろについては,前述したように一義的に
は決められませんので,JIS X 4051では,規定しなかったと考えら
れます.(この考え方を第3次規格では踏襲したのですが,明示的
に議論したわけではありません.)
次に書籍における実際の使い方の問題です.(JLREQでは,JIS X 40
51よりは,多少自由に記載ができるので,実際の使い方を前提にJIS
X 4051より詳しく書いた事項もあり,“?”と“!”の後ろの全角ア
キもそうしたものです.実際の使いかを解説することで,JLREQで
の記載の背景説明にもなるかと思います.)
まず,“?”と“!”の字幅ですが,JIS X4051では全角と規定してい
ます.この点はJLREQも同様です.
これは縦組では問題はありませんが,横組ではやや事情が異なりま
す.活字組版では,横組において,字幅が二分のものを使用した例
もあります.また,日本エディタースクールから刊行している“校正
技術”(第1版や新版)や“出版編集技術”(第2版や新版)でも,そ
の記載があったかと思います.(ここまでJLREQで書くと話が複雑
になりすぎるので書かなかった.)
そして,“?”と“!”の字幅が全角の場合は,文末に使用するとき
は,一般に全角アキとし,横組で,字幅が二分のものを使用した際
には,その後ろは,一般に二分アキとしていました.ただし,“?”
と“!”の後ろに始め括弧類が連続する場合は,“?”と“!”と後ろの
始め括弧類との間はベタ組です(この点は句点と同様の扱いです
).
文中に使用する場合は,一般に前後をベタ組としますが,前後を四
分アキなどにする方法もあります.
以下では,問題を文末に限ります.
なぜ,“?”と“!”と後ろを空けるかは,文末の句点の代わりだから
です.文末の句点は,そこにすこし間がほしいので,句点の後ろは
二分アキにしますが,それにならって“?”と“!”と後ろを空けるの
です.また,文中の使用する“?”と“!”との区別も必要でしょう.
(少なくとも,印刷された書籍では,ほとんどの書籍で“?”と“!”
の後ろは空けています.)
なお,文末に“?”と“!”と句点を連続で使用することは大袈裟であ
り,そうした使用例はごくごくわずかですがあります(たぶん,こ
うしたルールを知らないためでしょう)が,連続して使用しないの
がルールです.ただし“なのかな?).”といったように,“?”と“
!”と句点の間に終わり括弧類が入る例は考えられますし,使用例も
あります.
次に,その空ける量ですが,約物の字幅や,行の調整処理のやりや
すさなどを考慮する必要があります.
横組で字幅を二分とした場合,“?”と“!”の後ろを全角アキにする
と句読点などのアキとバランスが悪くなり,二分アキにしているの
です.横組で字幅を全角とした場合,それほど気にならないこと
と,全角にすると,行の調整処理の問題が発生しないという利点も
あります.こうしたことから,これまでの活字組版では,慣行とし
て,“?”と“!”の字幅を全角とした場合,その後ろを全角アキとし
てきたのです.(こうした体裁については,いろいろと経験する中
で決まってくることで,明確な理由はなかなかいいにくいことで
す.)
“Webメディアの表記ルール”にも記載があったように欧文のルール
も影響していたかもしれません.今日では,文末のピリオドの後ろ
を語間スペースが1つのアキですが,かつては,文末のピリオドの
後ろは全角アキにするという方法もあり,ピリオドと同様な“?”と
“!”の後ろも全角アキとする方法があり,これにならったのかもし
れません.
経験の中で決まった事項は,それなりの理由があるので,できるだ
け守った方が読みやすい組版になりますが,あるルールが絶対であ
るわけではありません.“?”と“!”の後ろも,全角アキだけではな
いですし,いろいと細かく考えていく方法もあります.しかし,一
般的にいうと,ルールは単純化される傾向もあり,欧文のピリオド
などの後ろも語間スペースに変化していったように,横組で字幅二
分の“?”と“!”の後ろを二分アキにする方法も,最近ではほとんで
見なくなっています.
“?”と“!”の後ろの全角アキは,今日ではほぼ定着している(少な
くとも書籍では)と考えていいように思います.こうしたルールは
守った方が,読者は混乱しないように思います.
以上です.ご参考にしていただければ幸いです.(このメールを転
送いただくのはかまいません.)
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 小林 敏(toshi)  2014年11月14日
 e-mail:
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