数ある地域Ruby会議の中でも、ペアプロ大会があるのは神奈川Ruby会議ぐらいでしょう。CodeIQで数多くの問題を作成されている@Nabetaniさん作の問題を1時間弱でランダムに組まれたペアで解くというセッションが開催されました。
今回は、遠い世界の数式という問題が出題されました。普段使っている演算子の優先順位が異なっており、ぱっと見、『難しそう』という印象を持たれる方もちらほら。しかしながら、予め用意されたヒントやTAさん、そしてペア同士が開始直後から活発な議論を進めて、終盤にはあちらこちらで「できた!」とか「やった!」といった歓声が飛んでいました。
会場正面では、デモペアプロと称して、ペアプロの様子をスクリーンに映しながら解いてもらいました。最初は緊張気味だったお二人も、時間が経つにつれ実装が進み、無事1時間以内に全テストをパスすることが出来ました。プレッシャーがかかる中、問題を解ききった二人には大きな拍手が贈られました。
その後は、問題作成者である@Nabetaniさんによる問題解説と模範解答例の紹介。模範解答例ではものすごくシンプルに書かれた実装例に対して、会場からはため息にも似た感嘆の声があちこちで起こっていました。
続いては、高橋正義さんによる「Rubyist入門2015」という発表が行われました。簡単にRubyistの定義について触れたあと、初級編・中級編・上級編、特に初級編に合わせたRubyに対する接し方について説明いただきました。
初級編や中級編に対して特に強調されていたのが「人」との関わり。Rubyを学ぶことを助けてくれるのも「人」であれば、使う理由であるのも「人」ということを強調されてました。
2010年からRubyのコミッターをされている樽家 昌也さんからCommitterになられた経緯とその理由について語られました。
普段はメーカーにお勤めの樽家さん。Rubyに対するコミッター業は「遊び」と称していて、本当に本心からプログラミングを楽しんでいるんだと感じました。
本題である「理由」については、「もっと楽しく、気持ちよくなりたいために、そのための努力は惜しまない」ため。そういう意味では、Gemを作るということも、Rubyを使ってより怠惰にしてくれるという意味ではコミッターとは変わらないのではないかと提案して、基調講演を締めました。
「プログラマが知るべき97のこと」にエッセイを寄稿されている関 将俊さんから、寄稿された内容である「ロールプレイングゲーム」の背景やそこから得られた知見について語らました。
会場が最初に盛り上がったのは、エッセイ「ロールプレイングゲーム」をMacを使って朗読させたこと。エッセイを読んでいなくても同じスタートラインに立てる素晴らしいアイディアでした。
その後は、「なりきるときがしんどくなったときのテクニック」として、「理想はたどり着けないぐらいにすごそうなイメージなので、辿りつけなくても全然がっかりしない」といった気の持ち方についてや、「プロの無職」というチームのロールについて日々の仕事のやり方を説明されてました。