Skip to content

Instantly share code, notes, and snippets.

@na2co3-ftw
Last active February 18, 2023 13:38
Show Gist options
  • Star 1 You must be signed in to star a gist
  • Fork 0 You must be signed in to fork a gist
  • Save na2co3-ftw/dee9f5b9318fae5aa58141add6a13480 to your computer and use it in GitHub Desktop.
Save na2co3-ftw/dee9f5b9318fae5aa58141add6a13480 to your computer and use it in GitHub Desktop.

コード進行の表記方法

楽曲の分析などの際に、個人的に使用しているコード進行の表記方法をまとめる。

コードに対して感じる無標性・有標性を、表記に反映することを目的としており、
個人的によくある・単純と感じるコードほど短い表記になることが特徴。

コードの表記

ルート

まずは、コードのルートとなる音を数字で指定する。
調における「ド」の音を基準として 1 と表記し、「レ」は 2、「ミ」は 3 のようにする。

ローマ数字で表記するディグリーネームと似ているが、短調の場合でも「ラ」を基準にすることはなく、
常に「ド」を基準に数字を付ける。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4 ファ
  • 5
  • 6
  • 7

ルートの変位

ルートが典型的な長調や短調(自然的短音階)の構成音ではない場合、数字の後に以下のいずれかを付けて表す。

  • # 元の表記に対して半音上の音
  • b 元の表記に対して半音下の音
  • @ 元の表記に対して半音下の音 (一部の場合にのみ使用。詳細は後述)

3和音

3つの構成音で構成される和音の表記は基本的に、ルートの数字と変位記号の後に以下の記号を付ける。
構成音は、ルートの音を基準とした、相対的な音程によって指定する。

  • m (minor) ルート、短3度、完全5度 を構成音とする
  • M (major) ルート、長3度、完全5度 を構成音とする
  • dim (diminished) ルート、短3度、減5度 を構成音とする
  • aug (augmented) ルート、長3度、増5度 を構成音とする

ただし以下の場合には3和音を指定する記号を省略し、ルートの数字単独、または数字と変位記号のみで表記する。

  • 1M1
  • 2m2
  • 3m3
  • 4M4
  • 5M5
  • 6m6
  • 7dim7
  • 3bM3@
  • 6bM6@
  • 7bM7@
  • 1#dim1#
  • 4#dim4#
  • 5#dim5#

数字単独の表記は、調の構成音のみで作られるダイアトニックコードに由来する。

@ による省略表記は、長調に対する同主短調でのダイアトニックコードに由来する。
変位記号 @ は、この省略を行う時にのみ使用する。

# による省略表記は、ダイアトニックコードのルートのみを半音上げたコードに由来する。

4和音

4つの構成音で構成される和音の表記は基本的に、ルートの数字と変位記号の後に以下の記号を付ける。

  • m7 (minor 7th) m に加えて、短7度を構成音とする
  • mM7 (minor major 7th) m に加えて、長7度を構成音とする
  • d7 (dominant 7th) M に加えて、短7度を構成音とする
  • M7 (major 7th) M に加えて、長7度を構成音とする
  • dim7 (diminished 7th) dim に加えて、減7度を構成音とする
  • had7 (half-diminished 7th) dim に加えて、短7度を構成音とする
  • aug7 (augmented 7th) aug に加えて、短7度を構成音とする

ただし以下の場合には4和音を指定する記号を省略し、ルートの数字と変位記号の後に 7 を付ける。

  • 1M717
  • 2m727
  • 3m737
  • 4M747
  • 5d757
  • 6m767
  • 7had777
  • 3bM73@7
  • 6bM76@7
  • 7bd77@7
  • 1#had71#7
  • 4#had74#7
  • 5#dim75#7

省略の由来は3和音の場合と同様。

修飾

上記3和音・4和音の基本的な表記方法で表現しきれない構成音の場合、
3和音または4和音の表記の後に、以下の記号を付け加えることができる。

  • m7 短7度の音を加える
  • M7 長7度の音を加える
     
  • -5 完全5度を減5度に変える
  • 5 完全5度を変化させないことを明示する
  • +5 完全5度を増5度に変える
     
  • -2 短2度(短9度)の音を加える
  • 2 長2度(長9度)の音を加える
  • +2 増2度(増9度)の音を加える
     
  • m3 短3度の音を加える
  • M3 長3度の音を加える
     
  • -4 減4度(減11度)の音を加える
  • 4 完全4度(完全11度)の音を加える
  • +4 増4度(増11度)の音を加える
     
  • -5 減5度の音を加える ※
  • 5 完全5度の音を加える ※
  • +5 増5度の音を加える ※
    ※5度を加える指定は、既に5度の音を明示する aug系、 dim系、-55+5、のいずれかの表記がある状態で、
    重複して5度についての指定を行うように -55+5 を付け加えて表記する。
     
  • -6 短6度(短13度)の音を加える
  • 6 長6度(長13度)の音を加える
  • +6 増6度(増13度)の音を加える
     
  • x1 ルートの音を構成音から削除する
  • x3 3度の音を構成音から削除する
  • x5 5度の音を構成音から削除する

修飾の表記順に厳密な決まりはないが、上記に記載した順番で表記することが推奨される。

-2 2 +2 -4 4 +4 のいずれかと同時に x3 を指定する場合、
>2>4 のように、2度や4度を表す記号の前に > を付ける表記に省略することができる。 (suspended)

修飾の中で最後に x3 を表記する場合は、x3 の代わりに x と省略することができる。 (パワーコード)

転回・ベース指定

コードのルートと、ベース音(実際の和音の最低音や、低音楽器が主に演奏する音)が異なる場合、
コードの表記の後に以下の記号を付け加える。

  • ' コードの構成音に含まれる3度の音をベースとする
  • " コードの構成音に含まれる5度の音をベースとする
  • * コードの構成音に含まれる7度の音をベースとする
  • / + 数字 + (変位記号) コードの構成音に深まれない音をベースとする。数字の表記方法はルートの指定と同じ

ノーコード

伴奏が無かったり、コードとして解釈する意味のない和音であったりなどの理由で、
コードが無いことを表す場合、x 単独で表記する。

同じ構成音になる複数の表記について

異名同音の存在や、転回や修飾などの組み合わせによって、同じ構成音のコードを表現する方法が多数あるが、
文脈上、一番自然と思われる解釈で表記することとする。

調の表記

コードの表記は調を基準にしているため、別途、調を表記する必要がある。

絶対的な調の表記

調における「ド」の音の絶対的な音高を、C音からの半音数で表記する。
長調と短調の区別はなく、例えばCキーとAmキーは同じ表記となる。

表記方法は以下のようになる。

  • $!+ + 数字 C音に対して、指定の半音数上の音が「ド」となる
  • $!0 C音が「ド」となる
  • $!- + 数字 C音に対して、指定の半音数下の音が「ド」となる

相対的な調の表記

曲中で調を変える場合は、それまでの調に対して相対的な位置関係で表記する。
それまでの調の「ド」の音と、新たな調の「ド」の音の差を数値で表す。

表記方法は以下のようになる。

  • $+ + 数字 それまでの「ド」に対して、指定の半音数上の音が「ド」となる
  • $- + 数字 それまでの「ド」に対して、指定の半音数下の音が「ド」となる
  • $# + 数字 それまでの「ド」に対して、指定の数 × 7 の半音数上の音が「ド」となる
  • $b + 数字 それまでの「ド」に対して、指定の数 × 7 の半音数下の音が「ド」となる

$# $b の表記は楽譜における調号の表記方法に由来し、調の構成音がいくつ変化するかを表す。

調の表記においてオクターブの差は無視するため、
$+ $- による表記と、$# $b による表記はどちらでも同じ調を表現できるが、
「1半音上に転調」のように「ド」の音の差が特徴的な場合は $+ $- で、
「属調に転調」のように調の構成音の差が特徴的な場合は $# $b で表記することが推奨される。

コード進行の表記

複数のコードが連続する、コード進行を表記する場合は、コードの表記または調の表記を区切り記号を挟んで並べる。

  • . 基本的な区切り記号。他に該当しない場合に使用
  • | 4小節ごとの区切り記号
  • 改行 8小節ごとの区切り記号
  • 空行 曲のセクションごとの区切り記号

コード進行における調の表記についての補足

曲の冒頭には、基本的に絶対的な調を表記することになる。

転調する場合は、基本的に相対的な調を表記することになる。

転調直前のコードについて、転調前の調を基準にした解釈だけではなく、
転調後の調を基準にした解釈も同時に可能で有用な場合がある。(ピボットコードなど)
その場合は、転調直前のコードを転調後の調を基準とした表記で、転調を表す記号の直後に ( ) で囲んで補足することができる。

$!+4
1.1'.4.5|1.1'.4.5
1.1'.4.5|1.5.4.5

1.4"|4m".1.4.5
1.4|5.1.5

6.3.5.2M|4.2M'.5

1.5.6.57.1.4#|4.3.67.6@.5>4-6.5
1.5.6.57.1|4.3.67.3@.46

1.1'.4.5|1.1'.4.5
1.1'.4.5|1.5.1

上記を一般的なディグリーネームで表記したもの

(Key=E)
[Intro]
I I/III | IV V | I I/III | IV V
I I/III | IV V | I V | IV V

[A]
I | I | IV/I | IV/I
IVm/I | IVm/I | I | IV V
I | I | IV | IV
V | V | I | V

[B]
VIm | IIIm | V | II
IV | II/♯IV | V | V

[サビ]
I | V | VIm | V7 I ♯IVdim
IV | IIIm IVm7 | ♭VI | Vsus4(-13) V
I | V | VIm | V7 I
IV | IIIm IVm7 | ♭III | IV6

[Outro]
I I/III | IV V | I I/III | IV V
I I/III | IV V | I V I
Sign up for free to join this conversation on GitHub. Already have an account? Sign in to comment