研究室の中でのプレゼンで指摘があったことを熱血が覚えておくためのページ……を gist にまとめなおしたものです。 大事そうなものほど上に置いているつもりです。 卒論審査会向けとその他では話が変わることもあるので注意。
- 卒論発表などで大事なのは what > why > how。何をしたのか、そしてそれは何故すべきなのかをしっかり伝える。時間が足りないなら、どうやってやったかに拘り過ぎない。
- 聴衆が何を知っていて何を知っている前提なのか、そして何を伝えたいのかを考えてスライドを作る。
- 聴衆が良く知らない概念に対して、それの瑣末な所の話をしない。
- 話のゴールを決めて、聴衆のレベルを考えつつ、あまり細部にこだわりすぎないように、分かりやすいところから話す。
- 前から見ていってどこでぶつ切りにしたとしてもそのスライドを見る意味があるようにする。どこでちぎっても話が分かるようにする。
- 聴衆は自分の専門分野に全く詳しくないことを前提としたスライドにする。興味がほとんど重なっていない短気な人向けに話すことを念頭に置いて作る。
- 卑近なモチベーションから、聴衆が知っている言葉で話を始める(興味を持ってもらう)。
- なるべく general to specific に話す(興味を持続させる)。
- 聴衆の記憶容量はスライド1枚分。
- 概要のページはアブスト全体の要約。場合によってはモチベーションをもっと膨らませる。背景(why?の部分)をしっかり書く。
- 関連研究のページは、自分の貢献について語るべきページ。
- 自分の研究の何が重要なのか?をしっかり考える。何をしたかったのか?何を伝えたいのか?自分の研究の「良さ」はどこから分かるのか。自分の「良さ」の強い保証は何なのか?
- 全体のアウトラインを作る。木構造を作って、話の流れをつくる。
- ワークアラウンド:アウトラインページを作る。話すにつれて、上の方を薄くしていったり(ただしちゃんと見えるように)、今話しているのがどこなのか目立たせたりする。
- 詳しくない人でも少しは分かるように、アウトラインは informative に作る。詳しい人が見たとき、アウトラインだけで話の流れが分かるか?
- ページタイトルがそのページの内容をちゃんと表すようにする。そんなの当たり前じゃん!って思うかもしれないが、これが意外と難しい。よく確認する。
- 誰のコントリビューションかをはっきりさせる。ちゃんとreferする。
- 自分のコントリビューションが何なのかをしっかり説明する。最後に結論のためのページを作る。
- 他人のコントリビューションにはリファレンスを入れる。
- 1ページの中に内容を詰め込み過ぎない。
- できれば、1ページに1つの主題。
- 箇条書きの1つのitemには1つの主張。
- 文字の大きさが小さくならないように注意。細さにも注意。
- 文章を書かない。書くにしても短めにする。日本語の修飾構造は無視して、一番大事なことが一番上にくるような構成にする。文字列のパースに時間がかからないようにする。
- 意味構造によって構造化するべき、という話。 cf. 箇条書き、表
- 余計な言葉を入れ過ぎない。スライドを読むのにも時間がかかる。理解すべきことの数は少なくする。
- 体言止めできそうなら、そうしたほうが文字数が減る。
- 文字数が減らせると、フォントサイズが大きくできる。
- 例として出すプログラムなどを複雑にしすぎない。理解しにくい。
- そのスライド、そのitem、その図のもつ情報量に注意する。そこから得られる新しい情報が少ないのなら、それは要らない。
- 論文と同じで、全体の構成や、consistencyに注意する。
- itemでならべるなら、同じレベルのitemがちゃんと並列の関係にあることを確認する。itemとsubitemがきちんと親子関係になっていることを確認する。
- 未定義語は極力少なくする。後で説明される言葉でも、その段階では分からない。
- 言葉はなるべく正確を期す。論文と同じ。
- たとえば、ロジックの人なら「正しい」という言葉に注意。
- 研究室名、ページ数
- 短い主語と述語が離れすぎないように注意。文の意味を取りやすいように。
- 短い修飾ブロックは長い修飾ブロックの後にくるべき。修飾先の選択肢を少なくする。
- なるべくメモは読まない。聴衆とインタラクティブに発表する。
- スライドは元から4:3で作る。4:3のスクリーンに16:9のスライドを写すととても小さくなる。
- これは意見が分かれる所だが、実際大学のスクリーンは4:3のものもまだまだ多いので4:3で作っておく方が安心。
- ページ番号を入れる。後から参照しやすい。
- 似た色で区別しない。プロジェクタの発色性によっては分からなくなる。補色にも注意(色覚異常)。
- 同じ概念を同じ形にするなら、すべて統一する。
- 特に、遷移図のようなものを書くときに注意(「プログラム」と「処理」を分けたいときとか)。
- 記号に意味を含めさせたいときは、よく注意する。意味のない記号になっていないか?
- たとえば、何か文章を括弧書きしたとしても、それが通常使う意味(補足など)でないなら、その意味は伝わらない可能性がある。
- ○と×でYes/Noを示すのは英語圏では通じない。日本語で「ダメ」という意味を示すにしても、場合によっては、どういう意味でダメなのかを補足するべきかもしれない。
- できれば図はself-containedで。
- なるべく単語の途中で改行されないようにする。箇条書き中なら、Shift+Enterを上手く使う。
- 白抜き文字と黒抜き文字を1ページ中に併用しない(どの色に着目して読めばいいのか分からない)。
- 図を多用したい人向け:一応こういうサイトがあります。 http://tsutawarudesign.web.fc2.com/
- 論文執筆などが忙しくて良いプレゼンができそうになかったら相談する。虚無の発表に集まっていただくとたくさんの人の時間を無駄にする。
- アドバイスのメモをとる。
- 時間を測る。
- スライドのコピーを用意する。
- Tips:パワポ標準で割付印刷すると変な余白が入るので、pdfにしてからAdobeの割付印刷を使う。
- プリンタ、PDFリーダー、Officeのどれかのせいで、適切な割付印刷が出来ないときがある。Ubuntuで頑張って設定するのもいいが、素直に諦めて1枚ずつPDFにする→WindowsのAdobe Readerで印刷する、の方が早くて確実かも。
- どうしてもUbuntuで頑張りたい人へ:pdfjam-slides6up (uhyoくん教えてくれてありがとう)
- プリンタによっては、1部プリントしたあと(n-1)部をコピーする方が資源節約になるかも。(事務の方などに聞くべし)
- レーザーポインター等を用意する。
- レーザーの先が聴衆に向かないように注意。
- レーザーの光を出しっぱにしたままでスクリーン上を振り回さない(どこを見ればいいのか分からない)。
- 複雑な図やプログラムを出したときは、聴衆がそこから何を読み取るべきなのかを示すために、きちんとポインターで指す。
- レーザーを指さないときは、腕を動かさない。どこか指してるのかなあと思って探してしまう。
- パソコンのバッテリー残量に注意する。
- プレゼン前に一人ないし同級生などとプレ・プレゼン練習するのも良い生存戦略です。
- 先生に見てもらう際には、パワポの機能でタイマーを表示し、どこかスクリーンの隅の方においておくと、聴衆全体に時間感覚が伝わる。
- バックアップはきちんととろう!!!!!
- 自動でスライドを流す機能があるので注意。特に、1枚のスライドを出し続けたいときはオフにしておく。
- 指定したスライドからプレゼン開始する機能 (Shift+F5) があるので使おう。
結論:パワポを使おう。
- Noto Sansフォントを使うと英語・日本語の親和性が良い感じかも。
- 自動保存の機能があるので適宜時間間隔を設定する。
- LibreOffice Mathは文法が特殊な上に対応範囲が狭い。standaloneなLaTeXで書いて、.svgファイルにして添付した方がまだマシ。
- グローバルな設定とローカルな設定があり、気づかずにいるとスライド中の全てのオブジェクトのプロパティが変わる。
- 矢印の太さに注意。設定の方法によっては矢じりが小さくなる。
- たまに描画が更新されない。
- たまにフォントサイズが嘘をつく。
- 多分フォントのせいだと思うけどダブルクオーテーションがアレなときがある
- たまにフリーズして落ちる
- 卒論発表本番30分前にUbuntuごと巻き込んでフリーズし、再起動するはめになった。冷や汗かいた……。
- 喋るときはアクセントに気をつける。アクセントは意識しないと身につかない。誤ったものを覚えてしまうと後から苦労する。
- 某氏「理論系の発表、コントリビューションとそのうれしさを可能なかぎりの最短経路で伝えることこそが目的なのであって、うれしさの具体的な実現方法はうれしさそれ自体に直交する、場合によってはぶっちゃけどうでもよかったりさえすると気づいた(合ってるかは知らん)」
- 某氏「テクニカルな議論をせずにコントリビューションを説明しようって姿勢は方向が逆だったんですねというか、うれしさ説明問題の最短経路解を考えるとテクニカルな議論とかホントに不可欠なやつ以外勝手に消えるんですねという話(完)」