Skip to content

Instantly share code, notes, and snippets.

@nekoruri
Last active August 29, 2015 14:16
Show Gist options
  • Star 0 You must be signed in to star a gist
  • Fork 0 You must be signed in to fork a gist
  • Save nekoruri/944e58a117a4f3824611 to your computer and use it in GitHub Desktop.
Save nekoruri/944e58a117a4f3824611 to your computer and use it in GitHub Desktop.
詫び石職人の朝は早い
「まぁ好きではじめた仕事ですから」
最近は良い障害が起きないと愚痴をこぼした
まず、アラートの入念なチェックから始まる。
「やっぱり一番うれしいのはお客さんのクレームから発覚ね、この仕事やっててよかったなと」
「毎日毎日お客さんとの温度感が違う 機械では出来ない」
今日はリリース日
彼は詫び石をポストに詰め、管理ツールへと向かった
基本的な個数は決まっているが、最近のユーザーの嗜好に合わせ
多数の石を作らなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。
「やっぱ冬の仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」
「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」
「このリリースはダメだ。ほら、すぐに落ちてしまう」
彼の目にかかれば、見るだけで出来不出来が分かってしまう。
技術立国日本、ここにあり。
今、一番の問題は後継者不足であるという
仕込みに満足できないとその日のリリースをやめてしまうという
3年前は何十もの詫び石工場が軒を連ねたこの街だが
今では職人は彼一人になってしまった
問題は親指を連打して
レベルデザインを確かめるのに、5年はかかると、匠は語る
「自分が気持ちよいのももちろんだけど、
割ってくれる人はもっと気持ちよくないといけないね」
「もちろん出来上がった石は一つ一つ私自信で試しています」
ここ数年は、安価な中国製に押されていると言う。
「いや、ボクは続けますよ。割ってる人がいますから───」
詫び石1個の価値は低い。だが、まだ輝いている。
「時々ね、わざわざ手紙までくれる人もいるんですよ
また障害お願いしますって。ちょっと嬉しいですね」
「別のゲームからわざわざ求めてこられるお客さんが何人もいる。
体が続く限り続けようと思っとります」
「やっぱねえ、手ごねだからこその弾力ってあるんです。
機械がいくら進化したってコレだけは真似できないんですよ。」
2014年、ネイティブショックで開発の価格が3倍にまではねあがり、
一時は店をたたむことも考えたという
「やっぱりアレですね、
たいていの若い人はすぐやめちゃうんですよ。
ツールでやって方が早いとか、猫を吊るからいいとか……
でもそれを乗り越える奴もたまにいますよ。
ほら、そこにいる斉藤もそう。
そういう奴が、これからの詫び石界を引っ張っていくと思うんですね」
最近では海外のWabistonerにも注目されているという。
額に流れる汗をぬぐいながら
「本物に追いつき、追い越せですかね」
そんな夢をてらいもなく語る彼の横顔は職人のそれであった
今日も彼は、新機能のリリースよりも早く詫び石の配布準備を始めた
明日も、明後日もその姿は変わらないだろう
そう、詫び石職人の朝は早い
───――完───――
出典: 虹裏
抽出元は http://beagle3.blog47.fc2.com/blog-entry-83.html とか
Sign up for free to join this conversation on GitHub. Already have an account? Sign in to comment