[ITビジネスセミナー] 現役プロダクトマネージャーが語る、日本企業におけるプロダクトマネージャーの課題と今後の展望 に参加してきたのでメモを共有します。かなり長いです。
- POStudy主催 関 満徳さん
- 200枚くらいのスライドを圧縮したバージョンとのことで、情報量がだいぶ多かったので、メモを取れたのは一部
- より詳細な内容は元のスライドから
- 「製品ラインやブランド、サービスについて既存の製品の管理やマーケティングを行ったり、新製品開発の役割を負っているミドルマネージャー」
- PMStyleの1章に書かれている
- Idea
- Explore
- Focus
- Launch
- Day to Day Product Manager
- サービスプロダクト開発サイクル全体に関わる
-
プロジェクトマネージャー
- スコープマネジメント、品質マネジメントなどなど…
- PMBOKの10の知識エリア
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プロダクトマネージャー
- プロダクトマネジメント、顧客(市場)マネジメントの2つだけ
- 資金調達の有無が大きな違い
- 起業家は外部から資金調達するが、プロダクトマネージャーは社内からリソースを引き出す
- 製品への関わりについては起業家もプロダクトマネージャーもやることはそんなに変わらない
- 製品に対する熱意
- 顧客との共感力
- 知性
- 仕事に対する倫理観
- 誠実さ
- 自信
- 姿勢
- 技術を活用すること
- 大事なことに集中すること
- 時間管理
会社毎に責任範囲も活動内容も違う
- プロダクトをリリースしている事業会社の執行役員以上が担うプロダクトマネージャー - 会社の経営方針として、そのプロダクトの提供を持続するか否かを判断 - 会社の経営方針として、そのプロダクトが提供する価値を最終的にどこに置くかを意思決定 - 長期的な観点 - 大きな会社では実務はやらなくなる傾向にあり、小さい会社だと以下2,3を兼務
- 1.から期間限定で任命されて、現場のプロダクトの統括的な立ち位置として振る舞うプロダクトマネージャー
- 会社の経営方針として決まった路線を元に現場で取捨選択し、意志決定する
- 半年~2年など割と短い期間
- 会社の経営判断の決定権は持っていない
- 所謂担当者としてのプロダクトオーナー
- スクラムで定義されているプロダクトオーナーに近い
- 役割として優先順位を決めたり、成果物をプロダクトマネジメントの観点で整理する
- 方針の決定権は自分にはないので、会社のマネージャーの判断が必要
プロダクトと顧客の間に位置して、プロダクトを通して顧客満足を生み出す
- 扱うプロダクト
- B2B
- B2C
- B2B2C
- サービス
- パッケージソフトの世界ではプロジェクトマネージャーがプロダクトマネジメントをやるの普通
- リリースサイクルが長期間
- 兼任が可能だった
- インターネットの世界では、プロダクトマネジメントとプロジェクトマネジメントの役割をはっきり分けることが重要
- リリース頻度が多く、片手間ではリリース管理ができない 組み込み業界などでは早くから取り入れられてきた
- 対象
- 上流
- ロードマップ
- ビジネスケース
- 新製品開発
- 市場投入
- 下流
- ライフサイクル管理
- ブランド管理
- マーケティング
- 上流
- スキル
- リーダーシップ
- 意志決定
- 会計
- 価格戦略
- コンペティティブ・インテリジェンス
対象にマーケティングが入っているのに注意 MBAが近しいが、MBAは経営者になるためのコースなので、部分的に使える部分だけ学ぶのが良い
- 4種類のユーザーエクスペリエンスデザイン
- インタラクションデザイン
- ビジュアルデザイン
- ラピッドプロトタイピング
- ユーザービリティテスト スケジュールを引くときにはテスト対象ユーザーの確保などにも時間を取る必要がある
- 本物のリーダーとは何か by ウォレン・ベニス
- マネージャーはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことをする
- リーダーは本当にそれは正しいのかを考え、実行する
- マネージャーはものごとを正しく行い、リーダーは正しいことをする
- 優れたリーダーの4つの戦略
- 人を惹きつけるビジョンを描く
- あらゆる方法で意味を伝える
- ポジショニングで戦略を勝ち取る
- 自己を創造的に活かす
- マネジメントの対象は製品
- リーダーの対象はチーム
プロダクトマネージャーは、自分がマネジメントの観点で仕事をするときと、チームの観点で仕事をするときで帽子を脱ぎ変えなくてはいけない
- 様々なステークホルダーが集まるクロスファンクショナルチーム
- プロダクトマネージャーはリーダーシップを発揮してチームをまとめ、製品を通して企業やチームが掲げた目的を実現するために動機付けをしていく
- 模範となる
- 共通のビジョンで鼓舞する
- 現状を改革する
- 行動できる環境を作る
- 心から励ます
- 目標を与えれば人は動く
- 良い背品の着想を得るために
- 自分自身がユーザーエクスペリエンスデザインの役割を十分に理解していること
- 社内にユーザーエクスペリエンスデザイン担当者が居て、製品開発に参加してもらえること
- ユーザーエクスペリエンス担当者に裁量があること
- 良いアイデアを持つ人たちを探す
- とにかく人に聞く
- 社内を歩き回る
- ミーティングでのやりとりや会話によく耳を傾ける
- 発言の理由や背景を理解して聞くようにする
- ドアを開けたままにしておく
- 共有する
- いろいろな人と付き合う
- 新井 宏征さん
- 「プロダクトマネージャーの教科書」訳者
- 株式会社スタイリッシュ・アイデア社長
- プロダクトマネジメントのためのトレーニング、コンサルティング、組織作りをやる会社
- 上流、下流で分割するのが一般的
- 一人で兼任する場合ももちろんある
- ライフサイクル管理
- 古いバージョンをどうやって終わりにしていくか
- 新しいバージョンと古いバージョンとどう整合性を取るか
- 1300人に行ったアンケート結果
- 北米に集中している
- アジアは3%
- 英語圏の会社が実施したアンケートなので偏りはある
- 顧客
- 顧客のニーズを掴み開発に活かす
- チーム
- 周囲の関係者を動かし開発を進める
- 組織
- 組織の中の一員として貢献し、成長する
-
クリステンセンの「顧客が片づけなければならない仕事」
- what customers wantという本が元ネタ
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イノベーションとは満たされないニーズを満たすソリューション
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顧客満足を実現し、会社に長期的な利益をもたらす
- 「プロダクト」= 「製品」ではない
- プロダクトとは顧客のニーズや欲求を満たすベネフィットの集合である
- プロダクトは「製品」の場合もあれば「サービス」の場合もある
- 顧客から見れば、プロダクトはそれを使う前から使っている最中、そして使い終わった後、 - 顧客のニーズを満たすことを目的とした商品とサービスの組み合わせによって提供される相対的な体験である
- 「イノベーション実現メソッド」とは?
- 既存の様々な手法の組み合わせ
- プロダクトマネージャーは人事権を持っていない人が多い
- プロダクトマネージャーは社内・社外の連結点
- 三隅二不二氏が開発
- P機能: 目標達成能力(Performance)
- M機能: 集団維持能力(Maintanance)
- 短期的に成果が出るだけではなく、長期的にメンバーが疲弊しないのが大事
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上意下達の目標と循環する想いのバランス
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会社と個人の思いのマッチングを丁寧にやっていくのが重要
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目標だけのマネジメントは組織を疲弊させる可能性も
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MBO (Management By Objectives)
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MBB (Management By Belief)
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この両方をきちんと回していく
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会社のビジョンと個人のビジョンをすり合わせるセッションなどを半年に一回とかでやると良い
- 「他社を駆り立てて機会を生み出すようにさせる」ためにリーダーはWhyを与え続ける
- サイモン・シネックのTEDが良い
- 製品の成熟度によって求められるマネジメントは違う
- 組織を変えていかなくてはいけない
- 単発の製品ではなく儲かる仕組みを作る
- 前例にとらわれない新しい事業を作る
- 会社のトップ、役員も変えていかないといけない
- セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフのマネジメント
- 一体感を維持した組織成長
- マーク・ベニオフは1999年に作ったV2MOM(vision value method objection measurement)を未だに使っている
- 全社員が自分のV2MOMを作る
- トップと社員が同じ書式で目標を立てているというのがポイント
- V2MOMが共通言語になる
- 「経営者視点」のような精神論よりツールの統一の方が近道ではないか
- 2200年にあなたはどう覚えられていたいか?
- MIT石井先生のTED講演
- Product Tank Meetup Tokyoやります
- ビズリーチ丹野 瑞紀さん
- キャリアカンパニーサービス企画本部本部長
- インターネットの力で世の中の選択肢と可能性を広げていく
- 2009年創業
- 現在500人
- ユーザー課題の解決
- 市場機会の発見・評価
- CSから、こういう要望が来てます、この機能いつ追加されますか?
- 営業から、このこの機能があれば絶対売れる、次は入れてくれ!
- 社長から、競合にはこの機能があるのにどうしてうちにはないのか?
- 優先度が全てSになってしまう
- 声の大きい人の要望の優先度が高くなってしまう
要望ベースで機能追加すると、結局は誰の課題も解決できないプロダクトになってしまう
電通クリエイティブディレクター古川裕也さん クリエイティブディレクターの4つの仕事
- ミッションの発見
- コアアイデアの確定
- ゴールイメージの共有
- アウトプットのクオリティ管理
これはスライドを見ないとわからない…
- 現象、パターン、構造、メンタルモデル
- 現象からその下に潜むパターン〜メンタルモデルを探す
- Steve Jobs 1995 失われたインタビュー
- 企画ができてからが本番
- 良く言われるが誤解されがち
- 会社に責任を負うのは社長
- 特定の製品に責任を負うのがプロダクトマネージャー
責任はあるが権限はない 権限ではなく、共感で人を動かす
- 納得感のあるアイデアを出す、成功のイメージを描く
- 電通古川さん「このクリエイティブディレクターと一緒にやっていれば良い仕事ができるかが大事」
- プロダクトマネジメントについて学ぶ
- PMのように振る舞う
- チームで足りてない部分があれば自分が拾う
- サイドプロジェクトを始める
- エンジニアリングのバックグラウンド無い人がネットサービスやアプリの企画をするのは難しい
- 荒唐無稽なアイデアになってエンジニアが実現できない
- ITのサービスをやりたいならITへの関心が必要
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シマンテック プリンシパルプロダクトマネージャー 柳川 純二さん
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NTTコミュニケーションズで買収した海外企業に7年ほど出向
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プロダクトマネージャーと仕事をしてきた
- 自分でもそれっぽいことをしていた
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2年前にシマンテックにPMとして入社
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PMとしてはアジアパシフィックジャパン地域に一人だけ
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チームメンバーは全てUSにいる
- アップルでの例
- プロダクトマネージャーは人気順で4位
- アーリーステージの会社ではPM専任のポジションはあんまり見ない
- CTOなどの協働創業者的な人や力のあるエンジニアが小さいチームのPM的なロールを引き受けるのが一般的
- PMを募集し始めるのはある程度会社が組織化されてから
- ノートン製品のパートナーチャネル向けPM
- プリインストール版やパートナーが販売するもの
- B2B2Cのモデル
- パートナーからの要求仕様の管理
- 製品のライフサイクル管理
- フリーウェアツールの(ワールドワイド)PM兼PO
- 何をいつまでにリリースするか、何をいつまでにやめるかを決める
- 製品のライフサイクル管理
- ロードマップ策定
- スクラムバックログの管理
CorePM(社内造語)とPartnerPMの2種類がある
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CorePM
- 製品やバックエンドのプラットフォームやツールなどのオーナーシップを持ち、マネージ(ロードマップの管理など)とオーナー(アジャイルでのバックログの管理)を両方担当することが多い
- ヘルプのページなどにもPMが居る
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PrtnerPM
- ノートン製品全般をパートナー企業向けに展開するための社内外のステークホルダーの票旧仕様を整理、優先順位付け、開発チームへのフィードバックを実施する。CorePMと連携
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一般的にPMというと前者のイメージ
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後者のPrtnerPMはB2BやB2B2Cの会社で見られる
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CorePMは原則US本社にのみ存在する
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PartnerPMはローカルタッチが必要なため、需要に応じてグローバルに配置
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CorePMでもPartnerPMでも基本的に部下は持たない
- Individual Contributorと呼んでいる
- 柳川さんはセールスエンジニアと協働でお客さんのところに行って要件定義する
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US製品をローカライズして海外に展開している
- CorePMが海外にも必要となると、それはそもそも製品に設計がおかしいという話になる
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余談: Amazonは個別のカテゴリ(書籍、お酒、自転車など)毎にPMが居る
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プロダクトマーケティングマネージャー(PMM)と適宜棲み分けるが、かぶる部分も多い。Price Promotion PlaceはPMMが主にカバー
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開発エンジニア - インド
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QA - インド
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リードエンジニア - カリフォルニア
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プロダクトオーナー - 東京
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ローカリゼーションチーム - アイルランド
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メリット
- 常に仕事が進んでいる(自分が寝てる間も)
- インドのエンジニアは優秀で安いので会社的にはコストメリットがある
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デメリット
- 時差
- フェイストゥーフェイスのコミュニケーションができないので油断すると認識のずれが広がったり
- 慣れると何とかなってくる
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PMとして製品ロードマップを管理、関連部門を積極的に巻き込み、無事リリースできるまでチームを牽引、プッシュする
- 逆説的だが製品のEnd of Lifeの時にそうした能力が強く求められたりする
- パートナー向けの大きな製品を閉じることがあったが、責任者を呼んで一緒に訪問して説明しに行った
- 逆説的だが製品のEnd of Lifeの時にそうした能力が強く求められたりする
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POとして開発バックログを管理、ストーリー作成、優先順位付け
- チームの時間の使い方をする
- 常にWhyを意識、Howは開発チームに任せる
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自分のバックグラウンド、ネットワークエンジニア、セールスエンジニア、ビジネス開発、PM
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自分もコード書けないが、見た感じソフトウェアの会社でも半分ぐらいのPMはコード書けない
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プロダクトマーケティングとプロダクトマネジメントの両方をこなせるとシリコンバレーでは重宝されると言います(4Pすべてをカバーするプロダクトのエキスパート)
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B2BとB2CではPMに求められる特性が結構異なる
- パートナードリブンかプロダクトドリブンが
- C向けではUXの善し悪し一つで数字の桁が変わってくる
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普段からの気づきの能力、何がベストなUXかはすぐに変化する
- スマホの感圧タッチなど
- Linkedinで東京限定で調べてみた
- どんぴしゃPMというのは13件くらい
- 日本の会社は楽天だけ、あとは外資
- PM的なポジションの募集はたくさんあるはずだが、名称がまちまち?
- 個人的には名称を揃えた方が良いと考えている
- Wantedlyでもどんぴしゃな募集は数件に留まる
- 狩野モデル等
- 毎回やるのは大変だが、大量のストーリーがあるときは便利
- まず自ら動く人を採用する
- 誰もやっていない仕事を拾う、リーダーシップを発揮する
- 会議で誰も口火を切らないときに最初に話題を振るとか、混乱したときに整理するとか
- 開発している人たちの言葉を理解する
- 企業でプロダクトマネージャーぽいことをしている人にはプロダクトマネージャーを名のらせる
- レジュメにプロダクトマネージャーと書いてないだけでPM職への応募が弾かれてしまうことがある
- 育ててもらったことはない。自分でセミナーとか行ってた
- プロダクトが開発できる素養が出来上がってきてから就く仕事。新卒ではまずない
- 名前から入るのは悪いことはない
- 組織の中で自分で名のってしまう
- そうすれば外部のセミナーとか経費で行きやすい
- 経営陣にはイノベーションが必要だから、そのためのプロダクトマネジメントですという説明をしている
- まずは彼らに伝わる言葉から
- プロダクトマネージャーの組織を作った方が良い
- 採用しやすくなる
- うまくいっているなら体制変える必要ない
- うまく行ってないときはプロダクトマネジメント言う言葉を使わずに、まずは成果を出す
東大の藤本先生が提唱している
- 重量級プロダクトマネージャー
- 今日話したようなプロダクトマネージャー
- 車を作るなら重量級が必要
- 軽量級
- 調整役
- 狩野モデルや他にも色々ツールがある
- Whyを説明できないとチームが動いてくれない
- 上司部下の関係ではない
- 一つの課題を一つの機能で解決するのではなく、複数の課題を一つの機能で解決する機能を優先する
- 他社のプレスリリースを想像して背景を想像する
- 画面設計をしっかりやる
- デザイナーにお任せではなくて、ゴール設計を自分でやる
- 決裁者を巻き込む
- 直接話す
- 伝える力というのが大事
- 対象によって伝え方を変える
- ユーザーの行動を想像するのと同じようにチームメンバーに伝えたときの反応も想像する
- JIRAに要求を書く
- パワポやVISIOでビジュアルイメージを伝える
- 困ったらチームが何時でも聞けるようにしておく
- なれる
- マーケティング出身の人でも活躍できる
- 4Pをどうカバーしていくかという話
- カバーできれば何でも良い
- 自分でやってしまうのはアンチパターン
- チームが育たない
- Whyの部分を考えて、Howはエンジニアに任せる
- 経営にコミットしたいならPMやるのはチャンス
- やってみて嫌なら戻れる
- 人とのコミュニケーションへの耐性がどれだけあるかが判断軸になりそう
- コミュニケーションは苦手でも良い、ファシリテーションが得意なら良い
- エンジニアは作ることが好きな人が多すぎて、人に興味が無い人が多い
- どうやって使われているかに興味を持ちましょう
- 顧客が認める、あるいは受け入れる価値
- 顧客が得る全てのベネフィット - その価値を得るために払うコスト = 顧客価値
- 企業内でやってる人はたくさん居る、ただラベルが付いてないだけ
- 標準化しないと業界での流動性が上がらない
- 日本全体で知見を共有する必要がある
- コミュニティを作る
- 資料を共有しているだけでは広がらない
- ビズリーチにはプロダクトマネージャーを評価する指標はまだない
- 失敗の数、チャレンジした数を評価しても良いのではないか
- どうステークホルダーを積極的に動かしたかが評価されている
- 何らかの設定されたKPIを達成したかどうか
- 小さな改善を任せる
- 昔の日本の企業がやっていた色んな部署を経験させるのは結構良かったのではないか
- カスタマーサポートは一度経験した方が良い
- スキルを積んだPMが定期的に1 on 1をするのが良いのではないか