正確な文章の書き方
はじめに
一番大切なことは「正確さ」です。
伝えたいこと/あふれる思い
- 伝えたいという気持は、別の言葉で表現すると「あふれる思い」
- 文章がうまくなりたいと思うのだったら、書きたいことを見付けるのが一番です。
- 書きたくて書きたくてしょうがない状態を作りましょう。
- 研究者なら素晴らしい研究をしましょう。
- → プログラマなら語りたいプログラムを作りましょう
正確さ/曖昧さの排除
文の論理構造
いつも、「この文の主語は何か」、「目的語はどれか」、「述語は?」といった自問自答を繰り返して下さい。
[主語] [目的語] [...] [...] 動詞
「が」と「も」の誘惑
- 今日は晴れでしたが、明日も晴れでしょう
- 大阪から東京へは新幹線で行く方法もある
- 父の写真
意味の広い単語:「こと」、「もの」
表記の揺れ
- 接続詞の「とき」は、「時」か「とき」か
漢字
- 東京堂「用字用語辞典」、野村雅昭編
- Amazon.co.jp: 用字用語 新表記辞典(新訂四版): 加藤 彰彦: 本
漢字、ひらがな、カタカナ
- 出来るだけ漢字、ひらがなで書く
- ワーキンググループ → 分科会
- チェックする → 検査する、確かめる
- マッチする → 合致する
文と段落の長さ
- まず論理構造がはっきりとした短い文章を書く
- 長短を使い分けることによって文は生き生きとしてきます。しかし、逆に段落はすべて適切な一定の長さに納めるようにした方がよいでしょう。文章がうまい人が書くと、不思議と同じぐらいの長さの段落に落ち着きます。
能動態と受動態
- 自分の業績であるなら能動態を用いて主語を示すべき
豊かさ/軽やかさ
個々の文が正確に書けるようになったら、次は文と文の関係に注意を払う習慣を付けましょう。何度も同じ動詞が出てきたり、決まりきった表現ばかりだと、文章全体として貧困な印象を与えます。
動詞を豊かに使う
× この新しい方式では両者の計算を同時に行うため、高速に処理することが可能である ○ この新しい方式では両者を同時に計算するため、高速に処理できる 文章の柱は、「動詞」です。できるだけ動詞を豊かに使うことを心がけて下さい。 形容詞 → 名詞 副詞 → 動詞 出来るだけ動詞+副詞を使う
名詞を豊かに使う
- 動詞+「こと」を使いすぎない
- 蓄えること→蓄積
個性のある文章
コーヒーを飲む人が非常に多い
「非常に」と書くぐらいなら、「どう非常なのか」ということを、「非常に」という言葉を使わずに表現すべきだと思います。前述の例を次のように変えてみましょう。
コーヒーは、イギリス人やアメリカ人のみならず、 スウェーデン、アルジェリア、インド、そして、日本など さまざまな国の人々に愛されている
バランス感覚/素直さ
偏った内容の文章は、読む人をいやな気持にさせます。文章にはバランスが重要です。 内容としてバランスのよい文章は、素直な文章だと言い替えられるかもしれません。
文章を鏡に写す
肯定的な説明と否定的な説明
繰り返しになりますが、何かを否定することは簡単です。 しかし、鉛筆を「鉛筆だ」と表現するのは難しい。
内容の構成
文章でも内容の構造をトップダウンにすべきです。 自分の述べたい結論をまず最初に述べ、しかも、そこに時間をかける訓練をして下さい。
Introduction 木構造の頂点です。関西弁でいう「つかみ」が最大の目的です Discussion 具体的な内容です。読み手がついてこれるように、その場その場で的確な情報を与える必要があります。 Conclusion 文字通り結論です。結論は最初に簡単に述べられているため、繰り返しになります。
思いきり/吟味する
言いたいことを全部書くのではなく、溢れた部分だけを書く。