工研新歓ブログリレー2022の11日目の記事です。
前の記事:Rで関数のグラフを作った話 by きえん
陰謀論というものは変遷を繰り返しながらいつの時代にも存在し、人類の歴史と共にありました。特に直近2,3年は大きな社会的な不安要素の影響か、反西洋医学的もしくは国際政治的な陰謀論が活気づいています。陰謀論による不利益は枚挙に暇がないほどですが、1つ挙げるとすれば過激な思想との結合によって実力行使を振起させトラブルや事件へと発展する懸念があります。例えば、神真都Qという荒唐無稽な陰謀論を宗旨とする団体は、自称17億人という世界最大級の会員数を擁しながら、ワクチン接種会場に突撃し建造物侵入で現行犯逮捕されるなど道徳が最小であることを現しています。
現代はインターネット上で様々な情報がインスタントかつボーダーレスに拡散する時代です。陰謀論はなおさらです。現代人は電磁波を通じた陰謀論の曝露による心身への悪影響を受けやすくなっていると言えるでしょう。陰謀論者は様々なプラットフォームに跋扈しており、TwitterなどのSNS、Lineのオープンチャット、YouTube、ブログ、Yahooニュースのコメント欄など多岐にわたります。幸いなことに最近ではプラットフォーマーの規約も厳しくなりつつあり、虚偽・無根拠・有害な陰謀論コンテンツは削除される傾向にあります。
一方、アメーバブログは日本のブログサービスの1つですが、Ameba公式ブログからの新型コロナについてやウクライナ・ロシアについての喚起も空しく、様々な陰謀論の温床と化しています。しかし、個々の陰謀論者の投稿をよくよく観察してみると1日に何回も投稿している人の存在が見受けられます。ここで1つ、素朴な疑問が浮かびます。彼らは一体いつ寝ているのでしょうか。
ここでは適当に選別した陰謀論投稿者の数人の投稿日時のデータを元にとても雑に分析してみます。分析には、実行環境にGoogle Colaboratory、表形式のデータの操作にpandas、グラフのプロットにmatplotlibを用いました。
なお次に示す投稿者名は仮名です。また最近の記事に着目したいため2020年以降の投稿を対象としています。先述の通り今回の分析はとても雑なので必ずしも解釈が正しくない可能性が大いにあります。
Aさんは1日に2,3回ほどブログを投稿します。これくらいだとまだ全然寝れそうですね。内容はスピリチュアルな色彩をもつQアノン系です。スマホのスクリーンショットと思われる添付画像が軒並み大きいフォントなので、目がお悪いのかも知れません。投稿時刻の分布は9時から17時までが比較的多いようです。少なくとも23時には寝てらっしゃるようです。
Bさんは社長を自称しながら自身のビジネス領域とはまったく関係のない陰謀論を投稿しています。1日2回の頻度でコンスタントに投稿を続けています。内容は主に反ワクチン・反コロナです。投稿時刻の分布は特異的で、9時台と19時台に投稿が集中しています。10時から19時までは働いてらっしゃるのでしょう。昼は仕事で夜は寝る。タイムカード替わりの陰謀論ブログ投稿。規則正しい生活リズムが見て取れます。
Cさんは子育て系を自称していますがまったく関係ない内容の陰謀論を投稿しています。また定期的に自身の講演会の宣伝を投稿します。講演内容も陰謀論トークです。貨幣経済の崩壊が訪れると喧伝していますが、講演会では安くない参加費を徴収したり、ブログの末尾にアフィリエイトリンクを掲載したりしています。平均的には1日3回投稿しています。朝9時台と夕方に投稿する傾向にあり、23時から8時までは寝てらっしゃるようです。
Dさんは主に健康系・反西洋医学的な投稿しています。投稿頻度は平均して1日6,7回と高水準です。健康不安を煽って自身の情報商材を販売したり、流行りの陰謀論に乗じたコタツ記事の末尾にアフィリエイトリンクを掲載したりしています。粗製乱造されたほとんどの記事が自身のビジネスへの我田引水のため圧倒的な軽薄感が漂っています。少なくとも4時から9時には寝てらっしゃるようです。
EさんはQアノン系の投稿者です。力強い口調で断定的に論じ、時には日時を指定して預言する体裁が特徴です。平均的には1日6回投稿する計算ですが、最頻値を見てみると無投稿の日が最も多く、次に1日9回となっているのが特徴です。8時から20時までの間に投稿する傾向にあります。13・14時台は低頻度なのでお昼休憩をとっているのでしょう。陰謀論と生活の調和がとれたメリハリのある生活習慣が推察できます。20時から8時に寝てらっしゃるようです。
Fさんは圧倒的投稿頻度を誇る投稿者です。なんと平均して1日20回もの投稿を継続的に行っています。ただしほとんどが他人のツイートの引用のみでほぼ内容がないようなものです。投稿時刻の分布を見ると24時間にまんべんなく分布しています。寝る時間が定まっておらず、不規則な生活リズムが推察できます。
健やかな睡眠と休養を心がけましょう。