Skebでリクエストするときに考えていることです。
Skebは自身を「投げ銭つきお題募集サイト」と位置づけていますが、実態としては規約・ポリシーの範囲内で「コミッション」や「依頼」といった方向性でも使われています。
このようにある程度多様な用途で使えるサイトなので、自身が何のためにSkebでリクエストしようとしているのかをはっきりさせておくといいでしょう。
- 特定のイラストレーターに、自分だけの絵を描いてほしい
- 特定のキャラクターの絵が欲しい
- 特定の用途で使える形式のイラストが欲しい
- 特定のシチュエーションを絵師の力を借りて表現したい
以降は「特定のシチュエーションを絵師の力を借りて表現したい」を前提として説明します。
以下のような点に気をつけて、リクエスト相手や依頼内容を選んでいます。
- イラスト・漫画
- イラストが得意?
- 例: 桜並木を背景にキャラクターが通学しているイラスト
- 漫画 (1コマ漫画を含む) が得意?
- 例: 2人のキャラクターが街路で衝突して、精神が入れ替わるというプロットの1枚の漫画
- イラストが得意?
- キャラクター
- 自身の知っている版権キャラクターで制作できる?
- 例: 艦これをよく描いているイラストレーターに艦これのキャラクターを依頼
- 自身の知らない版権キャラクターで制作できる?
- 例: ゆゆ式を読んだことがないイラストレーターにゆゆ式のキャラクターを依頼
- 自身のオリジナルキャラクターで制作できる?
- 例: Aさんが2018年に創作して4年間描き続けているキャラをAさん自身に依頼
- 他の創作者のオリジナルキャラクターで制作できる?
- 例: Aさんが2018年に創作して4年間描き続けているキャラをBさんに依頼
- 依頼者の持ち込みキャラクターで制作できる?
- 例: あなたが3ヶ月前に知り合いのイラストレーターに考案してもらったキャラクターをAさんに依頼
- リクエストにあわせてキャラクターを創作して制作できる?
- 例: 「2人のキャラクターが街路で衝突して、精神が入れ替わる」というプロットの漫画を、その漫画のためにあしらえたオリジナル設定のキャラクターで描いてもらう
- 自身の知っている版権キャラクターで制作できる?
- ストーリーの詳細
- ネーム画像を添付すれば漫画に起こせる?
- セリフや構図を文章で説明すれば漫画に起こせる?
- 話の大まかな流れを指定すれば、セリフやコマ割りなどは創作してくれる?
- 話のコアとなるシチュエーションを指定すれば、それにあった設定や話のプロットまで考案してくれる?
- 本人の好み
- 描いてほしいシチュエーションが相手の好みと合致すれば、win-winの可能性がある
- 一方で、あえて絵師の性癖開拓のために戦略的に広くリクエストを投げるパターンもありえる
- 絵師自身の性癖に響くこともあるし、意外とTwitterやpixivでの反応がいいからそっちに転向しちゃうみたいなのもありえる
- 要素
- 背景
- 人物の姿勢
- 2人以上の人物の絡み
- イラストレーションとしての品質
- 綺麗な塗り
- 人物の姿勢にゆがみがない
- 立体構造上の矛盾がない etc.
これらの制約のうち、特に要素や品質面で強みのあるイラストレーターはプロであることが多く、価格とのトレードオフが強い印象があります。一方、アマチュアやセミプロのイラストレーターは高い創作能力を持っていながら比較的安くリクエストを受けてくれることがあり、依頼者視点では結構お得 (※Skeb相場に頭を破壊された人視点での評価であることに注意) かもしれません。ポイントは塗りなどの品質面で妥協をいとわないこと、そして性癖を合致させるべく依頼者自身が感覚を研ぎ澄ますことです。
ただ、コスパを意識するというよりも、自分の理想に近いものをいかにwin-winな状態で手に入れるかという観点で考えるほうが満足のいく結果につながるのではないかなと思います。金額に関しては気持ち多めくらいでちょうどいいかなと思います。
自分がリクエスト内容を決めるときは、頭の中では、だいたい以下のような手順で制約を解決していると思います。
- 特定のイラストレーターの募集開始などのタイミングでリクエストを決めるとき
- そのイラストレーターの得意・不得意と価格帯から、自分が納得できるクオリティーが期待できるリクエストを考える。
- リクエストしたい内容をあらかじめプールしてあるので、使えそうならプールした内容から選ぶこともある。
- そのイラストレーターの得意・不得意と価格帯から、自分が納得できるクオリティーが期待できるリクエストを考える。
- 見たい内容が先に決まっているとき
- 上記の要件のうち必須のものを先に決める
- それらを満たすイラストレーターを何人か見繕う
- これもあらかじめ「この人に依頼したい」というリストを用意しておく
- それらのイラストレーターに対して、制約を満たすリクエストを考えて、一番納得できる組み合わせの相手にリクエストを投げる。
自分が欲しいものをはっきりと伝えることは大事です。なんとなくで伝わるほど甘くはありません。
恥ずかしがって大事な性癖を伝え忘れるとお互いに損しかしません。頑張りましょう。
そうはいっても思った通りのものが得られないこともあります。
そもそもSkebは意図的に、リテイクができないような設計になっていますが、これは短期的にはクリエイター側に有利な仕組みと言えるでしょう。クライアント側は依頼を繰り返すことで経験値を積みながらクリエイターの選別を行えるという設計になっているため、札束に札束を重ねて試行錯誤することをあらかじめ覚悟しておくと話がスムーズかもしれません。