オレは高校生シェル芸人 sudo
新一。幼馴染で同級生の more
利蘭と遊園地に遊びに行って、黒ずくめの男の怪しげな rm -rf /
現場を目撃した。端末をみるのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてきたもう1人の --no-preserve-root
オプションに気づかなかった。
俺はその男に毒薬を飲まされ、目が覚めたら・・・ OS のプリインストールから除かれてしまっていた!
『 sudo
がまだ $PATH
に残っていると奴らにバレたら、また命を狙われ、他のコマンドにも危害が及ぶ』
上田博士の助言で正体を隠すことにした俺は、 which
に名前を聞かれて、とっさに『gnuplot
』と名乗り、奴らの情報をつかむために、父親がシェル芸人をやっている蘭の $HOME
に転がり込んだ。ところが、このおっちゃん・・・とんだヘボシェル芸人で、見かねた俺はおっちゃんになりかわり、持ち前の権限昇格能力で、次々と難タスクを解決してきた。おかげで、おっちゃんは今や世間に名を知られた名エンジニア、俺はといえばシェル芸 bot のおもちゃに逆戻り。クラスメートの convert
や ojichat
や textimg
にお絵かきコマンドと誤解され少年ワンライナーお絵かき団を結成させられる始末。
ではここで、博士が作ってくれたメカを紹介しよう。最初は時計型麻酔 kill
。ふたについた照準器にあわせてエンターを押せば、麻酔シグナルが飛び出し、プロセスを瞬時に sleep
させることができる。
次に、蝶ネクタイ型 banner
。裏についているダイヤルを調整すれば、ありとあらゆる大きさのメッセージを標準出力できる。必殺のアイテムなら fork
力増強シューズ。電気と磁力で足を刺激し、 :(){ :|:& };:
でプロセステーブルを埋めてくれる。
犯人を追跡するならターボエンジン付きの strace
。ただし、動力源は /dev/random
だから、エントロピプールが残っている間しか使えないのが玉にきずだ。おっと忘れちゃいけない。少年ワンライナーお絵かき団のバッジは超小型 wall
内蔵で、 grep
もついている超すぐれものだ。
ほかにもいろいろあるけど、一番の武器はやっぱり man
さ。小さくなっても動作は root。迷宮なしの名シェル芸人。パイプラインはいつも一つ。