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私はいかにして全作GMを勝ち取ったか, Article for Tetris Advent Calendar 2017, 12/18

私はいかにして全作GMを勝ち取ったか

2017/12/18, りょくちゃ (@suitougreentea)

(12/20 22:20 モチベーション維持の部分に追記)

この記事は、テトリス Advent Calendar 2017 18日目の記事です。

こんにちは。りょくちゃです。先週の記事でご紹介しましたが、東京大学テトリス研究会というサークルの代表をやっています。

去年頃からテトリス・ザ・グランドマスター (TGM) シリーズにハマっていて、今年7/29に晴れて全作GMの称号(?)を得ることができました。この記事では、そこまでの軌跡と、このような比較的短期間で全作GMを得るための戦略について備忘録的に語っておこうと思います。(テトリスそのものの地力、という観点で見れば全然短期間ではないのですが…。)

やたら長くなってしまったので、日記が見たいだけの人は前半だけ、具体的なアドバイスが見たい人は後半だけ読んでも良いかもしれません。

全作GMまでの軌跡

-2011/9/10 TGMを見つけるまで

本当に小さい頃から、テトリスは私のお気に入りのゲームの1つでした。母がゲームボーイのテトリスをよく遊んでいて、それに釣られて…という境遇だったと思います。6歳ぐらいの時でしょうか、B-TYPE 9-5をクリアして母に驚かれたこともあったような気がします。

さて、小学生生活も折り返す頃だったと思いますが(この頃はもっぱらテトリスDSで遊んでいました)、家にインターネットが開通して、TGMという高難易度のテトリスが存在することを知りました。テトリスは得意だと思っていた自分の目下に繰り広げられる、まさに想像を絶するスーパープレイの数々。それ以来、TGMシリーズには大きな憧れを抱いていました。ここに書くような話ではないのですが、インターネットの海を探し回り、シリーズを模倣した非公式ゲームをダウンロードして遊んだりもしました。これでのプレイ量は決して少なくはないのですが、割愛させていただきます。

そしてある日、音ゲーが好きな友達と慣れないゲーセンに行ったときのこと。

近所にTAPあったんだwww - 2011/9/10

あの時の感動は今でも忘れていません(本当か?)。TGMシリーズとの悲願の対面を果たしたのが、札幌市北区にあるキャッツアイ麻生店です。ここは現在でもTGMとTAPが稼働しており、(今もまだ続いてるかわかりませんが)50円2クレジットだったりしてすごいです(こなみ)。

-2015/6/27 初代GMを取るまで

その頃はゲーセンに行く習慣が無かったため、半年に1回ぐらい友達に連れられて、その時に数クレジットプレイしたぐらいでしょうか。テトリスとしてはオンラインの対戦テトリスにハマっていた時期です。

2014年頃に音ゲーにハマりだし、ゲーセンに少しずつ通うようになります。キャッツアイ麻生店に行けば、音ゲーのついでに、1、2回TGMをやる…ぐらいな感じでした。

ぼちぼちやっているうちに。

初代TGMで初めてGMとった!(写真撮れなかった) - 2015/6/27

確かこの時はTLSモードにしていたので、ランキング画面に入らなかったんですよね。次の日。今度はオプション無しです。

改めて初代GMです - 2015/6/28

晴れて正式な(?)初代GMを獲得したわけです。

-2016/4/23 ピア21小平店との出会い

それからも同じようなペースで初代とTAPをプレイしていたように思います。TAPは運よく完走できてS8ぐらいの実力です。

去年4月のことです。大学に合格し、晴れて東京に移り住むことになりました。テトリス研究会にも加入し、テトリスのモチベーションが大きく上昇します。東京でテトリスといったらTGM、ということで、早速ピア21小平店に突撃します。

れっつごー小平 - 2016/4/23

確かhebo-MAIさんに初めてお会いしたのはこの日です。それ以来hebo-MAIさんには、特にTGMシリーズに関して多大なる刺激を与えられています。感謝ですね。

また、この日は The Masters の開催される日だったため、また大会前に何とかGMが取れたため、それにも参戦することになります。結果はアレでしたが…。

しかし、ここで何よりも感動したのは、Tiと初対面を果たしたことです。やはり、この日はTiをメインにプレイしていたような気がします。HOLDボタンの位置に慣れていくので精一杯でしたが、WORLDで1回だけMMが出ました。ヤバイ。

-2016/12/17 TAP DEATH Gmを取るまで

時は経ち、小平にも何度か顔を出してすっかりTGMに夢中になっていた頃。20Gの練習にT.A. DEATHを取り入れるようになったのですが、思いの外ハマってしまいました。とはいえ、最初は300台に苦しめられ、400台に苦しめられ、抜けたと思ったら足切りに引っかかり…という感じでした。

しかし、めげずに続けていけば成果は出るものです。10月のこと。

デスm出た!! - 2016/10/22

400台を抜けると500-999はずっと同じ速度です。しかも400台と500以降では接着時間は変わっていません1 。理論上繋がればクリアできるって?そんな簡単な話ではありません。簡単には繋がせてくれません。

デスGMが取れてしまった… - 2016/12/17

繋がるんかい。 自分でも驚きましたが、とにかくこれでGm取得です。

-2017/2/25 Ti (W)認定GMを取るまで

各モードが着々と上達してきた頃です。認定MVを取るあたりから、消えロールの確実な出現を狙いに行くようになります(その方が楽しいので)。

今日は他にも初代をちょっと更新したり、認定MVになったりした - 2017/1/21

これが思いの外上手くいき、認定MMをあっさり?取得します。

認定MVから1プレイぐらいしかやってないのにいきなり出て焦った - 2017/2/4

これは行けるぞと思い、その日は更に何回か暫定MMを出してピア21を後にしました。23日にも(サークル活動の一環で)小平に行き、暫定MMを取りためておきました。

そして、2月のマスターズの日。折角なのでこの日にGM試験を出したいということで、先日はMMを取りすぎないようにしていたわけです。初代の大幅更新を経て迎えたマスターズ(成績は残念でした)のその後、ついに時が来ました。

俺が!!!!認定GMだ!!!!!!(後で綺麗なの上げる) #tgm_series - 2017/2/25

皆さんからの祝福を受け、もうそれだけでお腹いっぱいなのですが、この日はヤバくて、CLASSICでS13が出るわ、ノリでCLASSICのMASTERも始めたらMM試験まで出るわ(落ちたけど)で散々です。まあ、これのおかげでCLASSICの方も狙う機運が高まっていたのですが。

-2017/7/22 Ti (C)認定GMを取るまで

3月に札幌に帰省して、Tiの練習はお預けかと思っていたところでしたが。

札幌にTiが!!!!!!あった!!!!!! #tgm_series - 2017/3/3

図らずも練習環境を手に入れてしまったため、この月は2回ほどここに立ち寄り練習しました。流石に2月の時のようにはいかないみたいで、この筐体での成績は認定MO止まりでした。CLASSICの消えロールが安定しないんですよね。結局、認定MMが取れるぐらいに安定するまでには、当初思っていたよりも長い時間がかかりました。CLASSICナメすぎてた。

第一関門突破! #tgm_series - 2017/7/11

ここまで来れば後は少しです。その月のマスターズ後、GMを取るために粘着を始めます。これも中々上手くいかず、諦めかけますが、23時過ぎまで続けた結果。ついに認定試験が出現し…

俺が!!!!両GMだ!!!!!!! #tgm_series - 2017/7/22

この様子はTwitchで生配信をして頂いていました。ゲーム画面を垂れ流すだけのものではありましたが、リアルタイムで見て下さっていた方は、興奮が少なからず伝わったのではないでしょうか。

-2017/8/7 TAP MASTER Gm(橙)を取るまで

さて、まだTAPのGmが取れていません(笑)3月に初めてTAPの消えロールが出現し、ボロボロの成績だった以来、苦手意識を抱いていたのですが、認定GMを取った後はTiでの経験が生きたのか、消えロールを完走することができました。サークル活動でウェアハウス川崎に行った時のことです。

これで全作GM!!!!!!! #tgm_series - 2017/7/29

この時は筐体の前で踊り回った記憶があります。さて、残るは橙Gmです。むしろ消えロールを出すこと自体が難しかった時期ですが…。小平でTAPを中心に練習した時。ロールが出たので、少し攻めてみます。これはかなり上手く行きました。

橙Gm取れました!!!!!!! #tgm_series - 2017/8/7

さあ、これで悲願のGMコンプリートとなります。段位はもう追い求めることがなくなってしまったため、最近はタイムアタック中心に楽しんでいます。タイムアタックも楽しいものです。闇ですが。

全作GMを取る戦略

【認定GMに合格して雑感⑧】今は消えロールが出る条件や、そのためのセクションCOOLを出す条件について十分調査されているから、それを基にして戦略を立てることができるけれど、先駆者はそうではなかったということを考えると、本当にすごいと思う。 #tgm_series - 2017/7/23

前情報なしでGMを獲得していった先駆者はすごいです。すごすぎます。でも、TGM3稼働から10年以上経ち、各種条件について精査されている現在、「GMを取ること」だけを考えれば、最短の道を辿るために重要なのは情報収集と戦略立てです。以下では、全作GMを取るためのアドバイスを、私がとった戦略と共に紹介していきたいと思います。なお、各種用語についてはあまり解説を加えていませんので、分からない言葉があった場合には調べるなり聞くなり煮るなり焼くなりしてみてください。

初代/TAP: まずは回数

私だって上京した当時は、初代のカンスト率すら高くなかったわけです。最初に重要なのはもちろん、TGMシリーズの最低限の地力を付けることです。J.Oのテトリス講座 で勉強し、動画を見て勉強し、実際にプレイして勉強しましょう。どうすれば可動範囲が広がるのか、どうすれば効率よく掘れるのかを意識しながら回数を重ねることで、自然と20Gに対する耐性が付いてきます。小平ピア21のような爆安のゲーセンでT.A. DEATHをプレイするのも良い練習になります(ただし、やりすぎると積みが雑になりますのでバランスが大事です)。

TAP DEATH: リズムと高揚感

上に書いたように、デスは20Gの練習にはある程度有用ですが、モードとしてクリアするということを考えると、非常に難しいです。私に関して言えば、シラセよりもずっと完走率が低いです。具体的には「接着時間が思考猶予時間に見合っていない」あたりがKSGです。「CLASSICの消えロールは難しい」のところで図付きで後述しますが、いわゆるクラシックルールでは段差が無いと接着時間がリセットされません。また、NEXTは1つしか無いため、次のミノをどこに置くかを考える時間が限られてきます。HOLDで時間稼ぎをすることも不可能です。少しの迷いが横溜めの遅れを引き起こし、動かしたいところまで動かせずに接着してしまいます。そうなると、待ち構えるものが何かはもう分かりますね。 DEATH です。

私自身デス(を完走すること)は苦手なため、クリティカルなアドバイスはなかなか出来ないのですが、完走した時の経験から言うと、「一定のリズムを保つこと」と「死なずに上手いこと繋がっていることへの高揚感」がクリアを後押ししていたように思います。意図しない接着による置きミスが起きた場合であっても、すぐにリズムを取り戻すことができれば、ミスの連鎖による即死は避けられます。また、いい感じに繋がっている時に「これ、行けるのか?」と緊張するのではなく、「これ、行けるぞ」という気持ちになることが大事であると感じています。脳内物質のドーピング効果は侮れないものです。

Ti: いかにセクションCOOLを逃さないか

まずは、Tiの消えロールが出る条件について確認しましょう2 。公式情報ではないですが、これまでの経験から言うと信じて困ったことはないため、正しいものとしてしまいます。

  • 0-900の9セクションにおける*00-*70のタイムが、下の表に挙げているタイムより短く、かつ前セクションの*00-*70のタイム+2:00以内。
Level Time
0-70 52:00
100-170 52:00
200-270 49:00
300-370 45:00
400-470 45:00
500-570 42:00
600-670 42:00
700-770 38:00
800-870 38:00
  • 999時に段位m7(セクションREGRETが無い場合)

後者の条件は、TAPでカンスト時の段位がS7であることとほぼ同等です。Tiは速度に押されさえしなければ初代やTAPより積みやすいですし、相当グダグダでない限り問題無いと思って大丈夫です。したがって通常、前者の条件を満たすことのみを考えます。ちなみに、速度には付いていけることを前提にして話を進めてしまっていますが、ここで想定しているのは、SHIRASEの500足切りを安定して突破できるぐらいの速度力です。

各セクション*00-*70のタイムが上記の基準を満たした場合、*80-*90のどこかでフィールド下部に「COOL!」の文字が出現します。これが「セクションCOOL」と呼ばれているものです。テトリスやT-Spinをした際に一定の条件で表示される「COOL!」もありますが、これは消えロール出現やGM取得には関係がないことが分かっているようです。

*80-*90の間はテトリスやT-Spinを控え、セクションCOOLの出現を毎回確認することで、消えロールを迎える気持ちが大分楽になります。なお、900台にはセクションCOOLは存在しません。出なくても焦りなきよう。

万一セクションCOOLを確認するのを忘れた場合でも、前半に限って言えば、以下のことを確認することでセクションCOOLを揃えていることを知ることが出来ます。

  • 100突入時に、落下速度が落ちる(この時、TAPでいう200台の速度になっている)
  • 200突入時に、落下速度が急激に速くなる(この時、TAPでいう400台の速度になっている)
  • 300台でのライン消去時間が少し短い(TAPでいう600のそれ)
  • 390あたりで2曲目のBGMが止まる
  • 500台でARE(固定やライン消去から次のミノが出てくるまでの時間)が短くなっている

さて、それでは具体的にどうやってセクションCOOLを逃さないようにするかという話に移りたいと思います。私は、0-270については以下のような目標を立てました。

  • 0-70: 0:45
  • 100-170: 0:42
  • 200-270: 0:40

ここで意識していることは、セクションの通過を5秒刻みに調整することです。例えば、0-100は1:00に照準を合わせ、少しでも遅れそうならば1:05に調整します。こうすることで、*70までのタイムを計算しやすくなります。もちろん計算ができる人は、タイムを見るのさえ忘れなければ通過はどのようなタイムでも良いと思います。計算が苦手な人は、このように少しでもテトリス以外の思考リソースを節約することは重要です。

その次の300台はごく普通のペースで積みます。わざと遅くするわけでもなく、記録を狙いに行くわけでもなく、と言った感じです。恐らく一番気持ちいいと感じるペースを取れば良いと思います。400台では、AREやライン消去時間が短くなりますが、300台のリズムを無理やり維持しようとします。結果的に速くなってるはずなのでこれで大丈夫なのですが、心配だったらほんの気持ちだけ早めると良いと思います。

500台では、400台より少し早くなるようにします。接着時間が速くなるため基本的には下入れをしません(むしろ中途半端なリズムを作るとゴゴゴります)。CLASSICでは棒を突っ込む時だけ下入れをするぐらいでちょうど良いペースになります。WORLDでは固定時間リセットの関係でもう少しだけ上入れの頻度を増やすと安全です。

600台、700台は割とフレキシブルです。先に800台の話をすると、これは本気を出すだけです。セクションCOOLが判定される最後のセクションですから、何も出し惜しむ必要はありません。そして、この本気に合わせて600台と700台の速度を計画します。とは言っても、600台は500台を速くする、700台は800台より遅くする、ぐらいの感覚で全く問題ありません。500台のリズムと800台のリズムには、2段階のギアを挟み込むことができるぐらいの差が十分あるはずですから。

残る900台は、どんな速度でもOKです。先述したように、900-970の時間やセクションタイム、完走時間は消えロール出現条件に全く関与しません。挑戦段階では完全に下入れをせず、接着時間に身を任せて確実にテトリスをしに行くと良いと思います。

ペースを作っている間はテトリスを維持することが重要です。テトリス1回で6レベル上昇しますが、シングル4回では4レベルです。これはつまりミノ2個分、0.5~2秒の差を生みます。また、地形の高さも意識する必要があります。基本的に、真ん中付近でセクションを跨ぎ、*70を迎えることを目標にします。800台前はレベルストップを利用して高く積んで、870で低くなるようにするとベターです。地形があまりにも高い/低い状態でセクションをまたぐ場合や、地形が崩れてテトリスがしづらくなってしまった場合は、臨機応変にスピード調節をする必要があります。私はこのような場合、中途半端にリズムを修正するのではなく、局所的に本気を出す地帯や、下入れをしない地帯を作ります。この方が元のリズムに戻りやすいためです。

参考までに、私のCLASSIC GM試験での*00-*70タイムとセクションタイム(秒単位)を載せます。ここより大分下に動画へのリンクがありますので、地形管理も意識しながら見てみると良いかもしれません。

Level *00-*70 Section
0 45.2 60.1
100 41.9 60.1
200 36.4 51.3
300 28.1 43.9
400 23.3 33.6
500 19.1 35.1
600 17.8 27.2
700 16.7 30.1
800 15.4 27.1
900 --- 33.0

Ti: 消えロールの安定化に向けて

Tiでは、消えロールでの成績が最終的な段位に大きく影響します。GMを取得するためには、ロール突入時にm7~m9であった段位を6~8個分上げる必要があります。消えロール中では、テトリスをするたびに1段位、シングル~トリプルでは1ラインごとに0.1段位、ロールを完走すると1.6段位上昇するようです3

動画などから検証した結果、下入れをせずに完走した場合、WORLDだと25ライン(高い位置)~35ライン(低い位置)、CLASSICだと30ライン(高い位置)~40ライン(低い位置)消していることが多いです。30ラインで完走する場合、4回テトリスで7段位上昇し、35ラインで完走する場合、3回テトリスで6.9段位上昇します。道中の成績の感触が悪かった場合にはもう少し頑張る必要がありますが、基本的には3~4回テトリスをしてフィールドの真ん中付近で終了することを目標にすれば良いでしょう。なお、GM試験の合格には消えロールの完走という条件があります。

さて、この目標を達成するために、私が意識していることを挙げます。 J.Oのテトリス講座 に書いてあることと被ることが多いので、そちらに掲載されているアニメーションと一緒に見ると良いかもしれません。

基本的には右穴テトリス狙い

GMのためにはテトリスが重要であるということ、2x2の空間が無くても棒が立つこと(TAPのところで詳しく説明します)から、右穴テトリスを基本の積みとします。穴を開けてしまっても、無闇に掘ったりせず、上からまた綺麗に積むことを優先します。

地形の輪郭を見る

地形全体を見るのではなく、地表の輪郭のパターンを見ることに集中します。ラインを消した後も、輪郭が下に平行移動しているだけと考えます。慣れてくれば、多少の穴も同時に覚えられるようになりますが、穴を覚えることが第一ではありません。また、横に広がる輪郭全体を見るように意識します。どこかに注視するとどこかが疎かになります。個人的には消えロールの時だけ目線を引くのがオススメです。

地形を平坦にする

大きな段差を作ることは、輪郭の縦サイズを大きくすることになり、記憶コストが増えるため危険です。また、段差が変化している部分が多いと、これも情報量が多くなり記憶ミスにつながります。地形をなるべく平坦にするように心がけましょう。

image

壁に当てる・引っ掛ける

操作に余計な神経を使うと、地形を覚えることが疎かになります。そのため、基本的には横溜めのみで移動することを意識します。そうすると自ずと、壁にぶつけるか、窪みに引っ掛けることを中心とした積みになります。先の「地形を平坦にする」という観点からも、次に挙げる「レビュー」の観点からも、ミノを引っ掛けることは非常に有用です。

地形をレビューする

ミノの操作中の動きを見て、どこに段差があったか、どこで引っ掛かるかを常に意識します。それを記憶と照合して、予想通りだったら安心して、予想と違っていたら修正します。ミスなどで一旦地形がかなり崩れてしまっても、これを実践することで「輪郭を見る」という目標を取り戻せる場合があります。置きたい場所に置くための最短の手順を取らずに、余計に動かすことで地形を確認するようなことが出来る場合がありますが、やり過ぎは置けるミノ数、つまり消せるライン数が減るため注意です。また、これはWORLDだと特に有用ですが、CLASSICでは次に説明するような話があるためちょっと危ないです。

接着時に表示される枠線を手がかりにすることもできます。特に、引っ掛かる壁の高さを知るためには非常に有用です。消えロールに慣れてきて、穴を掘り返すということを目標とするようになれば(この頃にはGMを取得できるだけのロール力があるかもしれません)、塞いだ穴の位置を知るためにも利用できます。

Ti: CLASSICの消えロールは難しい

平らに積むということは、WORLDルールの消えロールにおいては非常に強力な選択肢でした。しかし、CLASSICだと話は違ってきます。回転法則やミノの出現時の向きが異なることももちろんデメリットです。基本的にCLASSICがWORLDに比べて可動域が狭いことは、少しプレイすれば分かることと思います。しかし、CLASSICで消えロールを出現させられるようなレベルになればそれは大した問題ではありません。最大の問題、それは 落下が起こらないと固定時間がリセットされない ということです。

WORLDでは、移動や回転といった操作でも固定時間がリセットされます。これはすなわち、ミノを起きたい場所に移動・回転してから接着までの時間が一定であることを意味しています。置きたい場所に置いたら、一定時間待てば接着し、次のミノが出てきます。一方、CLASSICでは、操作をしても段差がなければ固定時間が容赦なく減っていくわけです。

完全に平らな地形の時に、Oミノを左端から1ブロック離して置くことを考えましょう。横入力はしっかり溜まっていると仮定しても、出現から左端に持っていくのに4フレーム、そして、いくら精度が良くても右に切り返すのに3フレームは必要でしょう。ロール中の固定時間は15フレームらしいので、猶予は残り8フレーム。約半分が持って行かれた計算になります。

WORLDでの操作に慣れていた人がこのような操作を行った場合、結果として何が起こるかというと、 接着時間が予想していたより速い という感覚として現れてきます。操作が終わって15フレーム後に次のミノを動かし始めれば良いというリズムが染み付いているにも関わらず、8フレームで接着して、AREである4フレーム後にはもう次のミノが出現しているわけです。横移動は溜まっておらず、次のミノの接着時間がもう減り始めているということですから、接着時間の体感も速くなります。このようにして生まれる操作が遅れと焦りが、意図しない接着を引き起こし、地形が崩れてしまうというわけです。

image

これを克服しないと、CLASSICの消えロールに対してかなりの苦手意識を抱えることになります。何度も書いているような気がしますがメンタルと言うのは本当に影響力が大きく、「出来ない」という気持ちが出来るものを出来なくしてしまうことも稀ではありません。GMに合格するまで苦手意識を払拭できなかった私はどうしたかというと。

【認定GMに合格して雑感⑤】自己暗示と言えば、ロールが始まる度に、「自分は消えロールが上手いんだ」と言い聞かせていた。CLASSICの消えロールはかなりメンタル勝負。あるプレイで崩れると次も崩れることが多い。 #tgm_series - 2017/7/23

自己暗示で勝負です(笑)。しかし流石にこれだけというわけではなく、ミスしづらいWORLDに立ち戻って自信を付けなおして戻ってくるということもしました。

【認定GMに合格して雑感⑥】時々WORLDを挟んでいたのもメンタル的戦略。後半戦に3回ミスった後に立て直したのも「これで最後だ」みたいなものがあったからかもしれない。その後は波に乗ることができた。合格した後のプレイなんかはやっぱり落ち着いていた。 #tgm_series - 2017/7/23

最後に、私のCLASSIC GM試験の動画と、その時の消えロールをテト譜にしたものを置いておきます。セクションCOOLを取るためのペースの作り方や、消えロールの積み方について、これまで読んだことと照らし合わせながらご覧ください。

TAP MASTER: Tiより条件が厳しいということ

Tiの後にTAPかよ、って突っ込まれそうな気がしますが、現に私がそうだったわけですから、その順番に書かせてください。

TAPの消えロール出現条件はTiのそれよりずっと複雑で、そして非常にシビアです。よく知られている条件は以下です4 。これも間違いないと言って良いでしょう。条件の精査に使っている手段がずるい気もしますが…

  • 0-500の各セクションで、テトリスが2回以上、通過が1:05:00以内
  • 500-900の各セクションで、テトリスが1回以上
  • 500-600で、通過が0-500のセクションタイム平均+2:00以内
  • 600-999の各セクションで、通過が前のセクション+2:00以内
  • 999時に段位S9、タイムが8:45:00以内

実際にプレイしてみると分かりますが、0-100を1:05:00以内で通過するのはそれなりの操作力を必要とします。特に、このセクションでシングルやダブルが多いと、ライン消去時間が長いためすぐに基準タイムを超えてしまいます。 消えロールを出現させる上で、0-100での置きミスは致命的です。 しかし、置きミスをしないようにゆっくり積めば、綺麗に積めていても単純に時間が遅いということもあり得ます。0-100は前半で一番厳しいセクションなのです。その0-100でいかに置きミスをしないようにするかということですが、原因は大体上→下の操作で横に入ってしまうことです。しかしこれを根本的に解決することは、レバーとの相性というファクターも絡んでくるのでなかなか難しいです(意識をするだけでそこそこ改善することもありますが)。そこで、先行上入れが使える場面では積極的に使うこと、上入れをする時にも地形が引っかかって横に動かないようにすることが重要です。

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また、各セクションでテトリスを確実に決めていくということも難関です。NEXTが1つしか無く、HOLDも搭載されていない上に、回転の自由度が高くない初代やTAPでは、落下速度が早い状態で一度高い所で穴を塞いでしまうと、復活に時間がかかってしまうことが多いです。小平ピア21で開催されているTHE MASTERSの動画を見るとお分かりになるかと思いますが、 500以降では復活に1セクション以上かかることも全く稀ではない のです。その中でテトリスを最低限1回は決めなければならないわけですから、捨て身でテトリスを狙いに行くか、あるいは諦めてしまうかという選択肢になってしまうわけです。結局大事になってくるのは、20G下で地形を崩さないようにすること。そのためにはどうしても練習が必要ですが、いわゆる「5列目や左端を高くする」ような意識を常に持って積むだけで幾分増しかもしれません。

テトリス回数という話に少し絡んできますが、999時にS9という条件もなかなか厳しいものです。 上に挙げたテトリスの最低回数を満たしただけでは、基本的にS9に到達することはできません (コンボを駆使すれば話は別かもしれませんが)。ここで肝となるのが、750以降で確実に複数回テトリスを決めることです。750以降はレベル係数が増えるらしく、段位が上がりやすくなるなるためですが、むしろこれさえしっかりできていれば、道中がギリギリでも何とかなることが多いです。700以降は速度が急上昇するため、最初は積みづらいかもしれませんが、一刻も早くこのリズムに乗った積みができるようになる必要があります。このあたりは、DEATHでの練習がある程度役に立つかもしれません。

500-900のセクションタイムについては、AREやライン消去時間がセクションごとに短くなっていくため、大きく崩れることが無ければ基本的に問題無いと思って大丈夫です。ただし、800台の時点で下入れが効率よく決まっている場合、900台で失速することは許されません。AREとライン消去時間が変化しないためです。20G下での速度に自信のある方は、Tiの時と同様に「本気を出しすぎないような」調整をする必要があるかもしれません。

しかし、この時間調整とトレードオフになってしまうのが、カンスト時のタイムです。特に前半が苦手な場合、後半の速度を落としすぎると、簡単に基準タイムを超えてしまいます。仮に、0-500が4:50だとすると、500-999を3:55で抜けなければなりません。順番に0:55, 0:50, 0:45, 0:40, 0:40で抜けていくならば後半の合計は3:50です。目標としてはかなりギリギリなことがお分かりでしょう。挑戦レベルではこのタイムに苦しめられることが多いかと思いますが、さっき書いた「リズムに乗った積み」が実践できるようになれば、調整を意識できるぐらいの余裕ができるようになります。

基準を実際に満たしているかが実際にロールを迎えるまでゲーム側から提示されないこともTiとの違いですが、これが何気にメンタルに影響します。こればかりは仕方ないので、強く生きましょう。

このように、意識しなければならないことがTiより多いです。これらをしっかり考えながら積めるようになるためには、初代やTAPにおける「普通の積み方」を体に染み込ませ、ある程度速いリズムで実践できるようになっている必要があります。そのための「まずは回数」なのです。

TAP MASTER: 消えロールはやっぱり難しい

Tiでは、マルチNEXTとHOLDを使いこなすことができてさえいれば(それをどう身につけるかはこの記事の範疇を超えるため割愛します)、ミノがNEXT欄に出現してから、どこに置くかの判断までにある程度の猶予が設けらている上に、HOLDによって積みの自由度が高くなっています。それに対してTAPでは、NEXTが1つしか無いため、前のミノがフィールドに出現するまで、次のミノが何であるか知ることができません(もちろん、TGMには偏り補正があるため、出てきそうなミノをある程度絞り込むことは可能です)。また、HOLDという選択肢も用意されておらず、出現したミノはどこかに置くしかないわけです。

回転法則の違いも非常に大きいです。I, S, T, Lを右端に持っていって右回転すれば右端に穴が開くわけですが、Iが床を蹴らないことは大きな制約となります。そもそも回転しないことがありえますし、折角右端を開けたのに、棒が入らない地形になってしまうということが多々あります。初代やTAPで棒を入れるためには、右端に2x2以上の空間が空いているか、IRSで入るように右上がりになっていない必要がありました。これはつまり、Tiでの戦略をそのまま流用すると、 「引っ掛けて積む」という戦略が右端には適用しづらい 、また 平らに積むことが置き場所の選択肢を減らし得る ということになります。TAPに合わせた消えロール戦略が要求されるわけです。

幸いTAPの消えロールにおいてテトリスに特別な意味はありませんので、テトリス狙いという戦略は排除することができます。テトリスをしなくて良いなら、右側を開ける必要性もあまりありません。 地形表面を覚え、その情報量が多くならないように段差は控えめにする ことは維持して、しかし ラインを消去する位置はフレキシブルにする と良いでしょう。実質、地形をガタガタにしすぎないように意識しつつただ「埋めて」いけば大丈夫ということになります。

一つ意識しなければいけないことが増えるとしたら、やはりミノの可動域でしょう。Tiの場合は回転補正とHOLD(選択肢が増えているので置きたい場所に置ける確率が増える)の存在によってある程度ごまかすことが出来ていましたが、こればかりはTAPではどうしようもありません。平坦にすることを多少犠牲にして真ん中を高くするか、できるだけ平坦に積んでハマったら仕方なく塞ぐかになりますが、塞ぎすぎると地形がすぐ高くなってしまうので、Tiで少し積極的に段差を作って練習するなどして少しは段差慣れしておくと良いと思います。ちなみに、橙Gmのためには32ラインの消去が必要ですが、地形がかなり低い状態で完走するか、下入れを積極的に使っていく必要があります。こちらを狙う場合には更に練習が必要でしょう。

楽しくやりましょう

最後にもう一つ。「比較的短期間」とは言え、もちろん数日数週間で達成できるものではないです。それぐらいのスパンになってくると、モチベーションを維持するということも大事になってきます。良く言われていることですが、目標を小分けにして、どんなに小さい目標でも達成することによって成長を実感することが重要です。また各プレイについて言えば、上手く行かないことがあったとしても、まあそんな事もあるさと受け入れるぐらいの余裕があると良いでしょう。さらに、原因を自分なりに考察できればベターです。とにかく極力「嫌な気持ち」にならないことが大事だと思っています。これまでの話にも散々散りばめてきましたが、気の持ち方は本当に影響力が大きいのです。

モチベーションを保つためのもう一つの重要な方法は、目標の達成を適切に評価してくれる人や、互いに意識し合えるようなライバルを持つことです。私は小平ピア21の常連さんや、Twitter上での繋がりを通してこれを獲得することができました。このような、自分を刺激してくれる周りの方々に支えられることで、私はここまで登りつめることができたのです。ここに皆さんへの感謝の意を示すとともに、周りの人がいることの大切さをここに追記しておきたいと思います。

本当に長くなりましたが、未来のグランドマスターズの誕生を心より祈念してこの文章を締めさせていただきます。


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