Rietrun
はRietanのバージョンについて後方互換を一応兼ね備えています。
ただ、最新版のRietanでテストを行っているため、Rietanは最新のものを使った方がいいです。
既存のRietanシステムはアンインストール(Uninstall_RIETAN_VENUS.batの実行)をしてから、泉先生_ハンズオン...
フォルダの中のhands_on_document.pdf
を見ながらインストールしなおすのがいいです。
RietRunを使ってバッチ処理を行うにしても、まずはちゃんとしたins
ファイルの作成が必要不可欠です。
ins
ファイルを編集し、テスト実行する環境には泉先生が偏愛する秀丸エディタ
が極めて適しています。
学生であれば申請後無料で使用可能なのでぜひゲットするといいでしょう。
実行環境の構築方法についても前述のhands_on_document.pdf
に記載されているはずです。
難しければNotepad++を使えば大体秀丸エディタと同じことが出来るのでそちらを使うのも一つの手です。
Notepad++にしたくて使い方が分からなければ聞いてください。
.int
,.ins
を用意する(実行フローをカスタマイズしたい場合はbatファイルも用意).ins
ファイルを修正してまずは計算が収束するパラメータを設定する- Rietrunで解析のフローを組む
- 実行してみる
結構大変なので自分もリハビリがてらやりながら解説したいと思います。
今回のチュートリアルにはフッ化アパタイトの試料の構造解析したいと思います
データは
泉先生_ハンズオン資料と最新RIETANシステム/Windows_versions/RIETAN_VENUS_examples/Fapatite
のフォルダにあるので、そこからFapatite.ins
とFapatite.int
をコピーしてデスクトップのどこかのフォルダに入れておくといいです。
このコピーしたファイルを使って解析をします。
まずは秀丸エディタでFapatite.ins
を開きます。
同時にRietrunも開いてファイルを開く
ボタンを押してFapatite.ins
を開くといいです。
Rietrunの起動時に上の方にマクロを有効かするか聞かれると思うので、必ず有効化してください。
有効化しないままダイアログが消えた場合は一度Rietrunを閉じて再起動してください。
マクロの有効化に成功するとRietrunのWelcome画面が開くと思います。
RietrunでFapatite.ins
を開いたら解析シート作成
ボタンを押すといいでしょう。
すると、新しく解析用のシートが生成されins
ファイル内の可変なパラメータに0, 1, 2, 3
のどのIDが割り当てられているか一目でわかると思います。
解析シート内の一番上の行が初期のパラメータIDです。Step1
の行は初期IDが同じく書かれていますがSCALE
以外はまずは0
にしましょう。SCALE
因子以外は精密化しないという意味です。
解析シート名はRietrunの
Setting
シート内の解析シート名と一致している必要があります。
逆に解析シート名が一致していれば好きな名前に変更することも可能です。
解析シートを複数作成しSetting
で解析シート名のところを変更することで様々なパターンで計算することが可能です。
そしたらSetting
のステップ解析
ボタン下の解析Step
の欄に1
を入力しステップ解析ボタンを押します。
するとLogフォルダを作成するか聞かれるのではい
を選択。好きなフォルダ名を入力してください。
Logフォルダは解析のバッチを回すたびに新しく作ることが出来ます。
これにより、解析のパターンによって変化する結果をすべて保存でき、いつでも振り返ることが可能です。
また、既存のフォルダを使用することも可能です。その場合はLogフォルダの作成を聞かれたらいいえ
を選択します。
実行が終了すると速やかに実行結果が出力されると思います。
エラーが生じたらエラー内容が出力され、解析結果が記述される.lst
ファイルが開かれるかと思います。
いずれにせよ、.ins
ファイル内の可変パラメータのIDがすべてStep1の通りに置き換わるのでこれを基に初期のins
ファイルを作成するといいでしょう。
Step解析を行うと解析シート内のStepが実行されます。
また計算結果のプロファイル(理論計算と測定値のグラフやその差)を出力したい場合はsetting
シートの右側にある計算結果のプロファイルをプロットする
にチェックを入れます。
これにより解析毎でのプロファイルをPDFに出力して保存しておくことがかのうです。
この機能を使うにはNPAT
を1
にしておく必要があります。一方で最初のころは
ins
ファイル内のNPAT
を2
にしておくことをお勧めします。
解析の初期はRietRunで連続的に実行するより秀丸エディタでパラメータの初期値をよくするために実行と修正を繰り返す方がいいからです。
この時NPAT
が2
だとIgorの形式でグラフデータが出力されます。
秀丸エディタのPlot
Plotボタンを押すとマウスで拡大や縮小が可能なグラフ描画ソフトが起動しインタラクティブなグラフによるチェックが可能です。
しかしこの機能を使うためには少しだけ設定を変更する必要があります。
まず、秀丸エディタのメニューにあるマクロ > マクロの登録 > マクロ2のPlotを選択 > 編集ボタン
とクリックしていきます。するとグラフを表示するためのコード
Plot.mac
が表示されるので25行目付近
の#gtool = 1; // 右辺の整数を1~3に変える
を
#gtool = 3;
に変更します。保存して閉じればOKです。これでグラフの閲覧がめっちゃ便利になります。
前節ではに秀丸エディタとRietRunを使って初期パラメータを最初に決定しました。
これがいい感じになったらRietRunを使ってシーケンス処理を開始するといいでしょう。
そのまま連続解析に移ってもいいですが、いったんRietRunの方はリセットしておくといいかもしれません。
解析のやり方は単純でまずは解析シート
に各ステップごとに変化させるパラメータを設定していきます。
パラメータのIDを入力する行は解析シート
の左上にあるボタンで増減することが可能です。コピペやオートフィルを使って行を増やしてもいいです。
ただし、Stepが記述されている部分は
step 1
からちゃんと番号順にしてください。
解析シートが出来たら連続解析ボタンをチェックして解析をスタートさせます。
解析が発散してエラーが生じた際、パラメーターを修正してそのまま次のステップを実行しようとすると以下のエラーが生じる可能性があります。
~は正しく置換されませんでした
前ステップのinsファイルのIDとセルで指定した前ステップのIDが一致していない可能性があります。
これはNステップ
を実行するのにins
ファイルのIDがN-1ステップ
のIDと一致していないためです。
RietRunは解析のためにinsファイルのIDを指定したステップのIDに置換する処理でエラーが生じています。
新しいIDに置換するins
ファイルは前回のIDと同じであるはずです。
しかしエラーによって或るNステップの処理が途中で中止された場合はファイルはNステップのIDに置換された
状態> になっています。
しかしエラーが起きた場合は問題を修正後再びNステップ
を実行すると思います。
この時このエラーは生じます。
エラーが生じた場合は前ステップのinsファイル
をlogフォルダ
からコピーして使うといいでしょう。
このとき役に立つのがファイル置換
ボタンです。このボタンをクリックするとダイアログが表示されます。
入力画面に置換したいステップの番号
を入力しOK
をクリックすると自動でLogフォルダからファイルを取得して置換してくれます。
この時参照するLogフォルダは
setting
シートのファイル設定
にあるLogフォルダパス
で指定します。
また、ファイルを参照ボタンをクリックすれば置換したいins
ファイルを自由に選択することが可能です。