オープンドルフィン・ラボ 皆川 和史
表題はAppleのデザイナー、ジョナサンアイブの言葉である。
OpenDolphinはよくSimpleだと評価される。これは機能が少ないことの裏返しと言う人がいる。このことは真でもあり偽でもある。
一般に電子カルテに対する要望は、
- 病院の数 x 診療科の数 x 医師の数
だけあるとされる。これを業務型のインターフェイス(ボタン、コンボボックス、テキストボックス、メニュー...等々の組み合わせ)で実装するのは極めて難しい。
これに対しOpenDolphinは、
- 知的作業者に優しいインターフェイスはどうあるべきか
を考察した論文1)を基に開発した。それによると、
- キャンバスやノートのような白い紙のイメージがよい。
- 作成手順がないこと(自分の好きな方法で作成できる)。
- いつでも止められること。
- いつでも再開できること。
が必要とあった。そこで、
- ノートのインターフェイスを持ち
- それにどのような情報でも入るコンテナの機能を加えた2)
もちろん他の要件も充している。 ジョナサンアイブはこうも言っている。
最初からSimpleな物を作ろうとしたら、それはただ単に機能が少なく、飾りの少ない物になってしまう。
OpenDolphinがAppleの製品と肩を並べることは無い。しかし最初からSimpleな物をねらったのではなく、知的作業者に優しいインターフェイスを考えて開発した。そこそこ使われているのはその結果かも知れない。
OpenDolphinは2001年から開発している。偉大なデザイナーの言葉に感動し、当時の設計方針をふり返った。
- 紛失し失念しました。現在探しています。
- 実際コンテナであり、カスタマイズはしていますが、癌治療に特化した病院で多種多様な情報が記録されています。つまりSimple=機能が少ない、ではありません。