OpenDolphin と ORCA を連携すると、次のことが可能になります。
- ORCA で患者さんの受付を行うと、OpenDolphin に送信されます。
- OpenDolphin でカルテを作成すると、診療行為が ORCA に送信されます。
OpenDolphin には算定ロジックはありません。カルテに記入された診療行為は全てそのままの形でORCAへ送信されます。 この原則により双方のバージョンが異なっても常に同じ結果が得られます。これはシステムの原則であり、次のように運用されることを想定しています。
- OpenDolphinには行った診療行為を全て記載する
- 算定はORCAの責任
ここでは ORCA と OpenDolphin のバージョンが次の場合を説明します。
ソフト | バージョン | インストール方法 |
---|---|---|
ORCA | 4.8 以降 | 日医総研の手順書によってインストールされているもの |
OpenDolphin | 2.6 以降 | Docker コンテナを使用している場合 |
ORCA と接続するのは OpenDolphin のクライアントです。サーバーは Dockerでインストールされており、既にクライアントと接続されているものとします。(図参照)
以下、OpenDolphin はクライアントの意味で使用します。また今回は説明のために 下記のようなネットワーク構成にあるとします。(これは例です)
マシンIP | 表記 | 例 |
---|---|---|
ORCA の IP アドレス | orca_ip | 192.168.1.200 |
OpenDolphin の IP アドレス | dolphin_ip | 192.168.1.100 |
OpenDolphin の CDIR形式によるネットワークアドレスとネットマスク | dolphin_cdir | 192.168.1.0/24 |
OpenDolphin は ORCA の点数マスターを使用して診療行為を記述します。そのために ORCA にログインし、下記二つの Postgres 設定ファイルを編集してください。また以下の説明では記号を下記のように定義します。
記号 | 定義 |
---|---|
$ | ターミナルのプロンプト コマンドはこの後に表示 |
x.x | Postgres のバージョン番号(例 バージョンが 9.3 の場合は x.x = 9.3) |
$ sudo gedit /etc/postgresql/x.x/main/postgresql.conf
変更内容
Listen_address = 'localhost, orca_ip'
Listen_address 行の先頭の # を削除し、ORCA マシンのIP アドレス orca_ip を localhost の後にカンマで区切って入力します。
$ sudo gedit /etc/postgresql/x.x/main/pg_hba.conf
変更内容
host all all 127.0.0.1/32 md5
host all all dolphin_cdir trust <- 上記の下にこの行を追加します
上記の設定が終わったら postgres と jma-receipt をリスタートします。
$ sudo service postgresql stop
$ sudo service postgresql start
$ sudo service jma-receipt restart
ORCAマシンにログインし、次の設定を行ってください。
- メニューの「91 マスタ登録」->「101 システム管理マスタ」から 「1005 診療科目情報」を選びます。
- 診療科目設定の画面で、コードを次のテーブルに合わせて設定してください。
コード | 診療科 | コード | 診療科 | コード | 診療科 |
---|---|---|---|---|---|
01 | 内科 | 02 | 精神科 | 03 | 神経科 |
04 | 神経内科 | 05 | 呼吸器科 | 06 | 消化器科 |
07 | 胃腸科 | 08 | 循環器科 | 09 | 小児科 |
10 | 外科 | 11 | 整形外科 | 12 | 形成外科 |
13 | 美容外科 | 14 | 脳神経外科 | 15 | 呼吸器外科 |
16 | 心臓血管外科 | 17 | 小児外科 | 18 | 皮膚ひ尿器科 |
19 | 皮膚科 | 20 | ひ尿器科 | 21 | 性病科 |
22 | こう門科 | 23 | 産婦人科 | 24 | 産科 |
25 | 婦人科 | 26 | 眼科 | 27 | 耳鼻いんこう科 |
28 | 気管食道科 | 29 | 理学診療科 | 30 | 放射線科 |
31 | 麻酔科 | 32 | 人工透析科 | 33 | 心療内科 |
34 | アレルギー | 35 | リウマチ | 36 | リハビリ |
- メニューの「91 マスタ登録」->「101 システム管理マスタ」から 「9000 CLAIM接続情報」を選びます。
- 項目の値を次のように編集します。
項目 | 値 |
---|---|
CLAIM 接続 | 1 する |
送信用コード | 3 UTF8 |
送信時ポップアップ | 受付=有 患者登録=無 診療行為=無 |
患者登録送信 | 無 |
診療科レセ電送信 | 有 |
病名集約 *1 | 無 or 有 |
病名同期 *2 | 無 or 有 |
入院オーダー取り込み | 無 |
複数ホスト送信 | 無 |
再送(外来)受信 | 有 |
外来診療科展開 | 0 標準変換(再診料のみ) |
送信用アドレス | dolphin_ip(OpendolphinマシンのIPアドレス) |
ポート受付 | 5002 |
請 求 | 5004 |
メモ | 任意 |
*1) 複数診療科で同一病名を送信された場合、最初に送信された診療科に全てまとめるかどうか
*2) 複数診療科で同一病名が存在する場合、送信された病名を更新する際にその他の診療科の同一病名も更新するかどうか
OpenDolphin クライアントを起動し次の設定を行ってください。
- ログイン画面の「設定」ボタン -> レセコンタブをクリックします。
- 項目の値を下記のように設定します。
項目 | 値 |
---|---|
診療行為送信 | 送信するを選択 |
機種 | 日医標準レセプト(ORCA) |
CLAIM診療科コード | チェックしない |
医療機関ID JPN | ORCA に設定した JPN で始まる医療機関コードの数字部分(12桁) |
レセコンとの接続 | クライアントを選択 |
IPアドレス | orca_ip(ORCAマシンのIPアドレス) |
ポート番号 | 8210 |
このマシンでORCAからの受付情報を受信する | チェックする |
受付情報を定期的にチェックする | チェックする |
- ORCA で受付をします。この時必ず保険情報も入力してください。
- CLAIM送信のポップアップが出てくるので、「登録」ボタンを押します。
- OpenDolphinに受付情報が入ってきます。
- 受付リストで患者を選択し、カルテを作成します。
- 保存時に、診療行為を送信する、を選びます。
- ORCAで「診療行為」->「中途表示」ボタンを押します。
- 受信したデータを選択するとOpenDolphinからの診療行為が表示されます。