OpenDolphinの基本となる操作は次の4ステップです。
- 患者検索 *1)
- カルテオープン
- 新規カルテ作成
- 保存
*1)ORCAと連携すると受付リストから患者を選択することができます。
- メインウインドウ画面の患者検索(中央)タブを選択します。
- 検索ボックスに患者のID、姓または名を入力します。
- 00 -> IDが 00 で始まる患者を検索
- オープン -> 姓がオープンで始まる患者、または名がオープンで終わる患者を検索
- 上記はプログラムが自動で判断し検索を実行します。
- 検索結果から患者を選択しダブルクリックします。
1.共有メモ
- ワーファリン服用、脳動脈クリッピング、モンスターペアレント...等の共有しておくべき重要事項をメモします。
2.来院歴
- 今月来院されているかどうか、しばらく来院がないかどうか等を一目で把握します。
3.文書履歴
- 診察記録の履歴で、直近がトップに、以降確定日の降順に表示されます。
- 履歴を選択するとその時の内容が表示されます。
- 履歴は複数選択することができます。(シフトキーで連続的に、オプションキーで飛び飛びに選択できます。)
4.アレルギー *2)
- テーブルを右クリックすると追加や削除ができます。
5.経過記録
- 2号様式で、左側にSOA、右側にPlanを記録します。
- S: Subjective 患者の主訴
- O: Objective 所見
- A: Assessment よくなっている、悪くなっている等の評価
- P: Plan 処方、検体検査、画像診断等のオーダー及び実施情報
6.ステータス
- 患者ID、最終受診日、システム登録日、カルテを開いてからの経過時間を表示しています。
*2)小児科等で重要な身長・体重と入れ替えることができます。これらはアプリケーションの設定で指定します。
- ツールバーの一番左のアイコンをクリックします。
- 表示されたダイアログで、適用する保険とカルテの作成モードを選択します。
- 前回処方を適用 前回の処方データが入力されたカルテを作成します。
- 全てコピー 前回のカルテを複製したカルテを作成します。
- 空白の新規カルテ 何も入力されていない空白のカルテを作成します。
OpenDolphinは紙にスタンプを押すイメージでカルテを作成します。スタンプはよく使用する診療行為をセットにしたもので、 処方、処置、画像診断等のカテゴリー別に作成し保存しておきます。作成方法については5節で説明します。 また入力を簡単にするためテキストだけのスタンプもあります。
テキストはSOA部、P 部の両方に入力できます。下記方法に対応しています。
- キーボード入力
- コピー・ペースト
- スタンプ箱から Drag & Drop
- 右クリック
- ツールバーのテキストアイコンをクリック
- カルテに入力したテキストを選択し、そのままスタンプ箱へ Drag & Drop すると新しいスタンプとして登録されます。
シェーマはSOA部(左側)のみに入力できます。
- あらかじめ画面の左側をクリックしフォーカスを与えます。
- ツールバーのペイント缶をクリックします。
- シェーマ画像のリストが表示されます。
- 描きたいシェーマを選択し、SOA部(左側)に Drag & Drop します。
- シェーマエディタが開きます。パレットでツールを選択しアノテーションを加えます。
- カルテに展開ボタンをクリックするとカルテ画面に表示されます。
- 再編集する場合はカルテ画面のシェーマをダブルクリックします。
スタンプは以下の方法で入力できます。
- スタンプ箱からカルテ画面に Drag & Drop
- 右クリック
- ツールバーのスタンプアイコンをクリック
- カット、コピー、ペースト
- コードヘルパー
- Drag & Drop で順番を入れ替えることができます。
- 処方日数や数量を変更する場合は、カルテ画面のスタンプをダブルクリックします。
- スタンプエディタがポップアップし数量が変更できます。
- スタンプ箱に登録していないセットについては、エディタから発行をカルテ画面に Drag & Drop します。(5節で説明)
- 数量変更や新規に作成したスタンプをスタンプ箱へ Drag & Drop すると新しいスタンプとして登録されます。
- ツールバーのフロッピーアイコンをクリックします。
- Plan側のスタンプ(診療行為セット)がレセプトコンピューターに送信されます。
- 地域医療連携、検体検査オーダーシステム等と連携している場合は、カルテの内容が所定のフォーマットに変換され各システムへ送信されます。
- 修正が必要な場合はツールバーの修正アイコンをクリックし再編集します。
スタンプの作成方法は次の二通りがあります。
- カルテを作成しながら必要になった時点でその都度作成する。
- 時間のある時や運用開始前等にあらかじめ作成しておく。
- 作成したいスタンプのカテゴリーを選択します。(スタンプ箱の処方や処置等のタブを選択)
- エディタから発行を作成中のカルテ画面右側(P部)に Drag & Drop します。
- スタンプエディターが起動します。
この中で医薬品、器材、手技(以後、項目と称します)を検索し診療行為セットにまとめます。
- 検索ボックスに項目名を入力します。(結果は入力中に随時表示されます。)
- 結果は項目の種類毎に色分けされます。
- オレンジ 医薬品 (Medicine)
- 青 器材(Materail)
- 緑 手技(Medical Procedure)
- 白 その他の項目及び選択しているカテゴリーではセットにできない医薬品、器材、手技の場合 *3)
- セットしたい項目を選択すると、画面の上側(セットテーブル)に移ります。
- セットテーブルで数量を指定します。
- Drag & Drop で項目の順番を入れ替えることができます。
- 項目を追加したい場合はマスターを検索し同じ手順を繰り返します。
- 項目の削除はそれを選択した状態で削除ボタンを押します。
- セットが有効になったらカルテに展開ボタンまたは保存ボタンがアクティブになります。*3)
- カルテに展開されたスタンプを、スタンプ箱へ Drag & Drop すると、新しいスタンプとして登録されます。
*3)診療報酬制度に依存します。例えば処方セットで用法がない場合、処置セットで手技がない場合等はボタンがアクティブになりません。
- スタンプ箱の道具アイコンをクリックします。
- 右側がスタンプ箱、左側がエディタの画面になります。
- スタンプ箱でカテゴリーを選択すると、それに応じたエディタが表示されます。
- 作成方法は上記と同じです。
- 有効なセットになったら右矢印ボタンがアクティブになり、クリックするとスタンプ箱へ保存されます。*4)
- 左矢印ボタンをクリックすると、選択されているスタンプがエディタに取り込まれます。編集後は置き換えたり新規のスタンプとして保存することができます。
*4)スタンプは病院内で共有できます。診療報酬制度に詳しい人が作成し他の人はそれを利用できます。
OpenDolphinのカルテ画面はコンテナになっています。標準では次のオブジェクトを取り込むことができます。
- テキスト (SOA、Pの両方)
- スタンプ (P側)
- シェーマ (SOA側)
- 画像ファイル (SOA側、容量制限あり)
- PDFファイル (SOA側、容量制限あり)
カスタマイズによりほぼすべての医療情報を取り込むことができます。*5) 下記はその実績です。
- 既往歴 (Past Illness)、家族歴 (Familiy History)、生活習慣 (Life Style)、感染症情報 (Infection)、出生時情報 (Childhood)、副作用情報 (Side Effect)、禁忌 (Contraindications)
- TNM分類 (TNM Classification)、RESIT評価 (RESIT Evaluation)、放射線治療履歴、化学療法履歴、手術記録、アナムネーゼ、電話対応記録
- 再生医療コントロール関連 (Regenerative Medicine related Progress Notes)
*5) カスタマイズは有償です。
- 病名管理
- 併用禁忌チェック
- 検体検査結果の取り込みと時系列表示
- 検体検査オーダー
- モダリティビュワーとの連携
- 紹介状 (Refferal Letter)、診断書 (Medical Certificate)等の文書作成
- 紹介状等PDF文書保管
- サマリ機能(自由記載で静的な情報や退院時等の区切り的情報)
- 複数のユーザーが同じ患者のカルテを開く場合の排他制御
- スタンプの共有機能(発行とサブスクライブ)
- 受付システムとの連携
- 地域医療連携への出力、Single Sign On 対応(オプション)
- システムユーザー登録、パスワード変更、医療資格による書き込み制御
- プログラム自動更新
- DolphinPro(iPhone/iPad 対応の閲覧アプリ)
- VisitTouch(iPhone/iPad 対応で DolphinPro と連携する書き込みアプリ)
- Super EHRTouch(iPad専用で閲覧と記録が可能)
いずれもオープンソースではありません。