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@mizchi
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90年代の小学生がRPGの黄金期をどのように経験したかの思い出。あるいはブレスオブファイア2への愛

これはゲーム仲間でゲームの思い出について語る、ポ鯖アドベントカレンダーの記事の13日目です。時期は気にするな。

身内ネタとかないので普通に一般公開用の記事です。


90年代の小学生がRPGの黄金期をどのように経験したかの思い出。あるいはブレスオブファイア2への愛

1996年、小学2年生でスーパーファミコンを買ってもらった時、最初に買ったソフトがマリオコレクション、すーぱーぷよぷよ2、がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固めだった。

このうち、ゴエモン3はアクションパートとは別にアドベンチャーパートの比重が重くて、街を巡って依頼を受けては次のステージをアンロックするためのシティクエストがプレイ時間の半分ぐらいを占めていた。これがまあ難しかったのだが、今思うとこれが最初に触れたRPG的な要素だった気がする。

1996年の当時、うちは当時にしては珍しくインターネット回線を引いていたのだけど、今と違って攻略サイトが充実していなかった。だからゲームで詰まった時、とにかく総当たりで探索するしかない時代だった。

その後、マリオRPGで本格的なRPGに触れた。これはマリオコレクションでマリオシリーズに親しみを持った結果、マリオ関連の最新作をやってみたいな感じで買った気がする。これでRPGの楽しみ方を覚えた。マリオRPGに付属するスーパーファミコンの割引券は、親に内緒で同級生に売って、なにかのソフトの購入資金を捻出した。

マリオRPGの経験を元に、ポケモン赤緑全盛時代に突入した。当時ポケモンをやっていない小学生はほぼいなかった。今調べるとマリオRPGは1996年3月、ポケモン赤緑が1996年2月で、ほぼ同時期らしいのだが、確かポケモンは品薄で手に入らなかったのでプレイ順が前後しているのだろう。当時読んでいたコロコロコミックの販促がすごかったのは覚えているし、結局自分は全員当たる青版のキャンペーンに申し込んで、親に抽選が当たった(※全員当たる)から3000円だしてくれ!と事後承諾させた記憶がある。小学生はそういう嘘を付く。

なぜ自分がRPGを遊んでいたか。当時、多くの同級生と同じように誕生日とクリスマスしかゲームを買ってもらえなかったので、一本あたりのプレイ時間効率は最大化しなければならなかった。当時求めていた KPI は Playable Time per Price である。

また、自分の小学生の頃の住んでいた場所が校区のうち住宅が少ないエリアで、同級生と遊びづらい環境だった。なので周りの同級生がマリオカートやスト2のような対人ゲームを選ぶのに対し、自分は一人で長時間遊べるRPGを選択しがちだった。これらのゲームの体験がないわけではなく、遊びにいって経験はしているが、自分では買わないので練習できず下手なままだった。これでやや対人ゲームへの苦手意識がついてしまった。

FF4、あるいはいかに当時の小学生がプレイ時間のロンダリングをしていたか

90年代後期、当時はスクウェアとエニックスの全盛期で(注:まだスクエニではなくライバル会社だった)品質のよいRPGがコンスタントに提供されていた。自分がこのRPGというジャンルを好きだと明確に意識したのが、FF4 だった。

FF4は自分で買ったのではなく、同級生の黒木くんに借りた記憶がある。黒木くんはクラスは違うが数少ない近所の同級生だった。黒木くんの家は教育ママで、あまりゲームを遊べる時間がなかった。たしか火/木に1時間だけとかそういうルールだった気がする。

当時、(高橋名人の影響か何か知らないが)みんなゲームは1日1時間というルールが各家庭に浸透していたが、実際にはこの対策として「各家庭で1時間ずつ遊ぶ」というある種のプレイ時間のロンダリングが横行していた。

そういう環境の中、俺と黒木くんはなんとかしてロンダリングでプレイ時間を捻出し、FF4 を遊んでいたのだが、結局黒木くんのママには途中でバレて、ソフトはうちに貸し出されたままになり、結局一人でクリアした。レベル上げをする時間がなかったので自然と低レベル進行になる。そうなるとゼロムスのビッグバンでリディアが死ぬ。大変だった。

小3のとき、黒木くんは転校してしまった。一緒にRPGを遊んでくれる仲間もいなくなり、自分は親の目を盗んで寝静まった深夜にゲームをやるようになった。うちも別に緩くはない家なので、親のレム/ノンレム睡眠周期を予測してブラウン管テレビの電源を入れ、ボウッという音が鳴り響く瞬間、それはかなりの緊張感だった。

黒木くんは中学で再会すると、母親の教育の反動でグレていた。それもまた人生。

何かを幻視しながら遊んだブレスオブファイア2

1997年当時、当時はすでにPSは発売していて3年、 ゲーマー達の主戦場は PS と 64 に移行しつつあった。小学校低ではPSを手に入れる財力がないことが多かったのだが、この当時、学校内で友達の兄弟のやらなくなったゲームの貸し借り市場というものが成立していた。そこに参入できればスーパーファミコン後期の名作をほぼ無料でプレイできるという環境だった。

そこで手に入れて遊んだ中に DQ5,6/FF4,5,6/クロノトリガー/聖剣伝説3/ライブアライブ/バハムートラグーン/大貝獣物語2/タクティクスオウガ/伝説のオウガバトルがあったのは覚えている。ただ、自分の所有ではないので、できるだけ急いでクリアする必要があり、自然とRTAみたいな状態になって、プレイした記憶がやや曖昧である。そういえば、従兄弟から借りたメタルマックス2は結局借りパクになった気がする。

小4のとき、親の友達で自分より年長の男の子(確か中学1年生)がいる家に何日か預けられた。そこで年上の彼がプレイしていたのがPSのRPGが、ブレスオブファイア3だった。カプコンのRPGで、これは現代に通じる名作かと言うと結構微妙なラインなのだが、その当時のRPGの水準から言って80点ぐらいの良作といっていい出来ではあったと思う。

ブレスオブファイア3を後ろから眺めていて、自分はこれが刺さった。何が刺さったかと言うと、まず3DのRPGを見たのが初めてだったというのもあるのだが、主人公がドラゴンに変身して戦うというのが中二心(※当時10歳)に刺さった。キャラクターごとに師匠を選んで自分好みのビルドに成長させることができるのも面白かった。これは自分がローグライクでビルドを作る原体験になってそうではある。

そこで自分が遊んだのがブレスオブファイア3... ではなく、自分が遊んでるから貸せないと代わりにこれと渡されたブレスオブファイア2 で、なぜかこれを長期間遊んだ。

長期間遊んだ理由は、面白かったから、というより妙な高難度と異様なエンカウント率、不親切なイベント導線で次に行く場所がわからない、という諸々の理由だった。単体でみるとクソゲーに踏み込みかけているのだが、自分はブレスオブファイア2に未プレイのはずの理想化されたブレスオブファイア3のイメージを重ねていて、よくわからない補正が掛かっていた。あの神ゲーのはずのブレスオブファイア3の前作だ、と。

ゲームはそれ単体で成立せず思い出補正で語られてしまうとはよく言うが、当時はまだ遊んですらないブレスオブファイア3への憧れでブレスオブファイア2を遊んでいたように思う。

ブレスオブファイア2で未だに覚えてるのが、キャラクターに各属性のシャーマンを組み合わせキャラクター性能を強化する合体変身という要素があるのだが、これは戦闘中に瀕死になると解除されてしまう。常軌を逸した糞長ラストダンジョンの途中で合体変身が解けてしまい、その度に共同体に戻って合体しなおすのが許せねえ、という記憶がある。

アスパー+水のきのこアスパー強いから維持したいじゃん。ニーナはきりょくでMP回復使いたいから炎+風の合体変身すると逆に使いづらくない?

その後、PSとブレスオブファイア3も無事手に入れて自分でクリアした。やり込んで全キャラの最強武器を集めた。パワー・トランスのジーンのウォリアーはコスパがよくて強いし、必中クリティカルのシャドウウォークは強い。最強という設定のカイザードラゴンは燃費悪すぎる。女神ミリアはカス。ティーポは仲間になってくれよ。グミオウから1/256で盗めるグミオウの剣つらすぎる。モモの大砲は当たらない。

なんやかんやの体験を経て、ブレスオブファイアシリーズはよくわからないけどすごいというイメージが確立した。この作品に俺はついていくぞ、と。

ブレスオブファイアを経験した結果、自分のゲームに対する価値観が変わったと思う。世間一般で有名でない作品も、俺はきっと好きになれる作品があるし、俺はきっとこういうのが好きなんだ、と。

ちなみに、当時の同級生でブレスオブファイアシリーズを知ってるのは、誰一人いなかった。学校で俺だけブレスオブファイアへの愛を語る人になっていた。

余談: 一般的なブレスオブファイア2, 3の評価

自分は思い出補正がかかりすぎてまともに語れないので、ゲームカタログ@Wiki から引用する。

ブレスオブファイア2

https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3583.html

ブレス オブ ファイアの正統進化系で、細かい粗さはあるものの前作より安定したゲームバランスと整えられたシステム、生き生きと描かれたキャラや印象に残るシナリオによってシリーズファンの中でも、特に人気のある一作である。

ブレスオブファイア3

https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3849.html

明るいタッチで描かれたコミカルなRPG。知らない人は第一印象でそのように感じるだろう。 しかし実際のストーリーは深く、重い。特殊な存在に生まれついた主人公の運命をたどる物語は、仲間たちや存在感溢れる脇役に彩られ、プレイヤーの心境に深く訴えかけてくる。 かと思えば、迫り来る世界の危機をよそに、趣味の釣りに打ち興じたり妖精さんと戯れたりしてもいい。この巧みな緩急のつけ方が本シリーズの持つ不思議な魅力の1つである。 多少の粗はあれど、シリーズの色を濃く濃く反映させつつ全体的なパワーアップを図り、見事に成功を収めた名作である。

その後のブレスオブファイアはどうなったか

  • ブレスオブファイア4: 3路線の後継作。おそらく完成度自体は3のが上だが、4は4にしかない味がある。https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/16564.html
  • ブレスオブファイア5: 全滅すると強制的に強くてニューゲームにされるという尖った作品で一時期500円でワゴンゲームとして名を馳せた。後年ゲーム性自体はしっかり評価されている。とくにラスボス戦の演出からEDに至る流れが素晴らしく、ゲームで好きな演出を一つ言えといわれたらこれを挙げる。ただ、売れなかったので実質的にシリーズにトドメを刺した戦犯ではある。
  • ブレスオブファイア6: ソシャゲで出て爆死したらしい。まったく知らない。

ブレスオブファイアはカプコンのRPGなので、他のカプコンゲームへの共通の設定が散見される。わかりやすい影響がモンスターハンターシリーズへの影響なのだが、ストリートファイター6も一部オマージュが見られる。

  • モンスターハンターシリーズ
    • 大砂漠に砂竜がいるというモチーフが頻出する
    • 竜人族 / 獣人族
    • にゃんにゃん棒はブレスオブファイア2のリンプーの武器
    • ドラゴンのデザインのセンスがかなり似ている
    • 通貨がゼニー
  • ストリートファイターシリーズ
    • 主人公の名前が同じくリュウ
    • ブレスオブファイアはシリーズ通して相棒がボッシュなのだが、ストリートファイター6のワールドツアーのボシュはおそらくこれ。ボシュの妹ユアもブレスオブファイア2の主人公の妹の名前
  • ドラゴンズドグマ
    • とくに設定の類似点はないが、俺が勝手にブレスオブファイアの遺伝子を感じている

カプコンのそれぞれのタイトルにその遺伝子が残っている。それがブレスオブファイアというシリーズ。

その後のRPG体験

1998年、小4でPSを手に入れた後もスクウェアのRPG黄金期だったので、順当にスクウェアの名作をプレイしていった。 特に記憶に残ってるのは FF7,8,9,タクティクス,ゼノギアスあたり。近所のゲオで中古で1000円切った作品を漁っていた。デュープリズムとかレガイア伝説とか、覚えてる人いるんだろうか?

2001年の中学1年生、お年玉で PS2 を手に入れて、そしてFF10を遊んだ。これもなんてすごい作品なんだ、この後はこんなRPGがたくさん出るのか!と期待に旨を膨らませたが、結論から言うと RPG の黄金期はここで終わったように思う。PS2, PS3 時代は小粒な作品はあったが、結局FF10を超える作品はなかった。強いて挙げるなら、真・女神転生3ノクターンマニアクスぐらいだろうか。

ブレスオブファイア2,3 を教えてくれた彼は、後にセガ派に転向してグランディアやパンツァードラグーンを薦めてくれたが、結局自分で買うことはなかった。

PS2~PS3 のRPG不毛時代

大作志向でグラフィックがリアルになった結果、JRPGが時代にそぐわなくなっていった。この時期リアル系のRPGは個人的にハズレがばかりだった。ゼノサーガ、ダーククラウド、ロストオデッセイ、エンドオブエタニティ。

PS2-PS3 が不毛な間、自分が楽しめるRPGは、アトラスのDS-3DSの作品群だった。世界樹の迷宮やデビルサバイバー、真・女神転生ストレンジジャーニー。

とはいえ、中高生や受験を挟んでゲームをあまりやらない時期だったのだが、久しぶりに時間を挟んでRPG楽しいと思えたのが Wii のゼノブレイド。あとはまあ、順当に話題作をプレイしているがここでは割愛する。最近はJRPGが再評価されていて、供給が復活してきた。近年だとやっぱりペルソナ5が完成度が高いと思う。

なんでこの記事を書いたのか

最近、スト6が流行って古の格ゲー勢がゲーセン時代を語るみたいな動画が増えている。

自分は格ゲーはほとんどやらなかったのだけど(とはいえ当時の小学生の教養としてスト2とKoF95~96の経験はある)、当時何やってたっけ、って思い出したのが今回の記事の内容になる。

そして、カプコン超選挙がちょうど発表された。

https://captown.capcom.com/ja/super_elections/1

カプコン総選挙で、カプコンゲーで好きな作品ランキング10位がなんとブレスオブファイア3だった。あのゲームをやっていたのは俺だけじゃなかったんだ!黄泉の国から竜の戦士たちが還ってきた!

そして、カプコンへの不満・要望の第一位が、「過去のIP(シリーズ)を復活させて欲しい!」

ここから導かれる必然は、一つしかない。そう「ブレスオブファイア新作」である!!!!!!!!

カプコン様、モンスターハンターのRPG出してる余裕あるんだったら、ブレスオブファイア最新作出してくれ頼むお願いします。ナンバリングはいいイメージないから、タイトルは「ブレスオブファイア」で。なんかそういうタイトルセンス最近多いよね。DOOM とか。

聖剣伝説といい、ナンバリングでコケたタイトルでシリーズが止まるの、いつももったいないなと思っている。

おわり

最近の若い子は VTuber を通してしかRPGというジャンルを知らないんじゃないかと思うことがある。それも結局、俺等の世代の厄介視聴者が若い子におっさんの好きなゲームを無理矢理やらせてるんじゃないか? と思ってしまうことがある。

ゲーム、とくに過去に名を馳せた作品というのはそれ自体の品質より、思い出補正が強いのだが、それはこういう思い出の共に語られている、というのを今日は書いた。

大人になってやり直したブレスオブファイア2は、やっぱりそれは本当にしんどいゲームだった。エンカウント率高すぎ。

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