宮崎浩さん(41)は、大手家電メーカーに勤めるサラリーマン。妻と5歳になる子供がいます。最近の悩みは、忙しい仕事、子育て、それに...自分の健康のこと。 実は浩さん、会社の健康診断で「脂肪肝」と診断されたばかりなのです。
「肝臓の数値が高く、脂肪肝になっています。食事に気をつかって、 もっと運動をし、体重を落とすことですね。」
学生時代はスリムでモテていた浩さんも、いまはや身長168cm、体重80kgの肥満体型。仕事の忙しさから健康のことは後回しで過ごしていたけれど、ついに向き合わないといけないときが来てしまったようです。
「脂肪肝?ああ、俺も言われたよ。けどそれっきり。あれって、 痩せれば治るみたいだし、いまんところ症状もないし。お酒も毎日この通りさ。」
そ、そっか。なんかお医者さんは、脂肪肝のことを怖い病気って脅してきたけど、 意外に放っておいても大丈夫なものか、ああよかった、今日も焼き鳥がうまいぞ!
これではいけません...。脂肪肝はなぜ怖いのか、ぜひ浩さんに教えてあげましょう。 あてはまるもの全てにチェックを入れてください。
- 脂肪肝は肝硬変や肝がんになることがある
- 脂肪肝は痛みを伴う
- 生活習慣病は脂肪肝からはじまる
実は脂肪肝は、肝硬変や肝がんに発展する病気であり、かかってしまってもそのまま自覚症状なく過ごせてしまうからこそ、恐ろしい病気なのです。 また、大酒飲みだけがかかるものではなく、生活習慣次第で誰しもがなってしまう病気なのです。 それでは、脂肪肝が、いったいどのようなものなのか、そして、なぜ恐ろしいのか、考えてみましょう。
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が蓄積する病気です。栄養・カロリーを消費する以上に摂取しすぎると体は肝臓に脂肪としてエネルギーを蓄積します。脂肪として肝臓に蓄積される際、細胞は死んだり炎症を起こしたり変異を繰り返します。 脂肪を蓄えるのは、飲酒でも起こりますが、食べ過ぎや運動不足によっても起こります。このため、脂肪肝は大酒飲みだけの病気ではありません。
細胞の破壊が恐ろしいのは、破壊が続くと細胞がどんどん硬くなっていくことです。これを肝硬変といいます。硬くなった細胞は2度と元に戻ることはありません。そして、肝硬変になると、体のむくみやだるさ、最後には肝がんになってしまうリスクがあります。
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肝がんになるリスクがある脂肪肝には、自覚症状がありません。普通に生活していても、痛くもかゆくもありません。これは実は恐ろしいことです。 少しでも体に不調があれば、治そうと思ったり意識したりすることができるかもしれませんが、自覚症状がなければ、治そうと思わず、気づいた時には肝硬変になってしまうかもしれません。繰り返しになりますが、肝硬変は、一度なると治りません。
脂肪肝にかかるような生活習慣である場合、他にも脂質異常症や糖尿病になるリスクがあります。糖尿病になると、一生薬を飲み続けなければなりません。
この情報を知った浩さんは、やはり考えなおしました。
「麻由美(妻)、俺、そろそろダイエットしなきゃいけないかも。 医者に言われたんだ。脂肪肝、放っておくとおくとがんになるって。 翔太(息子)のためにも、俺はやらないとな...。」
浩さんやあなたはまだ関心期といって、「やらなきゃマズイかな...」と 関心を持ち始めた段階です。 今は治療プログラムを少しずつ進めて、脂肪肝がどんなもので、 どうやって治していけばよいか、知っていくことが大事です。 1日2つの治療プログラムを進めていきましょう。それが、脂肪肝治療への近道です。
- 脂肪肝は、肝硬変や肝臓がんといった、治らない病気への入り口
- 症状がないからといって油断してはいけない
- 今は関心期。治療プログラムを進めよう。