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研究室のビジョン,ミッション,行動規範について

研究室のビジョン,ミッション,行動規範について

この文書は,山本祐輔の研究室におけるビジョン,ミッション,行動規範について記したものです. 不完全な部分もあるため,今後更新されることもありますが,ここに記したものが山本の研究室の活動哲学となります. 研究室内で行われるすべての活動は,このビジョン,ミッション,行動規範をもとに決定・評価されます.

ビジョン

未来の多様性を高める

情報技術の進歩によって,これまで時間のかかっていた様々なことを効率よく行えるようになりました.難しい字を書きたい時は,辞書を引かなくてもカナ変換システムが文脈に応じた漢字を教えてくれます.何か知りたいこと,分からないことがあれば,検索エンジンにキーワードを入力するだけで,知りたい情報を瞬時に得られます.SNSや知恵袋サイトに質問を投げれば,誰かが答えをくれます.最先端の機械学習技術(AI技術の1つ)を駆使したサービスには,私たちが気に入りそうな・必要となりそうな情報を予想し,必要なタイミングでお薦めしてくれるものもあります.

今日,AI技術を含む情報技術の画期的な進歩によって,情報の生成・探索・表現・蓄積・編集・発信など,様々な情報処理が楽にかつ効率よく行えるようになりました.これによって,情報処理にかかっていた時間やエネルギーが,他のことに使えるようになりました.しかし,余分な時間やエネルギーが生まれたことによって,クリエイティブなことをする機会が増えたでしょうか.より効果的な意思決定ができるようになったでしょうか.

確かに,最先端の情報技術やツールを駆使することで,よりクリエイティブなことができるようになった人もいるでしょう.情報検索ツールをうまく使いこなすことで,必要な情報をかき集め,すばやく意思決定することは可能になっています.しかし,最先端情報技術による情報処理の効率化は,私たちを面倒な作業から解放してくれる,つまり楽にしてくれる一方で,情報処理の過程でじっくり頭を使う機会を奪っています.考える機会を奪うどころか,考えることに対するモチベーションすら奪っているかもしれません.

困ったことがあっても,大抵の場合ウェブを探せばすぐ答えが見つかります.ですから,ワザワザ自分で解決策を考えたり,必要な情報が何でどこにあるのかを考えることを億劫だと感じる人がいても不思議ではありません.「考えること=クリエイティブな活動」と考えると,情報処理の効率化によって,現代人は過去の人々よりも博識になりえはしても,クリエイティビティを発揮する機会が減っているのかもしれません.

効率化とは最適化です.最適化は,余白やノイズを無駄とみなし,それをできる限り小さくしようとします.最適化は,私たちを(私たちが思い描く)理想の状態へともたらしてくれます.一方で,最適化は,余白やノイズによってもたらされていた「寄り道」や「偶然の出会い」の機会を奪います.故Steve Jobs氏が述べているように,偶然の出会いが創造性を育むにも関わらず.

情報処理や情報取得の効率化の弊害は他にもあります.ネット・バカオートメーション・バカでも語られているように,デジタル化や情報処理の自動化によって,私たちの認知能力(の一部)は衰えているという研究報告もあります.カナ漢字変換ソフトウェア(日本語入力システム)の利用によって漢字の覚えが悪くなった気がする,と感じる人は少なくないでしょう.

外山滋比古氏が述べているように,人間の本質はものを考えることにあります.情報技術の進歩によって,私たちは効率化を手にしましたが,それと同時に,ある種の考える力や考える機会(創造する機会)を失っている可能性もあるのです.

変化が激しく不確実性が高まっている社会において,私たちが活力を持って生きていくためには,常識や情報の構図に惑わされず,自分が本当にしたいこと・するべきことを見つけ行動する必要があります.また,人間が持つ「考える力」や「創造性」を発揮して,未来社会の多様性を高めることが重要であると考えます.

ミッション

"Slow Informatics"のコンセプトのもと,情報技術による自動化・効率化が進む社会において,人々に気づきを与え,じっくりと情報処理を行う機会を提供する情報インタラクション技術や方法論について研究を行う

自分の行動や言動,考えをゆっくり振り返る(内省)することでこそ,自分が本当にしたいこと・するべきことを見つけられるのではないか.じっくりと時間をかけて対象と接することでこそ,人は「考える力」や「創造性」を発揮・鍛錬できるのではないか.私たちの研究室では,Slow Informaticsというコンセプトのもと,情報技術による自動化・効率化が進む社会において,人々に気づきを与え,じっくりと情報処理を行う機会を提供する情報インタラクション技術や方法論について研究開発を行っています.具体的には,以下のテーマを軸として研究を行っております:

  • 先入観に囚われない,注意深い情報探索
  • クリエイティブな作業・知識獲得活動を刺激する情報インタラクション
  • 内省・集中・共感のための情報インタラクション
  • じっくりとした活動を行うための精神的健康の促進

Slow Informaticsの研究開発には,分野横断的なアプローチが求められます.私たちの研究室では,情報検索,データマイニングや機械学習,HCI,ウェブサイエンスといった情報学の知見に加え,心理学,説得工学(行動変容技術),行動経済学といった分野の知見を取り入れながら研究を進めています.

行動規範

未来の多様性を高める知的な野蛮人たれ

  1. 未来に寄与する活動に自らも参加していることを自覚する
  2. 答えではなく問いにこだわる
  3. 常識を疑う.最先端より未踏にこだわる
  4. 考えるのではなく,考え抜く
  5. 人と比べない.自分と戦う.
  6. 自ら省み,自ら修める
  7. 素早く失敗し,素早く学ぶ
  8. 1つのことにこだわりを持つと同時に興味のアンテナを広げる
  9. 研究室メンバーを尊重し、切磋琢磨する
  10. 学んだことは積極的に他者と共有する

その他、良き大人としての行動規範

  1. 挨拶をする
  2. 約束を守る
  3. 何事にも誠実であれ
  4. 積極的にメモを取る
  5. よく遊び,よく学び,よく働く
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