Created
March 22, 2016 04:20
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ゲームの面白さ考察2
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1.既存理論と構造化IRFモデル | |
○既存理論として、MDAフレームワークを取り上げる | |
・この理論は、ゲームを | |
・Mechanics ルール | |
・Dynamics 展開 | |
・Aesthetics 面白さ | |
の、3層構造で記述する枠組み | |
※面白さの分類に、理論的な根拠はない。 | |
○構造化IRFモデルとは? | |
・面白さの要素を | |
・Influence | |
・Reward | |
・Fictionality | |
の3つに「理論的」に分類し、ゲーム全体の「目標の構造」と結びつけたモデル | |
2.ゲームとは何か? | |
○「ゲームプレイ」と「ゲーム」の定義 | |
・能動的活動 | |
→なんらかの「目標」を達成することを意図して事物や他人・自分に「影響を与える」活動 | |
例)労働・学習・ゲームなど | |
・ゲームプレイ | |
→「能動的活動から生まれる」面白さ・楽しさ・気持ち良さ | |
・ゲーム | |
→「苦痛・労力を抑えながら、大きな「ゲームプレイ」を生み出す」ことを | |
「意図してデザインされたシステム」 | |
※つまり、ゲームとは、「目標」を達成するまでの道筋を楽しませるように意図してデザインされたシステムと言っていい。 | |
3.ゲームの面白さとは?(IRFの話) | |
▼基礎的なゲームプレイの分類 | |
○インフルエンス(Iの話) | |
→自分の行動が、ゲームに強く「影響を与えている」ように感じられる事 | |
・インフルエンスの分類 | |
・インタラクション | |
→「現在の自分」が、ゲーム内の事物へ影響を与える操作と反応 | |
・操作のインタラクション | |
→「対象を操作すること」自体に、整理的な気持ち良さがある | |
例)プラットフォームゲーム | |
・波及のインタラクション | |
→操作による影響が、直接的・間接的に「多くの物に波及」する | |
例)物理パズル | |
・コミュニケーション | |
→「他のプレイヤー」への、ゲーム内の事物へ影響を与えるやりとり | |
・敵対型コミュニケーション | |
→敵、または敵である可能性のあるプレイヤーとのやりとり | |
→特に、得られる情報に差がある場合 | |
例)ポーカー | |
・友好型コミュニケーション | |
→味方である事がわかっているプレイヤーとのやりとり | |
例)TRPG | |
・ストラテジー | |
→「将来の自分」の、ゲーム内の事物へ影響の与え方を画策する思考 | |
・ゲーム型ストラテジー | |
→「明確な目標」が与えられている。その、与えられた目標の達成を目指す | |
例)将棋・囲碁 | |
・トイ型ストラテジー | |
→明確な目標が与えられていないか、非常に緩い | |
例)サンドボックス的な要素 | |
○リワード(Rの話) | |
→目標を達成する事でもたらされる事態が、「魅力的」に感じられる | |
・主要なリワード | |
・解決へのリワード | |
→不安定・不明・中途半端な状態が解消される | |
例)宝探し、パズル(複雑な物は、ストラテジーも含む) | |
・破壊へのリワード | |
→何かが破壊される | |
例)シューティング | |
・賞賛のリワード | |
→自分の成果を高く感じられたり、自己陶酔感を得られたりする | |
例)ソーシャルゲーム、音楽ゲーム | |
・成長のリワード | |
→プレイヤーの影響力が強まる | |
例)RPGのレベルアップ | |
・実益のリワード | |
→プレイヤーの現実世界にとっての利益がある | |
例)脳トレ | |
○フィクショナリティ(Fの話) | |
まず、「虚構世界」という話を理解する | |
・虚構世界 | |
→「地球が宇宙人に攻撃されている」「ルイージはマリオの弟だ」などの、現実世界ではない別の世界の話の事 | |
・フィクショナリティとは | |
→この「虚構世界」への関心に由来するゲームプレイの事 | |
・主要なフィクショナリティ | |
・愛好のフィクショナリティ | |
→影響を与える対象を、プレイヤーの好きな物に見立てたり、 | |
影響の家庭を、プレイヤーの好きな事に見立てたりすること | |
例)育成ゲーム、スポーツゲーム、魅力的な世界を舞台にしたゲーム | |
・物語のフィクショナリティ | |
→プレイヤーの行動に物語上の意味を持たせる | |
例)ノベルゲーム | |
・体験のフィクショナリティ | |
→虚構世界が自分自身の出来事として、リアルに感じられる | |
→日本における、所謂ナラティブ | |
□個々の面白さは、どこから生じるか | |
▼目標の種類 | |
○主目標 | |
・ゲームへ参加する時点で意識される、一回のプレイングの目的 | |
例)麻雀え試合終了時に1位になること | |
○明目標 | |
・開始と終了のタイミングが明確である目標 | |
→主目標は、ほとんどの場合明目標に分類される | |
例)アクションゲームで、ステージの一つをクリアすること | |
○暗目標 | |
・開始と終了のタイミングが明確でない目標 | |
例)アクションゲームで、ステージに含まれる関門の一つをクリアすること | |
▼目標間の関係 | |
○上下統合(上目標/下目標) | |
・下目標を繰り返し達成することで、上目標が達成される | |
※下目標A1が完了→下目標A2が完了ーーー上目標が完了 | |
例)「麻雀で一曲ごとにできるだけ高い点を取ること」と「試合終了時に一位になること」 | |
○前後統合(前目標/後目標) | |
・後目標の達成には、先に前目標を達成する必要がある | |
例)TCGで「強いデッキを構築すること」と「試合で勝つ」こと | |
○進行型統合 | |
・上目標を達成するために下目標の評価関数が単純 | |
・後目標を達成するために前目標の評価関数が単純 | |
→メリットとして、プレイヤーの行動への評価を即座に明確にフィードバックできる | |
→リワードを最大限に生かせる | |
例)麻雀の一局と一試合 | |
→試合でトップになるためには、一局ごとにめざす効果は、自分とトップの得点差くらいを考慮すればほぼ問題ない | |
○創発型統合 | |
・上目標を達成するために下目標の評価関数が複雑 | |
・後目標を達成するために前目標の評価関数が複雑 | |
→メリットとして、インフルエンスを大きくする | |
→とりわけ、ストラテジーには必須 | |
例)麻雀の一巡と一局 | |
→トップとの得点差を小さくするために、一巡ごとにめざす結果には、複雑な判断基準が必要となる | |
▼目標の機能 | |
○目標の機能の分類 | |
1.主目標 | |
2.コア目標(ゲームプレイに直接結びついた目標) | |
3.コア統合(ゲームプレイに直接結びついた統合を構成する目標) | |
4.成長のリワードが寄与する統合を構成する目標 | |
5.メタ目標(主目標を繰り返し楽しめるようにする上目標) | |
6.一つの上目標に対する下目標が、多くなりすぎないよう、間を挟む目標(メリハリをつける) | |
など、他にもあるかも。 | |
▼構造化IRFモデルと、既存理論の接続 | |
EMSフレームワーク ー アイディア | |
・手段と目的の構造でゲームを言い表す | |
・ゲームデザイン初心者でも、ゲームのアイディアを出すことができる | |
MDAフレームワーク | |
・ゲームをルール・展開・面白さの3層構造で捉える | |
・狙っている面白さを、具体的なアルゴリズムやデータに落とし込むことができる | |
EMSでアイディアを出し | |
IRFで面白さの種類と目標の構造を明確にし | |
MDAで想定されるプレイング展開とアルゴリズムとデータを想像・設計する | |
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