学生の多くは「論文は研究がある程度進んで,実験結果も揃ってから書くもの」と思っていることでしょう.その姿勢ではいつまで経っても論文を書き始められません.研究は常にon-goingなものですから,完成はありません.また,研究の経験が少ない学生の場合,ある程度の結果を出すための時間,論文を完成させるのかかる時間の見積もりがまだうまくできないため,論文を書き始めるタイミングが遅く,結果的に文章としての完成度が低い論文ができあがってしまうことが往々にしてあります.
学生の皆さん,論文を書く目的を改めましょう.卒業・修了するためには,卒業論文・修士論文を完成させる必要があります.卒業論文・修士論文を完成させるためには,研究を行う必要があります.論文を書く目的は研究を進めるためです.書くという作業は,頭の中にあるモヤモヤに言葉を与える作業です.書くことによって,考えていることを構築,発見,認識できるのです.考えるために論文を書く.書きながら考え,研究を進める — このように考えて,今日から論文を書き始めましょう.
やまもと研究室に所属している学生は,Google Driveの「共有ドライブ > Shared > Documents > 研究を始めた時点から書き始める論文フォルダ」に配置してある「研究を始めた時点から書き始める論文Template」を同じフォルダにコピーしてください.そして,ファイル名を「氏名」に変更してください.以後,そのファイルの中身を追記・修正していけばOKです.
- 「研究を始めた時点から書き始める論文」は更新するのが前提です.研究を進めながら,内容や表現をブラッシュアップしていきます.初期の頃はクオリティは低いことは当然ですので,現時点で書けることを精一杯考えて書きましょう.
- 箇条書きだけの文章はできるだけ控えましょう.主語・述語をそなえる文を書くことによって,考えが不足している点,補強すべき点,曖昧な点が浮き彫りになります.
- 研究や論文は批判に曝されて育ちます.毎回の研究会では,執筆中の「研究を始めた時点から書き始める論文」を印刷・配布してください.研究室メンバーに読んでもらいましょう.定期的に見せることで,教員が添削する負荷も減ります.