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@voluntas
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時雨堂を支える製品戦略

時雨堂を支える製品戦略

更新

2024-04-16

作者

@voluntas

バージョン

2024.1

URL

https://voluntas.github.io/

概要

時雨堂がどんな戦略で会社を経営していたり自社製品を作っているか、 毎回打ち合わせのたびに伝えているのが面倒になってきたので公開しておくことにする。

基本戦略

自社のリソース以上の無理をしない

  • 自分 (@voluntas) が興味を持てるかどうか
  • その分野で技術的に知られている会社になる
  • 絶対に カスタマイズを受けない
  • 目先の利益に走らない
  • 稼働保証のある 有料 自社サービスは提供しない
  • 仕事を選ぶ

製品戦略

時雨堂の創業者である自分 (@voluntas) が作りたいものを作る 以上だけだと微妙なので ...

自社パッケージ戦略

ステートフルまたはステートレスな Relay/Proxy/Gateway/Broker

  • 特定顧客をターゲットにした製品を開発しない
  • オープンなプロトコルをベースに製品を開発する
  • サービスのパーツとなる製品を作る
    • ソリューションという形での提供をしない
    • ソリューションはお客様に担当して貰う
  • 起点となる技術を選定し、そこから派生させる
    • WebRTC であれば シグナリングサーバから TURN サーバ、そして SFU など
  • 利益を後回しにし、安定性や品質を重視する
    • 小さな会社なので利益を優先するとどうしても品質が犠牲になるため
  • 継続的開発を重視するため、積極的にバージョンを上げていく
  • まずは期限付きのお試し版を利用して貰う
  • テスト自動化を行う

自社有料サービス戦略

パッケージ製品の弱点を補う

  • 自社パッケージ製品を できるだけそのまま 提供する
  • 自社パッケージ製品に簡単に切り替えられるようにする
  • 自社製品以外の機能を提供しない
  • メンテナンスによるサービス停止をできる限り行わない

自社無料サービス戦略

試して貰うまでの距離を縮める

  • 開発者が気軽に自社製品を 無料 で利用可能なサービスを提供する
  • 自社パッケージ以上の機能を提供しない
  • 運用保証をしない

自社オープンソース戦略

製品までの距離を縮める

  • ライセンスは Apache License 2.0 を採用する
  • 自社製品の SDK やサンプルなどを公開していく
  • 積極的に fork して使って貰えるようにシンプルな仕組みにする
  • オープンソース製品で利益を考えない
  • 有料サポートは基本行わない

広報戦略

時雨堂の広報戦略はとてもシンプルだ。基本はインターネット上でのアピールのみ。

技術資料

Gist を利用し 継続的に更新される 技術資料を公開し続ける。さらにその一番下に自社製品の広告を載せる。

とにかく最新の情報に追従することで定期的に訪れたい資料にする。

製品のウェブサイト

必要な情報をできるだけ多く

デザインはシンプルにする。

製品サイトは問い合わせしなくても、 サイトで一通りの事がわかるようにするのが良いと考えている。

情報を少なめにして問い合わせを待つのは小さい会社ではコストが高いからだ。

またお問い合わせフォームは用意しない。 本当に必要があればメールアドレスさえ公開しておけば連絡してきてくれる。

サイトを定期的に更新していくのも大事。

営業向けのイベントには出店しない

営業向けイベントは時間の無駄。技術者はぐぐって、開発者ログを見つけてくれるはず。

イベントに出るなら技術者向けで、人材会社が関わっていないイベントのみ。 さらに自社製品のアピールではなく自社製品で利用している技術をアピールする。

後、既存顧客へのメールでのお知らせとかもやらない。自分がもらったら、うざいので。

製品の開発ログ

ノーガード戦法

これが他社とは違う。基本的に開発前からどんなものを作るかを公開しておく。 定期的に実際にどこまで開発したかを公開することで、興味ある人が完成前に声をかけてきてくれる可能性もあるからだ。

この開発ログは GitHub の Gist ベースで書いているのだが、実際にここを見て連絡をしてきてくれた人は多い。

時雨堂 WebRTC SFU Sora 開発ログ

販売戦略

競合相手に販売する

一番最初に確認するのがこれ。製品がそこそこ大きめをターゲットとしていることから、顧客にとっての競合がいる場合が多い。 顧客の競合にも販売するし提携もするという話をする。

採用実績公開前提

採用事例を貰えない場合は製品のお値段を高めに。

サポートコストを意識する

担当技術者との意思疎通が難しい場合はサポートコストが跳ね上がる可能性があることを意識する。

売り上げ優先すると、この罠が待ってる。 そのため、担当技術者のスキルを確認し、契約時の条件として盛り込む。

電話対応はしない

メールまたは専用サイトでの問い合わせのみに絞る。

技術支援は自社製品の顧客にのみ提供する

WebRTC の技術支援だけは行わない。あくまで自社製品を買っていただいている顧客にのみ有料で提供する。

オープン価格にしない

値段がよくわからなくて、不便なのが好きでは無いので。

参考

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